Title アトピー性皮膚炎の発症と出生時要因との関係

Title
Author(s)
Citation
Issue Date
アトピー性皮膚炎の発症と出生時要因との関係
橋爪, 淳子; 荻野, 敏
大阪大学看護学雑誌. 9(1) P.17-P.22
2003-03
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/11094/56699
DOI
Rights
Osaka University
大 阪 大 学 看 護 学雑 誌VoLgNo.1(2003)
ア トピー 性 皮 膚 炎 の発 症 と出 生 時 要 因 との 関 係
橋 爪 淳 子*・ 荻 野 敏**
要
旨
河 内 長 野 市 享 の 小 学校 全 生徒 を 対象 に 、ア ン ケー ト調 査 に よ りア トピー 性 皮 膚 炎 の 罹 患 率 と誕 生 月 、出生 時 体 重 、在 胎
週 数 との 関 係 を検 討 した 。対 象 症 例 は750人 、ア トピー性 皮 膚 炎 の 罹 患 率 は28.6%で
あ っ た 。誕 生 月 との 関連 で は、有 意
差 は認 め られ な か っ た もの の 従来 の報 告 と 同様 、夏 に 比 較 して 冬 に 生 ま れ た 生徒 に多 い傾 向が 見 られた 。出生 時 体 重 との
関係 と して は、2500~3000gで
生 まれ た 人 で最 も罹 患 率 が低 く、そ れ よ り軽 くな る ほ ど、ま た重 くな る ほ ど高 くな る傾 向
を 示 した。在 胎 週 数 との 関 連 で も 同様 に、40~41週 で 生 まれ た 人 ほ ど罹 患 率 が 低 く、それ よ り早 く、ま た遅 く生 まれ る ほ
ど罹患 率 は 高 く な る成 績 が 得 られ た。 これ らの 原 因 は 明 確 で は な いが 、低 出 生体 重 児 の免 疫 機 能 、高 出 生体 重 児 で は妊 娠
中 の母 体 の栄 養 状態 な ど が 関係 す る と考 え られ た。以 上 の よ う に、妊娠 中 の母 体 の体 重 コ ン トロー ル 、早産 の 防止 な どが
ア トピー性 皮膚 炎 の 予 防 に有 用 で あ る 可能 性が あ る よ う に思 われ た 。'
キ ー ワー ド;ア
トピー 性 皮 膚 炎 、 出 生 月、 出 生 時体 重 、在 胎 週 数
象 、方 法 で 行 わ れ て お り、 報 告 者 によ って結 果 は大 き く
1.は
じめ に
異 な り、結 論 の 一 致 を見 て い な い のが 現 状 で あ る 。
そ こで 、今 回 、ア レル ギ ー 疾 患 の 中で も代 表 的 な 疾 患
近 年 、 ア レル ギー 疾 患 は増 加 傾 向 に あ り、社 会 的 関
で あ り、 多 くの報 告 が な され て い る ア トピー 性 皮 膚 炎 に
心 も高 ま って い る1)。ア レル ギ ー 疾 患 には 依 然 不 明 な点
つ いて 、 誕 生 月 や 出 生時 要 因 との 関連 を調 査 した の で 、
が 多 いが 、 ア レル ギ ー 疾 患 の 発 症 には 環 境 要 因 と内 的 要
報 告 す る。
因(遺 伝 要 因)の 相 互 作 用 が 重 要 な 役 割 を果 た して い る
と考 え られ て い る。 そ の一 つ と して 誕 生 季 節 と い う環 境
∬.対 象 お よび 方 法
要 因が ア レル ギ ー疾 患 発 生 に 関わ って い る とい う い くっ
