ランマーク皮下注120mg 使用上の注意改訂のお知らせ

── 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。──
使用上の注意改訂のお知らせ
ヒト型抗 RANKL モノクローナル抗体製剤
デノスマブ(遺伝子組換え)注
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
2016 年 6 月
このたび、標記製品の「使用上の注意」の一部を改訂いたしましたので、ご連絡申し上げます。
つきましては、今後のご使用に際しご参照いただくとともに、副作用等の治療上好ましくない有害事象を‌
ご経験の際には、弊社MRに速やかにご連絡くださいますようお願い申し上げます。
1. 改訂の概要
( 1)
「重要な基本的注意」の項に、顎骨壊死のリスク因子として
‌
「血管新生阻害薬」を追記しました。
≪自主改訂≫
( 2)
「小児等への投与」
‌
の項に、骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者における重篤な‌
高カルシウム血症について追記しました。≪自主改訂≫
(3)
「小児等への投与」
‌
の項に、骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者における重篤な‌
高カルシウム血症について記載したことに伴い、
「効能・効果に関連する使用上の注意」の項の
参照先に「小児等への投与」を追記しました。≪自主改訂≫
流通在庫の関係から、改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数が必要ですので、ご使用に際しましては、ここに
ご案内申し上げました改訂内容をご参照いただきますようお願い申し上げます。
−1−
2. 改訂内容〔
( )自主改訂、
( )削除〕
改 訂 後
改 訂 前
< 効能・効果に関連する使用上の注意 >
< 効能・効果に関連する使用上の注意 >
1.骨 巨細胞腫の場合、骨端線閉鎖を伴わない骨格が未 1.骨 巨細胞腫の場合、骨端線閉鎖を伴わない骨格が未
成熟な患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立
成熟な患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立
していない(
「小児等への投与」
、
「臨床成績」の項参照)。 していない(「臨床成績」の項参照)。
2.現行通り
2.略
2.重要な基本的注意
2.重要な基本的注意
( 1 )~( 5 )
現行通り
( 1)
~( 5)
略
( 6 )顎 骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあり、( 6)
顎 骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあり、
本剤の長期投与により顎骨壊死の発現率の増加が
本剤の長期投与により顎骨壊死の発現率の増加が
認められている。報告された症例の多くが抜歯等
認められている。報告された症例の多くが抜歯等
の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関
の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関
連して発現している。リスク因子としては、悪性
連して発現している。リスク因子としては、悪性
腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステ
腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射
ロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処
線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知ら
置の既往等が知られている。本剤の投与開始前は
れている。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態
口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者
を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科
に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置
検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ま
をできる限り済ませておくよう指導すること。本
せておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処
剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、で
置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的
きる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導す
な歯科処置を受けるよう指導すること。また、口
ること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的
腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受け
な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使
ること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告
用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はでき
知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けること
