投資環境マンスリー - 三菱UFJ投信

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情報提供資料
投資環境マンスリー 2016年6月号
投資環境マンスリー
2016年6月号
経 済 調 査 部
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Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①米国
早期利上げ観測強まるも市場は落ち着いた反応
②欧州
③日本
④オーストラリア
⑤中国
⑥為替
2つの政治イベント(英国・スペイン)の行方
株式市場は政府の経済対策待ち
断続利下げの可能性は低く、豪ドルの下値も限定的か
景気底打ち期待は残るも、過剰生産能力の調整が重石となり楽観論は強まりにくい
1米ドル=110円まで反発したドル円相場、更なる円安ドル高余地はあるのか?
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
p.1-12
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2016年6月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
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投資環境マンスリー 2016年6月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: 早期利上げ観測強まるも市場は落ち着いた反応
 早期利上げ観測が台頭も米国株や社債は落ち着いた動き
M
4月26-27日のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録で、多くの委員が「景
気や雇用の改善が続き物価上昇圧力が強まれば、6月14-15日の会合で追加利
上げが適当」と考えていることが明らかになりました。加えて6月23日の英国
のEU離脱に関する国民投票のリスクに数人が懸念する程度に留まったことも
あり、早期利上げ観測が強まりました(図1左)。金融市場ではドル高が進み、
米国株は原油高の支えもあり、底堅く推移しています(図1右)。
米国経済は概ね良好です。企業景況感の改善は非製造業から製造業に広が
りがみられます(図2左)。市場の利益見通しは、エネルギー関連が冴えない
ものの、ヘルスケアや消費などでは増益が予想されています(図2右)。雇用
環境は、雇用者数の増加ペースが鈍化も賃金の伸び率は上昇傾向にあり(図
3)、緩やかながらも今後の物価上昇要因となる可能性があります。消費や住
宅投資は、実質可処分所得の高めの伸び、家計保有資産の増加、ガソリン等
のエネルギー安などが支えとなり好調です(図4)。
米信用市場の動きは、昨年末にかけてエネルギー関連企業を中心に社債利
回りが急上昇し不安定化しましたが、足元では原油価格上昇などの効果で沈
静化しています(図5左)。社債のデフォルトや商工業向けローンの延滞が増
えているものの水準はまだ低く(図5右)、今のところ金融機関の業績への影
響は限定的です。こうした状況に加え、中国など世界経済の安定を考えると、
3月のFOMCで想定された年2回ペースの利上げが実行され、昨年12月に続き、
6月か7月に追加利上げが行われる可能性が高そうです。
 米大統領選はトランプ氏とクリントン氏の対決へ
大統領の候補者争いで、共和党はトランプ氏、民主党はクリントン氏が指
名獲得に必要な過半数の代議員を確保し代表となる見込みです。当初、クリ
ントン氏優勢との見方が強かったものの、私的メール問題などもあり、最近
の世論調査ではトランプ氏の支持率が上回るなど接戦です。今後の焦点は、9
月以降の代表者討論会です。現時点での両候補の政策主張には曖昧さが残る
ため、討論会で実現可能性の高い政策方針を打ち出せるかで、国民の支持率
や金融市場の反応も変わるとみられます(図6)。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図1】 米利上げが意識されドル高基調、原油高が株価を支援
米国 ドル円相場と利上げ確率
125
米国 株価と原油価格(1941-1943年
(%)
(円/米ドル)
ドル円相場
(左軸)
120
100
円安ドル高
↑
↓
円高ドル安
80
平均=10)
(米ドル/1バレル)
S&P500株価指数
(右軸)
80
2,200
2,000
115
60
58.9%
110
9月利上げ確率
(右軸)
60
105
1,800
2016年
2月11日
1,829.08
51.0%
40
1,600
40
100
28.0%
WTI原油先物
(左軸)
20
95
7月利上げ確率
(右軸)
90
2015/12
6月利上げ確率
(右軸)
2016/02
2016/04
0
(年/月)
20
2016/06
1,400
2016年
2月11日
26.21
2015
(年)
2016
1,200
注)直近値は左右全て2016年5月26日。左図はFF金利先物に織り込まれる0.25%利上げの確率。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
右図のWTI原油先物は期近物。
【図2】 製造業も景況感改善、市場の利益予想は内需関連好調
米国 市場の利益予想(当年度)
米国 ISM景気指数
70
250
企業活動
拡大
65
2016年
4月
非製造業 55.7
60
55
(2006年12月=100)
(2006年12月=100)
一般消費財・サービス
(左軸)
200
400
ヘルスケア
(右軸)
150
50
200
45
製造業
50.8
全体
(左軸)
100
40
50
企業活動
縮小
35
エネルギー
(右軸)
30
2001
2004
2007
2010
2013
(年)
2016
0
2007
2010
2013
2016
(年)
0
注)右図の利益予想は各時点の当年度の一株当り利益でBloombergの集計、直近値は2016年5月26日。
出所)ISM、Bloombergより当社経済調査部作成
1
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投資環境マンスリー 2016年6月号
【図4】 所得の伸びは高め、小売は底堅く、住宅市場は好調
【図3】 雇用環境の改善継続、賃金や物価に上昇の兆し
米国 雇用と失業率
M
100
米国 賃金と物価
(万人)
(%)
60
4
10
米国 可処分所得と小売売上高
(前年比)
(%)
2016年4月
+16万人
10
40
2016年
4月
+2.5%
平均時給
(前年比)
3
8
20
8
2016年4月
+4.1%
6
0
6
2
-20
失業率
(右軸)
-60
1
2
景気後退期
1995
2000
(2001年=100 )
2005
2010
2015
(年)
0
コア個人消費支出デフレーター
(前年比)
2016年
3月
+1.6%
0
2000
2004
2008
(年)
2012
2016
中古住宅販売仮契約指数(右軸)
15
140
-4
5
2016年3月
+6.1%
-6
40
-10
-8
-10
2000
2005
2010
2015
(年)
80
60
-5
実質可処分所得
120
100
0
-2
4
-40
2016年3月
+2.8%
0
5.0%
-100
1990
(%)
20
10
4
2
-80
米国 中古住宅販売と住宅価格
小売売上高・除くガソリン等
非農業部門
雇用者数
(前月差、左軸)
80
12
(%)
FHFA住宅価格指数
(左軸、前年比)
-15
(年)
2004
2007
2010
2013
20
2016
注)右図の中古住宅販売仮契約指数の直近値は2016年4月。
出所)米労働省、米商務省、NBERより当社経済調査部作成
【図5】 社債のデフォルト率や銀行ローンの延滞率が小幅上昇
(%)
【図6】 大統領選はトランプ氏とクリントン氏の討論会に注目
❏ 両候補の主な政策主張
米国 銀行ローン延滞率
米国 社債利回りとデフォルト率
12
出所)米商務省、米国連邦住宅金融庁(FHFA)、全米不動産業協会(NAR)より当社経済調査部作成
10
(%)
TPP
非投資適格社債
デフォルト率
為替政策
10
8
税制
6
4
2016年4月
3.68%
ドナルド・トラ ンプ
ヒラ リー ・ク リントン
反対(保護貿易)
反対(公平な貿易競争)
日中の通貨安戦略を非難
「為替操作」の取締まり
商業用不動産ローン
8
米BB格社債利回り
(対国債、3年)
❏ 今後のスケジュール
6
消費者向けローン
最高法人税率引下げ
最高所得税率引下げ
10年間で10兆ドル規模の減税
