公益財団法人日本体操協会「日本代表選手・役員の行動規範」

公益財団法人日本体操協会「日本代表選手・役員の行動規範」
【趣旨】
「体操ニッポン」という称号は長い栄光の歴史の中で、先人たちの競技成績だけでなく行動により培われたもの
である。一部の選手や役員の行動により、先人たちが築き上げた栄光の歴史を汚す行為は決して許されない。
そして、日本代表選手・役員はスポーツにおける公正の精神とマナーを尊ばなければならない。
この規範は、前述のことを達成するため、あるべき日本代表選手・役員としての行動を明確にすることを目的とし
て示すものである。
【基本方針】
1、日本代表選手・役員は日本国民を代表するにふさわしく、礼儀と規律を遵守し、社会の模範となるべき選手・
役員であること
2、日本代表選手・役員は積極的に各国との友好と親善に寄与すること
3、日本代表選手・役員は日本国民の期待に応えるべく、飽くなき向上心を持った選手・役員であること
【行動規範】
1、違法行為は行わない
2、反社会的勢力との関わりを持たない
3、日本代表選手・役員としての名誉と信用を損なうような行動、発言をしない
4、日本代表役員は選手の支援に全力を尽くす
5、主催団体ならびに実行委員会に対し、非礼にならぬようマナーに気をつける
6、国旗掲揚時には、脱帽、起立のうえ国旗に向き、敬意を表する
7、日本代表チームとしての公式行事、競技会に参加する際は、指定された内容(衣服等)を厳守する
8、日本代表チームの活動(競技会、合宿、練習、ミーティング、記者会見、壮行会、挨拶廻り、祝賀会等)には必
ず参加し、定められた時刻(集合時間、門限、等)を厳守する
9、日本代表チームとしての活動の場所においては、20 歳以上であっても喫煙は禁止する
(2016 年度から数年かけて段階的に全面禁止とする)
10、日本代表チームとしての活動の場所においては、20 歳以上であっても飲酒は禁止とする
11、日本代表チームとしての活動の場所においては、選手・役員は異性の部屋への出入りを禁止する
12、未成年者の無断の単独行動は禁止する
13、品位を損なう華美な身体装飾(刺青等)は禁止する
14、「アンチ・ドーピングに関するガイドライン」、「メディア活動に関するガイドライン」、「肖像権に関するガイド
ライン」を遵守する
15、日本代表チーム監督の指示は遵守する
16、(公財)日本体操協会からの依頼については協力を惜しまない
17、前述の行動規範以外にも社会通念上,問題となる行為はしてはならない
※これらの行動規範の一部は、日本代表チームの監督の許可を得て可能とする
【違反選手・役員に対する処分】
日本代表選手・役員が、前記の行動規範に違反した場合は、本会「倫理規程」所定の手続きによって処分を
科する
アンチ・ドーピングに関するガイドライン
皆さんがご存知の通り「ドーピング」は禁止されており、基本的なルールを理解して「ドーピング」をしようとする
悪意がなくとも、アスリートとしてきちんとした対応をしなかったためにドーピング違反になってしまうことがありま
す。
2015 年の世界アンチ・ドーピング規程の改定に伴い、「厳格責任」と「証明責任」というものがアスリートに求め
られるようになりました。
「厳格責任」…禁止物質が存在した場合は、アスリートの過失の有無に関わらず、アンチ・ドーピング規則違反と
なること。つまり、口にするもの全て、自己責任であることの再注意喚起です。
「証明責任」…アンチ・ドーピング規則を守っていることを、アスリート自身が証明すること。
今後は、今まで以上にアスリートがアンチ・ドーピング規則違反を生じた場合は厳しい対応がなされ、4 年間の制
裁期間が標準化されます。
つきましては、以下のことを良く読んで熟知して下さい。
【TUE(治療使用特例)について】
適切な医療を受ける際に、病気や怪我の治療を目的として禁止物質や禁止方法を使用する場合には、決め
られた期間までに TUE を申請し承認されれば、特例としてその使用が認められるものです。
同じアスリートでも、競技レベルによっては遡及的 TUE(後出し TUE)で対応可能な場合がありますが、多くの
競技者が「RTPA※」に該当する日本代表選手は、TUE の必要がある医薬品に関して常に十分な対応をするよう
にして下さい。 治療を受ける際には、医師や薬剤師に、自らがアスリートであり、ドーピング・コントロールの対
象者であることを告げ、ドーピング違反となることがないように十分な注意を払うことを求めて下さい。また、禁止
物質ではないと思って使用している医薬品に関しても(例えば主治医の先生に大丈夫と言われた医薬品でも)、
チームドクターやアンチ・ドーピング委員会、スポーツファーマシスト(薬剤師)、各都道府県の薬剤師会等への
相談、またはインターネットで調べる(「Global DRO」の使用)など、必ず多くの部門に相談・確認をするようにして
下さい。
【居場所情報について】
日本代表選手の多くは、1 日 60 分間の事前登録した時間帯に検査に応じる、居場所情報提出・更新の義務
がある「RTPA※」に該当します。
・居場所情報関連義務違反
1.提出義務違反(提出期日までに居場所情報を提出しなかった場合。提出された情報に不備があった場合。情
報の更新を行わなかった場合。)
2.検査未了(60 分の時間枠(5 時〜23 時)に指定した時間と場所で検査に応じなかった場合(検査員と競技者が
会えなかった場合)。
12 ヶ月の間に 3 回累積して居場所情報の提出や更新の義務を果たさなかった場合、または検査未了があっ
