第335回三木市議会定例会 6月2日(木)10:00 提案理由(要旨) ただいま上程されました議案につきまして、提案理由をご説 明申し上げます。 まず、第36号議案、 「三木市保育教諭等修学資金貸与条例の 制定」につきましては、 現在、三木市においては、認定こども園、保育所等への就園 を希望される子どもの大幅な増加に伴い、保育教諭等が不足し ており、人材の確保が急務となっております。 そこで、保育教諭等養成施設に在学する方で、免許等を取得 した後、市内の認定こども園等において保育教諭等として勤務 する意思をお持ちの方に対して、修学のための資金を貸与する ことにより、保育教諭等の人材を確保しようとするものです。 貸与の期間は2年を限度とし、月額25,000円、最大6 - 1 - 0万円を無利子で貸与いたします。 また、市内の認定こども園等において保育教諭等として就職 し、5年間勤務された場合は、修学資金の返済を免除いたしま す。 なお、平成28年度当初予算案提出時は、要綱等により資金 を貸与することを検討していましたが、返還債務を免除するに は、地方自治法上議会の議決又は条例による定めが必要であり、 本来であれば、平成28年3月議会において当初予算案と同時 に条例案を提出すべきところでした。 しかしながら、条例案の提出が6月議会になったため、条例 の施行については、公布の日からとし、平成28年4月1日か ら遡及適用するものです。 次に、第37号議案及び第38号議案は、条例の一部改正に 関する議案です。 まず、第37号議案、 「一般職の職員の給与に関する条例の一 部を改正する条例の制定」につきましては、 - 2 - 先の平成28年3月議会において、平成28年4月1日の別 所認定こども園の開園にあわせて、教育職給料表を廃止し、幼 稚園に勤務する幼稚園教諭、認定こども園に勤務する保育教諭 及び保育所に勤務する保育士の給料表を行政職給料表に統一し、 これにより給与が下がる方については現在の給与を保障する内 容の改正案を提出させていただきました。 しかしながら、原案は否決され、幼稚園教諭及び認定こども 園に勤務する保育教諭の給料表を教育職給料表に統一する修正 案が可決されました。 認定こども園に移行している県内の他市すべてでは、保育教 諭の給料表として行政職の給料表を適用しています。 しかしながら、三木市においては、 ① 将来的にすべての公立保育所が廃園となり、別所認定こ ども園のみとなることが決定しており、そこで働くことに なる保育士は教育公務員として業務に携わること ② あわせて、保育士の給与水準を引き上げ、処遇を改善す る必要があること から、保育所に勤務する保育士も含めて教育職給料表を適用 - 3 - する改正案を提案させていただくものです。 なお、本来ならばこのような勤務条件については、平成28 年3月末までに確定させるべきものでありましたが遅れてしま ったことから、平成28年4月1日に遡及して適用しようとす るものです。 この給料表の統一により、幼稚園、認定こども園及び保育所 の教育・保育に携わる者の給与の不均衡を是正し、幼保一体化 計画を着実に推進してまいります。 次に、第38号議案、 「三木市国民健康保険税条例の一部を改 正する条例の制定」につきましては、地方税法施行令の改正に 伴い提案するものです。 条例改正の内容としましては、 「課税限度額の引上げ」と「軽 減措置対象者の拡大」の2点があります。 まず、1点目の課税限度額の引上げにつきましては、基礎課 税分の課税限度額を52万円から54万円に、後期高齢者支援 金分の課税限度額を17万円から19万円にそれぞれ引き上げ るものです。 - 4 - 次に、2点目の軽減措置対象者の拡大についてご説明します。 国民健康保険制度の軽減制度につきましては、国民健康保険 加入者と世帯主の所得の合計が一定以下の世帯については、国 民健康保険税のうち、均等割額及び平等割額について、その7 割、5割または2割が減額されるものです。 社会保障・税一体改革に伴う消費税率引上げにより負担が増 える低所得者への配慮として、平成26年度から2年続けて、 5割・2割の軽減該当世帯の軽減判定所得額を拡充しましたが、 この度さらに対象となる世帯の軽減判定所得額の引上げを行う ものです。 次に、第39号議案、 「平成28年度三木市一般会計補正予算 (第1号) 」につきまして、ご説明します。 この度の補正は、本年 4 月に発生した熊本地震の教訓から、 地域の防災力を強化するため、1次避難所に指定されている集 会所の中で耐震工事ができていない集会所の耐震化を一層促進 するほか、幼保一体化施策を推進する中、必要な保育教諭を確 - 5 - 保し安心して子育てができる環境の整備、3月議会で否決され た事業など、緊急を要する経費について所要の補正を行うもの です。 