FX Weekly 平成 28(2016)年 5 月 20 日 GLOBAL MARKETS RESEARCH チーフアナリスト 内田 稔 三菱東京 UFJ 銀行 A member of MUFG, a global financial group Table of contents 1 今週のトピックス 2 来週の相場見通し 3 来週の経済指標・イベント 4 マーケットカレンダー 1. 今週のトピックス 利上げへの期待を高めた FOMC の議事要旨 シニアマーケットエコノミスト 鈴木 敏之 2. 来週の相場見通し (1) ドル円:浮き彫りになるドル円下落の本質 予想レンジ 108.50 ~ 111.50 (2) ユーロ:米早期利上げ期待などから上値重い 予想レンジ 対ドル: 1.1050 ~ 1.1300 対円: 121.00 ~ 125.00 (3) 豪ドル:豪米金融政策格差を背景に軟調推移が続く 予想レンジ 対ドル: 0.7075 ~ 0.7375 対円: 77.50 ~ 81.50 (4) 人民元:不確実性の高まりとドル高圧力が上値を抑える 予想レンジ 5/27(金)の FX Weekly は 休刊とさせていただきます。 次回は 6/3(金)発行予定です。 FX Monthly6 月号は 5/31(火)発行予定です。 1 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 対ドル: 6.5100 ~ 6.5700 対円: 16.55 ~ 17.10 利上げへの期待を高めた FOMC の議事要旨 4 月 26-27 日の FOMC 議事要旨公表で、6 月 15 日の利上げの可能 性が浮上 5 月 18 日に、4 月 26-27 日の米国連邦公開市場委員会(FOMC) の議事要旨(Minutes)が公開された。その中に、大半の参加者が いくつかの条件が満たされれば(後述)、6 月会合での利上げが適 切と判定したという記述があり、次回の 6 月 14-15 日のFOMCで利 上げがなされる可能性が浮上し、市場も動いた。以下、①Fedには 早期に利上げに動きたい動機があること、②今回の議事要旨が示し たことは、6 月の利上げの可能性を確保した(On the Tableにした) ことであって、利上げ宣言ではないこと、③Fedは利上げに進む際 に実に丁寧に手順を踏んでおり、6 月 6 日に予定されているイエレ ンFRB議長の講演が、重い意味を持つとみられること、④利上げに 進むハードルは高いことと、仮に利上げに進んだときに起きてくる 問題も侮れないことを確認しておきたい。 (FOMCの議事要旨の掲載箇所) http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20160427.htm ① Fed が早期に利上げに動きたい動機 Fedには、早期に、できれば 6 月に利上げをしてしまいたい動機 があることはみておかなければならない。 イ)5 月 6 日発表の雇用統計で賃金の上昇が見られた。利上げが手 遅れになっていることが露呈してから、利上げをすることは弊 害が大きい。特に、今年は大統領選挙の年である。選挙戦の最 中に、判断を間違えた形で、利上げをしなければならない事態 に追い込まれることは、避けたいことだろう。 第 1 図: 失業率の低下とともに賃金は上昇 (%) (%) 2.7 13.0 12.5 2.5 12.0 2.3 11.5 11.0 2.1 10.5 1.9 10.0 1.7 9.5 1.5 14/01 14/04 14/07 14/10 15/01 平均時給(前年同月比上昇率) 〈左目盛〉 15/04 15/07 15/10 16/01 失業率(広義のU6系列) 〈右目盛〉 (資料)米労働省のデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 2 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 9.0 16/04 (年/月) 6 月に利上げができれ ば、7 月の FRB 議長 の議会証言での批判を 避けられる ロ)Fedは、年内 2 回の利上げを行い、金融政策を正常化する方針 を持っている。6 月 14-15 日に利上げを行うか、その次の 7 月 26-27 日に利上げをする告知ができれば、この方針を保持でき る。もし、それができないと、7 月のFRB議長の半年次議会証 言で、前回の 2 月に行った説明が適切でなかったことを露呈す ることになる。その場合は、新たな作戦計画を示さなければな らない。しかし、米国経済は、完全雇用といえるほどの雇用情 勢の改善をみているし、インフレ率もプラスである。金融政策 の正常化の看板を下ろせるものではないので、新しいプランを FOMC内でまとめることは至難である。それは、公約を放棄し たということで、大きな混乱を引き起こすことにもなりかねな い(時間的非整合性の問題)。 6 月の FOMC は、記 者会見、経済見通しの 提示のある会合 ハ)6 月 23 日に英国でEU離脱の可否を問う国民投票があるので、 その結果を待って利上げしたいところはあろう。しかし、記者 会見、経済見通し(SEP)の発表のある 6 月のFOMCの方が、7 月のFOMCよりも利上げをしやすい。SEPで、今後のFF金利の 予想経路を示すことができるからである。これは、今日、コ ミュニケーションによる重要な金融政策、フォワードガイダン スの手段になっているからである。7 月 26-27 日の会合は、記 者会見とSEPの公表のない会合である。 7 月会合より利上げは やりやすい 第 2 表: FOMC メンバーの経済見通し(SEP) ~ 年内 2 回の利上げという見方を提示している 実質 GDP 成長率 失業率 PCE インフレ率 PCE コアインフレ率 FF 金利 2016 2017 2018 長期 2.2 2.1 2.0 2.0 2.4 2.2 2.0 2.0 4.7 4.6 4.7 4.8 4.7 4.7 4.7 4.9 1.2 1.9 2.0 2.0 1.6 1.9 2.0 2.0 1.6 1.8 2.0 1.6 1.9 2.0 0.9 1.9 3.0 3.3 1.4 2.4 3.3 3.5 (注)下段は、前回(2015 年 12 月)の数字。『失業率』以外は第 4 四半期の前年同月比、『失業率』は第 4 四半期平均。