法人税の抜け穴対策
富裕層への所得税課税強化
中間層・中小企業への減税
2016年
5月26日
2.8%
0
1996
2000
2004
2008
2012
2016
(年)
1998
2001
2004
2007
2010
2013
(年)
出所)JPモルガン証券、FRB、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9月
26日
第1回 大統領候補者討論会
10月
9日
第2回 大統領候補者討論会
19日
第3回 大統領候補者討論会
金融
銀行規制緩和
(ドッド・フランク法撤回)
金融規制強化
11月
インフラ
インフラ歳出増額
約3,000億ドルの投資を公約
8日
移民
不法移民は全員強制送還
不法移民に市民権付与
包括移民法を支持
その他
経済成長目標6%
学生ローン負担の軽減
2016
注)右図の直近値は2016年1-3月期。
民主党全国大会
最低賃金を12ドルに引上げ
商工業向けローン
1995
共和党全国大会
25~28日
日中の通貨安戦略による
雇用抑制を批判
4
0
18~21日
雇用
2
2
7月
大統領選挙、 議会選挙
注) 赤字は対立主張
出所)各種報道資料より当社経済調査部作成
2
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投資環境マンスリー 2016年6月号
②欧州: 2つの政治イベント(英国・スペイン)の行方
M
 英国ブレグジット(BREXIT)国民投票は6月23日
【図1】 現在もすでに英国はEU内で特別な地位にある
EUにおける英国の位置付け
英国は6月23日、いよいよEU(欧州連合)離脱を問う国民投票を実施します
(通称BREXIT:ブレグジット)。これに先駆け、離脱反対の姿勢をとる英国政
府は、離脱となった場合の英経済への悪影響をいくつか試算しています。
このうち、英財務省が示したBREXITに関する分析資料では、英国がEU離脱と
なれば英経済は向こう15年にかけ大幅に縮小、英国経済の原動力ともいえる貿易
面からの難局を想定しています。仮に英国がEUから離脱となり、現在のノル
ウェーなどと同様、欧州経済圏(EEA)の枠組みに加わり44%を占める英国の
ユーロ圏向け輸出への影響を最小限に抑えるケースから、EU連合からの枠組み
から全く外れ、WTO(世界貿易機関)協定に基づき輸出入品目・相手国毎に関
税協定を結ぶという、負の影響が最も大きいケースまで試算しています。それに
よると、英国の一人当りGDPが4.6万ドル(2014年)から4万ドル前後へ縮小する
としています(図2左)。また別の試算では、通貨ポンドは12~15%下落し物価
は急上昇、向こう2年で3.6%経済成長率を押し下げるとの過激な試算もあります。
 影響は依然未知数 – それほどBREXITは破壊的
もっとも、いずれも断片的な試算に留まっているようです。EU離脱の影響が
余りに多岐に亘るためです。世界銀行をして「(英国のEU離脱で)起こり得る
影響を綿密に調査した。現時点において世界資本市場の不透明感が世界経済に非
常にネガティブであることは疑う余地がない」と述べるに留めるほどです。
欧州連合
スイス
【欧州経済圏】
(EEA)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
アルバニア
【今後ユーロに
参加する国】
フランス イタリア
ドイツ
ブルガリア
スペイン
オランダ ベルギー
ハンガリー
オーストリア アイルランド ポルトガル
チェコ
ギリシャ キプロス マルタ フィンランド ポーランド
ルーマニア
リトアニア エストニア ラトビア
スウェーデン
スロバキア
スロベニア
クロアチア
ルクセンブルグ
【財政協定国】
アイスランド
デンマーク
リヒテンシュタイン
ノルウェー
【ユーロ19ヵ国】
マケドニア
トルコ
セルビア
モンテネグロ
【EU加盟潜在的候補国】
ボスニア・ヘルツェゴビナ
コソボ
注)EU加盟国は原則単一通貨制度ユーロを採用する義務を負うが、デンマークと英国は恒久的除外特権を持つ。EEA
は人、モノ、サービス、資本の移動の自由を保障する協定(1994年)。EFTAは品目別自由貿易協定で、現在スイスは
約100品目で締結(1972年、2004年、2010年)。 出所)英HY Treasury Analysis, EU委員会より当社経済調査部作成
【図2】 世論調査はEU残留に傾きかけているが
7
(万米ドル)
主要国一人当たりGDP
※数字は2014年まで実績
※下線数字2021年までIMF予測(2015年~)
6
4.6
4
日本
4.5
3.6
(%)
英BREXIT 世論調査
EU残留
50
44
5.0
米国
3
60
2021年
6.7
2014年
5.4
5
但し、英国政府が経済的に離脱は打撃となる見方を数値で示したことは、国民
の間でも判断を迷っている層(約2割)をEU残留へと傾ける効果をもっているで
しょう(図2右)。足元の世論調査では、ややEU残留派が離脱派を上回って推移
しており、こうした残留キャンペーンが一定の効果を生んでいるともいえましょ
う。金融市場の反応も、国民投票の実施を表明した2月こそ大きく動いたものの、
以降、為替は対米ドルで1英ポンド1.4~1.45ドル(対円は同150円~160円)、10
年国債利回りは1.4~1.6%の狭いレンジで推移と冷静です。英・ユーロ圏双方に
打撃を与えうる国民投票の行方に賭ける投資家は少ないといえるでしょう。結果
は現地時間6月24日未明(東京時間は同日午後頃)にも判明する見込みです。
【EU加盟候補国】
英 国
【欧州自由貿易
協定】
(EFTA)
40
BREXITケース
4.1~4.2
4.0
3.8
40
EU離脱
30
20
ドイツ
16
英国
2
判断未定
10
※実線は各国実績
1
1990
2000
2010
2020
2030
(年)
0
2013/5
2014/1
2014/9
2015/5
2016/1
(年/月)
注)左図一人当たりGDPは現地通貨建てによる予測値にWM Reutersの対米ドルレート(年平均)を掛けて当社経
済調査部がドル換算した。右図直近値は2016年5月17日。
出所)IMF、Thomson Reuters Datastream、You Gov 、Bloombergより当社経済調査部作成
3
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投資環境マンスリー 2016年6月号
 スペイン総選挙は6月26日
【図3】 スペイン政局は長期化へ
スペイン政局 これまでの動き
一方欧州では、もうひとつ注目される政治イベントがあります。スペイン下院
の総選挙で6月26日に実施される予定です。
社会労働党 ポデモス
(急進左派)
M
スペインは今年に入り政治的空白が続いています。昨年12月の下院選挙以来、
新政権は誕生しておらず、現在もその状態が続きます。昨年12月、国民党率いる
ラホイ前首相は下院選挙(定数350議席)にて第一党の座は死守するも、単独過
半数は得られず惨敗しました。スペインの選挙制度では、国王が首相候補(通常
は議会第一党党首)に組閣要請し、議会の信任投票を経て新政権が誕生します。
まず最初に組閣要請されたラホイ前首相は、第2党である社会労働党との連立
を模索するも、自身の首相就任を同党が拒否したため、首班指名を一旦回避しま
した。その後、社会労働党のサンチェス党首が国王から首相候補指名を受け組閣
に臨みましたが、3月4日の信任投票では国民党らに否決されました。その後再び
ラホイ前首相を中心に連立が模索されましたが不調に終わり、組閣期限を迎えた
5月2日、フェリペ6世(国王)は下院再選挙を宣言しました(図3)。
賛成
反対
131
219
社会労働党
シウダダノス他
国民党
ポデモス他
90
69
国民党
123
シウダダノス
40(中道)
28
第2回3月4日 首班指名信任投票結果
(第1回(3月2日)否決)
その他
下院選挙結果
2015年
②首班指名回避
12/20
①組閣要請(当初)
ラホイ氏組閣難航
⇒首班指名を回避
国民党
ラホイ党首(前首相)
③組閣要請
社会労働党
サンチェス党首
2016年
2016年
2016年
3/4
5/2
6/26
④首班指名否決
信任投票期限
組閣断念
サンチェス党首
⇒組閣断念
⇒再びラホイ前首相
が連立交渉へ。
注)首班指名の第1回信任投票から2ヵ月目応答日(今回は5月2日)までに信任投票可決できなければ、国王は下院
を解散し、再度選挙となる。現在は、ラホイ前首相らが暫定的な首相。出所)各種資料より当社経済調査部作成
 再選挙後の組閣も目下不透明。政治空白の長期化も。
【図4】 再選挙でも政権樹立できるかは不透明
スペイン下院再選挙後も組閣がスムーズに進むかは極めて不透明です。但し、
