Title 患者・看護師間におけるコンフリクトの患者への

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患者・看護師間におけるコンフリクトの患者への影響
岩永(宇野), 真由美; 辻, 本朋美; 井上, 智子
大阪大学看護学雑誌. 20(1) P.47-P.53
2014-03
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/11094/56682
DOI
Rights
Osaka University
一研
究
報
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vo1.20No.1(2014)
告一
患者 ・看 護 師 間 に お け る コ ン フ リク ト発 生 場 面 の 患者 へ の影 響
岩 永(宇
野)真
由 美*・ 辻 本 朋 美**・ 井 上 智 子**
要
旨
本 研 究 で は 臨 床 に お け る患 者 ・看 護 師 問 の コ ン フ リ ク ト発 生 場 面 の 事 実 を把 握 し、 分 析 す る こ と を 目
的 と した 。 調 査 対 象 は 、 コ ン フ リ ク ト発 生 場 面 を言 語 化 で き る看 護 師240名
、 調 査 方 法 は 、 無 記 名 自記
式 質 問紙 法 と した 。 得 られ た デ ー タ57件
を採 用 し、 コ ン フ リク トを
か ら本 研 究 の 趣 旨 に合 致 す る34件
引 き 起 こす 場 面 を 、 質 的 帰 納 的 に分 析 した 。 コ ン フ リ ク トの 発 生 場 面 の事 例1件
に つ き1カ ー ドを作 成
し、類 似 す る カ ー ドを 集 め て 総 称 を つ け 、 そ れ ら を空 間 に 布 置 す る こ とで 、 『患 者 へ の 影 響 』 と 『患 者 の
反 応 』 の2つ
の 軸 を 見 い 出 した 。 ま た 、 軸 に 整 理 す る こ とで 、 日々 の 患 者 との 対 応 で 看 護 師 が あ ま り 目
を向 けてい ない 「
患 者 の 日常 の 気 分 へ の影 響 」 が 抽 出 され た 。 看 護 師 は 、 これ ま で 注 目 され て こ な か っ
た 「
患 者 の 日常 の 気 分 へ の 影 響 」 に 関 心 を 向 け 、 そ の 関 わ りを看 護 と認 識 す る こ と の 重 要 性 が 明 らか と
な った。
キ ー ワ ー ド:コ
ン フ リク ト、 患 者
・看 護 師 関 係 、 サ ー ビ ス 、 サ ブ サ ー ビ ス 、 質 問 紙 法
Keywords:Conflict,Nurse-Patientrelations,Service,Subservice,Questionnaire
1.は
じめ に
義 して い る6)。2000年 以 降 の 臨床 に お け る コ ン フ
患 者 は 、氾 濫 す る情 報 の 中 か ら受 療 行 動 を 決 定 し、
リ ク ト研 究 で は 、 患 者 の 特 定 の 状 況(「 透 析 を 受
医 療 サ ー ビス を 受 け る。 そ の よ うな 中 、 近 年 の 医
け て い る」、 「
精 神 疾 患 で あ る 」、 「
高齢者 ケア の場
療 制 度 の 変 革 を 受 け 、 患 者 の 納 得 や 満 足 が 医療 の
合 」、 「
気 難 しい 患 者 」 な ど)に 焦 点 を 当 て て そ の
質 と して 問 わ れ る 時 代 に 入 り久 しい。 医 療 の 質 と
状 況 に お け る対 応 方 法 を報 告 し て い る。Margaret
患 者 満 足 の 関 係 に つ い て は 、 ドナ ベ デ ィ ア ン1)の
M.Mabon&AnneM.Nicoteraは
説 明 が 汎 用 され る。 これ は 、 患 者 満 足 だ け を独 立
け る コ ン フ リク ト対 処 の 明 確 な 尺 度 が 無 い た め 、
的 に 評 価 す る の で は な く、 医学 的 な 質 ・社 会 的 な
18名
質 な ど を 含 め た 、 よ り広 い 医 療 の 質 の 中 で 評 価 す
い る コ ン フ リク トに 関 す る知 見 を 基 に 分 析 し、 看
る も の と され て い る。 サ ー ビス に は 、顧 客 が そ の
サ ー ビ ス 内容 を 利 用 す るた め に 、料 金 を支 払 う コ
護 師 は コ ン フ リク トに 対 して 、厳 し く接 す る こ と
で 解 決 を 導 く方 略 よ りも 、 お 互 い の話 し合 い に よ
ア サ ー ビ ス と副 次 的 に 付 随 す る サ ブ サ ー ビ ス が
り、解 決 を 導 く方 略 を選 択 す る傾 向 に あ る と報 告
あ り、 サ ー ビス を提 供 す る際 の接 客 は サ ブ サ ー ビ
して い る7)。 こ の よ うに 、 特 別 な 状 況 に お け る コ
ス とな る2)。 こ の 接 客 な どの サ ブ サ ー ビス は 、 コ
ン フ リ ク ト対 処 な どの 報 告 は あ る も の の 、 日々 の
ア サ ー ビス 以上 に サ ー ビス の品 質 評価 の 上 で 重
