新興国ウィークリーレポート

新興国ウィークリーレポート
2016/5/23
【韓国】
総合指数は週間で 1.0%安と 4 週続落、米利上げ観測が重し
先週の動き/今週の展望
総合指数は 1.0%安と 4 週続落した。週前半の 16-17 日は手掛かり材料に欠ける中で前日終値を挟んでもみ合い、連
日でほぼ横ばいの方向感に乏しい値動きとなった。18-19 日は米インフレ指標の上振れを受けて米利上げ観測が高まる
中、海外投資家による売り越しが優勢となり続落。指数は約 10
週ぶりの低水準に沈んだ。週末の 20 日は国内機関投資家によ
る買い越しが海外投資家の売り越しを相殺し、市場は安定した
▼指数チャート
2,040
2,020
動きを見せて終えた。今週は引き続き米利上げ問題が相場を左
2,000
右する要因となりそうだ。市場では 6 月に問題がはっきりする
1,980
まで下落傾向が続くと見る向きが多い。今週は 26 日に韓国の 5
1,960
月の消費者信頼感、週末 27 日には主要貿易相手の中国で 4 月
1,940
の工業企業利益が発表される予定。
1,920
【ロシア】
[KOSPI/day(2016/3/9 - 2016/5/20)]
3/9
3/18
3/29
4/7
4/19
4/28
5/11
5/20
RTS 指数は週間で 3.1%安と反落、今週は自律反発に期待
先週の動き/今週の展望
先週の米ドル建て RTS 株価指数は週間で 3.1%安と反落。週央までは堅調だったが、米 FOMC 議事要旨で当局者が 6
月利上げに積極的だったことが公表された影響に加え、ブレント原油先物の大幅下落を受けて週後半に値を崩した。週前
半はブレント原油先物が 49 ドル台まで上昇した上、ロシアの 1
▼指数チャート
-3 月期 GDP が前年同期比 1.2%減と予想より軽微な落ち込み
[RTSI$/day(2016/3/9 - 2016/5/20)]
1,000
だった効果でしっかり。ただ、19 日は FOMC 議事要旨で米国
の 6 月利上げの可能性が示唆されたほか、ブレント原油先物が
一時 47 ドル台前半まで大幅下落したことで全業種が下落し、
950
900
前日比 4.5%安と急落した。週末は売りが一服し、反発に転じ
850
たが、前日の下落を埋めきれずに終えた。今週は自律反発に期
800
待。戻り目処は 25 日線上の 921 ドルか。
750
【ベトナム】
3/9
3/18
3/29
4/7
4/18
4/27
5/11
5/20
VN 指数は 0.7%高と 7 週続伸、年初来高値更新も後半に失速
先週の動き/今週の展望
先週の VN 指数は週間で 0.7%高と 7 週続伸。週前半は堅調だったが、米国の 6 月利上げが現実味を帯びてきた週後半
はその材料を消化するため下落基調となり、週前半の上げ幅を縮めて週を終えた。週前半は原油高を支えにエネルギー株
やビナミルク、ビングループなどが指数をけん引。18 日には
▼指数チャート
2015 年 7 月以来の高値を付けた。しかし、18 日後場にはビナ
[VNINDEX/day(2016/3/9 - 2016/5/20)]
640
ミルクや鉄鋼株が下落し、マイナスに転じた。前夜に 4 月の米
FOMC 議事要旨が公開された 19 日以降は、米国の 6 月利上げ
を意識し、売り圧力が強まった。個別では不動産のビングルー
620
600
プが週初に終値ベースの高値を更新したが、週末に 3.7%下落
580
し、週間での指数マイナス寄与度 1 位となった。今週は米国株
560
の動向次第で波乱も。押し目は買いで対処か。
540
3/9
3/18
3/29
4/7
4/19
4/28
5/11
5/20
2016/5/23
【インドネシア】
【シンガポール】
【先週の動き/今週の展望】ジャカルタ総合指数は 1.0%
安、財務相が来年度経済成長率見通しを下方修正
【 先 週 の 動 き / 今 週 の 展 望 】 ス ト レ ーツ タ イ ム ズ 指 数 は
1.1%高、今週は 26 日に 4 月の鉱工業生産発表
ジャカルタ総合指数は週間で 1.0%安と 4 週続落。原油価格
ストレーツタイムズ指数は週間で 1.1%高と続伸。国内外の
の回復を除くと目立った買い材料がなく、軟調な値動きが続い
要因を受けて断続的に荒っぽい値動きとなった。17 日は原油価
た。16 日は 4 月の貿易統計で輸出が前年同月比 12.6%減、輸
格の上昇に加え、4 月の非石油地場輸出が前年同月比 7.9%減と
入が 14.6%減と、ともに市場予想から下振れしたことが嫌気さ
前月の 15.7%減(改定値)からマイナス幅が縮小したことが好
れて続落。17 日は国営マンディリ銀行の 1-3 月期の業績が低
感されて、指数は前日比 1.6%高。ただ、18 日に消費関連株が
調だった影響で金融株が売られた。18 日は原油先物価格が年初
売られて反落すると、19 日は米国の利上げ観測の強まりで金融
来の高値に迫ったことを受けて 4 営業日ぶりに反発したものの
株が下げ、前日比 1.3%安と続落。20 日は銀行株の一角が買い
19 日は公共サービス銘柄を中心に売りが出て反落した。今週は
戻された効果で反発した。今週は 23 日に 4 月の CPI、25 日に
前週末にブロジョネゴロ財務相が来年度の経済成長率の見通
1-3 月期の GDP 成長率確定値、26 日に 4 月の鉱工業生産が