前回選挙時は政党支持率はほぼ拮抗していたのに対し、直近の世論調査で国民党
の支持率が頭一つ抜け出ていることはラホイ前首相にとっては朗報でしょう(図
4左)。もっとも、これもラホイ前首相が再び首相の座に就けば減税すると公約
を発したことが大いに影響しているとみられ、他党がこれに追随すれば再び支持
率は拮抗となる可能性もありましょう。よって、国民党が再び第一党の座と単独
過半数を確保できるか、現時点では極めて不透明といえるでしょう。
スペイン主要政党支持率
スペインの2015年実質GDPは+3.2%(前年比)、今年1-3月期も+3.3%(前期比
年率換算)と、ユーロ圏主要4ヵ国の中で最も好調です。ユーロ圏第2の生産基地
である同国の好調な自動車生産が景気を牽引しています(図4中)。また、社会
問題化する高い若年失業率も、依然高水準ながら着実に回復しています(図4
右)。政治空白の長期化は、好調な景気基調を弱め、格下げ(S&P自国通貨建て
長期債務格付け:BBB+)等を通じ金融市場へ影を落とす可能性が高まります。
国民党単独政権樹立が金融市場には最も望ましい結果といえましょう。(徳岡)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
下院再選挙
40
35
(%)
(与党)国民党
(中道右派)
25
160
前回選挙
直前
29.0
30
社会
労働党
(中道左派)
20.0
18.1
15
16.9
10
5
シウダダノス
(中道派)
0
2013/8
(万台)
自動車生産・同部品(左軸)
前回選挙時
は直前支持
率が拮抗
100 60
90
140
80
110
50
46.5
40
60
製造業生産
(左軸)
100
50
自動車生産
台数
(右軸)
1999 2004 2009 2014 (年)
30
40
30
90
80
(%)
25歳以下
70
120
70
2015/8 (年/月)
スペイン 失業率
150
130
20
ポデモス
(急進左派)
スペイン製造業生産
(2010年=100)
20
20
10
21.0
全体
10
0
0
1999 2004 2009 2014
(年)
注)直近値は、左図は2016年5月22日、中図は自動車生産台数が2016年4月、他は同年3月、右図は2016年3月。
出所)Metro Scopia、Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成
4
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投資環境マンスリー 2016年6月号
③日本: 株式市場は政府の経済対策待ち
M景気の停滞を示した1-3月期のGDP

【図1】1-3月期成長率は年率+1.7%となるも大部分はうるう年効果
日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率)
(%)
1-3月期の実質GDPは前期比年率+1.7%と事前予想を大きく上回る伸びでし
た(図1)。ただ、うるう年効果で1%強押し上げられたとみられ、実際は低
成長に留まったと言えます。2016年度は上期に公共事業の前倒し執行、下期
は大型経済対策が見込まれるため、成長率は緩やかな拡大が予想されます
(図2左)。経済対策なしではほぼゼロ成長という実態に変わりありません。
15
10
実質GDP
(前期比年率)
(予想)
純輸出
公的需要
在庫投資
5
0
2008年の金融危機以降の実質GDP水準をみると、現在は2008年1-3月期と
ほぼ同水準です(図2右)。需要項目別にみると、設備投資や住宅投資など
固定資産投資の低迷が目立ちます。また、個人消費は前回消費税率の引き上
げが実施された2014年4-6月以降低迷、輸出はチャイナショックのあった
2015年4-6月期以降足踏みとなっています。この間、日本銀行は量的・質的
金融政策に加え今年1月にマイナス金利を導入、10年国債利回りはマイナス
に転じ借入金利は低下しましたが、投資や消費の拡大に結びついていないの
が現状です。財政政策による内需刺激が求められる状況になっています。
 2021年度に名目GDP600兆円達成は可能か
安倍政権は伊勢志摩サミットを控えた5月18日に一億総活躍社会の実現に
向けた一億総活躍プランを発表しました。新第1~第3の矢の的を掲げ、具体
的な施策をあげています(図3)。2021年度に名目GDP600兆円達成を目標に
詳細な戦略もあげられています(図4)。ただ、現在の名目GDP500兆円に対
し6年間で100兆円増やすには毎年度+3.1%以上の成長が必要です。安倍政権
下2013年度以降の平均成長率+1.8%で拡大したとしても、毎年度7.2兆円の上
積みが必要となり、成長戦略の実効性が問われます。足元3年間のGDPデフ
レーター前年比が+1.2%であるため、潜在成長率を2%程度に引き上げる必要
があり、構造改革や規制緩和など大胆な改革断行が欠かせません(図5)。
こうした対策が現実味を帯びれば、企業収益が拡大し株式市場に資金が流
入するでしょう。今年度の日経平均予想EPSは前年度比+8%程度になってい
ます。5月末現在のPER14倍、PBR1.1倍は割安といえ、円高進行への懸念が
後退すれば、株価は上値を試す展開になりましょう(図6)。(向吉)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
-5
2016年1-3月期
実質GDP+1.7%
(1次速報値)
個人消費
-10
民間住宅投資
-15
民間設備投資
-20
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
注) 2016年4-6月期から2017年1-3月期までが当社経済調査部の予想値。
出所)内閣府より当社経済調査部作成
【図2】伸びない民間需要、上期は公共投資が成長率を下支え
(%)
30
日本 公共工事請負額
(
(兆円)
1.6
(2006年1-3月期=100)
125
日本 実質GDPと需要項目
輸出
120
公共工事請負金額
(右軸)
25
1.4
115
個人消費
GDP
110
20
105
1.2
15
100
95
10
1.0
90
設備投資
85
5
0.8
0
80
住宅投資
75
0.6
-5
前月比3ヵ月移動平均
(左軸)
-10
65
(年)
2008
2010
2012
2014
70
2016
0.4
60
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
2016
注)直近値は2016年1-3月期。
注)直近値は2016年4月。
出所)保証事業会社3社
出所)内閣府
5
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
【図3】 政府は成長路線による経済再生と少子高齢化克服を模索 【図4】 名目GDP600兆円達成のための成長戦略
ニッポン一億総活躍プランの概要
矢の的
M
現状
名目 500兆円
第
GDP (2015年
一
600兆円 度)
第
二
第
三
出生率
1.8
主な項目
目標期限
1.46
(2015
年)
2021
年度
2025
年度
現在
介護離
年10万
職者
人程度
ゼロ
発生
2025
年度
・人工知能、ビッグデータ、IoTを活用する
第4次産業革命
・多様な人材活用に向けた就労・教育支援
・イノベーション・ベンチャー支援の強化
・2017年度までに5000人の高度な外国人
材を認定
・地方創生の推進や国土強靭化に資する
社会資本整備
・2017年度までに待機児童ゼロに
・保育士給与を月額平均6000円アップ
・保育の受け皿整備で2017年度までに50
万人確保
・同一労働同一賃金で正規・非正規の賃
金格差を是正
・幼児教育の無償化、無利子奨学金の拡
充など教育費負担を軽減
・2020年初頭までに介護の受け皿の整備
目標を50万人に拡大
・介護士給与を2017年度から月1万円程度
改善
・介護休業給付の給付率引き上げなど
・労基署の立ち入り基準を残業時間月80
時間以上に
・高齢者の就労機会の確保や、障害者ら
の活躍支援
注)ニッポン一億総活躍プラン(5月18日公表)より
作成。 出所)首相官邸HP、各種報道より作成
日本 合計特殊出生率と出生数
2.5
合計特殊出生率
(左軸)
1.46
(2015年)
1.5
600兆円に向けた「官民戦略プロジェクト10」
500
希望出生率
2025年度の目標:
1.8
1.81
(1984年)
2.0
(万人)
1、新たな有望成長市場の創出
450
【付加価値創出:30兆円(2020)】
400
②世界最先端の健康立国へ
【市場規模:16兆円(2011)⇒ 26兆円
(2020)】
350
③環境エネルギー制約の克服と投資拡大
【エネルギー関連投資:18兆円