臨 床 場 面 で 発 生 して い る 患 者 ・看 護 師 間 の コ ン フ
視 され る こ とが 多 い3)。DawnAlleneta1.は
リ ク トに 焦 点 を 当 て た 報 告 は 少 な い 。 そ こで 、 臨
、近
、看護 場 面 にお
の 看 護 師 を 対 象 に 臨 床 現 場 で 最 も発 生 して
床 場 面 に 潜 在 す る も の も含 め た 患 者 ・看 護 師 間 の
コ ン フ リク トの 事 実 を 把 握 ・分 析 す る必 要 が あ る。
年 の メ デ ィ カ ル ケ ア は 急 性 期 の 医 療 か ら生 活 習
慣 病 な ど の 慢 性 期 医 療 へ と移 行 しつ つ あ る と し、
治療 だ け で は な く患者 と医療 者 の 関係 構 築 も困
難 に な りっ っ あ る と して い る4)。ま たBissell,Pet
II.研 究 目 的
al.は、 患 者 と医 療 者 が 良 い 関 係 を保 つ に は 、 「
相
本 研 究 で は 、 患 者 ・看 護 師 間 に お け る コ ン フ リ ク
互 関係 を 育 み 、 理 解 を分 か っ こ とで あ る 」 と示 唆
ト発 生 場 面 の 事 実 を 把 握 ・分 析 す る こ と を 目的 と
し、 そ の 人 間 関係 が 円滑 に保 持 で き な くな っ た 場
した 。
合 に 、 コ ン フ リク トが 発 生 す る と述 べ て い る5)。
ス テ ィ ー ブ ンPロ
ビ ン ス は 、 コ ン フ リ ク トを 「
一
皿.研
方 の 当 事 者 が 他 方 の 当 事 者 が 自分 に と っ て 重 要
1.調
な 事 柄 に 悪 影 響 を 及 ぼ した 、 あ る い は 及 ぼ そ うと
査 対象
看 護 職 能 団 体 の 主催 す る研 修 会 の 受 講 者240名
して い る と認 知 した 時 点 で 始 ま る プ ロセ ス 」 と定
*大 阪大 学 大 学 院 医 学 系研 究科 博 士 後 期 課 程**大
究方法
阪 大 学 大 学 院 医 学 系研 究 科保 健 学 専 攻
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大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vol.20No.1(2014)
を 調 査 対 象 と した 。 調 査 対 象 選 定 の 根 拠 と して 、
した 。 協 力 は 任 意 で 、 同 意 が な くて も受 講 者 に不
本 受 講 者 は保 健 医療 機 関 にお い て看 護 師長 あ る
利 益 は な く 、研 修 会 の評 価 に も一 切 関 係 な い こ と
い は副看 護 師 長相 当の職 にあ るた め、臨床 の 中で
を保 証 した 。
様 々 な コ ン フ リク ト発 生 場 面 に 直 面 し、 そ れ を 言
な お 本 研 究 は 、 所 属 機 関 の 倫 理 審 査 委 員 会 の承
語化 で きる と考 えた。
認 を得 て 実 施 した 。
2.調
5.分
査 手続 き
平 成24年8月
、11月 、 平 成25年1月
に実施
析 方法
調 査 票 は240名
に 配 布 し、57件 を 回 収 した(回
した 。 研 修 会 の実 施 責 任 者 に 研 究 の 趣 旨 を説 明 し
収 率23.8%)。
協 力 を得 た 後 に 、 受 講 者 の 休 憩 時 間 を利 用 して 口
趣 旨 に 合 致 す る か を コ ン フ リ ク ト発 生 に 関 す る
頭 と文 書 で 説 明 を した 。 調 査 方 法 は 、 で き る だ け
潜 在 的 事 項 、 そ の 対 応 、 そ の 後 の 関係 を含 め て 検
多 く のデ ー タ を得 る た め に 、無 記 名 自記 式 質 問 紙
討 した。 うち 、 デ ー タ が 瞹 昧 な21件
調 査 と した 。 回収 は 、研 修 会 場 に設 置 した 回 収 箱
医 師 間 を扱 っ た2件
を 一 週 間 留 め 置 き、 回収 を も っ て 同 意 を得 た も の
析 対 象 と した 。 デ ー タ は 看 護 管 理 学 を専 門 とす る
と した 。
大 学 教 員2名
3.調
発 生 場 面 を 次 の 手 順 で 質 的 帰 納 的 に 分 析 した 。
査 内容
①
調 査 票 の 構 成 は 、 下 記 の ス テ ィ ー ブ ンP.ロ ビ ン
②
問 項 目の ① ~ ④ の よ うに対 応 させ た 。 ま た 、 個 人
を 除外 し、 残 りの34件
③
ス テ ィー ブ ンP.ロ ビ ン ス の コ ン フ リ ク トの プ ロセ
階 の 潜 在 的 対 立 、第2段
階 の行 動 、第4段
第1段 階 の 潜 在 的 対 立:①
と研 究 者 で 読 み 込 み 、 コ ン フ リ ク ト
コ ン フ リク ト発 生 場 面 の事 例 を 要 約 し、1
カ ー ド化 した も の を 、 内容 の 類 似 性 に よ り
第2段 階 の 認 知 と個 人 化:②
さ ら に 、 そ の 名 称 の 類 似 した もの を 集 め て
総 称 をっ け た 。