か の報 告 が み られ て い るz)-s)。また 、 出生 時 体 重 や 頭E
2001年6月
とい っ た 出 生 時 の 生体 要 因 とア レル ギ ー 疾 患発 生率 の 関
連 を み た 報 告 も認 め られ る7)璽8)。
しか し、 わ が 国 にお い
て は この よ うな 報 告 は 少 な く、 また研 究 は さ ま ざま な 対
宰大阪大学医学部附属病院 分娩 育児部..大
学 年 の 生徒929人
学 校 に通 う全
を対 象 と し、 ア ンケ ー ト調 査 を行 っ
た 。 ア ンケ ー トは学 年 、 性 別 に加 え誕 生 月、 出 生 時 体
重 、 在 胎 週 数 、 ア トピー 性 皮 膚 炎 の罹 患 の有 無 か らな
阪大学医学部保健学科看護学専攻
一17一
の時 点 で 河 内 長 野 市 立A小
大 阪大 学 看 護 学 雑 誌Vo1.9No.1(2003)
り、 調 査 にあ った て は 、書 面 に よ り本調 査 の 目的 を著 者
お よびA小
2、 ア ト ピー 性 皮 膚 炎 罹 患 率
学 校 校 長 の 名 前 で 説 明 した うえ 、 同意 を得 ら
ア トピー性 皮 膚 炎 と考 え られ た 生徒 は214人
れ た保 護 者 に のみ 記 入 して も らっ た 。
全体 の28.6%を
占 め た(有 症 者109人
で、
、既 往 者105
人)。 平 均 発 症 年 齢 は2.4歳 で あ っ た 。 罹 患 率 に 性
今 回 は、 ア トピ ー性 皮膚 炎 の 診 断 と して は 、 「ア ト
ピー性 皮 膚 炎 で あ る」 を有 症 者 、 「ア トピー性 皮膚 炎
差 、 学 年 別 の 大 き な相 違 は 認 め られ ず 、 原 因 の 同 定
だ っ たが 良 く な っ た 」 を 既 往 者 と し、 罹 患 率 は 両 者 を あ
(抗原 の検 索)を 行 った 生 徒 は118人(55.1%)で
わ せ た も の と した 。
あ った が 、確 実 な 原 因 抗原 を覚 え て いる 保 護 者 は 少
な く、 今 回の 統 計 か らは 除 いた 。
皿.結
3、 誕 生 月 との 関 連(表1、
果
図1)
誕 生 月別 の ア トピー 性 皮 膚 炎 の罹 患 患 者 数 、 罹 患
率 は 月 に よ り若 干 の差 が 認 め られ た が、 大 きな 傾 向
1、 対 象 症 例
ア ン ケ ー ト回 収 率 は80.7%(750人)で
男 子 が52.2%、
女 子 が47.8%で
は見 られ なか った 。1~3月
、 うち
10~12月
あ った 。 学 年 別 ア ン
、4~6月
、7~9月
、
分 類 して 検 討 した と ころ 、有 意 な 変 動 は
生93.0%(145人)、2年
生
見 られ な か っ たが 、夏 季 に 比べ 冬季 に 生 まれ た生 徒
84.1%(122人)、3年
生50.6%(78人)、4年
生
に 多 い傾 向 が 見 られ た 。 な お、 一般 に は3~5月
77.9%(127人)、5年
生88.2%(142人)、6年
ケ ー ト回 収 率 は 、1年
90.7%(136人)で
、3年
6~8月
生
、9~11月
、12~2月
を 春 夏 秋 冬 と分 類
して い る が 、 本 調 査 で は 寺 島 ら3)、山 出 ら9)の 研 究
生 が少 な か っ た 。
を参 考 に以 上 の よ うに 分類 した 。
表1,季
節 別 ア トピー 性 皮 膚 炎 罹 患 者 数
1~3月4~6月7~9月10~12月
誕生 月
人 数(有 症 者) .