(2014年度)⇒ 28兆円(2030年度)】
300
④スポーツの成長産業化
【市場規模:5.5兆円(2015)⇒15兆円
(2025)】
⑤既存住宅流通・リフォーム市場の活性化
【市場規模:11兆円(2013)⇒20兆円
(2025)】
3
【付加価値:343兆円(2014)⇒ 410兆円
(2020)】
1
250
200
⑥サービス産業の生産性向上
150
0.5
7
50
出生数(右軸)
5
(年)
0
⑨観光立国の実現
0
-2
前年比(左軸)
-3
-4
(年度)
1995
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015
注)名目GDP600兆円に向けた成長戦略(「日本再興
戦略2016」の概要)【案】
出所)産業競争力会議
注)合計特殊出生率とは一人の女性が生涯に産む
子供の数。
出所)厚生労働省
400
安倍政権下の
名目GDP前年度比平均
(2013-2015年度)
350
+1.8%
-5
⑩官民連携による消費マインド喚起策等
500
450
-1
【外国人旅行消費額:3.5兆円(2015)⇒
8兆円(2020)、15兆円(2030)】
600
550
2
⑧攻めの農林水産業の展開と輸出促進
650
557兆円
平均
1.8%成長
の場合
4
【6次産業市場:5.1兆円(2014年度)⇒
10兆円(2020年度)】
3、国内消費マインドの喚起
0.0
平均
3.1%成長
の場合
名目GDP
(右軸)
6
⑦中堅・中小企業・小規模事業者の革新
100
2021年度
600兆円
8
2、ローカルアベノミクスの深化
1.0
(兆円)
※2016年度以降は試算
9
①第4次産業革命の実現~IoT・ビッグデー
タ・AI・ロボット~
1.26
日本 名目GDP
(%)
10
2000
2005
2010
2015
300
2020
注)直近値は2015年度。
出所)内閣府
【図5】+0.5%に満たない潜在成長率が上向くには生産革命が必要 【図6】 株価は割安圏、増益期待が高まれば上昇余地試しへ
(%)
14
日本 GDP前年比(10年移動平均)
12
日本 潜在成長率と要因分解
(%)
6
(兆円)
日経平均一株当り利益と名目GDP
620
2021年度
政府目標
600兆円
600
5
580
10
8
4
就業者数
名目GDP
540
3
潜在成長率
6
520
全要素生産性
2
4
560
実質GDP
1
2
1192
1102
資本ストック
GDPデフレータ
-4
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015
注)直近値は2015年度。
出所)内閣府
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
1,200
480
800
600
-2
(年度/半期)
1983
1988
1993
1998
2003
2008
2013
注)直近値の2015年下期は2015年10-12月期の値。
試算は日本銀行。
出所)日本銀行
日経平均株価
20,000
PER15.6倍
18,000
16,000
PER14倍
14,000
PBR1.0倍
12,000
400
※PER15.6倍は
2013~2015年度の
予想PER平均値
10,000
200
400
労働時間
(年度)
1,400
440
-1
日経平均株価
(円)
1,600
1,000
420
-2
1,800
500
460
0
0
名目GDP
一株当り利益
(左軸)
(右軸)
(円)
2,000 22,000
380
0
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020
(年度)
注)2015年度は5月26日時点の実績EPS、2016年度は
同予想EPS。
出所)日本経済新聞社より当社経済調査部作成
8,000
2013
2014
2015
2016
(年)
注)直近値は2016年5月26日。
出所)日本経済新聞社より当社経済調査部作成
6
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
④オーストラリア: 断続利下げの可能性は低く、豪ドルの下値も限定的か
M
比較的良好な経済環境のもと断続的な利下げの可能性低い
2016年5月3日の金融政策会合で、オーストラリア(豪)中銀は2%から
1.75%に利下げを実施、市場では今年末までに1回の追加利下げを予想してい
ます(図1左)。利下げの背景は、①消費者物価の上昇率鈍化(図2)、②住
宅価格の高騰緩和、③豪ドル高に対するけん制とみられます。①は、賃金上
昇率の鈍化や原油安等による生産コストの低下が原因と考えているようです
(図3左)。景気見通しを上方修正したように、中銀は景気減速で物価が鈍化
したとはみていないようです。景気は、輸出の持ち直しや企業や家計の景況
感改善など概ね良好です(図4)。今後も雇用環境の改善が続けば、賃金上昇
圧力が強まり、物価上昇率の鈍化が和らぐ可能性があります(図3右)。②は、
投機目的の住宅投資を抑制する金融当局の窓口規制が奏功し、住宅価格が鈍
化したことで住宅市場の過熱リスクが後退したとみているようです(図5)。
③は、声明文で「通貨高は経済の構造調整を困難にする」と通貨高をけん制
しています。資源関連の投資抑制が景気の足かせとなる中、物価が低い間は
通貨安で景気を支える考えがあるようです。今後の利下げの可能性は、足元
の景気動向を考えると、実施したとしても1~2回程度で断続的な利下げが実
施される可能性は低いと予想します。
 断続利下げは考えにくく、豪ドルの下落も限定的か
豪ドル相場は利下げ観測が残り、足元軟調です(図6)。しかし国際的な資
源安が一服するとともに、断続的な利下げの可能性が低い環境のもとでは、
2014年後半以降の下落基調が続くとは考えにくい状況です。他の先進国に比
べて相対的に高い経済成長率や国債利回りを考えると、量的緩和でカネ余り
状態にある日本などからの投資が豪ドルを支える展開が予想されます。
【図1】 中銀は景気見通し引き上げも利下げを実施
オーストラリア 中銀の見通し
オーストラリア 国債利回りと政策金利
8
(%)
実質GDP (%)
7
10年国債利回り
6
5
2015年
2016年
2017年
2016年5月
+2.5
+3.0
+3.0
2016年2月
+2.5
+2.5
+3.0
変化
-
+0.5
-
4
政策金利
2
1
2008
2010
2015年
2016年
2017年
1.75%
2016年5月
+1.7
+1.5
+2.0
政策金利の市場予想
2016年12月 1.5%
2016年2月
+1.7
+2.5
+2.5
変化
-
0
2006
消費者物価 (%)
2016年
5月26日
2.28%
3
2012
2014
2016
▲ 1.0
▲ 0.5
(年)
2018
注)左図の予想は2016年5月26日時点。右表は予測レンジの中心値。
出所)オーストラリア中銀、Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 消費者物価が鈍化、原油安に伴う公共料金下落の影響も
オーストラリア 消費者物価(前年比)
5
(%)
オーストラリア 消費者物価内訳(前年比)
9
(%)
公共料金等
2016年1-3月期
総合物価 +1.3%
コア物価 +1.7%
4
(%)
15
(右軸)
6
12
非貿易財
(左軸)
インフレ目標
+2~3%
3
3
18
9
6
3
5月7日にターンブル首相は、両院を解散して7月2日に総選挙の実施を発表
しました。現在、上院は野党労働党等、下院は与党保守連合(自由党等)が
多数派を占め、ねじれ状態になっています。法案成立が困難な状況を解消す
ることが解散の目的とみられます。市場では突然の解散を政治不安から懸念
材料と捉える向きもあるようですが、与野党の政策に大きな違いがない中、
ねじれの解消は景気に好材料と考えることもできそうです。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
2
0
-3
1
2003
2005
2007
2009
2011
2013
(年)
2015
-3
貿易財
(左軸)
2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
(年)
-6
注)右図の直近値は2016年1-3月期。
出所)Bloomberg、オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
7
7
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
【図3】 失業率低下も賃金に波及せず、今後賃金が上昇か?