数字 は 17 人のメンバーの見通しの中位値 (資料)FRB のデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 今回の議事要旨は、6 月 14-15 日のFOMCでの利上げ宣言をした わけではないが、この通り、Fedにとっては、6 月に利上げを行う 利点が少なくないことは見ておかなければならない。 ② 議事要旨の送ったメッセージ:6 月利上げの可能性を確保 このFOMC議事要旨公表が市場の見方を変えさせたのは、次の一 文が記されていたからである。 3 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 Most participants judged that if incoming data were consistent with economic growth picking up in the second quarter, labor market conditions continuing to strengthen, and inflation making progress toward the Committee's 2 percent objective, then it likely would be appropriate for the Committee to increase the target range for the federal funds rate in June. 6 月 15 日に利上げす るための条件充足がで きるかは定かではない このFOMCでは、いくつかのトピックで利上げの可否を巡り、意 見の相違があり、激しい議論の応酬があった。それをふまえての結 論にあたるところが、この記述といえる。すなわち、圧倒的多くの (Most)メンバーが、イ)経済成長が第 2 四半期に上向いている データが得られること、ロ)雇用情勢の改善が続くこと、ハ)イン フレが 2%の目標(Objective)に向かって上昇する進展がみられる ことという条件が満たされた場合に、6 月にFF金利の誘導レンジを 引き上げることが妥当と判断したと言っている。 この意味は、6 月の利上げの可能性があること(On the Table)の 告知である。“Most”という数の表現が、Fed用語では大きい数字を 示唆することと、6 月というタイミングを明示したことは、強めの メッセージを送ったことになる。 また、昨年 12 月に利上げを行ったが、そのときはその直前の 10 月 28 日のFOMC声明で、グローバル経済と金融市場のリスクの警 戒を緩め、同時に、次回の利上げの検討を言った。後者は、実質的 な利上げの告知であった。この 4 月 27 日のFOMC声明では、リス クの警戒を緩めたが、利上げの告知は見送った。このFOMC議事要 旨は条件付きではあるが、この告知をしたに等しい形をつくったこ とになる。すなわち、6 月 14-15 日の利上げに動ける自由度を確保 したことになる。 ただし、これは、利上げ宣言ではない。上記の通り、多くの条件 付きだからである。6 月 14-15 日までに市場が荒れれば、利上げは 撤回されるであろう。昨年の 6 月、9 月にそれがなされている。 ③ 6 月 6 日のイエレン FRB 議長講演の重さ 条件を満たしたかどうかを事前に告知する機会となりそうなのが、 6 月 6 日に設定されているイエレンFRB議長の講演である。6 月 3 日の雇用統計の発表後であり、FOMCのブラックアウト期間入り前 の最後のタイミングである。イエレン議長講演は、市場参加者に とって重いイベントとなろう。 ④ 利上げに進めるまでのハードル この通り、周到に手順を踏んではいるし、6 月 14-15 日の利上げ の可能性はみておかなければならないが、利上げに進むにはハード ルがある。 4 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 Fed の利上げは経済成 長を鈍らせる 2018 年まで利上げを 続けるという Fed の 見方は現実的ではない 雇用統計で、非農業部門雇用者増加数は 16 万人と低調であった。 ISM製造業景気指数も 4 月は低下した。弱い数字も出ている。また、 Fedが利上げの意向を強めると、それで市場が荒れる可能性もある。 さらに、ここで利上げに進むことで、それが米国経済、世界経済 の重石になってしまう問題も侮れない。 第 3 図: 量的緩和の拡大をやめ将来の利上げを言うことで、既に Fed は引き締めを行ってきた 16.0 12.0 (%) -5.0 金融緩和 ↑ -4.0 -3.0 8.0 -2.0 4.0 -1.0 0.0 0.0 -4.0 1.0 2.0 -8.0 3.0 -12.0 -16.0 4.0 金融引き締め ↓ 5.0 (年/月) 合成ISM 〈前年同月からの変化幅 左目盛〉 シャドーFF金利から計算した実質FF金利-自然利子率の前年同月からの変化(1年先行) 〈右目盛〉 (資料)FRB、アトランタ連銀、サンフランシスコ連銀、ISM のデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで 作成、 Fedの利上げは、本当に利上げをするまで確実視できないものと いえる。少なくとも、2018 年まで徐々に利上げをして行くと言う Fedの方針は、景気拡大期間が長くなっていることなどを勘案する と、現実的には見えない。 シニアマーケットエコノミスト 5 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 鈴木 敏之 (1) ドル円:浮き彫りになるドル円下落の本質 今週のレビュー ド ル 円 、 FOMC 議 事 要 旨 受 け 、 4/28 以 来 の 110 円台回復 今週のドル円相場は、週初 108 円台での軟調な滑り出しとなった が、その後は堅調に推移。日本銀行(日銀)が追加的な金融緩和措 置を見送った 4 月 28 日以来初めて 110 円台を回復した(本稿執筆 時点での週間値幅は 108.63~110.39)。 今週は、17 日に米国の地区連銀総裁(アトランタ連銀のロック ハート総裁、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁)が年内 2 ~3 回の利上げの可能性に言及。また、公開された米連邦公開市場 委員会(FOMC)の議事要旨(4/26~27 開催分)でも、条件次第と しつつ、大半の参加者が 6 月の利上げが適切とみなしていたことが 確認された。