階の認 知 と
総 称 と した カ ー ドを 空 問 に 布 置 し、 『患 者 へ の 影
階 の 結 果 で あ る。
響 』 を あ らわ す キ ー ワー ドを つ け た 。
コ ン フ リ ク ト発 生 に 潜
在 し て い た と思 わ れ る要 素
N.結
コ ン フ リク ト発 生 の
1.分
場面
果
析 対 象者 の背 景
分 析 対 象 者 の コ ン フ リ ク ト発 生 時 の 年 齢 は 平
第3段 階 の 行 動:③
コ ン フ リ ク トへ の 対 応
均40.1歳
第4段 階 の 結 果:④
コ ン フ リ ク トへ の 対 応 後 の 患
均17。4年 、 標 準 偏 差20.5年
者 ・看 護 師 の 関 係
個 人 特 性:⑤
を分
集 めて名 称 をつ けた。
属 性 を⑤ で 問 うた 。
個 人 化 、第3段
と、 患 者 ・
件 に つ き 、1カ ー ドに して 作 成 した 。
ス(2009)の コ ン フ リ ク トの プ ロセ ス を適 用 し、 質
ス は 、 第1段
コ ン フ リク ト発 生 場 面 が本 研 究 の
2.分
、看 護 経 験 年 数 は 平
で あ っ た。
析結果
1)『 患 者 へ の影 響 』 と 『患 者 の反 応 』(図)
コ ン フ リク ト発 生 時 点 で の年 齢 と看
各 カ ー ドの 類 似 す る カ ー ドを 空 間 に 布 置 し、 流 れ
護 経験 年数
が で き る よ うに考 え る こ と に よ っ て 、 コ ン フ リク
な お 、 調 査 票 の 妥 当性 を保 証 す る た め に 、7年
以 上 の 看 護 臨 床 経 験 を 有 す る5名
、標 準 偏 差19.8歳
ト発 生 時 の2つ
の 大学 院 生 に
の 軸 の 『患 者 へ の 影 響 』 と 『患 者
プ レテ ス トを行 い 、 デ ー タ か ら調 査 票 の 項 目が 適
の 反 応 』 が 導 き だ せ た 。 軸 の 名 称 を 『』 で 示 し 、
切 で あ る こ と を確 認 した 。
軸 に含 ま れ る 項 目を 「
」 で 示 す 。 横 軸 は 、 『患 者
へ の影 響 』 で あ り、 患 者 の 気 分 な ど 目 に は 見 え な
4.倫
理 的配慮
い も の か ら 、 明 ら か に 生 命 に影 響 す る も の の 順 に 、
本 研 究 で 得 られ た デ ー タ は個 人 が 特 定 され ず 、
「日常 の 気 分 へ の 影 響 」、 「療 養 生 活 の 質 へ の 影
本 研 究 以 外 に使 用 し な い こ と、 デ ー タ は 厳 重 に 管
響 」、 「
治 療 ・生 命 力 へ の影 響 」 が デ ー タ か ら導 き
理 し、研 究 終 了 後 に は 完 全 に破 棄 す る こ とを 説 明
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大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vbl.20No.1(2014)
出 され た 。 縦 軸 は 『患 者 の 反 応 』 で あ り、 自 己 で
感 情 を 抑 え られ る も の か ら他 者 へ 表 出 す る も の
の 順 に 、 「不 満 」、 「
苦 痛 」、 「
怒 り」 が デ ー タ か ら
導 き 出 され た 。 今 回 の 事 例 か ら は 、 「
治 療 ・生 命
力 へ の影 響 」 や 「
療養 生活 の質 へ の影 響」 にお け
る 「
不 満 」 を示 す も の 、 「日常 の 気 分 へ の 影 響 」
と して 「
苦 痛 」 を 示 す も の は み られ な か っ た 。
0
患
者
の
反
応
ヨ
、§
怒
り
1《 や るせ な い気 持ち 》 《療 養 意欲 の 減 退 》
《爆 発 的な怒 り》
1
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ミミ
口
ヨ
苦
痛
冑
《療養 の質 の低 下 》
口
一 一 》
口
ヨ
不
満
《積 み 重な る苦痛 》
『患 者 へ の 影 響 』
「日常 の 気分
へ の影響」
「療 養 生活 の質
へ の影響」
「治 療 ・
生命 カ
へ の 影響 」
図.コ ンフリクト発 生 場 面 にお け る『患 者 へ の 影 響 』か らみ た 『患 者 の 反 応 』
表
キ ー ワー ドと 総 称
総
キーワード
称
カー ド件 数
《爆 発的な 怒り》
【看護 師 としてあり得な い行 動】
4
《積 み重 なる苦痛 》
【疾 患 ・
治 療 に伴 う変 化を予測 しない対応 】
5
《療養 意欲 の減 退 》
【必要 な説明 を欠いた対 応】
4
《療養 の質 の低 下 》
【患者 の発 信する情 報 を察 知 しない行 為】
8
《や るせない気持ち 》
【気遣 いや配 慮に欠 けた言 動 】
3
《満たされ ない気持ち:説 明不 足 》
【ル ー ル の 理 解 ・
伝 達 が 十 分 で な い言 動 】
6
《満たされ ない気持ち:期 待外 れ 》
【
期 待 した 生活 上の 支援 に気づかな い態 度】
4