オーストラリア 失業率と賃金上昇率
8
M
(%)
(%)
2016年
4月
5.7%
失業率
(左軸)
6
オーストラリア 失業率と賃金(前年比)
10
E
8
6
(年)
2004
2007
2010
2013
賃
金
4
%
)
2016年
1-3月
+2.1%
2
0
2001
4.0
3.5
S
消費者信頼感指数
(左軸)
120
15
12
9
全体
20
100
6
3.0
0
2
2.5
0
2.0
6.5
失業率(%)
3
鉱業
E
5.5
80
-20
2014年10-12月(S)
~2016年1-3月(E)
?
4.5
2016
小売業
S
-40
2001
7.5
2004
2007
2010
小売売上高(右軸)
60
2000
(年)
2013
2016
2003
2006
2009
2012
(年)
0
2015
注)直近値は左図が四半期データで2016年2月、右図の小売売上高が同年3月、消費者信頼感指数が同年5月。
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
出所)オーストラリア統計局、Bloomberg、NAB、Westpac銀行より当社経済調査部作成
【図5】 投資用住宅ローンは規制で抑制、住宅建設は高水準
オーストラリア 住宅ローン承認額
(前年比)
(%)
50
【図6】 利下げで豪ドル軟調、資源安一服が豪ドルを下支え
オーストラリア 輸出金額
オーストラリア 住宅価格と建設許可件数
30
(万ユニット)
(%)
2015年
10-12月期
+15.2%
シドニーの住宅価格
(左軸、前年比)
居住用住宅
4.0
160
140 120
輸出金額・うち中国
(左軸)
140
3.0
10
2.5
0
2.0
0
(円/
オーストラリアドル)
(米ドル/
オーストラリアドル)
↓米ドル高↓円高
120 110
100
100
80
1.0
対米ドル(右軸)
105
120
1.1
↑オーストラリアドル高
115
資源価格・
オーストラリアドル建て
(右軸)
20
10
オーストラリアドル
(2014-15年度
=100)
(2011年12月
=100)
3.5
20
30
0.9
5月25日
0.7198
100
95
0.8
0.7
90
-10
0.6
1.5
投資用住宅
-20
80
-10
60
1.0
-30
-40
2006
改善
↑
家計の景況感
↓
悪化
40
注)右図のSは期初、Eは期末を示す。
40
(%)
140
改善
↑
企業の景況感
↓
悪化
60
(
4
2009年4-6月(S)~
2011年1-3月(E)
1998年7-9月(S)~
2005年7-9月(E)
S
オーストラリア 家計景況感と小売売上高
オーストラリア 企業景況感
80
4.5
E
賃金上昇率
(右軸、前年比)
【図4】 企業景況感は概ね改善、小売売上高は底堅く推移
(年)
2008
2010
2012
2014
2016
-20
1990
民間住宅・建設許可件数
(右軸)
(年)
1995
2000
2005
2010
0.5
2015
注)直近値は左図が2016年3月、右図の建設許可件数は同年3月。
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
輸出金額
(左軸)
2014
対円(左軸)
0.5
80
60
2013
85
2015
2016
(年)
40
79.32
75
2013
2014
2015
2016
(年)
0.4
注)左図の資源価格はオーストラリアの輸出品の平均値、直近値は輸出金額が2016年3月、資源価格が同年4月。
出所)Bloomberg、オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
⑤中国: 景気底打ち期待は残るも、過剰生産能力の調整が重石となり楽観論は強まりにくい
M
 今年初を底に景気が持ち直し基調にあるとの見方は維持
4月の主要経済指標を振り返ると、国家統計局の製造業PMIが3月:50.2→4
月:50.1と2ヵ月連続で業況拡大・縮小の節目50を超過、鉱工業生産(前年
比)が同+6.8%→+6.0%、都市部固定資産投資(年初来累計、前年比)が同
+10.7%→+10.5%となりました(図1)。いずれも3月値を下回りましたが、
中国経済が足元にかけ持ち直し基調にあるとの期待感は保たれたようです。
ただし、足元の回復が当局の景気刺激策に支えられている印象は色濃いま
まです。実際、政府主導のインフラ投資や不動産開発投資が増勢を強める一
方、鉱工業中心に民間部門は減速に歯止めをかけられずにいます(図2)。
個人消費面でも同様のことが指摘されます。住宅市場の好調を受け家具・
家電など住居関連消費は底堅く推移も、全体で見れば低調な感は否めません
(図3)。家計は将来の雇用や所得面に不安を強めている様子もうかがえ、
まだら模様の景気が長引けば、消費行動に悪影響を及ぼす懸念があります。
【図1】 4月の景気指標はやや減速も、概ね景気底固めを示唆
中国 製造・非製造業PMI
(国家統計局)
(%)
(%)
60
中国 都市部固定資産投資
・鉱工業生産(前年比)
30
非製造業
58
都市部固定資産投資
(年初来累計)
25
56
53.5
業況 54
拡大
20
15
52
50.1
10
2016年2月
49.0
5
50
2015年12月
+10.0%
+10.5%
+6.0%
48
業況
縮小 46
製造業
2010
2012
2014
2016
(年)
鉱工業生産
2016年1-2月期
+5.4%
0
2010
2012
2014
2016
(年)
注)青字の凡例は上記期間内の底値およびその年月。直近値はすべて2016年4月時点。
出所) 中国国家統計局より当社経済調査部作成
 中長期的な課題として重くのしかかる過剰設備の削減
国際金融危機後の中国は、総額4兆元の景気対策で固定資産投資が急拡大
し景気がV字回復を遂げるも、その後の世界的な需要低迷を受け、生産能力
の過剰が表面化しました。供給過剰に伴い製品価格が下落し企業業績が悪化、
生産・在庫調整局面に入りましたが、足元は在庫の伸びが売上に即した水準
まで低下するなど調整が進展、業績好転の兆しもうかがえます(図4)。例
えば、住宅市場活況を背景に家具や家電など電器、自動車減税という追い風
に乗った自動車産業などで明るさを増している様子が確認されます(図5)。
一方、資源関連産業は急ピッチで在庫圧縮を進めていますが、資源安が重
石となり売上回復には至っていません(図6)。企業の在庫調整に起因した
景気下押し圧力が和らぎつつあることは好材料ですが、資源部門を筆頭に過
剰設備の削減という中長期的課題を抱え、固定資産投資の加速を期待しづら
いなか、中国経済の楽観論が強まりにくい環境は続く見込みです。(瀧澤)
【図2】 固定資産投資はインフラ主導で当面堅調持続か
(%)
中国 都市部固定資産投資
(属性別、年初来累計、前年比)
30
(%)
中国 都市部固定資産投資
(業種別、年初来累計、前年比)
40
うち国有企業
25
+23.7%
インフラ関連
不動産業
30
+19.0%
20
20
+8.4%
10
15
+10.5%
全体
10
+6.0%
0
5
民間部門
+5.2%
0
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
▲15.3%
製造業
-10
-20
鉱業
-30
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
注)左図の民間部門のデータは2012年3月以降。右図のインフラ関連は電力除く。直近値はすべて2016年4月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
【図3】 個人消費は底堅い伸び保つも、先行きは不透明感残る
M
35
(%)
中国 社会消費品小売総額
(名目、前年比)
(%)
【図4】 製品の需給改善でデフレ圧力緩和、業績安定化の兆し
中国 家計の雇用・所得見通し
(全国50都市、預金者調査)
(%)
58
うち
家具・家電・建材
30
改善
20
売上高
(年初来累計)
30
52
48
悪化
10
全体
2010
2012
2014
2016
2010
2012
+2.4%
2014
2016
0.0%
製品在庫
-10
(年)
2007
注)左図:家具・家電・建材は各項目の前年比を各月の金額で加重平均した値。直近値は2016年4月時点。
右図:「改善」の回答割合×1+「不変」の回答割合×0.5で算出。直近値は2016年1-3月期時点。
2010
(年)
2013
2016
0
-5
-40
生産者物価(右軸)
-60
-10
2007
(%)
30
40
売上高
20
+8.7%
10
+7.4%
売上高
30
20
20
+9.2%
-20
2010 2012 2014 2016
0
-10
製品在庫
(年)
(%)
▲0.5%
製品在庫
-20
2010 2012 2014 2016
(年)
電気機械・設備
(%)
売上高
+6.8%
0
+3.0%
製品在庫
-20
2010 2012 2014 2016
(年)
注)主管業務収入を売上高と表記。売上高は年初来累計ベース。
自動車のデータは2013年1-2月以降。直近値はすべて2016年3月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2016
(年)
中国 工業売上高・製品在庫(前年比)
10
-10
2013
【図6】 資源産業は在庫圧縮加速も、業績回復はまだ先か
40
30
10
0
-10
自動車
2010
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
中国 工業売上高・製品在庫(前年比)
家具
0
▲3.4%
注)左図:主管業務収入を売上高と表記。年間売上高2,000万元以上の企業を対象。直近値は2016年3月時点。
右図:直近値は工業利益が2016年3月、生産者物価が同年4月時点。
【図5】 消費財製造業の一部では在庫調整が一段落した感も
(%)
5
+7.4%
出所)中国国家統計局、中国人民銀行より当社経済調査部作成
40
15
10
-20
44.8
42
(年)
工業利益
(年初来累計、左軸)
80
20
0
雇用
44
+10.1%
5
46
100
40
10
48.4
20
60
20
50
15
(%)
120
所得
54
中国 工業利益と生産者物価
(前年比)
(%)
