「日経MJフォーラム2016『インバウンド消費をつかめ!~訪日客3000万

MJ 3月25日掲載 「インバウンド消費をつかめ!」採録 15段1割 6校
ICTをフル活用し
基調講演①
傾向はいま、モノからコトへと
ると言葉などおもてなしの準備
増えるだろうが、日本全体でみ
らに多くの国から訪日する人が
伸 び て い る の は ﹁ 体 験 ﹂ だ 。 ス ﹁インバウンド﹂﹁おもてなし﹂﹁プレゼンテーション﹂
×
×
フトも鮮明だ。訪日目的で一番
広がっているが、美容や医療サ
がまだ不十分だ。こうした不備
入りのシールを商品などに添付
ービスを開始した。QRコード
言語対応では昨年末に、新サ
短縮できる。
テムを活用すれば、1∼2分に
かかる作業が生じる。当社シス
が求められ物販以外に8分程度
書類の作成など、煩雑な手続き
税店ではパスポート提示や免税
現場を支援するシステムだ。免
お も て な し と プ ロ モ ー シ ョ
でいく。
るサービスの提供にも取り組ん
手ぶらで買い物や観光を楽しめ
じ め、災 害 時 の 緊 急 情 報 提 供、
で情報を提供するサービスをは
ービスも始めた。今後は街全体
ムで表示するフードピクト・サ
客に対し、原材料をピクトグラ
るアレルゲンや宗教禁忌のある
プレゼンテーション①
コンテンツからプロダクトへ
ービスをどこで受けられるのか
る。一方、モノからコトへのシ
ろもある。所得層の幅も広がっ
のシフトも始まっている。コン
が分からない。レストランでは
慶輔 氏
との触れ合いなどを目的とする
人が増えている。
倍以上になっている。 ﹁素 材﹂だ。地 方 に 行 け ば 海 の
やまとごころ 代表取締役 村山
沸騰するインバウンド市場攻略のポイント
ている。LCCが台頭し、静岡
テンツとは自然や人といった
ポーツ観戦や文化体験、日本人
ャンスがあると考える。
空港は昨年だけで国際便の中国
昌央 氏
ただ、インバウンド市場を攻
路線が
なく食券で簡単に
安心安全であるこ
リ ピ ー ト 率 が 高 ま る に つ れ て、 でも訪日客の動向は変わる。最
に売れるものに仕立てる、編集
して商品化することだ。外国人
ころ、訪日を楽しみにしている
数の中国人観光客に取材したと
今年2月、春節で訪日した複
る声が多かった。
ではないかといった不安を訴え
それ以前に中国語が通じないの
る。
ソリューションを提供してい
に対して、当社はすでに複数の
ば、多言語による説明が画面に
ホ︶でQRコ ー ド を 読 み 込 め
し、客がスマートフォン︵スマ
速させると考えている。
消費を取り込んでビジネスを加
てもらうことが、インバウンド
と。それらを感じ
新情報をアップデートするとと
おもてなしや安心安全サービスの充実不可欠
サトーホールディングス 執行役員 最高マーケティング責任者︵CMO︶小玉
略するには﹁変化﹂を知ってお
食事のできるとこ
ン、そして何より
く必要がある。一つは、訪日客
訪 日 目 的 も 多 様 化 し て お り、 幸、山 の 幸 が あ り 温 泉 も あ る。
ろ が 分 か ら な い。
の多様化だ。訪日客の約6割は
だが、それだけではお金が落ち
いまやマスマーケティングは通
も に 、﹁ 儲︵ も う ︶か る 仕 組 み ﹂ す る こ と が 必 要 だ 。 い い 素 材 は
回 以 上 訪 日 し て い る。 用しない。テロや事件、伝染病
ポスト2020年を不安視す
趣味や好み、訪問先は変わる。
るかなど、人材育成も含め、中
上げ増が期待でき、コスト削減
表示される。このほか食に関す
長期的な視点でインバウンド市
と連動する仕組みのため、非連
その一つが、消費税免税店の
づくりが急がれる。
フォーカスするなどして好評を
め、地域住民や商店街の店主に
品。最小限の端末
ステムをつなぐソフトウエア製
は各種決済サービスとPOSシ
ftWareCAT﹂だ。これ
ービス業ではタブレットやスマ
ったが、近年、エステなどのサ
体︵きょうたい︶のイメージだ
すっきりさせることが可能だ。
の導入も必要なく、レジ周りを
にも対応できる。新たなハード
あるアリペイや銀聯カードなど
の第三者保証決済アカウントで
ットや電子マネー、さらに中国
簡単に行うことができ、クレジ
面で決済に必要な操作をすべて
入力ミスを減らせる。POS画
核に、これからも多くの企業と
接遇サポートも始めた。決済を
当社ではこのほか、パートナ
追加できる。
ョンアップによって決済手法は
の上陸が予想されるが、バージ
ビスや海外の新たな電子マネー
020年に向けて、様々なサー
段を使えるメリットがある。2
Sへ の 二 重 入 力 が 不 要 と な り、 ば、カードなど保有する決済手
博している。
で低コスト化、省
ホによる決済が可能なところが
デバイスいらず、今すぐインバウンド決済!
