7818 トランザクション

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7818
トランザクション
石川
諭
(イシカワ
サトシ)
株式会社トランザクション社長
上半期は過去最高の売上と利益を達成
◆2016 年 8 月期第 2 四半期決算概要
前期末にポートフォリオの見直しを行い、新規事業が好調に推移したことにより、今期上半期は増収増益となっ
た。第 1 四半期の売上高は事業入れ替えのため、前年同期比 1.7%の微増。第 2 四半期はオリジナル製品の売上
が大きく伸長し、17.1%の大幅な増収となった。この結果、上半期の売上高は 8.7%増の 56 億 77 百万円と、過去
最高を達成した。
売上総利益は、不採算事業から撤退したことや電子タバコ事業、トラベル雑貨事業等採算性の高い新規事業を
加えたことにより、第 1 四半期は前年同期比 6.9%、第 2 四半期は 21.7%の大幅増となった。
売上総利益率はポートフォリオの入れ替えが奏功し、32.4%と V 字回復。営業利益率も 8.3%と大きく向上した。
セグメント別売上高を製品分類別に見ると、デザイン雑貨製品は前期末にグループ会社となったゴーウェルのト
ラベル雑貨の売上が寄与し、8.3%の増収。エコ雑貨製品は、オリジナル製品のエコバッグやタンブラー・ボトルが
好調に推移し、10%を超える増収となった。
事業分類別では、カスタムメイド雑貨製品については好調なアミューズメント業界等の売上が大きく寄与したが、
雑誌の付録を大幅に縮小したことにより、増収率としては 0.5%にとどまった。オリジナル雑貨製品は、エコバッグ・
タンブラー・ボトル等にペット事業、電子タバコ事業、トラベル雑貨事業等が加わり、18%増と大きく伸びている。
販路別分類では、第 1 四半期より EC 事業および小売事業を追加した。電子タバコ・トラベル雑貨・自社オリジナ
ル雑貨製品の EC 販売、小売事業として電子タバコの実店舗 Vape studio を 2 店舗出店し、1 億 3 百万円と全体の
売上に占める割合はまだ少ないものの、順調に推移している。
これらの結果、上半期の売上高は 56 億 77 百万円(前年同期比 8.7%増、計画比 7.0%増)、営業利益は 4 億
71 百万円(同 52.7%増、47.7%増)、純利益は 3 億 18 百万円(同 72.7%増、52.9%増)。自己資本比率は純資産の
増加により 1.7 ポイント向上し、58.1%となった。
キャッシュフローは、売上が好調なことから売上債権が増加した。中国の旧正月に対応する在庫積み増しにより、
棚卸資産が増加。四半期末キャッシュフローは減少したが、通期では正常な値に戻るものとみている。
◆今後の経営戦略
当社のクライアントのコア業界であるアパレル、アミューズメント、食品・飲料、広告、コンビニに加え、開拓強化
業界として旅行・ホテルでトラベル雑貨プラス、好調なインバウンド向け需要、アクティブシニア層の旅行需要に対
応した土産品の開発を行っていく。ネットサービスに関しては、EC 事業を強化する。
オリジナル雑貨の販売は、エコバックが前年同期比 119%、タンブラー・ボトルが 133%、ステーショナリーが
106%と、好調に伸長している。これらの製品群は昨年 1 月に約 7%値上げをしたが、値上げ前の売上と比較して
も増加している。新製品「ミニマル万年カレンダー」は、過去にウォークマン(日本・ソニー)、Apple Watch(米国・
Apple)、レクサス(日本・トヨタ)等が受賞したドイツの権威ある iF デザイン賞を受賞した。
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ペットビジネスの状況は、当社製品の取扱店が現在 420 店舗と、3 年間で着実に増加している。「EDWIN」、
「LOGOS」、「X-girl」等アパレルブランドとコラボした自社製品等を展開してきたが、今期中に新たなブランドとタイ
アップした製品を展開する予定である。
昨年 3 月に開始したモレスキン事業は、イタリアのモレスキン社と日本における総販売店代理店契約を結び、モ
レスキンの手帳に顧客のブランドや会社名等を入れたダブルネームでの販売や、セールスプロモーションとして使
用している。昨年 9 月に東京インターナショナルギフトショー、本年 3 月に宣伝会議主催のアドタイ・デイズに出展し、
非常に好評を得て新規顧客の拡大につながった。
電子タバコ事業の売上は WEB 販売開始以降順調に伸長しており、今期は前期比で約 4 倍となった。当社の電
子タバコは、他社製品と比較して価格もランニングコストも安価な上、デバイスやフレーバーの種類も多い。今後
は店舗・WEB・卸売販売の 3 つの体制で販売を強化していく。昨年 6 月に出店した渋谷スペイン坂店に続き、本年
1 月、新宿東口駅前店に 2 号店を出店した。今期中に新たに 2~3 店を追加出店し、さらなる売上拡大を図る計画
である。
トラベル雑貨事業の外部環境は、訪日旅行者の増加、LCC(格安航空会社)の利用増加、国内の空港拡張とい
う 3 つのポイントがある。これらを背景に空港内の売店が今後大きく変化していく中で、gowell 社をグループに加え
ることでグループ間シナジーを最大限に発揮し、販売力・調達力・企画力をアップさせていきたい。
第 1 四半期で組織・規則などの体制を整備し、第 2 四半期で調達ルート・仕入先等調達力を確保。7 月上旬に開
催予定の展示会で gowell の新製品を投入し、企画力を強化。さらに、相互販売や OEM 受注による販路拡大という
4 つのステップで、今期中にグループ間のシナジーを最大に発揮した体制を構築する。
また、効率化戦略である China+1 を進化させ、さらなる原価低減と安定供給を目指す。自社オリジナル縫製品は
中国以外の地域に 100%シフトが完了した。さらに生産拠点やサプライヤーを最適化し、縫製品以外のオリジナル
雑貨製品とカスタムメイドの縫製品を China+1 へ移管する。
◆2016 年 8 月期通期業績予想
ここ数年来続いた円安を、早期の為替予約、China+1 の推進、カタログ価格の改定で乗り越えてきた。トレンドは
円高にシフトしてはいるが、外部環境の変化に影響されにくい強靭な経営基盤の構築に今期は取り組んでいる。
2016 年 8 月期は、売上高 108 億 1 百万円(前期比 5.4%増)、営業利益 6 億 6 百万円(同 13.2%増)、当期純利
益 4 億円(同 76.9%増)を計画している。
上半期の進捗率は、売上総利益 53.8%、営業利益 77.7%、当期純利益 79.6%である。為替が乱高下しているこ
と、足元の消費があまり進んでいないこと等を加味して、通期の予想は現段階では据え置いているが、売上高の
計画値は増収増益、過去最高売上を目指す。営業利益と ROE も今期は V 字回復を見込んでいる。
(平成 28 年 4 月 15 日・東京)
*当日の説明会資料は以下の HP アドレスから見ることができます。
http://www.trans-action.co.jp/ir/data4.php
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