まず、総務費では、広報広聴費において、子育て世代をター ゲットに、三木市の豊かな自然、充実した子育て環境、都会へ のアクセスの良さなど三木の魅力を紹介する映像を制作すると ともに、ケーブルテレビで神戸及び阪神間にPRすることで、 子育て世代の転入促進を積極的に行うため、委託料830万円 を追加しております。 また、自治振興費において、1次避難所に指定された集会所 の耐震化を促進するため補助金2,000万円を追加しており ます。 熊本地震では、多くの避難所が被災し使用できず、避難者の 方々が辛く不便な避難生活を余儀なくされています。 大規模な災害発生時には、市の指定避難所だけではなく、各 自治会の避難所である集会所への避難が重要となってくること から、1次避難所に指定された集会所の安全を確保するため耐 - 6 - 震化が喫緊の課題となっています。 そこで、現在、1次避難所指定集会所の耐震改修工事費につ いて補助率3分の2以内、補助限度額500万円としているも のを、各自治会が耐震化に取り組みやすいように補助限度額を 750万円に引き上げ、制度を拡充します。 この拡充により、集会所整備補助制度を利用した一般の増改 築と併せて耐震改修を行う場合は、最大1,000万円の補助 が可能となります。 なお、30年以内に発生する確率が70%と言われる南海ト ラフ地震などの災害に備え、各自治会において、各種の地震保 険への加入推進に努めていただくとともに、少なくとも兵庫県 住宅再建共済制度(フェニックス共済)の加入率を県内平均以 上となる15%以上としていただくことを補助の条件とします。 次に、民生費では、児童福祉費において、各家庭が希望する 認定こども園や保育所などに入園できるように、保育教諭等の 確保対策として次の3点の取組を行うため所要の経費を増額し ています。 - 7 - まず、1点目は、民間の認定こども園で勤務する保育教諭の 給与面での処遇を改善し、保育教諭の確保に資するため、保育 教諭の給与に一人当たり月平均15,000円を加算します。 この加算は各認定こども園を通じて実施することとし、補助 金4,875万円を追加しています。 先ほどご説明した一般職の給与条例の改正により、公立で勤 務する保育士の給料が月額約4.5%アップすることになりま す。 これに準拠し、全国の保育士の平均給与月額21万円にこの アップ率4.5%を乗じると、約9,000円となり、これに、 来年度以降、国において予定されている保育士処遇改善加算、 月額約6,000円を加え、合わせて月額15,000円を補 助しようとするものです。 なお、来年度以降、国の保育士処遇改善加算が実施された場 合は、月額9,000円の補助は市の単独補助として幼保一体 化計画の最終年度である平成35年度まで実施します。 また、公立の認定こども園、保育所に勤務する非正規の保育 教諭等についても同様の加算を行うため、賃金623万円を増 - 8 - 額しています。 これらの処遇改善により、保育教諭等の他市への転出や離職 を防止します。 2点目は、公立の幼稚園、認定こども園、保育所において、 民間の認定こども園同様、保育士をめざす学生を夏休み等を利 用したアルバイトとして積極的に受け入れるなど、将来的に三 木市内で働いていただけるよう大学との連携を強化するため、 アルバイトに係る謝礼257万1千円を追加しています。 さらに、先ほど条例の制定でご説明しました保育教諭等修学 資金貸与制度については、平成28年度当初予算で300万円 を計上しており、これらと併せて、新たな保育教諭等の確保を 進めます。 3点目は、待機児童解消のため、志染保育所の耐震工事で一 時的に設置したプレハブ教室を5歳児が再利用し、保育士の確 保を前提として空いた保育室で0~1歳児を受け入れるため、 プレハブ教室のリース料99万円を追加しています。 なお、先ほど条例改正でご説明しました、保育士の給与につ いて教育職給料表を適用するため、給与等430万8千円を増 - 9 - 額しています。 以上、民生費として6,284万9千円を増額しております。 次に、土木費では、道路橋梁維持費において、道路照明灯を 水銀灯からLED灯に交換するための調査委託料750万円を 追加しています。 現在、市の管理する道路照明灯は約1,000灯あり、その うち約800灯について、LED灯へ交換するため、環境省の 「地域におけるLED照明導入促進事業」を活用し、100% の補助を受け、導入コストの算出等導入に必要な調査及び導入 計画を策定します。 