現行制度上付与可能な 役員報酬のパターン 現行制度上付与可能な

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実質的なパフォーマンス・シェアも可、役員持株会の活用も
現行制度上付与可能な
役員報酬のパターン
平成 28 年度税制改正では役員報酬税制が見直され、利益連動給与の算定指標が拡充されたほ
か、欧米企業で普及しているリストリクテッド・ストックを「事前確定届出給与」として損金算
入する途が開かれている。
一方で、こうした税制改正の恩恵を受けずに、よりシンプルな形で役員報酬と業績との連動を
図ろうとする試みもある。
本特集では、現行制度上考えられる役員報酬の主なパターンを整理する。
利益連動給与の算定指標は「他社比」も可に
平成 18 年度税制改正で導入された利益連
図表 1 のとおりとなっている。
動給与だが、これまで同制度を利用する企業
この中で注目されるのが「他社比」だ。こ
は少なかった。これは、利益連動給与を損金
れは「利益-他社の利益」により計算される
算入するためには厳しい要件が設けられてい
ため、利益が小さい会社を「他社」として選
るからだ。
択すれば、より多くの利益連動給与を損金算
こうした中、コーポレートガバナンス・
入できる可能性が広がる。
コードが役員報酬と中長期的な業績との連動
ただし、利益連動給与について規定した法
性を求めたことを踏まえ(同コード 4 - 2、
人税法 34 条①三イでは、支給額の算定方法
4 - 2 ①)
、平成 28 年度税制改正では、利益
について、
「当該事業年度の利益の状況を示
連動給与の算定指標が大幅に拡充されてい
す指標を基礎とした客観的なもの」であるこ
る。従来、利益連動給与の算定は「利益に関
とを求めている。したがって、どのような
する指標」をベースに行う必要があったが、
「他社」を選択しても容認されるわけではな
改正後は「利益の状況を示す指標(利益の
い。
「客観的」と言えるためには、例えば同
額、利益の額に有価証券報告書記載事項によ
業他社、JPX 日経インデックス 400 など、一
る調整を加えた指標その他の利益に関する指
般的に納得感のある比較対象を選択する必要
標)
」に変更され、より幅広い指標をベース
があろう。
にできるようになった(改正法法 34 条①三
利益連動給与の指標は有価証券報告書に記
イ、改正法令 69 条⑧)。
載しなければならず、公衆の目にも触れるこ
政令条文と具体的な指標例の対応関係は
とにも留意したい。
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No.643 2016.5.23
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【図表 1】 利益連動給与の指標例
政令(改正法令 69 条⑧)条文
例 示
※ 一部簡略化
一 当該事業年度における有価証券報告書に記載
-
されるべき利益の額
二 前号の指標の数値に当該事業年度における減
▶業務純益……(営業利益 ± 本業以外の利益)-(一
価償却費の額、支払利息の額その他の費用の額
般貸倒引当金繰入額+経費(臨時的経費を除く)
)
を加算し、又は当該指標の数値から当該事業年
▶ EBITDA……税引前当期純利益+減価償却費+支払
度における受取利息の額その他の収益の額を減
算して得た額
利息
▶平準化 EBITDA……営業利益+減価償却費+のれん
償却額+持分法適用関連会社からの受取配当金
▶修正当期純利益……当期純利益 ± 過年度調整損益
三 一・二の指標の数値の次に掲げる金額のうち
▶売上高営業利益率(売上高経常利益率、売上高当期
に占める割合又は一・二の指標の数値から当該
純利益率)……営業利益(経常利益、当期純利益)
事業年度における発行済株式(自己が有する自
÷ 売上
己の株式を除く)の総数で除して得た額
▶ ROE(自己資本利益率)……当期純利益 ÷ 自己資本
イ 当該事業年度における売上高の額その他の
▶修正 ROE……(当期純利益 ± 過年度調整損益)÷ 自
収益の額又は当該事業年度における支払利息
の額その他の費用の額
己資本
▶ ROA(総資産利益率)……当期純利益 ÷ 純資産
ロ 貸借対照表に計上されている総資産の帳簿
価額
▶ EPS(1 株当たり利益)……当期純利益 ÷ 発行済株
式数
ハ ロの金額から貸借対照表に計上されている
総負債(新株予約権に係る義務を含む)の帳
簿価額を控除した金額
四 一~三に掲げる指標の数値が当該事業年度前
▶過年度比……利益-過年度の自社利益
の事業年度の一~三に相当する指標の数値その
▶他社比……利益-他社の利益
他の当該事業年度において目標とする指標の数
▶ ROE(計画比)……(当期純利益 ÷ 自己資本)÷ 事
値であつて既に確定しているもの(以下この号
において「確定値」という)を上回る数値又は
一~三に掲げる指標の数値の確定値に対する比
前に定めた計画値
▶当期純利益(計画比)……当期純利益 ÷ 事前に定め
た計画値
率
五 一~四に掲げる指標に準ずる指標
▶ EBIT……税引前当期純利益+支払い利息-受取利息
▶ ROCE(使用資本利益率)……当期純利益 ÷(総資
産-短期負債)
▶ ROIC( 投 下 資 本 利 益 率 )・ROI( 投 下 収 益 得 率 )
……営業利益 ×(1 -実効税率)÷(自己資本+有
利子負債)
▶平準化 EPS……(当期純利益+のれん等償却額 ± 税
金等調整後特別損益)÷ 発行済株式数
▶保険引受利益……保険業務に係る利益 ± その他収支
出典:財務省
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