このため、6 月の利上げ観測が台頭。週初 0.7%台で推 移していた米 2 年国債の利回りも、一時 0.9%台と 2 ヶ月ぶりの水 準へ上昇し、ドル買いを後押しした。加えて、折からの原油先物相 場の底堅い値動きも緊張緩和を通じ、円高圧力沈静化に一役買った 面はあったであろう。とは言え、ドル円は 110 円台では戻り上値も 重く、次第に失速。仙台で開催される主要 7 ヵ国(G7)財務相・ 中銀総裁会議を意識しつつ、110 円を挟んだ推移が続いている。 今週の米国の経済指標を振り返ると、事前予想に対し、強弱まち まちとなり、相場動向への影響は限定された。また、本邦では 1~ 3 月期の実質GDPの速報値が発表され、2 四半期ぶりにプラス成長 に回帰。また、事前予想(前期比年率換算で 0.3%程度)を上回る 1.7%成長を記録した。但し、うるう年の影響で 1%程度かさ上げさ れているとされ、これまで比較的底堅く推移してきた民間企業設備 も▲1.4%と奮わず。力強さを欠く個人消費と合わせ、先行きへの不 安を強めている。もっとも、冴えない結果ほど、かえって日銀によ る追加緩和や財政出動を促すとの期待に支えられ、結局のところ相 場への影響は限定的となった。 第 1 図: ドル円相場 (円) 111.0 ↑円安 110.0 109.0 108.0 ↓円高 5/16 5/17 5/18 5/19 5/20 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 来週の見通し 短期的には、やや上値 を模索 6 かねてよりイエレン議長は、インフレの先行指標として賃金の動 きを注視。さらにその賃金に先行するものとして自発的離職率を挙 げている。これは、文字通り自ら好んで職を離れる労働者を指し、 一般的にはより好条件(平たく言えば高い給与水準)での職へ移る 労働者の増減を示すものと解釈される。発表されている最新分の 3 月分は 2.1%(季節調整後)と、金融危機以前の水準にまで上昇。 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 足元では足踏みが続いているが、こうした状況も踏まえ、FOMCが 6 月利上げの可能性を排除していないのは当然だろう(第 2 図)。 第 2 図:米国の物価、平均時給の伸び、自発的離職率 (%) 4.0 (自発的)離職率 PCEコアデフレーター 3.5 平均時給の伸び 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (資料)米労働統計局、経済分析局、より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (PCE コアデフレーターと平均時給の伸びは前年比、離職率は当月雇用者数に占める離職者の割合) あまりに利上げの織り込み度合いが低下したまま、実際に利上げ に踏み切ると、市場への反響も大きくなるため、当局は低すぎる市 場の織り込み度合いに警戒感を覚えている可能性はあるだろう(第 3 図)。今週は、前述 2 総裁のほかに、ニューヨーク連銀のダド リー総裁も、6 月の利上げの可能性に言及したが、こうした強気と も取れる発言は、6 月のFOMCを前に、政策決定の自由度を高める ため、利上げ織り込み度合いを引き上げることを企図したものと言 える。その点、来週以降も相次ぐFOMC高官発言は、強気のトーン となる公算が大きい。また、それを裏付ける良好な米経済指標によ るフォローが続けば、一段と 6 月の利上げに対する織り込み度合い が高まり、連れてドル円も底堅く推移しそうだ。 第 3 図:米 CME の Fed ウォッチが示す 6 月の利上げ確率(3 月の FOMC 以降) (%) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 3/18 3/25 4/1 4/8 4/15 4/22 4/29 5/6 (資料)米 CME より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 7 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 5/13 5/20 5/27 (月/日) 浮き彫りになったドル 円下落の本質 もっとも、利上げ観測浮上でドル円が上昇したとは言え、その程 度は限定的だ。例えば、FOMC議事要旨の発表前後で米CMEが算出 する 6 月利上げの織り込み度合いは発表前の 10%台半ばから 30%台 半ばへと約 2 割も上昇。但し、それに対するドル円の上げ幅は、1 円にも満たない。しかも、原油先物相場は、既に昨年 11 月以来の 水準を回復しており、仮に年初来のドル安円高の主因が、原油相場 の急落を起点とするリスク回避なら、当時 120 円大台で推移してい たドル円も、せめて 115 円程度の回復はあってもいいだろう(第 4 図)。同じく、米 2 年国債の利回りも昨年 12 月の利上げを織り込 みながら上昇する過程で記録した昨年 11 月の水準を取り戻してい る。年初来のドル安円高が、米国の冴えない経済指標を受けた利上 げ観測の後退といったドル安が主因なら、やはりドル円はもう少し 力強い反発をみせてもいいだろう(第 5 図)。 第 4 図 :ドル円と WTI 原油先物相場 第 5 図: 米 2 年国債の利回りとドル円相場 (㌦/バレル) 50 (円) 125 (%) (円) 125 1.2 123 123 45 121 1.1 121 1 119 119 40 0.9 117 117 35 115 113 115 0.8 113 0.7 30 111 111 0.6 109 107 105 15/11 ドル円 WTI原油先物相場 25 107 20 15/12 16/1 109 16/2 16/3 16/4 16/5 (年/月) (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 105 15/11 ドル円 米2年国債利回り 0.5 0.4 15/12 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 (年/月) (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 ところが、実際のドル円の戻りが鈍いのは、かねて指摘の通り、 ドル円下落の原動力が、リスク回避の円買いや米ドル側の要因では なく、本邦側の実質金利の上昇や経常黒字の拡大をはじめとする円 高圧力である可能性が高い。