経営トップが考える、これからの経営課題

BUSINESS DATA
経営トップが考える、これからの経営課題
変化が激しく先を見通すことが難しいいまの時代、
上場企業のトップは、どのような問題意識や視点をも
ち、企業経営にあたっているのだろうか。
大和総研では、上場企業のうち時価総額 50 億円以
上の企業のトップに、今後の景況感や経営の課題など
について意識調査を実施した(大和総研『第 2回企業
投資家との建設的な対話を促進するための
取組状況(単回答)
(n=187)1%
企業に適用されたコーポレートガバナンス・コードに対
さらにこれらへの回答率は増加しており、同調査では
「コーポレートガバナンス・コードの導入を契機にリー
ダーの役割がより一層高まったことをうかがわせる結
従来通りで
ほぼ充分と考えている
その他
無回答
[1]投資家との関係
する経営者の意識の高さが明らかになっている。
プ」
(55%)と続き、これは前回同様の傾向ではあるが、
現在検討中である
38%
(2016 年 3月)
)
。今回の調査では、特に昨年から上場
「先見性」
(64%)
「戦略的思考」
、
(63%)
「リーダーシッ
、
新たな取組みをしている、
あるいは必要と考えている
30%
30%
価値創造に関するトップマネジメントの意識調査』
たとえば「経営トップに求められる資質」については、
1%
社外取締役の選任・活用により、貴社の
(複数回答)
コーポレートガバナンスは変化しましたか。
1%
(n=187)
変化した
20%
7%
変化していない
72%
どちらともいえない
果となった」としている。
無回答
自社の経営課題についても、前回調査に比べ、
「新製
[2]社外取締役に関して
品開発・新規事業」が大きく増加し、
「稼ぐ力」を取り
戻すための成長戦略の必要性に触れている。
では、
その「稼ぐ力」を高めるにはどうすればよいか。
そのためのコーポレートガバナンス改革について聞い
たところ、
「経営戦略や経営計画の策定・公表によるコ
ミットメント」が 67%で、2 位の「取締役会の審議の
活性化、実効性の確保」
(41%)を引き離した。
「社外取締役の選任・活用により、コーポレートガバ
ナンスは変化したか」との問いには、
「変化した」との
0
経営戦略や経営計画の策定・
公表によるコミットメント
67
取締役会の審議の活性化、
実効性の確保
41
中長期的な企業価値向上の
基礎となる経営理念の策定
34
株主・投資家との
対話と意見の吸収
26
るようになった」
(75%)で、以下「社外取締役と共有
経営者の意識改革
24
する情報を充実した結果、取締役会の議論が活性化し
経営の監督と執行の分離に
よる経営の規律付けの実現
た」
(58%)
、
「取締役会で株主の視点をより意識した
議論がなされるようになった」
(25%)と続く。
また、68%の企業で、投資家との建設的な対話に向
けた新たな取組みや検討を開始したと回答している。
トップが率先してコーポレートガバナンスの見直し
や再構築を進めることで、現代版「三方よし」を実践
する企業が増えていくことが期待される。
JMA マネジメント
(%)
100
50
27
経営改善について社外取締役より有効な助言がなされ
2016.6
(n=187)
女性の活躍促進を含む
人材多様性の確保
回答が 7 割を超えた。その理由の1位は「経営方針や
6
貴社にとって、
「稼ぐ力」を高める(取り戻す)ことに
つながる有効なコーポレートガバナンス改革は
(複数回答)
何であるとお考えですか。
19
経営陣への
業績連動報酬等の導入
11
最高経営責任者の
計画的な選任
6
その他
4
[3]稼ぐ力に関して
出所:
[1]
[2]
[3]株式会社大和総研『第 2 回企業価値創造に関するトップマネジ
メントの意識調査』
(2016 年 3月)より