が 可 能 に な る。客 側 か ら す れ
中国人客に限らず、今後はさ
買 い 物 は 高 級 品 か ら 日 用 品
ジープラス・メディアは19
スペース化を実現
増えている。こうした決済でも
律に捉えず、出身国やバックグ
場調査が有効だが、外国人を一
ターゲット層を理解するには市
社が提案・制作したところ、大
人目線の内容に変更するよう当
ことが課題だった。そこで外国
で発信していたが、反響が低い
を 提 供 す る こ と に よ り 、﹁ ジ ャ
たテーラーメードのコンテンツ
視点でのターゲット層に合わせ
を英語で発信している。外国人
ブサイトを運用し、様々な情報
翻 訳 し てSNS︵交 流 サ イ ト︶ トゥデイ﹂を含め、5つのウェ
を発揮するのが、当社の﹁So
店舗での決済シーンで大きな力
免税店をはじめとするリアル
れまでPOSといえば大きな筐
担当者の負担が軽減できる。こ
このソフトはPOSシステム
導入可能だ。
のツールを手にすることで売り
店側にとっては、マルチ決済
取り組みたい。
ともにインバウンドビジネスに
に非常に魅力を感じているた
時通訳など、訪日
ラウンドによってアプローチが
きな反響を生むようになった。
導入済みのPOSで多様なカード決済が可能
変わるのはいうまでもない。
客に対する店舗の
コンテンツ開発では、外国人
パン・トゥデイ﹂は月間400
をするのは日常的だ。欧米、中
グローバルECサイトで買い物
語 化 や 配 送、多 通 貨 決 済 な ど
越境ECではシステムの多言
円に達する市場と予測する。
ョン課金はあるが、それ以外は
業態を問わず、一部プロモーシ
グにも使える。企業規模や業種
け。商品のテストマーケティン
当該商品のデータを入れるだ
ド・越境ECデータベース﹂に
個 人 向 け に は﹁イ ン バ ウ ン
可能だ。
プラットフォームとしても利用
ョ ー エ ク ス プ レ ス .J P を 活 用
もあるだろうが、まずはトーキ
から海外展開を考えている企業
していないケースも多い。これ
業が少なくないが、海外販売を
日本には優れた製品を持つ企
特徴だ。
ービスを提供できるのが一番の
貨決済が可能だ。一気通貫でサ
ケティング戦略とコン
テンツが必要不可欠で
に 達 し て い る。
フォースター 代表取締役 川連 一豊 氏
の口コミをチェックして越境E
ホ、中国ではSNS
キ ョ ー エ ク ス プ レ ス .J P ﹂ を
あるが、当社の提供する﹁トー
様々な問題をクリアする必要が
センターも用意している。
ーケティングから物流、コール
無料だ。出品、出店もでき、マ
討してほしい。
ム化して事業展開する方法も検
とを勧めたい。プラットフォー
さらにSNSを
インバウンド・越境EC プラットフォーム
以上の多言語・多通
インバウンド市場は市場規模
この自治体には有名な観光ス
組み合わせることで、多くの潜
南米などの人は、包丁や砥石な
個 人 客 に 売 る こ と も で き る し、 用では、
が大きいというだけでなく、非
による外国人のためのコンテン
ポットもあるが、日本人とは違
在顧客に訴えられる。こうした
ども購入している。
∼多言語、多通貨決済 レスポンシブデザインWebAPI
Webマーケティングから物流までを一気通貫でサービス∼
ツ制作が大変重要だ。日本人が
う切り口、外国人目線で投稿し
点をインバウンドマーケティン
万ページビュー
書き上げた文章をそのまま翻訳
グに役立ててもらいたい。
かけた。外国人は日本人の良さ
Cで購入するケースが多い。日
活 用 す れ ば 手 軽 に 実 現 で き る。 プラットフォームとしての利