この脈絡でドル円を展望すると、仮に 6 月の利上げ見通しが今後さらに高まる場合も、ドル円の続伸余地 は限定的なものにとどまる公算が大きい。例えば、当方のBTMU FX Monthly5 月号で示すこの 4-6 月期の予想レンジは、米国の 6 月 利上げの可能性を念頭に置きつつも、「104.50~112.50」としてい る。世界的な低成長が続く下では、米国の利上げ観測の台頭やドル 高は、米国の株式相場や原油先物相場、新興国通貨の急落を通じ、 市場の緊張を高めるという副作用が大きい。利上げ期待を受けた当 初のドル高が、経路を辿るに連れ、円高圧力へと転じる構図は、ま だ健在と考えられる(第 6 図)。 本邦では、金融緩和政策の波及にしばらく時間を要するとは言え、 マイナス金利導入を決定した本邦 1~3 月期のGDP統計をみる限り、 予想実質金利低下によって消費や投資が刺激された痕跡はあまり浮 かばない。今は、政策効果の浸透を見守るべき局面とも言えるが、 8 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 金融緩和強化と円高是正によるデフレ脱却の試みは行き詰まりつつ ある。2012 年の暮れ以降、続いてきた円安トレンドは方向転換し た可能性が高く、円高圧力は根強いと考えられる。来週は、FOMC 議事要旨の残像が残る上、目立ったドル円の下押し材料にも乏しく、 ドル円は小じっかりと推移する可能性が高い。但し、上述の大局認 識が正しいとすれば、ドル円の上値は限定的なものにとどまると考 えられる。加えて、来週の伊勢志摩サミットにおいて、財政出動を はじめとする協調路線の演出が乏しい場合、市場の失望を誘い、ド ル円が反落する可能性にも警戒が必要だろう。尚、1~3 月期の GDP統計を踏まえ、安倍首相が消費税増税の延期を表明する可能性 が高いが、市場では既に「延期」がコンセンサス。予想通りとなれ ば、大きな反応は見込みにくい。 第 6 図:利上げ観測を受けたドル(独歩)高がドル円上昇を抑制したり押し下げる経路 米国の低インフレ 米製造業への打撃 米正常化観測 ↓ ドル独歩高 (米国一人勝ち) 米利上げペース 鈍化観測 ドル高の鈍化 米株式相場への下押し 資源価格の下落 (ドルとは逆相関) 資源国への打撃 新興国通貨の急落 (ドル高の裏返し) インフレ高進 対外債務の負担増 リスク回避の台頭 (円高圧力) (資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 予想レンジ ドル円:108.50 ~ 111.50 チーフアナリスト 9 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 内田 稔 (2) ユーロ:米早期利上げ期待などから上値重い 今週のレビュー 今週のユーロドル相場は、タカ派な 4 月FOMC議事要旨を受けて 下落した(第 1 図)。 第 1 図: 今週の為替相場推移 (ドル) 1.140 ↑ユーロ高 1.135 1.130 1.125 1.120 1.115 ↓ユーロ安 1.110 5/16 5/17 5/18 5/19 5/20 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 ユーロドルは、週初に 1.13 ドル付近で寄り付いた後、週前半は 小動き。17 日に、ロックハート・アトランタ連銀総裁とウィリア ムズ・サンフランシスコ連銀総裁による「今年、2、3 回の利上げ は可能」等の発言を受けたドル買いと、米早期利上げを意識した米 株価指数の下落によるユーロ買いが交錯して、ユーロドルはややも み合った程度。 18 日のFOMC議事要旨では、「ほとんど(most)のメンバーは、 経済が正当化された場合、6 月FOMCでの追加利上げを実施する可 能性があるとの見方を維持している」ことが示された。これを受け て、米国の 6 月利上げ期待が再燃(CMEのFEDウォッチによる 6 月 の利上げ確率は前日の 12%から 32%へ上昇)し、米国債利回りの 上昇に伴って、ドル買いが強まった。ユーロドルは 19 日に 1.1180 まで下落した。その後も、ダドリーNY連銀総裁による「自身の予 想を確信できるならば、6 月か 7 月の引き締めは妥当な想定」、 「FOMC内では、市場が引き締めの可能性を過小評価しているとの 見方が相当強い」とのタカ派な発言などによって、ユーロドルは上 値重く推移している。 総じてみれば、ユーロドルはタカ派な 4 月FOMC議事要旨を受け て下落した。ユーロ円は横這い推移した。 来週の見通し 来週は、ユーロ圏 3 月消費者信頼感指数(5/23)、ユーロ圏 5 月 製造業PMI(5/23)、独 5 月ZEW景況指数(5/24)等の経済指標が 発表される。ユーロ圏景気指標は原油安や物価下落による実質購買 力の拡大を受けた個人消費の増加、ユーロ安を受けた輸出の持ち直 しから、ユーロ圏景気の着実な持ち直しを示す良好な結果となろう。 しかし、ユーロ圏景気はデフレギャップ(実際のGDPが潜在GDP を下回る幅)が引き続き大きい上に、消費者物価指数(HICP)は 前年比マイナスで推移することが見込まれる。ECBは金融緩和を続 けて行こう。 4 月ECB理事会議事要旨は、冒頭声明や記者会見どおり、ユーロ 圏景気は下方のリスクがあることや物価動向が弱いことを受けて、 10 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 3 月理事会で決定された包括的追加緩和を実施していくことが示さ れた。なお、ドイツ等でみられているECBへの批判に対して、独立 性を再確認することが必要との認識が示された。 米国では、4 月FOMC議事要旨を受けて早期利上げ期待が高まり つ つ あ る 。 米 4 月 新 築 住 宅 販 売 ( 5/24 )や米 4 月 耐 久 財 受 注 (5/26)、米 1QGDP改定値(4/27)等が注目される。 来週のユーロドルは、米国での早期利上げ期待などから上値重く 推移しよう。 予想レンジ ユーロドル:1.1050 ~ 1.1300 ユーロ円:121.00 ~ 125.00 シニアアナリスト 11 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 天達 泰章 (3) 豪ドル:豪米金融政策格差を背景に軟調推移が続く 今週のレビュー 今週の豪ドル相場は、中国の景気減速懸念を背景に、直近安値圏 にて寄り付くも、対主要通貨でドル売りが強まる中、早々に 0.73 台を回復した。