平成 27 年度 第 3 回佐賀市文化財保護審議会 議事録 (1)日時:平成 28 年 1 月 27 日(水)14:00~16:00 (2)場所:アイスクエアビル 5 階 大会議室 (3)議題:【報告事項】 (1)史跡三重津海軍所跡の整備について (2)佐賀城東堀整備事業に伴う発掘調査について (3)石造文化財について (4)出席者:佐賀市文化財保護審議委員(藤口悦子、中村久子、金子信二 、杉谷昭、松 尾光一、本多美穂)、江副社会教育部長、宮崎文化振興課長、横田文化振興 課副課長、前田世界遺産調査室長、谷澤文化財 1 係長、角文化財 2 係長、 松本主査、古賀主査、福田文化財専門監 (5)傍聴者:4名(報道関係) 【報告事項】 (1)史跡三重津海軍所跡の 史跡三重津海軍所跡の整備について 整備について (委員) 仮整備を行っているとの説明であったが、いつまでか。また、その後の計画 はどうなっているのか? (事務局) 基本計画策定の準備をこれから行い、その後本格的な整備計画策定となる。 流れとしては基本設計、実施設計という展開を考えている。詳細な期間は明示 できない。 (今後も発掘調査を計画しているので)数年、現況の状態が続く予定。 (委員) 今後、ユネスコからの(整備関連の)現地調査はあるのか。 (事務局) 予定されていない (委員) 遺構の表面表示をすれば、その大きさが実感できると思うがどうか。 (事務局) 複数の遺構の表面表示によって、ドックヤードの空間的広がりが分かるよう になる。 (委員) 資料図面に駐車場があるが、この駐車場は将来的にもこのままか。 (事務局) 本来、史跡内の駐車場は好ましくはないとされている。本整備計画の中で検 討されて行くものと思っている。 (委員) 下流側の遺跡の範囲はどこまでか、また、その根拠は。 (事務局) 駐車場南端までがその範囲と考えている。その根拠は、遺構が検出された訳 ではないが、三重津海軍所跡に特有な造成土が認められたことを以って遺跡の 範囲としている。 (2)佐賀城東堀整備事業に 佐賀城東堀整備事業に伴う発掘調査について 発掘調査について (委員) 今回検出された石垣は見えるような整備を行うのか。 (事務局) 道路南端の排水溝直下で検出されているため、これ以上掘ると崩落する。見 えるような整備は現実的ではない。 (委員) 東堀の整備のスピードは (事務局) 28 年度に「船着場遺構」が先行される予定であるが、それ以外は今後検討さ れる。 (委員) 船着場(遺構)の整備はどういったものか。 (事務局) (石垣欠損分の)最小限の補修を行い、船着場石垣が見えるような整備を考 えている。 (委員) 旧来の石垣と佐賀土木が新設する石垣とのすり合わせは難しいと思うが。 (事務局) 文化財保護審議会の意見を聞きながら佐賀土木と協議していく。 (委員) 赤石がむき出しでまだ整備にいたっていない部分があるが、いつまでに行う のか。 (事務局) 佐賀土木の計画も若干遅れ気味で遊歩道整備などが先行している。今後、佐 賀土木と協議するが、いま少し時間がかかるように思う。 (委員) 今回検出された「割り石肌」が(石垣護岸の) 「化粧面=仕上面」と考えてよ いのか。 (事務局) そのとおりである。 (委員) 切石護岸と今回検出した割り石護岸との接合部分はどうなっているのか。 (事務局) 接合部分に近現代の撹乱があり、不明。 (委員) 護岸の範囲内でここまでが切り石でここからは割り石というような把握はで きるのか。 (事務局) (調査面積が狭隘なので)全体的な把握はまだできていない。 (委員) 切石護岸と割石護岸の年代差は認められるのか。 (事務局) 明確な根拠は無いが、佐賀城の護岸は、板搦→割石→切石という流れではな いかと思っている。来年度の調査でもう少し広く掘る予定なので、それが詳し く分かればと思っている。 (委員) (裏御門から延びる)道幅を明確にして欲しい。 (事務局)努力する。 (委員) 佐賀市も佐賀城整備に関しては経費負担しているので、景観的にも整合性が 取れた整備になるよう意見を言うべき。 (委員) 旧好生館跡地の東堀についても、どのように整備すべきかを文化財審議会で も議論して欲しい。 (3)石造文化財について 石造文化財について (委員) 今後、江里村付近に住んでいたと考えられる「伴氏」のことについて追跡調 査をすべきと思う。 (委員) 石造文化財に刻まれている文字を事前に読ませていただいたが、ここにある 「伴氏」は「江里氏」のことと考えられる。 (委員) この「江里氏」を三日月の江里とする考え方があるようだが。 (委員) 確かにそのような考え方があるようだが。三日月よりもこの江里天満宮がよ り中心部となるように思うのだが。 (委員) 石造物に刻まれた文字資料を全て提示して欲しい。 (委員) 石造物の現況はどうなっているのか。将来的な文化財指定候補なのか。 (事務局) 江里天満宮敷地の北西端の竹林の中にある。 文化財指定を考える前に、もう少し時代背景などの調査を行いたい。一定の 成果が見られたら地元にもその価値を伝達したい。 (委員) 今後継続的な調査を行い、将来の指定文化財候補としてもらいたい。
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