人 数(既 往 者)
i
合計
3127:2427
109
3030:2025
105
61:57`4452
214
,
合計
203
全 数1.,
170
1881
27.66
割 合(%)133,15128.08125,881
35
30
25
20
15
10
5
0
図1季
、
節別 ア トピー性 皮 膚 炎 罹 患 者数 割合
一18一
7451
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vol.9No.1(2003)
4、 出生体 重、在 胎週数 との関連(表2、
図2、 表3、 図3)
在 胎週 数別 ア トピー 性 皮 膚炎 罹 患 者 人 数 を 表3
出 生体 重 別 ア トピー 性 皮 膚 炎 の罹 患 者 人 数 を表2
に、 罹 患 率 を 図2に 示 す 。2500~3000gで
に 、罹 患 率 を 図3に 示 す 。40~41週
生 まれ
で 生 まれ た 生
徒 の 罹患 率 が最 も低 く、 そ れ よ り早 く生 まれ る ほ ど、
た 生 徒 の 罹 患 率 が 最 も低 く、 そ れ よ り軽 くな る ほ ど、
ま た遅 く生 まれ る ほ ど罹 患 率 は 高 くな る傾 向が 見 ら
また 重 くな る ほ ど罹 患 率 は高 くな る とい う傾 向 が見
れ た、
られ た 。
表2.出
生 体 重別 ア トピー 性皮 膚 炎罹 患者 数
出生体重
20009未
2500^-30008
満2000~25009
3000^-3500g
3500~4000g
4000g以
上
不明
合計
人 数(有症 者)
2
7
32
53
14
10
人 数(既 往者)
2
12
31
41
16
30
105
合計
4
19
63
94
30
40
214
全数
8
58
232
338
103
1021751
32.8
27.2
29.1
40
割合(%)
表3.在
50
278
109
胎 週 数 別 ア ト ピー 性 皮 膚 炎 罹 患 者 数
在 胎週 数
32週
以上
未 満33~36週37~39週40~41週42週
不明
合計
人 数(有 症 者)
210494071
人 数(既 往 者)
55463487
105
7159574158
214
合計
全数
割 合(%)
19
36.84
ios
44
312
34.09
30.45
49,391750
287
25.78
30.61
60
50
40
30
zo
io
O
丶丶丶丶 ぐ 急
40
図2出
生 体 重 別 ア ト ピー 性 皮 膚 炎罹 患 者 数 割 合
35
30
25
20
15
70
5
0
丶 、
図3在
一19一
移 秘 亀
胎週数別ア トピー性皮膚炎罹患者数割合
大 阪 大学 看 護 学 雑 誌Vol.9No、1(2003)
児 ・学 童 にア トピー性 皮 膚炎 が多 い ことが 明 確 にな れ ば
IV.考
予 防 の面 か ら も注 目す べ き点 で あ る と いえ よ う。
察
出 生時 体 重 、在 胎 週数 との 関係 で あ るが 、 これ らにつ
い て は欧 米 で い くつ か報 告が な され て い るが 結 論 は 定
ア レル ギ ー 疾 患 は 最 近 も増 加 傾 向 を続 け、特 に 発 生 の
低 年 齢 化 傾 向 す な わ ち 小 児 にお け る増 加 が 注 目 され て い
ま っ て いな い7・8)。
今 回の 調 査 で は 、 出 生 時体 重で は、
る 。 ア レル ギ ー 疾 患 の 発 症 に は 、環 境 要 因 と内 的(遺 伝
2500~3000gで
的)要 因 な どの 相 互 作 用 が 重 要 な役 割 を果 た して い る と
少 な く、そ れ よ り出 生 時 体 重 が 少 な くなれ ばな る ほ ど、
考 え られ て い る。 そ の 一 つ と して ア レル ギ ー 疾 患 の誕 生
ま た重 くな れ ばな る ほ ど罹患 率 が 高 くな る と い う成 績 が
月 に よ る罹 患 率 の 差 が 報 告 され て い るが 、 実 際 に顕 著 な