注目されたRBA議事要旨では、「政策金利の据え置 きも検討していた」との表現に注目が集まり、事前予想ほど「ハト 派的ではない」との見方が広がった。市場では追加利下げ観測が後 退し、豪ドルが急伸。高値となる 0.7368 まで上昇した。もっとも、 その後は、米 6 月利上げ観測が強まる中、対主要通貨でドル買いが 活発化。豪ドルも下落に転じ、5/19 には、3/2 以来となる安値 0.7175 まで下落した(第 1 図)。一方、対円相場は、週初に安値 78.56 を示現するも、その後は、ドル円相場の上昇に連れて底堅く 推移。RBA議事要旨の発表後には、高値となる 80.56 まで上昇した。 もっとも、同水準では上値も重く、週末にかけて再び下落。本稿執 筆時点では、79 円台半ばで取引されている。 第 1 図: 今週の為替相場推移 (ドル) 0.740 ↑豪ドル高 0.735 0.730 0.725 0.720 ↓豪ドル安 0.715 5/16 5/17 5/18 5/19 5/20 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 来週の見通し オーストラリア準備銀行(以下、RBA)は今週火曜日、RBA議事 要旨を公表した。市場では「Members discussed the merits of adjusting policy at this meeting or awaiting further information before acting(今回 の会合にて政策調整を行うか、更なる情報を待つべきか、それぞれ のメリットを議論した)」との部分がサプライズとなり、事前予想 ほど「ハト派的ではない」との見方が広がった。金利先物市場では、 追加利下げの織り込み度合いが低下。豪ドル相場の買戻しに繋がっ た。もっとも、豪州を巡る不透明感は根強く、反発余地は限られた。 0.73 台半ばでは上値も重く、わずか 1 日にて上げ幅を全て吐き出し た。また、5/18 に発表された 1-3 月期の賃金指数では、1997 年の統 計開始以来の低水準を記録(第 2 図)。5/19 の雇用統計でも、失業 率こそ前月比同水準を維持したものの、新規雇用者数(正規雇用者 数と非正規雇用者数の合計)が、市場予想を下回る冴えない結果と なった(第 3 図)。正規雇用者に限っては、2 ヶ月連続でのマイナ スを記録する等、力強さに欠ける経済指標が続いている。 このほか、同国の主要輸出品である鉄鉱石価格の急落も、豪州経 済への逆風となるだろう(第 4 図)。投機マネーの流入を抑える中 国側の規制強化が背景と見られ、軟調地合は長期化しそうだ。交易 条件の悪化が見込まれる中、豪州経済への下押しが警戒されよう。 12 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 以上の通り、豪州経済を巡っては不透明感が根強く、RBAは当面、 緩和的な金融政策を続ける公算が大きい。豪ドル高期待が剥落する 中、投機筋による豪ドルロング(豪ドルの買い持ち)の巻き戻しも 警戒される(第 5 図)。来週は、5/26 の民間設備投資に注目が集ま るものの、米利上げ観測が意識される中、豪米金融政策格差を背景 とした豪ドル安基調は続くと予想。豪ドルの下値を警戒したい。 第 2 図 : 賃金価格指数の推移 第 3 図 : 失業率および雇用者数変化の推移 (指数) (%) 160.0 5.0 賃金指数(2008/09=100) 前年同期比(右目盛) 140.0 4.5 120.0 4.0 100.0 3.5 80.0 3.0 60.0 2.5 40.0 2.0 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (資料)豪統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)豪統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 第 4 図 : 鉄鉱石価格と交易条件の推移 第 5 図 : 豪ドルのネットポジション(非商業部門) (指数) (米ドル) 110 (枚) 200 130,000 160 80,000 120 30,000 80 -20,000 40 -70,000 (豪ドル買い持ち超) 100 90 交易条件 鉄鉱石価格(右目盛) 80 豪ドルのネットポジション (豪ドル売り持ち超) 70 0 13 14 15 16 (資料)豪統計局、Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサー チ作成 予想レンジ -120,000 10 (年) 11 12 13 14 15 (年) (資料)CFTC より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 対ドル:0.7075 ~ 0.7375 対円:77.50 ~ 81.50 アナリスト 13 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 16 藤瀬 秀平 (4) 人民元:不確実性の高まりとドル高圧力が上値を抑える 今週のレビュー 今週のオンショア人民元(CNY)は、週初、6.5269 にて寄り付い た。ドル高圧力が一服する中、5/17 には、高値となる 6.5150 まで 上昇した。しかし、中国の景気減速懸念が強まると一転、米 6 月利 上げ期待の高まりも相俟って反落。5/19 には、3/2 以来となる安値 6.5475 まで下落した。週末にかけて小反発するも上値は重く、本稿 執筆時点では 6.54 台前半にて推移している。オフショア人民元 (CNH)も同様に、週前半にかけて高値となる 6.5378(5/17)を示 現するも、米 6 月利上げ期待の高まりを背景に軟化。週央にかけて は、安値となる 6.5800(5/18)まで下落した。週末にかけては反発 するも上値は重く、結局、6.56 絡みで越週しそうだ(第 1 図)。 