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大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vbl.20No.1(2014)
2)キ ー ワー ドと総 称(表)
(3)《 療 養 意 欲 の 減 退 》 【必 要 な 説 明 を 欠 い た 対 応 】
コ ン フ リ ク ト発 生 場 面 よ り、 『患 者 へ の影 響 』
手黼
β 、看 護 窃'∠4ぽ 患 孝 に 手 黼
と 『患 者 の 反 応 』 の 交 点 に 、 患 者 の 状 況 が わ か り
時 儼 な4:前
や す い 言 葉 で キ ー ワー ドを つ け て 《
手伽
》 に示 し
診 察 の受 診
㌍ で あ る と 詑 男 を ∠!でレ、
た。 憩 孝 ぱ、
ゴ不 亥 で あ ク、4〒磁 中 の 葺 分 の ガ7笋 を4:憂 〆
ご
た 。 そ の 《 キ ー ワー ド》 は 、 【総 称 】 を 『患 者 へ
一
変 更 ゑ て纏
の影 響 』 か らみ た 『患 者 の 反 応 』 が わ か りや す い
か ら遅 れ で い る 遺 〉
勿 の 詑 男 を 受 〆プな っ た た め 、
と考 え た 言 葉 に 言 い 換 え て い る。
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ζ撚 一
一
誕 塗 金一
豊乏 纛
豺
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な お 、 《満 た され な い 気 持 ち 》 に つ い て は 、 看
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盈 だ 二z一と 竣
護 師 側 の 説 明 不 足 に よ る 【ル ー ル の 理 解 ・伝 達 が
.彑zζ惹 灘.B.一
十 分 で な い 言 動 】 と患 者 の 期 待 に応 え られ な か っ
一 一 一 一 一 一 一一 一
た 【
期 待 した 生 活 上 の支 援 に 気 づ か な い 態 度 】 の
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2つ に分 け た 。
二.と 。一蠹 謝
3)総 称 を代 表 す る カ ー ド
撚
《 キ ー ワー ド》 と 【総 称 】 を併 記 し、 斜 体 で 総
さ 姦 纛 一赫
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し て 諭 罪 乙 で ら、 厂〃、〃吻 減 な 詑 卿 を す る 看
護 窃 ど な 話 〆こな ら ん ノ(ξ 病 室 か ら 出 て廊
下を 歩 き
称 を 代 表 す る カ ー ドの 事 例 を 『患者 へ の影 響 』 ご
な が ら大 声 で看 護 窃 陰
ノ4〆
ご44ん 属
と に 『患 者 の 反 応 』 を示 す 。
(4)《 療 養 の 質 の 低 下 》 【患 者 の 発 信 す る 情 報 を 察
な お 、『患 者 へ の 影 響 』 は 、 「
治 療 ・生 命 力 へ の影
知 しな い行 為 】
響 」 か ら 、表 面 化 され に く い 「日常 の気 分 へ の影
縛
響 」 の順 に 、 『患 者 の 反 応 』 は 、 「
怒 り」 か ら表 在
ギ プ ス を 乙 で い る1劇9の
に 付 添 を し で 〃、る 滅
覇
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こ症 動
、普褒 ぱ時
ごあ ク不 在 凸
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化 され に くい 「
不 満 」 の 順 に 記 載 す る。
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(1)《爆 発 的 な怒 り 》 【
看 護 師 と して あ り得 な
さ ぜ 濁 ぎ で 〃、
る ま 声 を 彦 げ で1茘
い行 動 】
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看 護窃 と し で鏗 齪 年 覈 の 少 な い ス タ ソ フ が 病
室6齷
ジ1こ謂
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色鷹
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声 で怒 孵 ク麓 甥 した 。
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ご声 を 掛 〆
ナず 〆
ど病 凍 〆
こ瀦
〆
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(5)《 や る せ な い 気 持 ち 》 【気 遣 い や 配 慮 に 欠 け た
言動】
し、6そ
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ピま お 腰 〃、し で 〃、ま ナ よ.ねノ。 そ
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(2)《積 み 重 な る苦 痛 》 【
