いずみさの昔と今(PDF:794.2KB)

いずみさの
昔 と今
第
﹁考古学からみた泉佐野の特産品﹂
回
ん、海とかかわりの深いこの地
の魚処として有名です。もちろ
海に面した泉佐野市は、泉佐
野漁港に代表されるように泉州
中世の蛸壺焼成窯が検出され
のほか、阪南市の田山東遺跡で
かかわる遺跡としては、湊遺跡
ていた漁法です。蛸壺の製造に
かります。当時の蛸壺や製塩土
した生活を営んでいたことがわ
州人たちも海産物に大きく依存
このように、遺跡から出土す
るさまざまな遺物から、昔の泉
素焼きの蛸壺を縄などで複数つ
蛸壺が出土しています。これは
古墳時代から奈良時代、中世の
浜 部 に 近 い 市 内 の 湊 遺 跡 で は、
れていたことがわかります。海
泉州では蛸壺がたくさん出土
するので、蛸壺漁が盛んに行わ
い塩水を入れ、煮沸して塩を作
ので、専用の製塩土器の中に濃
方法は古くは土器を用いるも
遺跡が見つかっています。製塩
州沿岸部にかけて多くの製塩
になり、本州側では泉州から紀
沿岸部でも広く知られるよう
18
広報いずみさの 平成28年6月号
塩石敷炉も見つかっています。
土錘
泉州地域の遺跡からは
︵どすい︶も普遍的に出土しま
す。土錘は素焼きの土製のおも
りで、網に多数の土錘をつけて
域では、歴史的にみても漁業活
ています。専業集団が計画的に
器は、春季特別展﹁卑弥呼の時
投網漁に使いました。
動が盛んだったと考えられま
蛸壺を生産し、漁村に供給して
したが、比較的近年まで行われ
す。発掘調査で私たちが確認で
いたようです。
ないで海底に沈めておき、後で
る方法がとられていました。泉
代と泉州﹂において展示します。
きるものはその一部に過ぎませ
引き上げて中に入ったタコを捕
佐野市内では湊遺跡、松原遺跡
(入館は午後4時30分まで)
んが、それでもこの地域の特徴
泉州地方のもうひとつの特
産品は塩です。弥生時代中期以
らえる方法です。湊遺跡では古
などで多くの製塩土器が出土
降、 瀬 戸 内 東 部 を 中 心 に 製 塩
墳時代から奈良時代はイイダコ
しました。これらの遺跡では弥
レイクアルスタープラザ・
カワサキ歴史館いずみさの
☎469-7140 Fax469-7141
休館日 休館日
月曜日、祝日(祝日
が月曜日の場合はその翌日、
日曜日の場合はその翌々日)
開館時間
午前9時∼午後5時
的な遺物が出土し、その生業の
漁が主体で、平安時代後半から
生 時 代 後 期 か ら 製 塩 が 行 わ れ、
一端をうかがい知ることができ
マダコ漁に変化していったよう
古墳時代前期まで継続してい
活 動 が 盛 ん に な っ て い き ま す。
ですが、一貫して蛸壺漁が営ま
ます。和歌山市の西庄︵にしの
ます。
れていました。効率が悪く、現
しょう︶遺跡では古墳時代の製
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▲歴史館いずみさのキャ
ラクター しょうくん(左)
・
ひねのちゃん(右)
古墳
中世という時代を様々な視点から見て、日根荘
が成立した時代背景を学んでいきます。
日時 6月26日㈰
午後1時30分∼3時(受付:1時∼)
定員 60人(先着順)
講師 吉村達也(スタッフ)
場所・申込・問合先 6月7日㈫以降に直接ま
たは電話でレイクアルス
タープラザ・カワサキ歴
史館いずみさのへ
※受講無料
墓制の変化を中心に、弥生社会と古墳社会の違いを
考えます。
日時 6月18日㈯
午後1時30分∼3時(受付:1時∼)
定員 60人(先着順)
講師 西村 歩(副館長)
場所・申込・問合先 直接または電話でレイクアル
スタープラザ・カワサキ歴史館
いずみさのへ
※受講無料
∼日根荘成立前の土地制度と武士の誕生∼
第2回 古墳のはじまり
第1回 土地制度の変遷
弥生時代後期以後は紀淡海峡
在ではほとんど廃れてしまいま
▲湊遺跡の製塩土器
入館料 無料
入館料
無料
春季特別展 特別講演会
中世史講座
「中世の歴史を知る ∼日根荘の時代背景∼」
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