第 1 図 :人民元相場と対ドル基準値の推移 (人民元) 6.80 対ドル基準値 6.70 オンショア人民元相場 6.60 オフショア人民元相場 6.50 6.40 6.30 6.20 6.10 6.00 15/01 15/03 15/05 15/07 15/09 15/11 16/01 16/03 16/05 (年/月) (資料) 中国人民銀行、Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 前週末(5/14)に発表された 4 月の主要経済指標では、固定資産 投資(第 2 図)、鉱工業生産(第 3 図)、小売売上高(第 4 図)、 全てが市場予想を下回る冴えない結果となった。とりわけ、民間投 資の不振に注目が集まるなど、全人代以降、高まりつつあった景気 回復への期待感が、足許で再び後退している。加えて、過剰流動性 を背景に資金流入が続いてきた商品先物市場や社債市場でも、4 月 後半以降、巻き戻しの動きが活発化。金融市場の不安定化が意識さ れる中、上海総合指数は、約 2 ヶ月ぶり安値を更新している。 国内から国外への資本流出の動きは、窓口指導を通じた資本規制 を背景に、足許で後退している。外貨準備減少にも歯止めがかかる 中、人民元相場は、米ドルとの連動性(米ドルとの逆相関)を維持 し、安定的な推移を継続している。しかし、過剰債務問題や供給側 改革など、景気への下方圧力は依然として根強く、足許のような安 定的な状態が今後も続くとは考えにくい。とりわけ、10 月のSDR (IMFの特別引き出し権)組み入れ開始を前に、当局が人民元改革 を前進させる可能性は高く、ボラティリティの拡大が警戒される。 事実、国家外為管理局は 4/21、「資本市場における人民元の交換性 を推進する」「オンショアとオフショア市場の人民元レートの一本 化を目指す」と発表している。人民元改革が本格化すれば、資本規 制の緩和や、人民元相場の変動幅拡大が見込まれる為、人民元相場 14 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 の下落に繋がり易い。通貨オプション市場でも、インプライドボラ ティリティが上昇している他、リスクリバーサルでも、人民元プッ トオーバーが拡大するなど、人民元下落への警戒感が高まっている (第 5 図)。 上記の通り、中国を巡っては景気減速懸念が再燃している。 FOMC議事要旨や、米金融政策当局者による相次ぐタカ派な発言を 受けたドル高の流れも、人民元相場の重石となるだろう。来週は、 中国側のイベントに乏しく、基本的には米ドル主導の展開が見込ま れるが、株や商品市況の動向次第では、一段の下落も想定される。 人民元相場の下値に警戒したい。 第 2 図 : 固定資産投資の推移 第 3 図 : 鉱工業生産の推移 (前年比、%) (年初来累計前年比%) 40.0 22.0 1次産業 2次産業 3次産業 固定資産投資 不動産開発投資 民間固定資産投資 20.0 35.0 鉱工業生産(前年同月比) 18.0 30.0 鉱工業生産(年初来累計前年比) 16.0 25.0 14.0 12.0 20.0 10.0 15.0 8.0 10.0 6.0 5.0 4.0 2.0 0.0 12 13 14 15 16 07 (年) 08 09 10 11 12 13 14 15 (資料)中国国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)中国国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 第 4 図 : 小売売上高の推移 第 5 図 : 通貨オプション市場の動向 (前年比、%) 20.0 名目小売売上高 16 (年) (%) (%) 11.00 6.00 3ヶ月物USDCNH ボラティリティ(左) 実質小売売上高 10.00 3ヶ月物USDCNH リスクリバーサル(右) 18.0 5.00 9.00 8.00 16.0 4.00 7.00 6.00 3.00 14.0 5.00 4.00 12.0 2.00 3.00 2.00 10.0 1.00 1.00 8.0 12 13 14 15 16 (年) (資料)中国国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 予想レンジ 0.00 15/01 0.00 15/04 15/07 15/10 16/01 (年) (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 ドル人民元:6.5100 ~ 6.5700 人民元円:16.55 ~ 17.10 アナリスト 15 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 16/04 藤瀬 秀平 来週の主な経済指標 23 日 (月) 24 日 (火) 25 日 (水) 26 日 (木) 27 日 (金) 8:50 17:00 17:00 23:00 18:00 18:00 23:00 17:00 17:00 17:00 22:00 21:30 21:30 8:30 8:30 8:30 8:30 8:30 8:30 21:30 23:00 日 ユ ユ ユ 独 独 米 独 独 独 米 米 米 日 日 日 日 日 日 米 米 独 貿易収支(通関ベース、4 月・億円) 製造業 PMI(5 月速報) サービス業 PMI(5 月速報) 消費者信頼感指数(5 月速報) ZEW 景況感調査(期待指数、5 月) ZEW 景況感調査(現況、5 月) 新築住宅販売件数(4 月・万件) Ifo 景況指数(景気動向、5 月) Ifo 景況指数(現況評価値、5 月) Ifo 景況指数(予想値、5 月) FHFA 住宅価格指数(前月比、3 月) 新規失業保険申請件数(5/21・万件) 耐久財受注速報(前月比、4 月速報) 消費者物価指数(全国、前年比、4 月) 消費者物価指数(全国、除生鮮、前年比、4 月) 消費者物価指数(全国、除食料エネ、前年比、4 月) 消費者物価指数(東京都区部、前年比、5 月) 消費者物価指数(東京都区部、除生鮮、前年比、5 月) 消費者物価指数(東京都区部、除食料エネ、前年比、5 月) GDP(前期比年率、1Q 改定) ミシガン大消費者信頼感指数(5 月改定) 小売売上高(前月比、4 月)* 予想 前回 5,350 51.9 53.2 ▲ 9.0 12.0 48.4 52.0 106.8 113.4 100.6 0.5% 7,542 51.7 53.1 ▲ 9.3 11.2 47.7 51.1 106.6 113.2 100.4 0.4% 27.8 1.3% ▲ 0.1% ▲ 0.3% 0.7% ▲ 0.4% ▲ 0.3% 