疾 患 ・治 療 に伴 う変 化 を
の緤
痘 な'3
の憂 シ ヤ ク ー 〆
ごス っ で い な 〃、ま グ ズ ムが ぐ る ラ
羨 拶 ちな ぐ、
点瀞 を彡硬
乙た。 ま た 、.点瀞 を変 更 ナ る理 岳 ら詑 男 しな か つ
た こ と〆
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趺
乞
ψ⇒ら 耀
儼 らな ぐ 、 憩 孝 さ ん の 御 ス 的 な 肴 望 や 蟹 〃、を チ 分
汎 悪准
〆
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娚 〃、で ら ズさ あ 、 知 らん ノ と 教 え で ぐ
で き で お ら ず 、/退 院 が で き る よ ラ で艮 か
った で すぬ ノ ど 言 っ た こ と 〆
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ノzな ぐな っ た 。
50
な ん て誓ガっ で
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vol.20No.1(2014)
い るん や,な ん であ ん た か ら言 わ 抛 る の や1、 と怒
を 示 した 事 例 で は 、 生 命 に 関 わ る輸 液 の 変 更 時 に
鰐 らカ た ご まが あ った。
説 明 が な く、 患 者 は 【
看 護 師 と して あ り得 な い 行
(6)《満 た され な い 気 持 ち:説 明 不 足 》 【
ル ール の
動 】 だ と捉 え 、 反 射 的 な 自己 防 御 に よ り、 《爆 発
理 解 ・伝 達 が 十 分 で な い 言 動 】
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孟 諏
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、ス 髭 当 初 か ら病 陽 の 倉 葬
箆 姦 囂_影24笠2て.く
厂ど ん な 槻
的 な 怒 り 》 を 示 した。「
苦 痛 」を 示 した 事 例 で は 、
歪 璽 薯 を選2.Ω
看 護 師 が 、 ク ロ ー ン病 を か か え る患 者 の 【
疾患 ・
治 療 に 伴 う変 化 を 予 測 しな い 対 応 】 を と っ た こ と
止
ど
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で誰 が 作 っ た か わ か らん 吻 な 楚 べ
に よ り、 患 者 は 理 解 者 で あ る は ず の看 護 師 に 絶 望
らカ ん ノ ま β 要 よ ク外 楚 ちあ ま クさ抛.なか った ま
し、《 積 み 重 な る苦 痛 》 を 味 わ うこ と に な る 。「
不
辺 こ と¢..瘋
孅
理 面 で 亘腿
満 」 に該 当 す る事 例 が 無 か っ た の は 、 生 命 力 が脅
と 彑て 鉱_一 一
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か され る場 合 に は 、 「
苦 痛 」や
遂泌 ゑ と蓋 まζ養 灘..β 鯉.劉.、_蒙
養 士 ど兵 〆
ご病 陽 愛 を2っ
で ら ら 之 る よ う〆
ごア ブ
「
怒 り」 と して 示
され る か らで あ る 。
μ一 チ し で 〃、
っ た が\ 患 孝 ぽ β分 の生 房 ぱ 変 え ら
『患 者 へ の影 響 』・「
療 養 生 活 の質 へ の 影 響 」 と
カ な 〃、
と 主 震 ナ る。
は 、 患 者 と して 尊 重 され て い る あ る い は 、 看 護 師
(7)《満 た され な い 気 持 ち:期 待 外 れ 》 【期 待 した
と対 等 で あ る と い う認 識 に 疑 問 を 抱 か せ る こ と
生 活 上 の支 援 に 気 づ か な い 態 度 】
を指す 。 「
怒 り」 を 示 した 事 例 で は 、 患 者 が 看 護
10数
衣の瑛 歯 を さカ た 饗 、.入
廃 され 塗 靭 ま鑽
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師 に 、約 束 を 一 方 的 に 反 故 に され 、 そ の説 明 も無
ヂ ミ楚 を ぽ ぼ塗 量 摂 坂 し で い る 次 態 の恁1銑/藪
く 【
必 要 な 説 明 を欠 い た対 応 】 を され た こ と に よ
ブ 西 ソ ク チ ー,ズが そ の ま ま 倉 享窺
に で で きた 。鰯
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り、 患 者 が 個 人 と して 尊 重 され て い な い と認 識 し、
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《療 養 意 欲 が 減 退 》 した こ とに よ る反 応 で あ る。
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「苦 痛 」 を 示 した 事 例 で は 、 母 親 の 多 忙 と疲 労 が
