「EMIEW3」とロボットIT基盤を開発

Solution
お客さまとの実証のための
「EMIEW3」とロボットIT基盤を開発
日立は2005年以来、豊かなコミュニケーション
能力を持ち、人と安全に共存でき、人をサポー
トするサービスロボットの実現をめざしてきま
した。
そして今回、店舗や公共スペースで接
客・案内サービスを提供できる
「EMIEW3」
と
ロボットIT基盤による実証環境を整備。お客
さまと日立による、新たなロボットサービスの
協創をスタートさせます。
そして2 0 1 6 年 、新たに開 発した
ニーズに即した、
より柔軟で高度なロ
「EMIEW3」
は、
「EMIEW2」
の諸機能
ボットサービスを開発することができま
を継承しつつ、
サポートを必要とするお
す。
例えば、
さまざまな言語対応や移動
日立は日本におけるロボット研究の草
客さまを見つけて自ら接客行動を開始
しながらの説明などが求められる空港
分けとして、
これまで数多くの技術開発
する機能、複数台のロボット間で情報
や駅での案内サービス、種類が多く複
を行ってきました。
1970年の日立技術展
共有やサービスの引き継ぎを行う機能、
雑な商品を取り扱う銀行などの窓口業
では、
わが国初の人工知能ロボットを公
転倒しても自ら起き上がる機能を追加
務、高齢者や子どもなど、知りたい内容
開展示。2005年日本国際博覧会「愛・
し、
接客・案内サービスを、
より効果的に
をうまく伝えられない方々への案内業
地球博」
日立ブースでは、人と対話して
行う仕様を実現しています。
務、そして店舗内での不審者発見な
行動するヒューマノイド
「EMIEW」
を、
クラウド上に実装した制御機能と、
ロ
ど、一段と高度化する対人サービスで
また2007年には人と同じ速度で移動す
ボット機体の監視システムからなるリ
の活用をめざしています
(図1)
。
る自律走行機能を持った
「EMIEW2」
モートブレイン※1構成のロボットIT基盤
をそれぞれデビューさせました。
と連携することで、お客さまの幅広い
※1音声・画像・言語処理などの知能処理をロボットの
外側で行う仕組み
人と対話し、
実業務を担える
ロボット「EMIEW3」
ロボット
(現場動作)
ロボットIT基盤
(知能・分析・運用)
広域
ネットワーク
会話
ロボ動作アプリ
緊急時操作
行動計画
ナレッジ提供
データ収集/分析
知能処理
連携
業務システム
自律移動
センシング
図1 EMIEW3の活用シーン
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はいたっく 2016.6
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商品情報
接客マニュアル
人員配置
監視カメラ
地図
EMIEW3
EMIEW3とロボットIT基盤の
主な特長
べての方向で、転倒からの起き上がり
機能を新たに搭載しました。人と同じ速
ロボットサービスの
早期実用化をめざして
さで広範囲を動き回れるため、
さまざま
■困っている人に自ら話しかける
「能動性」
なシーンを対象としたサービス開発が実
日立は、EMIEW3とロボットIT基盤、
現できます。
開発者とオペレーターで構成するチー
付近のカメラと連携した環境認識と対
ムを一つのパッケージとし、
さまざまな
場所や状況におけるロボットサービスの
から答えるのではなく、
立ち止まり、
困って
■サービス稼働率を高める
「運用性」
いそうな人を自ら見つけて能動的にサ
リモートブレイン構成を採用し、高度
のパートナーとともに開始します。具体
ポートできます。
対話する際も、
頭部の複
な接客・案内サービスを提供できます。
的には、
日立独自の顧客協創方法論
数のマイクロホンを使って、
雑音の中でも
また、複数ロボットを遠隔から統合的に
※3
によってお客さま
「NEXPERIENCE」
人の声(日本語・英語をはじめとする多
監視・制御する運用監視システムによ
との課題共有からビジネスモデル設計
言語)
を聞き取るとともに、
子どものような
り、多拠点に配置された複数台のロ
までをトータルで検討。
さらに、茨城県ひ
親しみやすい声での発話が可能です。
ボット間での情報共有やサービスの引
たちなか市に新設した
「ロボティクス協
き継ぎが可能。
ロボットIT基盤の監視・
創ルーム」
で実機を使いながらプロトタイ
■多様なサービスに対応する
「機動性」
制御対象は
「EMIEW3」
に限定せず、
ピングとアイデア検証を実施し、すばや
他社製ロボットやデジタルサイネージ、
いサービス開発へとつなげていきます。
人と協調して移動できる6km/hの走
タブレット端末など、
さまざまなデバイス
今後も日立はビジネスや社会の発展
行速度、15mmの段差乗り上げ機能な
に対応します。
さらにロボットの障害発
に役立つロボットサービスの実用化を
どを
「EMIEW2」
から継承し、屋内サー
生時には遠隔地から指示を出すことで
めざします。
ビスで実用的な身長90cm、
重さ15kgの
短時間での復旧対応を実現し、
サービ
小型軽量ボディを実現。前・横・後方す
ス稼働率を高めます
(図2)。
※2 Proof of Concept:概念実証
※3「顧客協創手法」
と
「ツール」
、
それらを
「実践する場」
を包含する日立オリジナルの顧客協創方法論
話能力により、
お客さまに話しかけられて
実証実験(PoC※2)
を、
お客さまや世界
①能動性
②機動性
③運用性
環境認識
サイズ
リモートブレイン
●環境センサー連動
●人物検知
●身長90cm、
重さ15㎏
●突起の少ないデザイン
●計算能力の柔軟な拡張
●A
I活用したロボット動作最適化
対話能力
走行性能
稼働率向上
●雑音に頑健な音声処理
●掘り下げ型の対話
●音と顔の検出によるふりむき
●最大移動速度6km/h
●15㎜の段差乗り上げ能力
●転倒からの起き上がり機能
●多拠点、複数ロボットの統合監視
●複数ロボット間データ共有、連携
●緊急時向け遠隔ロボット操作
環境センサー
運用監視
センター
立ち止まっている
人に声をかける
監視画面
図2 EMIEW3とロボットIT基盤の主な特長
お問い合わせ先
(株)
日立製作所 研究開発グループ
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/hqrd/rd/jp/form.jsp
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/rd/portal/highlight/robotics/emiew3_01/
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