得 られ た 。在 胎 週 数 につ いて も40~41週
誕 生 月 によ る 違 いが 認 め られ る とす れ ば 、予 防 の 面 か ら
徒 で 最 もア トピー 性 皮 膚 炎 が 少 な く、そ れ よ り早 く生 ま
も非 常 に重 要 で あ ろ う。 同 様 に 出生 時 要 因 と ア レル ギ ー
れ るほ ど、 また 遅 く生 まれ る ほ ど罹患 率が 高 い成 績 だ っ
疾 患 発 症 率 と の関 係 を検 討 した報 告 も見 られ て い る。 そ
た。
い 誕 生 月や 出 生 時 要 因 と罹 患 率 に つ いて 検 討 した 。
指 摘 され て い る 。食 物 ア レル ギ ー とは 、抗 原 性 を有 す る
わ が 国 の 乳 児 にお け る ア トピー性 皮 膚 炎 の罹 患 率 は
ら20%、
多 い もの で30%と
で 生 まれ た 生
ア トピー性 皮 膚炎 と食 物 ア レル ギ ー の 関係 は 以前 か ら
こで 、 今 回 、 ア トピー 性 皮 膚炎 を対 象 に ア ン ケー トを用
10%か
あ った 生 徒 で 最 もア トピー性 皮 膚 炎 が
物 質 が 腸 か ら取 り込 まれ 、 抗 体 を産 生 しア トピー性 皮膚
報 告 され て い る。 三
炎 、 胃 腸症 状 な どさ ま ざ まな 症 状 を呈 す る病 態 を 言 う。
河 は 、小 児 の ア トピ ー性 皮 膚 炎 は24。6%で あ り、既 往
人 工 乳 は 通 常 牛 乳 を べ 一 ス に調 乳 され て い るc牛 乳 蛋 白
(5.0%)も
の ぼ る と報 告 して い る1)。
質 は人 間 に とっ て異 種 蛋 白で あ り、 ア レル ギ ー の 原 因 と
今 回 の調 査 に お い て も ア ン ケ ー ト内 容 、 診 断 方法 が不 十
な りう る。 早産 児や 低 出 生体 重 児 は腸 管 機 能 も未 熟 で あ
分 な 可能 性 は あ る が 、 ア トピー 性 皮 膚 炎 罹 患 率 は28.6
り、 摂 取 した 牛 乳 蛋 白質 が十 分 に消 化 され ず 高 分 子 の ま
%で あ り、三 河 の報 告 と ほ ぼ 一 致 す る 成 績 で あ っ た 。す
ま 吸収 され や す く、食 物 抗原 とな りや す く抗体 産 生 につ
な わ ち 、 小児 に お い て は4人
に1人 以 上 が ア トピー性 皮
な が る と考 え られ て い る ユo)。
つ ま り、 低 出生 体 重 児 は免
膚 炎 に 罹 患す る と考 え られ 、 社 会 的 に 見 て もき わ め て 大
疫 機 能 の点 か ら食物 ア レル ギ ーの リス クが 高 い と考 え ら
き い 問題 と い え よ う。
れ 、 さ らに、 低 出 生 体 重 児 は 保 育器 に入 れ られ る こ とが
含 め る と29.6%に
ア トピー性 皮 膚 炎 と誕 生 月 の関 係 を み た 報 告 は 数 多
多 く、人 工 乳 によ る 栄養 管 理 の機 会が 他 の児 よ り多 く、
い 。 楠 目は春 生 まれ に乳 児 ア トピー 性 皮 膚 炎 が 有 意 に少
母 乳 に よ り養 育 され て い る児 に比 べ食 物 ア レル ギ ー の リ
な く、 冬 生 まれ に多 い と報 告 して い る2)。ま た 同様 に、
ス ク が 高 い ことが 予 想 され る。 ま た 、 巨大 児 に つ い て 、
寺 島 らは 春 生 まれ に比 べ、 秋 ・冬 生 まれ で は有 意 に乳 児
母 体 の 妊娠 中 の急 激 な 体 重 増 加 に よ り巨大 児 出産 の割 合
ア トピー 性 皮 膚 炎 が 多 い と報 告 して い る3)。 この よ う な
が 高 くな る こ とが い われ て お り、母 体 糖 尿 病 な ど との 関
季 節 に よ り罹 患 率 に違 いが 見 られ る原 因 は 明 らか で はな
連 も指 摘 さ れて い る 。
い が 、 冬 の 低 湿 度 や 寒 冷 刺 激 が 関係 して い る と考 え られ