40
56
25
中国 工業売上高・製品在庫
(前年比)
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
鉱業
(%)
製品在庫
▲7.7%
売上高
▲17.2%
2010 2012 2014 2016
(年)
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
石油・コークス加工など
売上高
▲4.5%
製品在庫
▲15.4%
2010 2012 2014 2016
(年)
(%)
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
金属加工・金属製品
売上高
製品在庫
▲4.1%
▲9.3%
2010 2012 2014 2016
(年)
注)主管業務収入を売上高と表記。売上高は年初来累計ベース。
直近値はすべて2016年3月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
⑥為替: 1米ドル=110円まで反発したドル円相場、更なる円安ドル高余地はあるのか?
M
 米国当局者が年内2回利上げの可能性を示唆し、米ドルは反発
【図1】 米国は利上げ路線堅持との見方から円高ドル安一服
2016年 米国FOMC高官発言要旨とドル円相場
5月のドル円相場は、3日に一時1米ドル=105円台を付けるなど円高ドル安
地合い継続で始まりましたが、足元一服感もうかがえます(図1)。金融市
場では年初以降、FOMC(連邦公開市場委員会)参加者による利上げに慎重
な発言もあり、年内利上げは0~1回との見方が大勢でしたが、FOMCが3月
時点の見通し(年内利上げは2回)を基本線としていることを示唆したダド
リー・ニューヨーク連銀総裁(FOMC副議長)発言などを機に米ドルは反発
しています。日本の当局者による口先介入も円高一服に寄与しましたが(図
2)、ドル円相場を左右するのはやはり米国の金融政策動向と言えそうです。
その点を含め、ドル円相場を見る上でインフレ率を考慮した日米の実質金
利(=名目金利-インフレ率)に着目してみます(図3上)。昨年半ば以降
の円高ドル安に沿う形で日米実質金利差の縮小がみられましたが、その要因
は、①日本の実質金利上昇、②米国の実質金利低下、の2つに大別できます。
(円/米ドル)
124
122
120
118
116
114
112
110
108
106
104
2月3日 ダドリーNY(ニューヨーク)連銀総裁
(政策決定に当たり)金融環境引き締まりを考慮
2月10日 イエレンFRB(連邦準備理事会)議長
市場混乱が続けば、利上げ見通しを修正する可能性
3月29日 イエレンFRB議長
利上げへの慎重姿勢は正当化される
5月3日 ダドリーNY連銀総裁
年2回の利上げは妥当な見方
1月29日
日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和導入
4月21日 日銀が次会合で追加金融緩和実施との報道
4月28日 日銀が追加金融緩和見送り
1
2
3
4
5月3日
105円55銭
5
(月)
注)直近値は2016年5月26日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
 円安ドル高定着には日米実質金利差(米>日)拡大も必要か
①では、日銀の金融緩和が名目金利低下を促すも、原油安が響きインフレ
率も低下(図3中)、日銀は昨年来、物価見通しの大幅下方修正を繰り返し
ています(図4)。政府・日銀によるデフレ脱却への本気度を疑われかねず、
景気浮揚に向け、当局が狙う実質金利低下が進みにくくなる懸念があります。
②では、米国の景気回復が続きインフレ率が上昇、ここまではごく自然な
流れですが、それに伴い本来上昇するはずの名目金利が低下しています(図
3下)。FOMCの慎重な政策運営、世界経済の先行き不安からリスクの低い
米国債への堅調な需要を背景に実質金利上昇が抑制される可能性があります。
米国の早期利上げ観測台頭で米ドルが反発、反面、その米ドル高が同国製
造業を圧迫するとの懸念が再燃するなど一筋縄にいかない状況です(図5)。
米国の金利先高観と世界的リスク選好、この両立が円安ドル高定着の条件と
考えられる以上、目先の円安ドル高余地は限られると思われます。(瀧澤)
【図2】 介入をちらつかせるなど、円高警戒姿勢を強めた日本
2016年 日本の高官発言要旨
4月19日
麻生財務相
急激な円高・円安にはいろいろな手段を取る
4月30日
麻生財務相
2日間で5円の円高は明らかに一方的に偏った動き、極めて憂慮
5月2日
黒田日銀総裁
5月3日
麻生財務相
投機的な動きが継続しないよう
これまで以上に注視し必要な時にはしっかり対応
5月4日
麻生財務相
一方的かつ急激に偏った投機的動きが
さらに強まっているということを憂慮
5月9日
麻生財務相
われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる
麻生財務相
一方的に偏った状況が続くのであれば、介入するのは当然
5月10日
5月11日
浜田内閣官房参与
今のような円高は経済にとって好ましくない影響を与える恐れ
90-95円に上昇すれば、
米国の不興を買ってでも外国為替市場に介入するだろう
浜田内閣官房参与 日本には介入の権利、100円に円が急伸した場合には対応すべき
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
11
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
【図3】 日米実質金利差の縮小も円高ドル安材料に
日米実質金利差とドル円相場
(%)
M
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
(円/米ドル) (%)
130
2015年4月
+2.5%
実質長期金利差
(=米国-日本、左軸)
2016年4月
+0.5%
2015年4月⇒2016年4月
実質金利差変化:▲2.0%
ドル円相場(右軸)
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
日本 名目・実質長期金利とインフレ率
(%)
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
(2014年 消費税増税の影響除く)
③実質長期金利(=①-②)
2012
2013
2014
2015年4月
▲0.3%
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
①名目長期金利
70
-2.5
②インフレ率
1.0
2015
0.0
-0.5
2016
(年)
米国 名目・実質長期金利とインフレ率
(%)
-2.0
0.5
2016年4月
+0.2%
2011
80
(%)
2015年4月⇒2016年4月
実質金利変化:+0.5%
②インフレ率
2010
120 -0.5
110
-1.0
100
-1.5
90
1.5
①名目長期金利
2009
0.0
-1.0
(%)
2015年4月⇒2016年4月
実質金利変化:▲1.5%
2015年4月
+2.2%
0.0
【図4】 インフレ率目標の著しい下方修正が続く日本
寄与度分解
日本金利上昇
▲0.5%
米国金利低下
▲1.5%
金利差
縮小
▲2.0%
寄与度分解
インフレ率低下
+0.9%
-2.0
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
2016年度
+0.5%
2015年度
0.0%
(月)
2014年
2015年
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
(%)
米国 インフレ率見通しの変化
2017年
+1.9%
2016年
+1.2%
2015年
+0.4%
(月)
3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9
2016年
2013年
2014年
2015年
2016年
注)日本は消費者物価(除く生鮮食品)、米国はPCE(個人消費支出)価格指数の前年比ベース。
日本は経済・物価情勢の展望(1・4・7・10月)、米国はFOMC見通し(3・6・9・12月)の中央値に基づく。
出所)日本銀行、FRBより当社経済調査部作成
【図5】 6月利上げ観測浮上、それに伴う米ドル高は要警戒
2016年 米国利上げ予想とドル円相場
80
寄与度分解
名目金利低下
▲0.2%
インフレ率上昇
▲1.3%
実質金利低下
▲1.5%
-2.5
注)長期金利は10年国債利回り、インフレ率は消費者物価(総合)の前年比。直近値は2016年4月時点。
日本のインフレ率に対する消費税増税の影響は2014年4月:+1.7%、同年5月~2015年3月:+2.0%とした。
各段右図は直近1年間の日米実質金利差および日米実質金利の変化を寄与度分解したもの。
出所)米労働省、総務省、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
+1.7%
2013年
名目金利低下
▲0.4%
③実質長期金利(=①-②)
2009
2017年度
実質金利
上昇
+0.5%
-1.5
2016年4月
+0.7%
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10
-0.5
-1.0
日本 インフレ率見通しの変化
(%)
(円/米ドル)
(%)
6月FOMCの利上げ確率
(左軸)
70
60
ドル円相場
(右軸)
50
40
28%
30
20
10
0
1
2
3
4
5
(月)
米国製造業景況感と米ドル相場
(2015年初=100)
122 35
米ドル指数(右軸)
120 30
25
118
20
116 15
114 10
112 5
業況改善
110 0
業況悪化
-5
108
-10 ニューヨーク連銀
106 -15
製造業景気指数(左軸)
104 -20
2015
2016
米ドル高
米ドル安
(年)
114
112
110
108
106
104
102
100
98
96
94
92
注)左図:直近値は2016年5月26日時点。
右図:米ドル指数は対主要10通貨ベース。指数化は当社経済調査部。直近値は2016年5月26日時点(日次)。
ニューヨーク連銀製造業景気指数の直近値は2016年5月時点(月次)。
