38 (特別管理事項-怠るな-3) 照明器具選定時の設計・施工上の注意

(特別管理事項-怠るな-3)
照明器具選定時の設計・施工上の注意
2016 年改題
ここ数年LED照明器具は、目覚ましい技術進歩と共に、個々の物件においても採用され
ているが、クレームがいくつか出ている。
現在進行中の物件においても、メーカーへ仕様の確認をする等LEDの特性を理解した
上で、採用をする様、設計、制作共に注意する事。又、お客様がLEDに関し、間違った
認識を持っている場合も、以下の特性を説明し理解を得られるようにする事。
1.設計・施工の注意点
過去のクレーム事例に照らし合わせ注意点を下記に記す。
① 色が変化する
演出照明などに使用されるRGB(赤・緑・青)混合色タイプのLEDは、寿命が
赤>緑>青となっている為、一定の色を使い続けると寿命により、色のバランスが崩
れ、色が変化してしまう恐れがある。一定の色を使い続ける事を避け、お客様にも特
性について説明しておくことが必要。
② LEDでも球切れは起こす
一般的にLEDの寿命は 40000hと言われていますが、寿命を保証するものではな
い。どのLED製品においても球切れを起こす可能性がある事を理解し、メンテナン
スが出来るように対処しておく事が必要。
③ 熱を持つ
LED自体から発せられる光は赤外線領域を殆んど含まないので、光自体か
らの熱は殆んどないが、素子基板にて熱を発する。製品によっては、放熱対策が採ら
れていない器具もある為、メーカーに確認を行い、排熱を考慮した造りをする必要が
ある。
④ 退色しやすい物がある
LEDは紫外線をほとんど含まないため、変色や退色が少ないと言われていたが、可
視光により特定の染料に対して変退色する事が判明。
【対処方法】
 退色を軽減する対策
・ 光源の色温度が高いほど退色しやすい傾向にある為、低い色温度(電球色
など)の光源を採用する。
・ 照射配光角の広い器具を採用する。
・ 調光器等を用い光量を落として使用する
尚、上記の退色現象は、可視光域での現象の為、LED以外の器具について
も 同様な現象が起こり得る。
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照射距離について
現在カタログや製品取扱説明書などに記載の近接照射可能距離は、照射による
温度限度(表面温度が 60℃以下)を基準に設定されたものであり、変色や退
色を防ぐ為の表記とは異なる為、上記①の対策と併せて照射距離を検討する。
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可視光退色しやすい対象物の例として、下記の対象物が上げられている為、使
用の際には充分検討し、退色の可能性について施主への説明を行う。
・ 有機染料で短波長側の波長に敏感なもの敏感なものファー(人工染色毛
皮)や透光性塩ビなど
・ 気中の酸素や水分が接触しやすいもの(表面積が大きい繊維、フィルム、
シート、インク、パウダーなど)
・ 内部への酸素や水分が拡散しやすいゴム、エラストマー、発泡体など高温
となる状態で照射されるもの
(以上 東芝ライテック カタログより抜粋)
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