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読 み 取 れ る。 この よ うな場 合 に 看 護 師 が 【
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発 信 す る情 報 を察 知 しな い 】 と、 患 者 ・家 族 の 疲
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知 され な い と、看 護 師 と の 関 係 は 対 等 で は な い と
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労 感 が 増 し、 「
苦 痛 」 を 味 わ う。 患 者 の 思 い が 察
認 識 し 、 《 療 養 の 質 の 低 下 》 を 招 く。 「
不満 」 に
乙,た看 薔砺 や密 楚 にガ 乙
潔 クを あ らわ に した。
該 当 す る事 例 は 、 サ ン プ ル 数 を増 や せ ば 出 現 す る
と考 え る。
V.考
察
『患 者 へ の影 響 』・「日常 の 気 分 へ の影 響 」と は 、
1.『 患 者 へ の影 響 』 か らみ た 『患 者 の 反 応 』
看 護 師 の 行 為 が 患 者 を 大 切 な 存 在 と して 扱 っ て
看 護 師 の コ ン フ リク トの 捉 え方 と対 処 は 、看 護
い な い と感 じ させ る こ と を 指 す 。 「
怒 り」 を示 し
師 個 人 の感 性 や 経 験 に よっ て 様 々 で あ る。 コ ン フ
た 事 例 で は 、 患 者 に と って は 退 院 す る こ と は 生 活
リク トの発 生 場 面 を空 間 に 布 置 す る こ とで 『患 者
へ の 影 響 』 と 『患 者 の 反 応 』 の2軸
に 大 き な 変 化 を及 ぼ す こ とで あ っ た が 、看 護 師 に
が 見 い 出せ 、
と っ て は 日常 の こ とで 、 患 者 が 「
怒 り」 を 示 す と
コ ン フ リ ク トが 発 生 す る構 造 が 把 握 され た 。 そ こ
は 思 い も して い な か っ た。 看 護 師 の 【気 遣 い や 配
で 、 『患 者 へ の 影 響 』 か らみ た 『患 者 の 反 応 』 に
慮 に 欠 け た 言 動 】 に 、 自分 の こ と を表 面 的 に しか
つ い て 、 《 キ ー ワー ド》 ・【
総 称 】・舟 表 カ ー み"の
理 解 され て い な い と患 者 は 感 じ た の で あ ろ う。 っ
.萋画 の解 釈 を含 め て 考 察 を加 え る 。
ま り、身 体 に 重 大 な影 響 が な くて も 、 自 己 を 大 切
『患 者 へ の影 響 』・「
治 療 ・生 命 力 へ の 影 響 」 と
な 存 在 と して 扱 わ れ て い な い と感 じれ ば 、思 い を
は 、 患 者 の 生 命 力 を脅 か す も の を 指 す 。 「
怒 り」
51
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vol.20No.1(2014)
(島 津,2008)、
晴 らす 方 法 が な く、 《や るせ な い 気 持 ち 》 に な る
今 後 ます ます そ の役 割 は看護 師
と考 え る。 「
不 満 」 を 示 した 事 例 は 、 説 明 不 足 と
に 期 待 され る と こ ろ で あ ろ う。
期 待 外 れ の2つ
2.患 者 の 目常 の 気 分 に 関 わ る必 要 性
に分 け た。 【
ル ー ル の 理 解 ・伝 達
が 十 分 で な い 言 動 】 で は 、入 院 に よ る 様 々 な 制 約
『患 者 へ の 影 響 』 の 中 で 、 「日常 の 気 分 へ の 影
が あ る中、治 療 の妨 げに な らない範 囲 で、 自己の
響 」 は 、患 者 が 人 と して 快 適 な 日常 を 過 ごす こ と
ラ イ フ ス タ イ ル を 貫 き た い と い う患 者 の 希 望 に
へ の 関 わ りで あ り、 こ の 関 わ り も看 護 と して認 識
対 し、個 人 の ライ フ ス タ イ ル よ り も病 院 の ル ー ル
す る こ との 重 要 性 が 見 い 出 せ た 。
が 前 面 に 出 され た。 患 者 は 、 自 己 を 大 切 な存 在 と
「
治 療 や 生 命 力 に影 響 」 を与 え る も の の 『患 者
して 扱 わ れ て い な い と感 じ、仕 方 な く看 護 師 に従
の 反 応 』 は 明 白 で あ り、看 護 師 が 必 ず 対 処 す べ き
うが 、 《満 た され な い 気 持 ち:説 明 不 足 》 の ま ま
もので ある。 「
療 養 生 活 の 質 に影 響 」 を 与 え る も
過 ごす こ と に な る。 【
期 待 した 生 浩 上 の 支 援 に 気
の は 、看 護 者 の 倫 理 綱 領 や 患 者 の 権 利 章 典 等 で 強
づ か な い 態 度 】 で は 、刻 ん だ も の と指 定 され て い