る限り避けることなどを患者に十分説明し、異常
などを患者に十分説明し、異常が認められた場合
が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を
には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指
受診するように指導すること(
「重大な副作用」の
導すること(「重大な副作用」の項参照)。
項参照)
。
(7)
現行通り
( 7)
略
6.小児等への投与
( 1 )低 出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対
する安全性は確立していない(使用経験が少ない)
。
[本剤を投与した若齢サルにおいて、骨端成長板の
異常が認められた。RANKL 注)を阻害すると、ラッ
ト新生児の骨成長及び歯の萌出が抑制されること
が示されている。
]
注) RANKL:receptor activator for nuclear factor-κB ligand
( 2 )骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者において、
本剤投与中止後(数週間から数ヵ月後)に、急性腎
不全、悪心・嘔吐等の臨床症状を伴う重篤な高カ
ルシウム血症が発現した例が報告されている。
6.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対す
る安全性は確立していない( 13 歳未満の小児での使
用経験がない)。
[本剤を投与した若齢サルにおいて、
骨端成長板の異常が認められた。RANKL 注)を阻害す
ると、ラット新生児の骨成長及び歯の萌出が抑制さ
れることが示されている。]
注 ) RANKL:receptor activator for nuclear factor-κB ligand
←(追記)
−2−
3. 改訂理由
( 1)
「重要な基本的注意」≪自主改訂≫
海外の集積情報で、デノスマブによる顎骨壊死発現のリスク因子として「血管新生阻害薬」
が示唆されたことから、海外の添付文書には既に記載されています。国内の市販後の集積
情報から「血管新生阻害薬」を併用している、もしくは投与歴がある症例が報告されたため
追記しました。
( 2)
「小児等への投与」≪自主改訂≫
これまで治験での最少年齢を記載していましたが、市販後に13歳未満の患者への投与が確認
されているため記載を修正しました。
海外において、骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者で、デノスマブ投与中止後(約7週間
から約8 ヵ月後)に、急性腎不全、悪心・嘔吐等の臨床症状を伴う重篤な高カルシウム血症が
発症した例が報告されました。また、国内において、海外同様骨端線閉鎖を伴わない骨格が
未成熟な患者で、デノスマブ投与中止後4 ヵ月後に重篤な高カルシウム血症を発現した例が
報告されたことから、追記しました(症例概要参照)
。
(3)
「効能・効果に関連する使用上の注意」≪自主改訂≫
「小児等への投与」の項に、骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者における重篤な‌
高カルシウム血症について記載したことに伴い、参照先に「小児等への投与」を追記しました。
−3−
症例概要
性
年齢
男
10歳
使用理由
仙骨骨巨細胞腫
経過及び処置
投与前
本剤投与開始
1日目
8日目、15日目、
29日目
2~3ヵ月後
2ヵ月前からの持続的な臀部痛、歩行障害により入院、切除困難な仙骨骨巨
細胞腫と診断。
ランマーク120mg投与、沈降炭酸カルシウム/コレカルシフェロール/炭酸マグ
ネシウム配合錠(2錠/日)併用開始。
ランマーク120mg投与。
ランマーク120mg投与(4週に1回×2回)。腫瘍は著明に縮小、疼痛軽減、
歩行可能となった。
ランマーク120mg投与、骨端線周囲に骨硬化変化を認め、ランマーク投与中止。
腫瘍の再増大を認め、ランマーク120mg再投与開始。
ランマーク120mg投与(4週に1回×3回)。
血管塞栓術及び腫瘍切除術施行、合併症なし。
ランマーク120mg投与(最終投与日)。ランマーク投与期間中はアルブミン
補正カルシウム値は正常範囲内であった。
4ヵ月後
8ヵ月後
10~12ヵ月後
13ヵ月後
14ヵ月後
(投与中止日)
投与中止4ヵ月後
嘔気・疲労感発現。
入院5日前
嘔気・食欲減退により、沈降炭酸カルシウム/コレカルシフェロール/炭酸マ
入院2日前
グネシウム配合錠投与中止。
緊 急入院、アルカローシス、腎機 能 障 害、脱 水を伴う高カルシウム血症
入院
(15.2mg/dL)と診断。PTH及び1,25-ジヒドロキシビタミンD 3 低下を認め
る。洞性徐脈有(60回/分)、QT間隔正常。結晶沈着を伴う混濁尿を認める
(発現日)
も、腎石灰沈着、尿路結石は認めず。
入院後より、生食補液、フロセミド、メチルプレドニゾロン投与。エルカトニン
入院5日目
(20IU/日)は4日間投与。血清カルシウム、TRACP-5b低下を認めず。
入院7日目
ゾレドロン酸(3.5mg)投与。
入院9日目
血清カルシウム値は徐々に低下、臨床症状は全て軽快。
入院21日目
軽度の高カルシウム血症(11.1mg/dL)を認め、ゾレドロン酸(4.0mg)再投与。
高カルシウム血症 全身状態は良好、骨巨細胞腫の再発や成長障害は認めず。TRACP-5bの僅
発現から6ヵ月後 かな上昇(2678mU/dL)以外の検査値は正常範囲内。
検査項目
正常範囲
入院
(年齢調整) 8週間前
8.91 - 10.89
8.6
1.1 - 1.3
3.9 - 6.41
3.3
3.3 - 4.8
3.9
1.4 - 2.1
2.2
2.9 - 16.7
13
0.15 - 0.31
0.5
2.8 - 6.5
20 - 70
1.9 - 4.9
0.89 - 1.53
0.7 - 3.6
10 - 65
390 - 1490
54 - 186
21.8
800 - 2630
238
入院時
入院
5日目
14.8
1.83
4.2
3.9
1.5
19
1.26
9.4
入院
7日目
14.2