外国人視点でのテーラーメードのコンテンツ提供
あり、国内向けのキャンペーン
し た だ け で は 意 図 が 伝 わ ら ず、 てイベントへの集客などを呼び
特徴だ。質の高いマー
を英語に翻訳するだけでは時代
むしろ外国人の情報収集意欲を
本ではこれからだが、経済産業
な商品が売れている
ウンドでも同じことが起こる懸
インバウンドとともに、今後
省では2020年には1・7兆
手軽に 以上の多言語・多通貨決済が可能
念がある。このため、サービス
の市場拡大が期待できるのは越
イ ン ド で は ス マ
をパーツで提供するのではな
境ECだろう。海外ではすでに
だ。在庫を持たない企業が世界
ICT︵情報通信技術︶の活用
3番目は、UC電話通訳サー
評である。
客の声を集約してお店に還元す
当社では店舗に来た外国人顧
きる。
る購買単価の向上などが期待で
かをチェックするこ
く、ネットワーク化して付加価
随所に表れている。日本企業に
1位の小売店になったのもIC
ビスだ。店頭から専用の通訳ナ
ドル、ユーロ、豪ドルなど
盟だ。銀聯カードの発行数は
一つは﹁銀聯カード﹂への加
C︶だ。これはカード会員の自
2つ目は、多通貨決済︵DC
する。
者が店舗担当者に代わって接遇
るサービスを実施しているほ
語問題による購買機会損失の防
ンドでいえば、タクシー、小売
貨が利用できるため、利便性が
だ。
り、ホテルなどをネットワーク
止のほか、適切な商品説明によ
訪日客が増大し、消費額も膨
極めて高く、会員・加盟店に好
特に指摘したいのは、マーケッ
らんでいる現在は、インバウン
和芳 氏
毎年ダボス会議に参加して感
トが劇的に変わってきたことへ
か、免税対応サービスなどの導
の対応だ。世界第1位の広告代
入も検討してお
ていくといった試みが重要にな
の利用を望んでおり、言葉の不
決済に関してカードや自国通貨
当社調査によると、訪日客は
東北など地方へとシフトしつつ
ら娯楽、体験へ、大都市圏から
国人訪日客は特にモノの消費か
導入した。DCCが利用できる
008年に当社が日本で初めて
国通貨で決済できるもので、2
ある。現在対応しているのは英
買い物などができるメリットが
訪日客にとっては、安心して
いる。
大に寄与していきたいと考えて
提供により加盟店の売り上げ増
億枚にも上るほ
っ て い る。2 0 2 0 年 に 向 け
化して付加価値
り、今後とも質
ド市場に参画する企業にとって
て、これまでにない発想でイン
語、中国語、韓国語だが、今後
の高いサービス
ま た と な い チ ャ ン ス だ。た だ
のは、現在マスター、ビザのブ
多様な決済や電話通訳など多彩なサービス提供
理店は広告制作経験のないフェ
し、どのような製品も時間とと
ある。銀聯カードへの加盟で彼
ど、中国人に浸
イスブックであり、同じく世界
安を抱えている。こうした要望
透している。中
迷走している。中国経済は先行
第1位の小売店は在庫を持たな
バウンド市場に臨んでほしい。
を高めイノベー
き不透明感が漂っている。それ
もにパーツ化しやすく、インバ
ションを起こし
じるのは、日本は世界から大き
だ。欧州は難民
問題を抱え、米
に対し日本は、社会が安定して
いアリババだ。こうした変化は
ネットワーク化で付加価値を高めることが不可欠
な注目を集めているということ
ユーシーカード 執行役員 加盟店企画部長 林
30
特別講演
日本のグローバル化と東京オリンピックにむけて
値を高めることが重要だ。
はイノベーション、グローバル
Tを活用したからだ。
ビダイヤルに電話すると、担当