出所)ニューヨーク連銀、Bloombergより当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
先
進
国
180
日本
140
120
100
80
60
40
20
0
2008
2014
2017 (年)
中国
450
新
興
国
2011
米国
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
160
2005
①株式: 世界経済は米国利上げに耐えうるとの見方から上昇
150
100
50
0
2008
400
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
2014
2017 (年)
インド
450
350
2011
2008
2011
2014
2017 (年)
メキシコ
350
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
2011
2014
2017 (年)
2008
2011
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
トルコ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
ブラジル
2005
2008
2011
0
2005
2008
2017 (年)
2014
2017 (年)
ポーランド
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2014
2011
2005
2008
2011
南アフリカ
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年5月26日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2005
350
500
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
300
2008
インドネシア
600
0
2005
2005
オーストラリア
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200
2005
400
ドイツ
250
2005
2008
2011
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
②金利: 世界経済の先行き不透明感は根強く、先進国長期金利は低水準で一進一退
M
(単位はすべて%)
先
進
国
8
日本
ユーロ圏
8
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
0
0
0
利回り(10年物国債)
2
0
政策金利
-2
2006
2008
2010
2012
2014
2016
中国
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
2008
2010
2012
2008
2014
2016
2006
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2016
8
4
3
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2016
2006
(年)
2008
15
12
12
9
9
6
6
3
3
2012
2014
2016
(年)
2010
2012
2014
2016
(年)
2016
(年)
南アフリカ
18
15
2010
トルコ
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
0
2006
2006
(年)
ポーランド
18
9
2010
インドネシア
2006
(年)
12
6
2008
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
16
12
-2
2006
(年)
ブラジル
20
15
2010
インド
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
メキシコ
18
-2
2006
(年)
オーストラリア
8
6
-2
新
興
国
米国
8
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:BI金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、なお、日本では政策目標を無担保コールレート(翌日物)とする措置を2013年4月4日で終了。
注4)直近値は2016年5月26日。注5)一部データの欠損あり。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
③為替: 米国の6月利上げ観測も浮上し、米ドル独歩高の展開に
M
(円/米ドル)
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
日本・円
(米ドル/ユーロ)
1.8
80
100
円高
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
中国・人民元
(円/元)
22
6.0
20
6.5
18
7.0
16
7.5
14
8.0
12
円安
(INR/米ドル)
30
インド・ルピー
0.9
1.2
120
0.8
10
(MXN/米ドル)
8
メキシコ・ペソ
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
45
50
55
65
70
10
12
14
16
1.0
11
1.5
10
2.0
9
2.5
8
3.0
7
18
20
(BRL/米ドル)
12
ブラジル・レアル
4.0
5
4.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
120
100
80
(IDR/米ドル)
インドネシア・ルピア
1.5
1.3
10000
40
(TRY/米ドル)
1.0
トルコ・リラ
(年)
(円/TRY)
120
1.5
100
2.0
80
2.5
60
3.0
40
1.1
12000
0.9
14000
16000
0.7
3.5
(PLN/米ドル)
80
1.5
70
2.0
ポーランド・ズロチ
60
2.5
50
3.0
40
3.5
30
4.0
20
4.5
(円/PLN)
60
40
30
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
50
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
0.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016
(円/IDR)
8000
60
0.6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/BRL)
3.5
6
80
6000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/MXN)
100
対日本円
(右軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/INR)
35
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/豪ドル)
1.0
0.8
60
8.5
オーストラリア・ドル
1.1
140
1.0
40
新
興
国
160
(米ドル/豪ドル)
1.2
1.4
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(元/米ドル)
180
0.7
120
130
5.5
(円/ユーロ)
対米ドル
(左軸)
1.6
90
ユーロ
(ZAR/米ドル)
4
南アフリカ・ランド
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年5月26日。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
15
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日: 2016年5月26日
現地通貨ベース
1ヵ 月
株式
業種別
その他
債券
その他
転換社債
3ヵ 月
1年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
▲ 19.3
▲ 4.3
2.6
▲ 19.3
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
10.3
▲ 13.1
7.7
▲ 2.5
▲ 0.1
8.8
▲ 3.1
▲ 1.5
5.1
▲ 13.9
▲ 9.2
30.2
48.8
20.1
▲ 0.8
▲ 6.1
新興国
▲ 2.7
6.2
▲ 13.2
▲ 4.5
9.1
▲ 19.6
▲ 5.9
5.3
▲ 30.4
▲ 23.4
31.4
19.1
11.9
▲ 14.2
▲ 6.9
素材(景気敏感)
▲ 0.7
12.8
▲ 12.1
▲ 1.6
14.9
▲ 11.9
▲ 3.0
11.2
▲ 22.8
▲ 24.8
24.6
25.3
9.1
▲ 14.5
1.0
エネルギー
▲ 0.2
14.3
▲ 11.0
▲ 0.7
16.2
▲ 11.9
▲ 2.1
12.4
▲ 22.7
▲ 4.5
15.3
40.2
2.7
▲ 21.8
4.1
1.2
7.2
▲ 0.2
1.2
7.6
0.6
▲ 0.2
3.9
▲ 10.2
▲ 7.4
26.6
50.7
30.4
5.6
▲ 8.1
▲ 0.8
5.6
▲ 6.0
▲ 2.2
1.9
▲ 16.8
5.0
31.2
58.5
32.4
7.5
▲ 11.3
0.2
2.3
7.7
2.2
1.8
2.1
4.5
1.2
5.6
IT(情報技術)
▲ 0.5
4.6
▲ 6.0
日本
0.2
2.3
7.7
海外先進国
1.1
0.5
4.1
0.5
2.0
4.3
▲ 0.8
▲ 1.7
▲ 6.5
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 3.4
▲ 4.0