入院
8日目
10.2
入院
21日目
10.8
カルシウム(mg/dL)
15.2
イオン化カルシウム(mmol/L)
1.68
無機リン酸塩(mg/dL)
2.4
3.5
1.7
4.8
アルブミン(g/dL)
4.5
4.3
3.7
マグネシウム(mg/dL)
1.7
1.4
1.1
BUN(mg/dL)
17
17
27
17
クレアチニン(mg/dL)
1
1.42
2.28
0.65
尿酸(mg/dL)
9.9
6.5
6.5
1,25-ジヒドロキシビタミンD(pg/mL)
9
遊離トリヨードサイロニン(pg/dL)
3.02
遊離サイロキシン(ng/dL)
1.7
甲状腺刺激ホルモン(µU/mL)
1.23
副甲状腺ホルモン(pg/mL)
2
4
ALP(U/L)
558
572
632
BAP(µg/L)
46.1
TRACP-5b(mU/dL)
4182
1874
尿検査
24時間クレアチニンクリアランス(mL/min)
-
80.2
50.2
96.9
カルシウム・クレアチニン比
<0.21
0.45
0.83
1.1
0.38
カルシウム(g/day)
<0.16
0.543
0.969
0.571
0.162
NTX(nmol BCE/mmol Cr)
-
34.8
111.3
TRACP tartrate-resistant acid phosphatase, BAP bone-specific alkaline phosphatase, NTX type I collagen cross-linked
N-telopeptide, BCE bone collagen equivalent
<引用文献>
Setsu N, Kobayashi E, et al.: Bone Miner Metab. 34 (1), 118-122, 2016より一部改編
☆添付文書全文については弊社ホームページに掲載しておりますので、併せてご参照いただきま
すようお願い申し上げます。
(http://www.medicallibrary-dsc.info )
−4−
【使用上の注意】
【警 告】
1.本剤の治療開始後数日から、重篤な低カルシウム血症があらわれ
ることがあり、死亡に至った例が報告されている。本剤の投与に
際しては、頻回に血液検査を行い、観察を十分に行うこと。本剤
による重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、血清補正
カルシウム値が高値でない限り、カルシウム及びビタミン D の経
口補充のもとに本剤を投与すること(「用法・用量に関連する使用
上の注意」の項参照)。
2.重度の腎機能障害患者では低カルシウム血症を起こすおそれが高
いため、慎重に投与すること(「慎重投与」の項参照)。
3.本剤投与後に低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウ
ム及びビタミンD の経口投与に加えて、緊急を要する場合には、
カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行
うこと(「重大な副作用」の項参照)。
4.骨巨細胞腫に対する本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療
施設において、骨巨細胞腫の診断及び治療に十分な知識・経験を
持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例について
のみ行うこと。
【禁忌】
(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等
への投与」の項参照)
<効能・効果に関連する使用上の注意>
※1.骨巨細胞腫の場合、骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者に対する本
剤の有効性及び安全性は確立していない(
「小児等への投与」、
「臨床成績」
の項参照)。
2.骨巨細胞腫の場合、患者の年齢、体重等について、
「臨床成績」の項の内容
を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選
択を行うこと。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤によるグレード 3又は 4の副作用が発現した場合、グレード 1以下に回
復するまで休薬を考慮すること(グレードはCTCAEに準じる)。
2.本剤による重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、血清補正カル
シウム値が高値でない限り、毎日少なくともカルシウムとして 500mg‌
(骨巨細胞腫の場合は 600mg)及び天然型ビタミンD として 400IUの投与を
行うこと(「臨床成績」の項参照)。ただし、腎機能障害患者では、ビタミン
Dの活性化が障害されているため、腎機能障害の程度に応じ、ビタミンD
については活性型ビタミンDを使用するとともに、カルシウムについては
投与の必要性を判断し、投与量を適宜調整すること。
【使 用 上 の 注 意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)‌低カルシウム血症の患者又は低カルシウム血症を起こすおそれのある
患者[低カルシウム血症が発現又は増悪するおそれがある(「重要な基本
的注意」の項参照)。]
(2)‌重度の腎機能障害のある患者[低カルシウム血症を起こすおそれがある。
本剤の第Ⅲ相臨床試験では、クレアチニンクリアランス値が 30mL/min
未満の重度腎疾患患者及び透析の必要な末期腎不全患者は対象から除
外されており、本剤の使用経験が少ない(「臨床成績」の項参照)
。
]
(3)‌肺転移を有する骨巨細胞腫患者[気胸が発現するおそれがある。
]
2.重要な基本的注意
(1)‌本剤はプラリアと同一成分(デノスマブ)を含むため、本剤投与中の患
者にはプラリアの投与を避けること。
(2)‌多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変に対する本