そ こ で ポ イ ン ト に な る の が、
気づかないが、世界から見れば
化を加速させ、真の意味で生産
医療観光を例にとれば、これ
らの消費を取り込むことが可能
はさらに多言語化を図ってい
これは非常に珍しいことだ。そ
性を向上させる必要がある。指
になる。
く。本サービスの導入により言
れがまた、様々に日本への興味
数関数的に進化する半導体産業
に応えるのが、当社の3つのイ
通
を持つ外国人が、訪日観光する
まで単体で存在していた家電業
ンバウンド向けサービスだ。
ランドのついたカードだが、米
際の大きな動機にもなってい
におけるムーアの法則は、あら
界と医療業界をつなぐネットワ
プレゼンテーション④
る。
ーク化が重要になる。インバウ
カードビジネスにおけるインバウンド戦略について
た だ、課 題 も い く つ か あ る。 ゆる産業に及んでおり変化は急
斎藤 ウィリアム 浩幸 氏
して、どの国でどん
遅れといえる。マーケティング
20
を成功させるには、ターゲット
プレゼンテーション③
常に洗練されたターゲット層が
ジープラス・メディア ゼネラルマネージャー キエロン・カシェル 氏
と考える。
99年に在日外国人向けの英
するとともに、導入済みのPO
∼SoftWareCATで実現するインバウンド決済∼
動型でみられる決済端末とPO
半面、不安も抱いていた。消費
れらをいかに売れ
へ、そして﹁メード・イン・ジ
るプロダクトにす
ム教徒だが、インド、ブラジル
プレゼンテーション②
山ほどあるが、そ
訪問客の国や宗教も多様化し
い物や食事、観光であ
り、突き詰めれば日本
などの南米からの訪日客増大に
人の気質、製品、生活
その意味では、特色ある伝統文
ャパン﹂ブランドに移りつつあ
字・生活情報サイト﹁ガイジン
Sですべての入力ができ、レジ
将氏
ポット﹂を立ち上げ、現在は英
ヴィンクス 執行役員 デジタルサービス事業本部 副本部長 稲葉
失わせるリスクさえ伴う。
字 ニ ュ ー ス サ イ ト﹁ジ ャ パ ン・
に 外 国 人 は 興 味 を 持 っ て い る。 ている。最近目立つのはイスラ
化などをもつ地方にも大きな可
向けた取り組みをしているとこ
基調講演②
層を正確に理解し、彼らの好む
ある自治体では、日本人目線
インバウンド対策のカギはガイジン目線!
戦略を実行し好まれるコンテン
ー企業とともに同
ツ を つ く る こ と が ポ イ ン ト だ。 で制作した地域の魅力を英語に
場に取り組むことが何より重要
能性があり、すべての産業にチ
素材をパッケージ化し売れる商品に仕立てよ
る声があるが訪日客数は減らな
%は
リピーターであり、そのうちの
ない。重要なのはパッケージ化
10
いとみている。訪日の動機は買
10
おり治安もいい。日本にいると
広 告
16
内閣府本府参与
20
協賛:
特別協賛:
企画・制作
日本経済新聞社クロスメディア営業局
来日客の心をつかむ
国は大統領選で
50
昨年の訪日客数は過去最高の 1973 万人超を記録し、
今年1∼2月の累計推計値で前年比43.7%増の374万人
(政府観光局)。3000 万人という新目標に向け幸先の良
い滑り出しとなった。訪日客によるインバウンド消費は昨年
1 年間で約 3.5 兆円。その取り込みは企業成長のビッグチ
ャンスでもある。さきごろ開催された「インバウンド消費をつ
かめ!∼訪日客3000万人時代に向けて∼」
(主催=日本経
済新聞社、特別協賛=サトーホールディングス、
ヴィンクス、
フォースター、協賛=ユーシーカード)の模様を報告する。
∼訪日客3000万人時代に向けて∼