以 上 か ら、今 回得 られ た我 々 の結 果 を考 え る と理 解 し
や す く、 ま た 妥 当 で あ り、低 出生 体 重 児 の 免 疫 機 能 の未
ている。
本 調 査 で も有 意 差 は見 られ な か っ た もの の 、楠 目、寺
熟 性 や 栄 養 管 理(人 工乳 で の養 育)、 反 対 に 巨大 児 で の
島 らと 同様 夏 に 比べ 冬 に 生 ま れ た 生徒 に罹 患率 が 高 い傾
母 体 の妊 娠 中 の 栄養 状態 、健 康 状 態 が 何 らか の 形 で ア ト
向 が 見 られ た 、有 意 差 が 見 られ な か っ た原 因 と して 過 去
ピー 性 皮 膚 炎 の 発症 に影 響 を 及 ぼ して い る と思 わ れ る,
の 研 究 が乳 児 を対 象 に して い る もの が 多 い の に対 し、本
調 査 で は学 童(6才
~12才
児)を 対 象 と し、対 象 者 数
しか し、 欧 米 で はFergussonら7冫
は、 喘 息 と出 生 時 の
頭 囲 との 関連 は 見 られ た が 、 ア トピー 性 皮 膚 炎 と 出 生時
も 一 つ の 小学 校 、750人 で あ っ た こと に よ るの か も しれ
の体 重 ・身 長 ・頭 囲 、 在 胎 週 数 とは 関連 が見 られ な か っ
な い 、 さ らに 大 規模 な 調 査 を行 う こ と によ り確 実 な 結果
た と報 告 して い る,Siltanenら8)は
を 得 る こ とが で き る可 能 性 が あ るが 、 冬 に誕 生 す る 乳
期産 に 比 べ、 早 期 産 で は ア トピー 性 皮 膚 炎 の リス クが 少
一20一
、 我 々 とは 反対 に正
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vol.9No.1(2003)
な い と して い る。 これ ら、 さ ま ざま な 結 論 が 出 る 原 因 は
4)壬
生 真 人 、 小 田 嶋 博 、 柴 田 瑠 美 子 、 ほ か(1999)、
明 らか で は な いが 、 研 究 対 象 の 違 い 、 人 種 、 生 活 様 式 の
誕 生 月 とア レルギ ー疾 患 発 現 に つ い て の検 討 、 ア レ
違 い な どが考 え られ る 。 普 遍 的 な結 論 を 出 す に は さ らに
ル ギ ー の 臨 床 、19(12)、1075.
多 くの研 究 が 必 要 と思 わ れ るが 、我 々 の 調 査 か らで は 、
5)ChewFT',GohDYT,QuakSHetal(1998),
予 定 日近 くに 、平 均 出 生 体 重 に 近 い体 重 で 生 ま れ た 入 に
Monthofbirthandchildhoodatopicdiseasein
最 も ア トピ ー性 皮膚 炎 が 少 な い 可能 性 が あ る こ とか ら、
thetropics,Allergy,53110),962-968.
母 体 の妊 娠 中 の体 重 コ ン トロー ル と、 早産 の 防 止 が ア ト
6)BergN(1989).Birthseasonvariationinasthma
ピ ー性 皮 膚 炎 の 予 防 に つ な が る と考 え られ る。
andallergicrl-unitis、CliniEYperiAllergy、19、
本 研 究 の 問題 点 と して はす で に い くつか は述 べて い る
が 、出 生 時 体 重 、 在 胎 週 数 とも全 国的1ユ)に も今 回 の 対
象 で も ほ と ん どが2500~3500g、
饂
.:
7)FergussonDM.CraneJ,BeasleyRetal(1997),
正 期 産 で あ り、異 常
Perinatalfactorsandatopicdiseaseinchildhood,
で あ る症 例 が 極 め て 少 な い こと 、一 小 学 校 を対 象 と して
CliniExperiAllergy,27(12),1394‐1401.
