戦災と市民生活

ふるさと散歩
№38
H28.5.31
日立市郷土博物館
《
「戦災と市民生活」 》
ギャラリー展
この夏、戦後 71 年目を迎えます。年月が過ぎるにつれて、悲惨な戦争を経験し、語り伝えることが
できる人もだんだんと減ってきました。戦後 71 年ということは、71 年の間、戦争が無かったというこ
とを意味します。
若い人の中には、観光で人気のあるグァムやハワイがアメリカであることを知らない人がいます。さ
らに、現在友好国になっているアメリカなど数カ国を相手に日本が戦争をしていたことを知らない人も
います。日立市の小中学生は、社会科の授業などで、日立市民
が何度か戦災を受けたことを学習します。しかし、教える教師
は全て戦後生まれです。
日立市郷土博物館ではほぼ毎年、ギャラリーを使って、
戦災関係の写真展を開催してきました。
今年度、
「戦災と市民生活」と題して、写真展を
本日から始めます。
会期は 5 月 31 日から 7 月 24 日までの 55 日間です。ぜひ、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
「みる(見・観・視)、知る、考える」
■ 「知る、考える」→
日立市は軍需産業都市であったため、県内の他の都市より多くの攻撃を受けました。主な戦災被害は、
昭和 20 年 6 月 10 日
空襲
1トン爆弾攻撃
7 月 17 日
艦砲射撃
7 月 19 日
空襲 焼夷弾攻撃
7 月 26 日
空襲 模擬原爆投下訓練 などです。
より具体的に知る素材として、今までに収集した写真資料のほか、
新しく収集した資料(戦争中の市民[特に子供・女性]の様子がわかる
実物資料、支那事変関係の資料、兵士が使っていた品など)も展示し
ます。目でみて、知って、過去を考えてみませんか。
市葬
★主な展示資料
故陸軍輜重兵上等兵
大和田兼松
・写真資料 30 余点
・「支那事変出征団員武運長久祈願」
・
「市葬 故陸軍輜重兵上等兵大和田兼松」
・
「応召軍人の見送り」
・
「油縄子少年防火群」
・
「1トン爆弾攻撃直後の日製変圧器工場」
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「教室で電機部品を作る子どもたち」
・
「艦砲射撃で破壊された日製多賀工場」
・
「焼夷弾攻撃で炎上する日立市街地」
・
「模擬原爆爆発の瞬間」
・
「模擬原爆」
・支那事変で亡くなった方の遺品(奉公袋、応召の
名札など 20 点) 1トン爆弾攻撃直後の日製変圧器工場
・兵士の持ち物(軍帽、ゲートル、軍隊手帳など 9 点)
・戦時中の子どもの生活がわかるもの(クレヨン画、手紙、作文など 9 点)
・銃後を守る女性に関するもの(防空頭巾、千人針、罹災証明書など 6 点)
お問い合わせ先 :
日立市郷土博物館
℡(23)3231
Fax(23)3230
歴史資料調査員
綿引 逸雄