調 され 、 看 護 の 質 保 障 と して認 識 され て い る も の
る 患 者 の 食 事 に、 固 形 物 が 提 供 され た 。 固 形 物 が
で あ る。
出 され た こ とを患 者 が訴 えた と こ ろ、 看護 師 が
対 して 、本 研 究 で 抽 出 され た 「
患 者 の 日常 の 気
「
手 で ち ぎ れ ば 良 い 」 と反 応 した も の で あ る。 患
分 へ の影 響 」 は 、 医療 サ ー ビス の 中 で あ ま り 目 を
者 は 、 看 護 師 は 日常 の 些 細 な こ と に ま で 気 づ き 、
向 け られ て こ な か っ た 領 域 で あ る。 こ の 「
患者 の
や さ しい 言 葉 を か け て くれ 、支 援 を して くれ る と
日常 の気 分 」 に看 護 師 が 関 わ る とい う こ とは 、 井
期 待 して い た か も しれ な い 。ま た 、「
手 で ち ぎる」
部 の 言 うサ ブ サ ー ビス の提 供9)に 相 当す る も の で
な ど の 方 法 を 言 う前 に 、 「
す み ま せ ん 」 と言 っ て
あ る。Lagesetal.は
くれ る 、 「困 り ま した ね 」 と共 感 して くれ る と期
ビス以 上 にサ ー ビス の質 を評 価 す る場 合 に重 視
待 して い た か も しれ な い 。 何 れ に しろ 、 そ の よ う
され る こ とが 多 い10)と 述 べ て お り、 看 護 に お い
な 期 待 が外 れ た場 合 、大 切 な 存 在 と して 扱 わ れ て
て もサ ブ サ ー ビス を充 実 させ る段 階 を迎 え て い
い な い と感 じ 、 《満 た され な い 気 持 ち:期 待 外 れ
る。
》 とな る。 な お 「
苦 痛 」 に該 当す る 事 例 は 、 サ ン
患 者 の 日常 の 気 分 に 関 わ る とい う こ とは 、病 む こ
プ ル 数 を増 や せ ば 出現 す る と考 え る。
と 自体 で 傷 つ け られ た プ ラ イ ドが 二 重 に 傷 っ け
、サ ブ サ ー ビス は 、 コ ア サ ー
られ な い よ う11)、患 者 の 望 む 対 応 を 察 知 す る こ と
『患 者 へ の 影 響 』 か ら 『患 者 の 反 応 』 を 見 直 し
に つ な が る。454人
て み る と、 患 者 の 状 態 が 継 続 的 に 変 化 す る とい う
の 入 院 患 者 を対 象 と した 患 者
満 足 の 横 断 的 調 査 で 、患 者 満 足 で 最 も 重 要 な こ と
特 性 が 浮 き 上 が っ て く る。 対 人 サ ー ビ ス そ れ 自体
は 患 者 ・看 護 師 間 に お け る 良 い コ ミュ ニ ケ ー シ ョ
が そ の 時 の 状 況 ・理 解 ・気 分 等 に よ っ て影 響 を 受
ン で あ る12)こ とが 明 らか に な っ て い る よ うに 、
良 い コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を 通 じて 、 患 者 の 日常 の
け る もの で あ り、 そ の 結 果 、 サ ー ビ ス の 受 け 手 の
気 分 に まで関 わ る必要 性 が高 ま ってい る。す な わ
評 価 は 変 動 す る も の で あ る。 加 え て 医 療 サ ー ビ ス
ち 、 看 護 師 は サ ー ビ ス を提 供 す る 中 で 、 自分 の 行
に お い て は 、サ ー ビス の 受 け 手 で あ る 患 者 の状 態
為 が 患 者 の 日常 の 気 分 に ど う影 響 す る の か を 考
が 病 状 変 化 や 治 療 に よ り常 に 変 動 す る とい う特
え 、 察 知 す る こ とが 求 め られ て い る。
性 を有 して い る。 こ の 患 者 の 変 動 す る 状 況 は 、 コ
VI.結 論
ン フ リ ク ト発 生 場 面 の 分 析 を 通 して 『患 者 へ の影
響 』 と 『患 者 の反 応 』 と い う2軸 で 捉 え る こ とが
患 者 ・看 護 師 間 に お け る コ ン フ リク トの発 生 場
可 能 で あ る 。 そ の た め 、 そ の 状 態 を い か に適 切 に
面 を空 間 に布 置 す る こ と で 、 『患 者 へ の影 響 』 と
『患 者 の 反 応 』 の2軸
把 握 し、 そ れ に応 え る か が 医 療 者 の役 割 で あ り8)
が 見 い 出せ た 。 そ して 、 患
者 サ ー ビス の 面 か ら これ ま で 注 目 され て こ な か
52
大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vo1.20No.1(2014)
った 「
患 者 の 日常 の 気 分 へ の 影 響 」に 関 心 を 向 け 、
Medicine,58(1)851-862
6)
そ の 関 わ り を看 護 と認 識 す る こ と の 重 要 性 が 明
ス テ ィ ー ブ ンP.ロ
ビ ン ス 、高 木 康 夫 翻 訳 、2009、.