0.6% 0.5% 95.8 ▲ 1.4% 0.3% ▲ 0.4% ▲ 0.4% 0.7% ▲ 0.5% ▲ 0.4% 0.6% 0.8% 95.8 予想 30 日 (月) 31 日 (火) 1 日 (水) 2 日 (木) 18:00 21:00 8:30 8:30 8:50 14:00 17:00 18:00 18:00 18:00 21:30 21:30 21:30 22:00 22:45 23:00 8:50 10:00 10:30 10:45 23:00 23:00 18:00 21:15 米・英 ユ 独 日 日 日 日 ユ ユ ユ ユ 米 米 米 米 米 米 日 中 豪 中 米 米 米 ユ 米 16 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 市場休場 欧州委員会景況指数(5 月) 消費者物価指数(CPI、前年比、5 月速報) 失業率(4 月) 家計調査消費支出(4 月) 鉱工業生産指数(前月比、4 月速報) 住宅着工戸数(4 月・万戸) マネーサプライ M3(季調済前年比、4 月) 消費者物価指数(前年比、5 月速報) 消費者物価指数(前年比、5 月速報コア) 失業率(4 月) 個人所得(前月比、4 月) 個人支出(前月比、4 月) PCE デフレータ(前年比、4 月) ケース・シラー住宅価格指数(3 月) シカゴ購買部協会景気指数(5 月) CB 消費者信頼感指数(5 月) 法人企業統計調査 設備投資増加率(前年比、1Q) 製造業 PMI(5 月) GDP(前年比、1Q) マークイット製造業 PMI(5 月) ISM 製造業指数(5 月) 建設支出(前月比、4 月) 自動車販売(5 月・万台)* 生産者物価指数(前年比、4 月) ADP 雇用統計(5 月・万人) 50.0 49.4 前回 0.13 ▲ 0.1% 3.2% ▲ 5.3% 3.8% 99.3 5.0% ▲ 0.2% 0.7% 10.2% 0.4% 0.1% 0.8% 182.79 50.4 94.2 8.5% 50.1 3.0% 49.4 50.8 0.3% 1,732 ▲ 4.2% 15.6 予想 3 日 (金) 18:00 21:30 ユ 米 小売売上高(前月比、4 月) 貿易収支(4 月・億ドル) 21:30 21:30 23:00 23:00 米 米 米 米 非農業部門雇用者数変化(5 月・万人) 失業率(5 月) 製造業受注指数(前月比、4 月) ISM 非製造業指数(5 月) 24 日 (火) 16:00 19:15 21:00 7:30 12:05 16:00 18:10 25 日 (水) 19:30 ユ 米 米 米 豪 ユ ユ ユ ユ ユ 前回 ▲ 0.5% ▲ 404 16.0 5.0% 1.5% 55.7 中央銀行関連 23 日 (月) 26 日 (木) 27 日 (金) 28 日 (土) 30 日 (月) 31 日 (火) 1 日 (水) 2 日 (木) 3 日 (金) 4 日 (土) 22:00 0:40 3:00 19:10 1:00 2:15 米 米 米 米 米 米 ビルロ ワドガロー・フランス中銀総裁講演 ブラード・セントルイス連銀総裁講演 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演 スティーブンス・RBA 総裁講演 プラート・ECB 専務理事講演 リーカネン・フィンランド中銀総裁議会証言 ヌイ・SSM(単一監督メカニズム)議長講演 コンスタンシオ・ECB 副総裁講演 プラート・ECB 専務理事 / クノット・オランダ中銀総裁 / ビルロ ワドガロー・フランス中銀総裁 / リンデ・スペイン中銀総裁講演 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演 カプラン・ダラス連銀総裁講演 ブラード・セントルイス連銀総裁講演 パウエル・FRB 理事講演 イエレン・FRB 議長講演 9:20 17:30 米 ユ ブラード・セントルイス連銀総裁講演 ビスコ・イタリア中銀総裁講演 3:00 20:45 米 ユ ユ 米 米 ユ 地区連銀経済報告書 ECB 理事会(政策金利発表) ドラギ・ECB 総裁定例記者会見 エバンス・シカゴ連銀総裁講演 メスター・クリーブランド連銀総裁講演 ビスコ・イタリア中銀総裁 / ビルロ ワドガロー・フランス中銀総裁講演 16:45 16:00 22:00 その他 23 日(月) 24 日(火) 25 日(水) 26 日(木) 日 ユ 米 ユ ユ 米 米 22:00 2:00 16:00 18:35 2:00 2:00 日 12:45 日 ユ 日 ユ 12:45 18:35 12:45 17:50 27 日(金) 30 日(月) 31 日(火) 1 日(水) 2 日(木) 月例経済報告(5 月) ユーロ圏財務相会合 2 年債入札 EU 経済・財務相理事会 30 年債入札(ドイツ) 5 年債入札 7 年債入札 G7 伊勢志摩サミット(~27 日) 40 年債入札 オバマ大統領、広島訪問 2 年債入札 5 年債入札 10 年債入札 国債入札(フランス) 3 日(金) ※市場予想は Bloomberg 調査中央値 時刻は日本時間 17 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 *印は作成日(5/20)現在で未確定のもの マーケットカレンダー 月 火 2016/5/23 水 24 ユーロ圏/消費者信頼感指数 米/新築住宅販売(4 月) 速報(3 月) 独/ZEW 景況指数(5 月) 製造業 PMI 速報(5 月) サービス業 PMI 速報(5 月) 日/貿易収支速報(4 月) 月例経済報告(5 月) 30 金 26 米/FHFA 住宅価格指数(3 月) 米/耐久財受注速報(4 月) 独/Ifo 景況指数(5 月) 27 米/GDP 改定(1Q) 独/小売売上(4 月)* 日/消費者物価指数 (都区部 5 月、全国 4 月) 米・フィラデルフィア連銀総裁講演 米・ミネアポリス連銀総裁講演 米・ダラス連銀総裁講演 米・5 年債入札 欧州議会本会議(~26 日) EU 経済・財務相理事会 米・セントルイス連銀総裁講演 米・サンフランシスコ連銀総裁講演 米・2 年債入札 米・フィラデルフィア連銀総裁講演 ユーロ圏財務相会合 ユーロ圏/欧州委員会景況指数 木 25 31 米・セントルイス連銀総裁講演 米・パウエル FRB 理事講演 米・7 年債入札 G7 サミット(~27 日) 6/1 