い るた め症 例 数 も 少 な く地域 特 性 な ど も あ りう る こ とが
8)SlltanenM,IiajosaariM,Pohjavilahtietal(2001),
挙 げ られ る 、
Prematurityatbirthreducesthelong-termrisk
この よ う に ア トピ ー性 皮膚 炎 の発 症 に は環 境 因子 や 免
ofatopy,JAIIerCliniImmunol,107(2),229
-234
疫 機 能 、栄 養 状 態 な ど の 生体 側 の 因子 な どが 複 雑 に影 響
して い る と思 わ れ 、 これ らの 関係 を明 確 に して い く こ と
9)山
.
出 晶 子 、 木 村 光 明 、 鶴 田 悟 、 吉 田 隆 実(2000)、
が 予 防 や 治 療 の面 か らも有 滑 と思 わ れ 、 さ らな る研 究 が
ア レ ル ギ ー 患 者 に お け る ス ギ 特 異 的IgE抗
行 わ れ る こ と を期 待 す る。
生 まれ 月 との 関係 につ いて 、 日本 小児 科 学 会雑 誌 、
体 産 生 と
104(2),244.
10)坂
謝辞
い た河 内 長 野 市 立 楠 小 学 校 の 生 徒 お よ び保 護者 の 皆 様 、
藤 川 茂 之校 長 先 生 、 石 黒 達 士 教 頭 先 生 は じめ 諸 先 生 方 に
心 よ り深 謝 いた し ます 。 また 、 論 文 を仕 上 げ る に 当た り
力 を 貸 して くだ さ った 角 谷 千 恵 子 氏 、 吹 野 陽香 氏 に心 よ
り感 謝 い た し ます 。
VI.参
河 春 樹(1999)、
考、引用文献
わ が 国 の 小 児 の ア レ ル ギ ー 疾 患'
の 疫 学 、 小 児 内 科 、31(3)、273-277.
2)楠
目 和 代(2000)、
愛 媛 県 松 山市 近 郊 にお け る乳 児
の ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 、 ア レル ギ ー 、49(11)、1087
-1092
3)寺
生 児 ・未 熟
児 、 栄 養 管 理 マニ ュ アル 、 メ デ ィ カ 出版
稿 を 終 わ る に あた り、 ア ンケ ー ト調 査 に ご協 力 い た だ
1)三
橋 家 頭 夫(1996)、neonatalcare新
.
島 慶 太 、 木 村 光 明 、 鶴 田 悟 、 ほ か(2000)、
乳児
ア トピー 性 皮 膚 炎 発 生 率 の誕 生 月依 存 性 の 変 動 、 日
本 小 児 科 学 会 雑 誌 、104(6)、643-648.
一21一
11)国
民 衛 生 の 動 向(2001)、
厚 生 統 計 協 会 、48(9)、47.
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vo1.9No.1(2003)
Relationship
perinatal
factors
between
season
and the prevalence
Hashizume,
of birth,
rate
J.,Ogino,
of atopic
dermatitis
S.
ABSTRACT
It has been suggested
that the season of birth and perinatal factors are related With allergic sensitization.
aim of this study is to determine
whether
of birth, birth weight and gestational
The prevalence
birth weight
ment, and around
age. Seventy
rate of atopic dermatitis(AD)
hundred
associated
and fifty subjects answered
with the season
the questionnaire.
rate of AD was higher in children born in winter than summer, and was lowest in children with
of 2500g-3000g.
It is concluded
the prevalence
The
Children with gestational
age of 40-41weeks
had lowest prevalence
that the lowest risk of AD is in a child who born on the day near his expected
average
weight
of Japan. Prevention
of premature
dermatitis,season
of birth,birth
— 22 —
date of confine­
delivery and the weight control may re­
duce the risk of AD.
Key words;atopic
rate of AD.
weight,gestational
age.