グローバル・マクロ・ トピックス

グローバル・マクロ・
トピックス
2016/
6/2
投資情報部
シニアエコノミスト
宮川 憲央
製造業活動は最悪期を脱するも、足取りは重い
~米ISM指数(2016年5月)
 米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業景況指数(PMI)は51.3となり、4月の50.8か
ら上昇、市場予想も上回る結果となった。
 ただ、内訳をみると、新規受注や生産が伸び悩んでおり、必ずしも強い結果とはいえない。製
造業活動は最悪期を脱したとみられる一方、中国経済の減速が続くとみられることや原油価
格の大幅な上昇までは見込みづらいことから、今後の製造業の持ち直しの動きは足取りが
重いものになるとみられる。
 一方、米国経済全体としては、製造業やエネルギー産業では足取りの重さが残るものの、雇
用・所得の増加を支えに、個人消費や非製造業が底堅く推移していくもとで、今後も緩やかな
成長が続くと考えている。
PMIは予想外の改善
だが、新規受注や生
産は伸び悩み
米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業景況指数(PMI)は51.3となり、4月
の50.8から上昇、4月からの低下が見込まれていた市場予想(ブルームバーグの集
計では50.3)も上回る結果となった。ただ、内訳をみると、4月から上昇したのは納入
遅延のみで、新規受注、生産、在庫は低下、雇用は横ばいとなった。また、PMIの
構成項目以外では、輸出受注が52.5と4月から横ばいとなった。一方、在庫関連の
指標では、顧客在庫が50.0と4月から上昇した。在庫調整が進展しているとみられる
ものの、新規受注や生産が弱いなかでの動きであるため、意図せざる在庫の積み
上がりにつながらないかという点には注意が必要。
業種別では18業種中、飲食料品・タバコ、一次金属、コンピュータ・電子製品、機
械等の12業種で拡大、輸送機械、化学製品、石油・石炭製品等の6業種では縮小
となった。また、企業からのコメントはビジネス環境の堅調さを指摘する声が多いも
のの、減速を指摘する声もみられる等、まちまちの内容となっている。
他の国・地域の5月製造業PMIの動きをみると、ユーロ圏は51.5と4月から0.2ポイン
トの低下、中国(国家統計局発表ベース)は50.1と4月から横ばいとなった。中国に
ついては、財新が発表する製造業PMIが49.2と4月から0.2ポイントの低下となってお
り、過剰な設備や債務の解消圧力が根強く残ること等から、製造業の活動は回復感
に乏しい状況が続く可能性があると考えている。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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グローバル・マクロ・トピックス
5月の製造業PMIは、4月から上昇し、拡大・縮小の分岐点である50を上回る状況
も続いている。製造業活動が最悪期を脱したことを示唆していよう。もっとも、内訳を
みると、新規受注や生産が伸び悩む等、必ずしも強い結果とはいえない。経済構造
の転換や過剰設備・債務の調整にともなう中国経済の減速が続くとみられるほか、
需給動向を考えると、原油価格も大幅な上昇までは見込みにくい。このため、製造
業の持ち直しの動きは足取りの重いものになると引き続き考えている。
一方、米国経済全体としては、製造業やエネルギー産業では足取りの重さが残る
ものの、雇用・所得の増加を支えに、個人消費や非製造業が底堅く推移していくも
とで、今後も緩やかな成長が続くと考えている。
米ISM製造業景況指数の推移
(単位:ポイント)
16/03
PMI
新規受注
生産
雇用
納入遅延
在庫
顧客在庫
価格
受注残
輸出受注
輸入
16/04
51.8
58.3
55.3
48.1
50.2
47.0
49.0
51.5
51.0
52.0
49.5
16/05
50.8
55.8
54.2
49.2
49.1
45.5
46.0
59.0
50.5
52.5
50.0
51.3
55.7
52.6
49.2
54.1
45.0
50.0
63.5
47.0
52.5
50.0
(注)PMIの構成項目は新規受注、生産、雇用、納入遅延、在庫。在庫以外は季節調整値
出所:米供給管理協会(ISM)のデータよりみずほ証券作成
米ISM製造業PMI
(月次:1990/1~2016/5)
(ポイント)
65
60
55
50
45
40
経済全体の拡大・縮小ライン:43.2
35
30
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年)
(注)シャドー部分は景気後退期間
出所:全米供給管理協会(ISM)のデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
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主な国・地域における製造業PMI
(月次:2014/1~2016/5)
(ポイント)
60
58
56
54
52
50
48
46
米国(ISM指数)
ユーロ圏
中国
44
14
15
16
(年)
(注) 製造業PMIはユーロ圏はマークイット社、中国は国家統計局の調査による
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
米ISM製造業PMIと実質GDP
( 月次:1990/1~2016/5)
(ポイント)
65
(%)
8
60
6
55
4
50
2
45
0
40
▲2
ISM製造業PMI(左目盛)
35
▲4
実質GDP・前年比(右目盛)
30
▲6
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
(年)
(注)実質GDPは四半期の中間月(1-3月期なら2月)の時点でプロット、直近は2016年1-3月期
出所:米ISM、商務省のデータよりみずほ証券作成
米ISM製造業PMIと株価の推移
(月次:2000/1~2016/5)
(ポイント)
65
(%)
60
60
40
55
20
50
0
45
▲ 20
40
▲ 40
ISM製造業PMI(左目盛)
35
S&P500・前年同月比(右目盛)
30
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
▲ 60
▲ 80
(年)
出所:米ISM、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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金融商品取引法に係る重要事項
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