米/個人所得・消費支出(4 月) 米/地区連銀経済報告 ISM 製造業指数(5 月) (5 月) ケース・シラー住宅価格指数 独/消費者物価指数速報 建設支出(4 月) (3 月) シカゴ PM 景況指数(5 月) 自動車販売(5 月)* (CPI 5 月) CB 消費者信頼感指数(5 月) 中/製造業 PMI ユーロ圏/マネーサプライ M3 日/法人企業統計(1Q) (4 月) 豪/GDP(1Q) 失業率(4 月) オバマ大統領が広島訪問 米・イエレン FRB 議長講演 2 米/ADP 雇用統計(5 月) ユーロ圏/ECB 理事会 ECB 総裁定例会見 生産者物価指数(4 月) 3 米/貿易収支(4 月) 雇用統計(5 月) ISM 非製造業指数(5 月) 製造業受注指数(4 月) ユーロ圏/小売売上(4 月) 消費者物価指数速報(5 月) 日/完全失業率(4 月) 家計調査(4 月) 鉱工業生産速報(4 月) 住宅着工戸数(4 月) 米・シカゴ連銀総裁講演 米・クリーブランド連銀総裁講演 (4 日) 米・セントルイス連銀総裁講演 米・英市場休場 6 7 米/消費者信用残高(4 月) 独/鉱工業生産(4 月) 日/景気動向指数速報(4 月) 豪/RBA 理事会 8 米/求人労働異動調査(4 月) 中/貿易収支(5 月) 日/GDP 改定(1Q) 国際収速報(4 月) 対外対内証券売買契約等 の状況(5 月) 景気ウォッチャー調査(5 月) 米・イエレン FRB 議長講演 欧州議会本会議(~9 日) 米・3 年債入札 13 日/法人企業景気予測調査(2Q) 米/FOMC(~15 日) 輸出入物価指数(5 月) 小売売上(5 月) 企業在庫(4 月) ユーロ圏/鉱工業生産(4 月) 米・10 年債入札 14 9 米/卸売在庫・売上(4 月) 独/貿易収支(4 月) 中/消費者物価指数(5 月) 生産者物価指数(5 月) 日/機械受注(4 月) 18 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日 指数速報(6 月) 財政収支(5 月) 中/マネーサプライ M2(5 月)* 鉱工業生産(5 月、12 日) 小売売上(5 月、12 日) 都市部固定資産投資(5 月) 米・30 年債入札 15 16 17 米/FOMC 米/経常収支(1Q) 米/住宅着工件数(5 月) FRB 議長定例記者会見 建設許可件数(5 月) フィラデルフィア連銀景況 生産者物価指数(5 月) 指数(6 月) ユーロ圏/経常収支(4 月) NY 連銀景況指数(6 月) 消費者物価指数(5 月) 鉱工業生産(5 月) ユーロ圏/消費者物価指数確報 設備稼働率(5 月) (5 月) 証券投資収支(4 月) EU 新車登録台数(5 月) ユーロ圏/貿易収支(4 月) 英/MPC(BOE 政策委員会) 英/MPC(BOE 金融政策委員会、 MPC 議事録 ~16 日) 日/日銀金融政策決定会合 日/日銀金融政策決定会合 日銀総裁定例会見 (~16 日) 豪/雇用統計(5 月) ユーロ圏財務相会合 *印は作成日(5/20)現在で日程が未確定のもの 10 米/ミシガン大消費者信頼感 EU 経済・財務相理事会 照会先:三菱東京UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ チーフアナリスト 内田 稔 当資料は一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりませ ん。また、当資料は、適用法令上許容される範囲内でのみ利用可能であり、当資料の頒布を制約する法令が存在する地域の方によって利用されることを意 図しておりません。当資料内のいかなる情報又は意見も、預金、有価証券、デリバティブ取引その他の金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨す るものではありません。 当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当行はその正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではなく、 当行、その子会社又は関連会社は、お客様による当資料の利用等に関して生じうるいかなる損害についても責任を負いません。ご利用に関しては、すべて お客様御自身でご判断下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。 また、過去の結果が必ずしも将来の結果を暗示するものではありません。 当行は、当資料において言及されている会社と関係を有し、又はかかる会社に対して金融サービスを提供している可能性があります。当行のグループ会 社は、当資料において言及されている証券又はこれに関連する証券について権利を有し、又はこれらの証券の引受けを行っている可能性があり、また、こ れらの証券又はそのポジションを保有している可能性があります。 当資料の内容は予告なしに変更することがあり、また、当行、その子会社又は関連会社は、当資料を更新する義務を負っておりません。また、当資料は 著作物であり、著作権法により保護されております。当行の書面による許可なく複製又は第三者、個人顧客もしくは一般投資家への配布をすることはでき ません。 (BTMUロンドン支店のみに適用される情報開示) 株式会社三菱東京UFJ銀行(以下「BTMU」)は、日本で設立され、東京法務局(会社法人等番号 0100-01-008846)において登記された有限責任の株式会 社です。 BTMUの本店は、東京都千代田区丸の内二丁目 7 番 1 号(郵便番号 100-8388)に所在しています。 BTMUロンドン支店は、英国会社登録所において、英国支店として登録されています(登録番号BR002013)。 BTMUは、日本の金融庁によって認可及び規制されています。BTMUロンドン支店は、英国プルーデンス規制機構より認可を受けており(FCA/PRA番号 139189)、英国金融行為監督機構の規制とプルーデンス規制機構の限定された規制の対象となっています。英国プルーデンス規制機構によるBTMUロンド ン支店の規制の範囲の詳細は、ご請求いただいた方にお渡ししております。 19 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 20 日
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