新興国(現地通貨建て)
0.0
3.1
6.7
▲ 2.2
5.1
▲ 3.1
▲ 3.6
1.4
▲ 13.9
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 9.0
▲ 3.7
0.5
5.1
4.3
▲ 0.9
1.4
▲ 6.5
0.8
30.2
16.1
21.2
1.6
▲ 2.0
1.0
0.3
3.5
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
0.6
3.3
海外先進国
0.4
4.7
3.5
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
6.1
投資適格
0.3
4.7
3.5
▲ 1.1
1.0
▲ 7.4
▲ 0.7
23.9
21.4
17.0
▲ 3.4
▲ 3.2
ハイイールド
0.9
9.5
0.4
▲ 0.5
5.8
▲ 10.5
▲ 2.6
32.1
29.3
13.7
▲ 3.8
▲ 1.0
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
0.5
3.7
0.8
▲ 0.9
0.0
▲ 10.0
0.5
26.0
19.5
19.3
0.2
▲ 4.0
1.1
8.7
3.7
▲ 0.2
5.0
▲ 7.1
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
3.8
0.3
1.6
▲ 6.5
新興国(米ドル建て)
世界
社債
1ヵ 月
1年
2.6
新興国(米ドル建て)
ヘッジ有
3ヵ 月
0.4
海外先進国
ヘルスケア
国債
1ヵ 月
1年
円換算ベース
▲ 4.3
日本
地域別
3ヵ 月
米ドルベース
先進国
0.4
6.0
▲ 2.3
0.3
6.9
▲ 1.1
▲ 1.1
3.1
▲ 11.9
▲ 10.4
25.1
38.5
17.6
新興国
0.3
2.5
▲ 2.3
0.0
3.9
▲ 2.2
▲ 1.4
0.2
▲ 13.0
▲ 17.0
28.6
33.8
15.6
4.3
▲ 7.5
物価連動 先進国
国債
新興国
1.6
4.5
1.7
0.2
0.8
▲ 9.2
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
▲ 3.5
▲ 2.4
11.7
▲ 3.3
▲ 3.8
8.0
▲ 14.1
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
4.6
先進国
▲ 0.2
9.3
8.0
▲ 1.6
5.6
▲ 2.8
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
▲ 1.7
新興国
▲ 7.9
8.3
▲ 10.3
▲ 9.3
4.6
▲ 21.1
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
▲ 1.2
1.8
13.2
▲ 15.2
0.4
9.5
▲ 26.0
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
0.1
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2016年は2015年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
Ⅳ.2016年6月の主要な政治・経済日程
月
M
火
5/30
(日)
(仏)
(他)
(伊)
4月 商業販売統計
1-3月期 実質GDP(2次速報)
ブラジル 4月 失業率
1-3月期 実質GDP(2次速報)
6
(欧)
4月 景気動向指数
(米)
4月 消費者信用残高
(欧)
(独)
1-3月期 実質GDP(確報)
4月 鉱工業生産
4-6月期 法人企業景気予測調査
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
女王誕生日
(他)
ブラジル 4月 小売売上高
(欧)
(英)
(英)
5月 貿易統計
(日)
20
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(豪)
(中)
(中)
21
1-3月期 実質GDP(2次速報)
4月 経常収支
5月 銀行貸出
5月 景気ウォッチャー
(英)
4月 鉱工業生産
(他)
27
(米)
(米)
(米)
(日)
5月 消費者態度指数
(日)
4月 毎月勤労統計
(米)
5月 ADP雇用統計
(欧)
欧州中央銀行(ECB)理事会
(他)
ブラジル 4月 鉱工業生産
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
4月 貿易収支
4月 製造業新規受注
4月 耐久財新規受注
5月 雇用統計
5月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
(他)
ブラジル1-3月期 実質GDP
10
(日)
(日)
4月 機械受注統計
5月 マネーストック
(日)
(日)
4月 第3次産業活動指数
5月 企業物価指数
(米)
4月 卸売売上高
(米)
(米)
5月 月次財政収支
6月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
ブラジル 5月消費者物価(IPCA)
(中)
(中)
5月 消費者物価指数
5月 生産者物価指数
(仏)
(伊)
4月 鉱工業生産
4月 鉱工業生産
(日)
日銀金融政策決定会合(~16日)
(日)
黒田日銀総裁定例記者会見
(米)
(米)
(米)
5月 生産者物価
5月 鉱工業生産
6月 ニューヨーク連銀景気指数
(米)
(米)
5月 消費者物価
6月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
(豪)
6月 消費者信頼感指数
(豪)
5月 雇用統計
16
22
17
23
5月 中古住宅販売件数
(米)
5月 新築住宅販売件数
6月 ZEW景況感指数
29
1-3月期 実質GDP(確報)
4月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
6月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
30
(日)
5月 商業販売統計
(米)
(米)
5月 個人所得・消費
5月 中古住宅販売仮契約指数
(独)
7月 GfK消費者信頼感指数
(他)
ブラジル 5月 失業率
(日)
(米)
(欧)
(英)
(他)
(中)
(中)
(米)
(米)
(米)
5月 住宅着工・許可件数
24
日銀金融政策決定会合議事要旨
(4/27~28分)
28
発表日未定経済指標など
3
9
(日)
(日)
(日)
(日)
(米)
(独)
1-3月期 法人企業統計調査
5月 新車登録台数
4月 建設支出
5月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
ベージュブック(地区連銀経済報告)
1-3月期 実質GDP
5月 製造業PMI(国家統計局)
5月 製造業PMI(マークイット)
15
4月 製造工業 稼働率指数
4月 企業売上高・在庫
5月 輸出入物価指数
5月 小売売上高
連邦公開市場委員会(FOMC)
(~15日)
4月 鉱工業生産
5月 消費者物価指数
5月 生産者物価指数
金
2
8
(日)
(豪)
(日)
4月 鉱工業生産
4月 家計調査
4月 労働関連統計
3月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
4月 個人所得・消費
5月 シカゴ購買部協会景気指数
5月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
5月 消費者物価(速報)
14
9月 鉱工業生産
13
(日)
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
木
6/1
7
12
(中)
水
31
(日)
5月 企業向けサービス価格
(米)
(米)
5月 耐久財新規受注
6月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
(独)
(仏)
6月 ifo景況感指数
1-3月期 実質GDP(確報)
7/1
5月 鉱工業生産
6月 シカゴ購買部協会景気指数
6月 消費者物価(速報)
1-3月期 実質GDP(確報)
ブラジル 5月 鉱工業生産
6月 製造業PMI(国家統計局)
6月 製造業PMI(マークイット)
5月 建設支出
6月 新車販売台数
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
(米)
5月 家計調査
5月 労働関連統計
5月 消費者物価指数(全国)
6月 消費者物価指数(東京都)
日銀短観(6月調査)
6月 消費者態度指数
6月 新車登録台数
6月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2016年6月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元金が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元金を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
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■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり
ません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
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◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元金を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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