剤の投与は、がん治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤
の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。
(3)‌多発性骨髄腫による骨病変において、本剤投与による全生存期間への
影響は他剤と同程度ではない可能性が示唆されていることから、多発
性骨髄腫による骨病変については、本剤以外の他の治療法の実施を十
分検討した上で、本剤の使用を慎重に判断すること(「その他の注意」
の項参照)。
(4)‌低 カルシウム血症があらわれることがあるので、本剤投与開始前に、
血清カルシウム、リン等の血清電解質濃度を測定すること。血清補正
カルシウム値を確認し、低カルシウム血症が認められた場合には、低
カルシウム血症を是正した後に、本剤の投与を開始すること。
(5)‌治療開始後数日から、低カルシウム血症があらわれることがある。本
剤投与後は、患者の状態に注意し、頻回に血清カルシウム、リン等の
血清電解質濃度を測定すること。
※
(6)‌顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあり、本剤の長期投与によ
り顎骨壊死の発現率の増加が認められている。報告された症例の多く
が抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現
している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、
コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既
往等が知られている。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、
〔 ※2016 年6 月改訂〕
必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置
をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置
が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよ
う指導すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査
を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的
な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が
認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導す
ること(
「重大な副作用」の項参照)
。
( 7)本
‌ 剤又はビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、
非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現し
たとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ
月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もある
ことから、本剤の投与開始後にこのような症状が認められた場合には、
X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生
じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反
対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察す
ること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられ
ており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
3.副作用
〈多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変〉
第Ⅲ相臨床試験[骨転移を有する進行乳癌患者対象試験(日本が参加した国
際共同試験)、骨転移を有するホルモン不応性(去勢抵抗性)前立腺癌患者
対象試験(外国臨床試験)及び多発性骨髄腫又は骨転移を有する進行固形癌
(乳癌及び前立腺癌を除く)患者対象試験(外国臨床試験)
]において、総症
例 2,841例中 827例(29.1%)に副作用が認められた。主なものは、低カル
シウム血症 165 例( 5.8%)
、疲労 78 例( 2.7%)
、悪心 75 例( 2.6%)
、関節痛
74例
(2.6%)
、
顎骨壊死52例
(1.8%)
、
無力症48例
(1.7%)
及び下痢45例
(1.6%)
等であった。骨転移を有する進行乳癌患者対象試験のデノスマブ群において、
国内症例は 69 例であった。
〔承認時〕
〈骨巨細胞腫〉
国内外において実施された第 II 相臨床試験において、総症例 321 例中 161 例
(50.2%)に副作用が認められた。主なものは、頭痛31 例( 9.7%)、疲労30 例
( 9.3%)
、悪心 23例( 7.2%)
、低リン酸血症 14 例( 4.4%)及び低カルシウム
血症 12 例( 3.7%)等であった。
〔承認時〕
( 1)重大な副作用
1)‌低 カルシウム血症( 5.6%)
:QT 延長、痙攣、テタニー、しびれ、失
見当識等の症状を伴う低カルシウム血症があらわれることがあり、
死亡に至った例が報告されている。観察を十分に行い、低カルシウ
ム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの経口投
与に加えて、緊急を要する場合には、カルシウムの点滴投与を併用
するなど、適切な処置を速やかに行うこと。
2)‌顎骨壊死・顎骨骨髄炎( 1.8%)
:顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれる
ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投
与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3)‌アナフィラキシー
(頻度不明注))
:アナフィラキシーがあらわれること
があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を
中止し、適切な処置を行うこと。
4)‌大 腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折(頻度不明注))
:大
腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがある
ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止す
るなど、適切な処置を行うこと(
「重要な基本的注意」の項参照)
。
5)‌重篤な皮膚感染症( 0.1%)
:重篤な蜂巣炎等の皮膚感染症があらわれ
ることがあるので、観察を十分に行い、発赤、腫脹、疼痛、発熱等
の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
( 2)その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、
必要に応じ適切な処置を行うこと。
−5−
1%以上
血 液
皮 膚
代 謝
精神神経系
循環器
呼吸器
消化器
筋骨格系
肝 臓
腎 臓
1%未満
白血球減少、血小板減少
発疹、
そう痒症、皮膚乾燥、
脱毛症、多汗症、湿疹
低リン酸血症
高カルシウム血症、
低マグネシウム血症
頭痛
めまい、不眠症、錯感覚、
味覚異常、感覚鈍麻、
嗜眠、
末梢性感覚ニューロパチー、
錯乱
高血圧、動悸、心不全、
不整脈
呼吸困難、咳嗽、
口腔咽頭痛、
気胸
悪心、下痢、食欲減退、嘔吐、 腹痛、歯肉障害
(歯肉痛、
便秘、歯の障害
(歯痛、歯膿 歯肉炎等)
、消化不良、
瘍等)
口内乾燥、鼓腸、
口内炎
関節痛、筋肉痛、骨痛、
筋骨格痛、筋痙縮、
頸部痛、
背部痛、顎痛、四肢痛
脊椎痛
ALT
(GPT)
上昇、
AST
(GOT)
上昇、
ALP上昇
血中クレアチニン増加
腎機能障害
貧血
1%以上
その他
疲労、
無力症、発熱、
注射部位反応
(疼痛、
そう痒感、血腫等)
1%未満
インフルエンザ様疾患、疼痛、
末梢性浮腫、体重減少、胸痛、
ほてり、悪寒、上気道感染、
倦怠感、尿路感染、視力障害、
粘膜の炎症、体重増加、
骨髄炎、流涙増加、
白内障、
薬物過敏症
注)海外において認められている副作用のため頻度不明。
4.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察
しながら慎重に投与すること。
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)‌妊 婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、
妊娠可能な婦人に対しては、適切な避妊を行うよう指導すること。
[動
物実験では、サルに妊娠 20日から分娩時まで本剤(50mg/kg/4週)を皮
下投与した結果、死産の増加、出生児の分娩後死亡の増加、骨・歯の
異常、末梢リンパ節の欠損が認められた。]
(2)‌授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。
[本剤のヒト乳汁中
への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが報告さ
れている。]
※ 6.小児等への投与
(1)‌低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立し
ていない(使用経験が少ない)。
[本剤を投与した若齢サルにおいて、骨
端成長板の異常が認められた。RANKL 注)を阻害すると、ラット新生
児の骨成長及び歯の萌出が抑制されることが示されている。
]
注)RANKL:receptor activator for nuclear factor-κB ligand
( 2 )骨
‌ 端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者において、本剤投与中止後(数
週間から数ヵ月後)に、急性腎不全、悪心・嘔吐等の臨床症状を伴う重
篤な高カルシウム血症が発現した例が報告されている。
7.過量投与
臨床試験では、本剤180mg( 4 週間に1 回投与)までの用量で投与されている。
本用量において認められた主な症状は、本剤の承認用量で認められたもの
と同様であった。
8.適用上の注意
( 1)投与経路:皮下注射にのみ使用すること。
( 2)投与部位:皮下注射は、上腕、大腿又は腹部に行うこと。
( 3)前処置:患者への投与前に冷蔵保存(2 ~ 8℃)下から室温に戻した後、
使用すること。
( 4)投与時:
1 )投与の際には、27 ゲージの注射針の使用が推奨される。
2 )注射針が血管内に刺入していないことを確認すること。
9.その他の注意
( 1 )多発性骨髄腫又は骨転移を有する進行固形癌(乳癌及び前立腺癌を除く)
患者を対象としたゾレドロン酸水和物(以下、ゾレドロン酸)との二重
盲検比較試験において、探索的評価項目とされた全生存期間について
追加解析として部分集団解析を実施した結果、多発性骨髄腫患者集団
において、ゾレドロン酸群( n= 93)に対するデノスマブ群( n= 87)の
ハザード比は 2.26[95%信頼区間 1.13 -4.50]であった。
( 2)臨床試験において、3,508例中 15例( 0.4%)で本剤に対する結合抗体が
認められたが、中和抗体の産生は認められなかった。
注)( )自主改訂
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提 携
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RMK7OS0501
2016年 6 月作成