14 (禁止事項-5)火気使用部の可燃材使用禁止

(禁止事項-5)火気使用部の可燃材使用禁止
厨房区画に関する法律等は下記の通りであるが、法規制の適用外の物件において、厨房区画
の下地材に木軸やコンパネを使用した為に、長年使用する間に下地材の木軸が炭化し、表層
材が剥離した例や、小火(ボヤ)騒ぎとなった例もある。
これらの事例から、区画壁の下地材仕様のほかに、熱源との離隔距離の確保や、間に遮熱板
(断熱材)を設けるなどの対策が重要であることが判明している。
その一方、当社設計・施工の物件であっても、厨房機器が別途工事の場合は、厨房機器の配
置に関する責任は曖昧であり、必要な対策の検討も困難となるが、上記の事象が発生すると、
多くの場合、設計及び工事の統括管理会社として当社が責任を問われることになるので、ど
のような厨房機器の配置に対しても火災予防上の安全性を確保する為には、厨房区画の下
地・仕上げ共に不燃材としておく必要がある。
従って、厨房区画の下地・仕上げに可燃材を用いた設計および施工は原則禁止とするが、区
画壁の全てを不燃とすることが困難な場合は、厨房機器の配置を確認し、熱源の前方・側方・
後方・上方の全方位 100cm の範囲内に入る壁面(カウンター・腰壁を含む)は全て下地・仕上
げ共に不燃材とすること。
14
〔火気を使用する客室の壁面対策〕
厨房区画に限らず、焼肉店や鍋物を提供する店舗などの、客席でコンロ等の熱源を使用する
客室内についても、予めコンロ等の熱源配置の情報入手し、熱源から 1m の範囲の壁面の下
地材・仕上げ材は不燃材とする。
且つ、(不燃材であっても焦げ痕が付いたり、その汚れが落とせない素材であればクレームと
なるので、) 熱源に近い壁面には遮熱板を兼ねてステンレス板を貼るなど、焦げずに清掃可
能な素材を用いること。
15
不燃材・準不燃材・難燃材の定義と材料
不燃材料:
〔性能規定〕通常の火災時の火熱で、加熱開始後「20分間」、以下の要件を満たすもの
・燃焼しない
・防火上有害な変形・溶融・亀裂を生じない
・避難上有害な煙・ガスを発生しない
〔仕様規定〕・厚さ12mm 以上のせっこうボード(紙の厚さ0.6mm 以下)
・厚さ5mm 以上の繊維混入珪酸カルシュウム板〈ケイカル板〉
・厚さ3mm 以上のガラス繊維混入セメント板〈フレキ板〉
コンクリート/モルタル/しっくい/石/レンガ/瓦/タイル/ガラス/
鉄鋼/アルミニュウム/金属板/ロックウール/グラスウール
準不燃材料:
〔性能規定〕通常の火災時の火熱で、加熱開始後「10分間」、以下の要件を満たすもの
・燃焼しない
・防火上有害な変形・溶融・亀裂を生じない
・避難上有害な煙・ガスを発生しない
〔仕様規定〕・上記の不燃材料
・厚さ9mm 以上のせっこうボード(紙の厚さ0.6mm 以下)
・厚さ6mm 以上のパルプセメント板〈防火ライト〉
・厚さ15mm 以上の木毛セメント板〈木毛板〉
・厚さ9mm 以上の硬質木片セメント板(かさ比重 0.9 以上)
・厚さ30mm 以上の木片セメント板(かさ比重 0.5 以上)
難燃材料:
〔性能規定〕通常の火災時の火熱で、加熱開始後「5分間」、以下の要件を満たすもの
・燃焼しない
・防火上有害な変形・溶融・亀裂を生じない
・避難上有害な煙・ガスを発生しない
〔仕様規定〕・上記の準不燃材料
・厚さ5.5mm 以上の難燃合板
・厚さ7mm 以上のせっこうボード(紙の厚さ0.5mm 以下)
16