た場合は、制裁期間 2 年の規則違反となります。
注意点:
(1)住所や建物名、そして部屋番号や練習場所など、正確な情報を入力して下さい。部屋番号の情報がなかった
ためや、検査員が入る(競技者に接触する)ことができない場所や時間帯を指定していたことにより、検査員が
競技者に会えなかった場合も、検査未了になります。
(2)60 分の時間枠以外でも競技会外検査は行われます(こちらが本来の抜打ち検査)。60 分の時間枠に指定し
た時間帯と異なり、不在でもペナルティーはありませんが、検査に応じる義務はあります。
【サプリメントに関しての注意点】
・国内外を含め、サプリメントは表示ラベルに記載された成分通りでないこともあります。特に海外のサプリメント
は危険性が高いので絶対に使用しないで下さい。以前にそのサプリメント使用中にドーピング検査を受けて大丈
夫だったからと、継続して同じものを使用していたつもりが、途中で成分が変わっていることもあり得ます。
・サプリメントの摂取は、完全に自己責任となり、TUE(遡及的 TUE 含)の対象となる余地は全くありません。
・仮に、禁止物質の含まれたサプリメントを知人から預かって持っていただけでも規則違反(制裁期間 4 年)にな
ります。
※RTPA(”Registered Testing Pool Athlete”;検査対象者登録リスト・アスリート)は、日本のトップクラスのアスリー
トであり、JADA または国際競技団体(IF)の検査対象者登録リストに掲載されているアスリートです。
RTPA は、ADAMS (”Anti-Doping Administration and Management System”; インターネット上のアンチ・ドーピ
ング管理運営システム)を通じ、居場所情報を提出する必要があります。1 日 60 分間の検査受け入れ時間を登録
しておかなければなりません。登録した時間帯と場所で必ずドーピング検査を受けられる用意をしておかなけれ
ばなりません。アダムスに登録された場所・時間帯を失念し、不在で検査ができないことが 3 回続くとドーピング違
反とされてしまいます。
RTPA としての意識が十分でなく、2012 年では、日本では、居場所情報未提出が 18 件、不在による検査未了が
74 件も生じています。
メディア活動に関する
メディア活動に関するガイドライン
関するガイドライン
1、メディアからの取材要請に対しては、体操発展のために可能な限り積極的に対応する
2、日本代表としての自覚を持ち、誠実で品位ある発言をする
3、他者の批判は慎む
4、チームに不利となる発言は回避する
5、「やらせ行為」及び「誤解」を招く発言は回避する
6、本協会スポンサーのマーケティング活動を阻害するような発言は慎む
7、ソーシャルメディアへの投稿は「見られている」意識をもち、慎重に確認して投稿する
一度公開した情報は完全な削除が出来ないことを認識し、第三者の投稿であっても細心の注意を
払う。ソーシャルメデイアにおける本協会スポンサー以外の商品・ブランドの投稿は、慎むものとする。
投稿可否がわからない場合は、必ず本協会に確認するものとする。
8、意見を述べる際は、必ず一人称で行う
9、役員は選手が主役であることを認識し、意図的なメディア露出は慎む
10、メディアから個別に取材申請があった際は、メディアに対し本協会に事前に取材申請をするよう伝え、
本協会が内容を精査した後、所属の了承を得たうえで、本協会が許可を与えた取材にのみ対応をする
肖像等使用に関するガイドライン
1、本協会が行うプロモーション活動及び本協会が企画する体操の普及・振興活動に協力し、本協会が肖像等を
無償で使用することを許諾する 。
2、国内外での大会への出場及びイベントへの出演時に収められた映像等の著作権は撮影元に帰属する。
したがって、該当する映像の無断での二次使用は禁止する。
所属先にて日本代表選手・役員として肖像等を使用する場合には、事前に本協会に申請し、許諾を得る。
3、本協会が契約している「協会スポンサー」、「大会スポンサー」、「オフィシャルサプライヤー」においては、
本協会と各企業との契約内容に基づき、所属と選手・役員の許諾を得たうえで、本協会が選手・役員の
個人肖像及び団体肖像を広告・販促活動に使用することを許諾する。
尚、広告・販促活動に伴う肖像使用等の対価については、団体肖像(原則3名以上)の場合は無償とし、
それ以外の場合は本協会が各企業との契約内容に準ずるものとする。
4、日本代表選手・役員として指定された行事に参加する際、所属企業を含む肖像等の使用契約が存在する
場合であっても、日本代表選手・役員として活動・行事に参加する限りにおいては、本協会スポンサーが優先
する。
5、日本代表選手・役員としての肖像等使用期間は 2016 年度日本代表発表時から 2017 年度日本代表発表時
までとする。尚、この間に現役を引退した場合にも本ガイドラインが適用される。
公益財団法人日本体操協会
会長 二木 英徳 殿
誓 約 書
私は日本代表選手 ・役員として認定をされました。
認定期間中は日本体操協会の定める以下の規則を理解し、遵守することを誓います。
1.日本代表選手・役員の行動規範(※別紙参照)
2.日本代表選手・役員のメディア活動に関するガイドライン(※別紙参照)
3.日本代表選手・役員の肖像等使用に関するガイドライン(※別紙参照)
4.アンチ・ドーピングに対するガイドライン(※別紙参照)
2016 年
月
日
選手または役員氏名
署名
㊞
署名
㊞
署名
㊞
所属名
所属責任者氏名
保護者 ※未成年の場合