組 織 行 動 の マ ネ ジ メ ン ト、ダ イ ヤ モ ン ド社 、3ユ7
らか と な っ た 。
7)
今 後 は 、本 研 究 成 果 を看 護 サ ー ビス 向 上 を 目指
MargaretM.Mabon&Anne
M.Nicotera,2011,
した 教 育 や 研 修 に 活 用 し、看 護 の サ ブ サ ー ビス の
NursingandConflictCommunication
充 実 に 向 け た 取 り組 み を 検 討 して い け る の で は
AvoidanceasPreferredStrategy,
な い か と考 え る。
NursingAdministrationQuar七erly,35
(2)152-163
8)
丶
皿.本 研 究 の 限 界 と 今 後 の 課 題
島 津 望 、2008、
医 療 の 質 と患 者 満 足 、 サ ー ビ
ス ・マ ー ケ テ ィ ン グ ・ ア プ ロ ー チ 、
調 査 対 象 を 看 護 師 と した た め 、 看 護 師 の 立 場 で
千 倉 書 房 、192
捉 え た 意 見 に 偏 っ た 可 能 性 は否 め な い 。 調 査 方 法
9)
を 想 起 に よ る 記 述 と した た め 、 印 象 深 い 事 例 が デ
10)3)前
ー タ と な っ た 可 能 性 が あ る 。 今 後 は 、 患 者 を対 象
11)佐
2)前
掲
掲
伯 晴 子 、 日 下 隼 人 、2008、
話 せ る 医 療 者 、
シ ュ ミ レ イ テ ッ ド ・ペ イ シ ェ ン ト に 聞 く 、 医
と した デ ー タ を も確 保 しつ つ 、 サ ン プ ル 数 を増 や
学 書 院 、149
し な が ら、 面 接 法 ・参 与 観 察 に つ い て も検 討 して
12)F.Oflaz&Vura1,2010,Theevaluationof
い きた い。
nursesandnursingactivitiesthrough
theperceptionsofinpatients,International
CouncilofNurses,32-239
謝辞
本 研 究 の 趣 旨 に 快 く承 諾 し、 ご協 力 い た だ き ま
参考文献
した 皆 様 に 心 よ り感 謝 申 し上 げ ま す 。
ア メ リカ 病 院 協 会 、1973、 患 者 の 権 利 章 典
日本 看 護 協 会 、2003、
引 用
文 献
1)Donabedian,Avedis,1996,Evaluatingthe
QualityofMedicalCare,"MilbankMemorial
FundQuarterly,vo1.44,166-206
2)井
部 俊 子 、2003、.第5章
ー ジ メ ン
ト
看 護 サ ー
、 看 護 管 理 学 習 テ キ ス
管 理 学 概 説 、
ビ ス マ ネ
ト1、
看 護
日 本 看 護 協 会 出 版 会 、p97-122
3)LagesL.F.,FernandesJ.C.,2006,
TheSERPVALscaleamultiitem
instrumentformeasuringservicepersonal
values,JournalofBusinessResearch,
58,1562-1572
4)DawnAlleneta1.,2011,
'Non
-compliance'asillnessmanagement
Hemodialysispatients'descriptionsof
adversarialpatient-clinicianinteractions.
SocialScience&Medicine,73(1)129-134
5)Bissell,P.,Mary,C.,&Noyce,P.R.,2004,
Fromcompliancetoconcordancebarriers
toaccomplishingare-framedmodelof
healthcareinteractions.SocialScience&
53
看 護 者 の倫 理 綱 領