「小説家になろう」で連載中の

(「小説家になろう」で連載中の)
作家の皆さまへ
平素は格別のご愛顧にあずかり、誠にありがとうございます。
さて、このたび「小説家になろう」の運営会社である株式会社ヒナプロジェクト様ならび
に「ムーンライトノベルズ」「ノクターンノベルズ」「ミッドナイトノベルズ」の運営会社
である株式会社ナイトランタン様よりダイジェスト化禁止の発表がございました。
ダイジェストをしながら連載を続けてこられた作家の皆さまには、こうした事態におよび
ましたことを、謹んでお詫び申し上げます。
当社は 2000 年に創業し、翌 2001 年からインターネット発の人気作の出版化を手がけてま
いりました。
当初より出版された作品は、一部を除き(具体的な実務では最大 1/3 程度としておりました)
インターネット上には残さないという契約で運用しておりまして、一部を残されるか、全
面削除をされるかは、おのおのの方々の考え方によって異なりましたが、これまで著作者
の皆さまには例外なく、そう対応をしていただいてまいりました。
当社から「小説家になろう」掲載のいわゆるライトノベル系作品の刊行が始まりましたの
が、今からおよそ 5 年前の 2011 年「白の皇国物語」「シーカー」となります。その年の秋
のファンタジー大賞参加作品において、
「小説家になろう」の投稿作が激増しており、そこ
から多数の出版をするにあたり、当時、京都にございましたヒナプロジェクト様に初めて
ご挨拶に伺いました。
その時に話し合われたものではありませんでしたが、「小説家になろう」様は小説全体の流
れが分からないものは禁止としており、出版部分は一部を除き削除するという当社の方針
と相容れないところで、自然発生的に生まれたのが、書籍該当部分のダイジェスト化であ
りました。
こうした対処にネットユーザの皆さんより批判の声が強いことは承知しておりましたが、
お金を払って買っていただく著作物を無料で誰もがいつでも読めるのは、ストレートな言
葉で言えば「まずいだろう」と考えてまいりました。
購入者の皆さん、ものを書いて収入を得る作家さん(この二者に関してはあくまで当社の
考えであります)
、そして当社が出版にあたって労を営む編集・営業、および電子書籍を含
む今後のネットビジネスの将来を考えて、書籍化された作品の「全てを」無料で読めるこ
とは、これまで同様、選択肢としてないものとして、運用してまいりました。
また現在でもこうした考えにゆらぎはございません。
他方、このたびヒナプロジェクト様の出された方針ですが、率直にこうしたやり方(ダイ
ジェスト化)が時間の経過とともに限界が来たのであろう、潮時であったのだろうと感じ
ます。
これまでダイジェスト化に向き合っていただいたヒナプロジェクト様には厚く感謝申し上
げます。
また作家の皆様がたにおかれましては、改めましてこの事態を深くお詫び申し上げます。
長文となりましたこと失礼申し上げます。
最後に、今後ともアルファポリスをご愛顧いただけましたら幸甚でございます。
2016 年 6 月 1 日
株式会社アルファポリス
代表取締役