しを小幅に下方修正したことへの市場の反応が注目される。
発表される予定。鉱工業生産の市場予想は前年同月比 0.3%減。
▼指数チャート
▼指数チャート
4,950
[JCI/day(2016/3/8 - 2016/5/20)]
3,000
4,900
2,950
4,850
2,900
4,800
2,850
4,750
2,800
4,700
2,750
4,650
[FSSTI/day(2016/3/10 - 2016/5/20)]
2,700
3/8
3/18
3/30
4/8
4/19
4/28
5/11
5/20
3/10
【タイ】
3/21
3/31
4/11
4/20
4/29
5/11
5/20
【マレーシア】
【先週の動き/今週の展望】SET 指数は 0.6%安、1-3 月
期の GDP 成長率は前年同期比 3.2%
【先週の動き/今週の展望】クアラルンプール総合指数は
0.03%高、米利上げ観測拡大でリンギ安が加速
SET 指数は 4 営業日の取引で 0.6%安と反落。週初から 1400
クアラルンプール総合指数は週間で 0.03%高とほぼ横ばい。
ポイントを挟んでもみ合ったが、米国の利上げ観測再燃で週末
国内の重要イベントが少なく、外部要因に左右された 1 週間だ
に値を下げた。16 日発表の 1-3 月期の GDP 成長率は歳出増
った。16 日は前週末に発表された 1-3 月期の GDP 成長率が
と観光部門の好調を受けて前年同期比 3.2%と市場予想の
09 年以来の低い水準にとどまった余波に加え、中国の 4 月の鉱
2.8%を上回り、SET 指数は反発。17 日は石油価格の上昇が好
工業生産と小売売上高が軟調だった影響で続落。17 日に原油価
感されて終値で 9 営業日ぶりに 1400 ポイントを回復したが、
格の回復を好感して 3 日ぶりに反発すると、18 日も小幅ながら
18 日は金融株が不調で反落。19 日は東南アジア市場全面安の
続伸したが、19 日は前日に FRB が公表した 4 月の FOMC 議
流れを受け、終値ベースで 3 日ぶりに 1400 ポイントを割った。
事録要旨に 6 月の利上げの可能性が盛り込まれたことを受けて
今週は 25 日に 4 月の貿易収支(通関ベース)が発表される予
ドルが上昇した影響で反落した。今週はドル高リンギ安の流れ
定で、輸出入ともに前年同月の実績を下回る見通し。
に歯止めがかかれば、株式相場の支援材料になりそうだ。
▼指数チャート
▼指数チャート
1,440
[SET/day(2016/3/2 - 2016/5/20)]
1,750
1,420
1,725
1,400
1,700
1,380
1,675
1,360
1,650
1,340
1,625
1,320
[FBMKLCI/day(2016/3/11 - 2016/5/20)]
1,600
3/2
3/11
3/22
3/31
4/12
4/26
5/10
5/19
3/11
3/22
3/31
4/11
4/20
4/29
5/11
5/20
本レポートは、株式会社 DZH フィナンシャルリサーチ(以下、
「DZH」と称します)により作成されたもの
です。
本レポートは、DZH が信頼できると判断した各種データ、公開情報に基づいて作成しておりますが、DZH
はその正確性、完全性を保証するものではありません。
ここに示したすべての内容は、DZH で入手しえた資料に基づく現時点での判断を示しているに過ぎません。
DZH は、本レポート中の情報を合理的な範囲で更新するようにしておりますが、法令上の理由などにより、
これができない場合があります。
本レポートは、お客様への情報提供のみを目的としたものであり、特定の金融商品の売買あるいは特定の金
融商品取引の勧誘を目的としたものではありません。
また、本レポートによる情報提供は、投資等に関するアドバイスを含んでおりません。
本レポートにおいて言及されている投資やサービスは、個々のお客様の特定の投資目的、財務状況、もしく
は要望を考慮したものではありませんので、個々のお客様に適切なものであるとは限りません。
本レポートで直接あるいは間接に取り上げられている金融商品は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況
の変化及びそれらに関する外部評価の変化、金利・為替の変動などにより投資元本を割り込むリスクがあり
ますが、DZH は一切その責任を負いません。
DZH は、レポートを提供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。
DZH およびグループ会社は、本レポートの論旨と一致しないレポートを発行している場合があり、また今後
そのようなレポートを発行する場合もあります。
DZH、グループ会社およびその役職員は、本レポートに記載された金融商品について、ポジションを保有し
ている場合があります。
本レポートでインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、DZH 自身のアドレスが記載さ
れている場合を除き、ウェブサイト等の内容について DZH は一切責任を負いません。
本レポートの利用に際しては、お客様ご自身でリスク等についてご判断くださいますようお願い申し上げま
す。