その後、導入計画に基づき、民間業者から10年リースでL ED照明灯を調達します。 現在、水銀灯の維持費に年額約1,880万円を要している ところですが、LED灯に交換することにより、年額約1,3 50万円となり、年間で約530万円、10年間で約5,30 0万円の経費削減効果が見込まれます。 なお、残りの約200灯については、別途、国の社会資本整 - 10 - 備総合交付金を活用し、現在LED化を進めているところです。 また、道路橋梁新設改良費において、別所ゆめ街道カフェテ ラスの整備事業費7,544万円を追加しています。 三木の西の玄関づくりとして進めている「別所ゆめ街道」の 集客の核として、また、別所地域の活性化を図るため、ハーブ や地元産農産物を活用した食を提供するカフェテラスを整備し ます。 このカフェテラス整備費用は、平成28年度当初予算に別所 ゆめ街道整備事業として計上しておりましたが、本年3月議会 において、そのうちカフェテラス整備費用が削除されました。 その後、三木市中小企業サポートセンターの指導を受け、実 効性のある収支計画を立て、この度再度上程させていただいた 次第です。 なお、カフェテラスの管理運営については、遊歩道、休憩所、 農産物工房と一体的な活用を図るため、株式会社みきヴェルデ を指定管理者としますが、当該施設のうちレストラン経営につ いては、魅力あるものとするため、飲食業者への委託も視野に - 11 - 入れ今年10月には運営方法を決定し、平成29年秋オープン に向け取り組みます。 以上、土木費として、8,294万円を増額しております。 次の消防費では、災害対策費において、熊本地震で被災され た西原村の要請に応じて、 ① 4月22日には市の備蓄品等を、 ② 5月3日には市民や近隣住民の皆様からお預かりした物 資に加え、西原村から喫緊の要望があった土嚢袋等を、 ③ 5月26日にはノコギリなどの三木金物を中心とした 復旧資材を 救援物資として災害対策費から予算を執行して提供しました。 そのことにより、市の備蓄品や災害対策費が不足しているため、 これを補てんするための経費として500万円を増額しており ます。 次の教育費では、先ほど民生費の児童福祉費でもご説明しま したとおり、認定こども園、保育所に勤務する非正規の保育教 - 12 - 諭等の賃金加算を行うのと同様、非正規の幼稚園教諭の賃金加 算等の経費372万1千円を追加します。 次に、教育指導費において、スクールソーシャルワーカーの 配置に要する経費として66万円を追加しております。 スクールソーシャルワーカーは、学校が抱える課題が複雑・ 多様化する中、児童生徒のいじめなどの問題行動や就学援助な どの貧困対策について、福祉の視点から学校をサポートするも ので、この度は、三木東中学校と自由が丘中学校に各1名配置 し、各中学校校区内の小学校も対象とします。 なお、来年度以降も毎年2名ずつ配置し、4年後には8中学 校区に1名ずつ配置する予定です。 次に、社会教育総務費において、口吉川地域の篠原神社秋ま つり屋台の高欄掛け修理事業が、このたび一般財団法人自治総 合センターのコミュニティ助成事業に採択されたことから、事 業主体である「篠原神社屋台太鼓保存会」に対し交付するため、 補助金220万円を追加し、教育費全体で658万1千円を増 - 13 - 額しております。 以上、歳出1億8,567万円を増額し、歳出総額を311 億3,023万円とするものです。 一方、歳入といたしましては、市税、国庫支出金、県支出金、 繰入金、諸収入、市債の増額をもって、収支の均衡を図ってい ます。 次の地方債の補正では、別所ゆめ街道カフェテラスの整備に 係る道路橋梁新設改良事業について、起債の限度額を変更する ものです。 次に、第40号議案、工事請負契約の締結につきましては、 三木山総合公園に整備する(仮称)三木市立総合体育館の建設 工事を実施するに当たり、予定価格が議会の議決に付すべき基 準以上となりましたので、条例の定めるところにより、議会の 議決を求めるものです。 - 14 - 次に、第41号議案、財産の取得につきましては、はしご付 消防自動車を取得するに当たり、予定価格が議会の議決に付す べき基準以上となりましたので、条例の定めるところにより、 議会の議決を求めるものです。 以上で、ただいま提案いたしました議案についての説明を終 わります。 どうか慎重なるご審議により、ご賛同を賜りますようお願い いたします。 - 15 -
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