患者向医薬品ガイド・ワクチン接種を受ける人へのガイド

患者向医薬品ガイド
2013 年 12 月更新
ミコフェノール酸モフェチルカプセル 250mg
「ファイザー」
【この薬は?】
販売名
ミコフェノール酸モフェチルカプセル 250mg「ファイザー」
MYCOPHENOLATE mofetil Capsules 250mg
一般名
ミコフェノール酸 モフェチル
Mycophenolate Mofetil
含有量
(1 カプセル中)
250.0mg
患者向医薬品ガイドについて
患者向医薬品ガイドは、患者の皆様や家族の方などに、医療用医薬品の正しい理解と、
重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです。
したがって、この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関係
者向けに作成されている添付文書を基に、わかりやすく記載しています。
医薬品の使用による重大な副作用と考えられる場合には、ただちに医師または薬剤師に
相談してください。
ご不明な点などありましたら、末尾に記載の「お問い合わせ先」にお尋ねください。
さ ら に 詳 し い 情 報 と し て 、「 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホ ー ム ペ ー ジ 」
http://www.info.pmda.go.jp/ に添付文書情報が掲載されています。
【この薬の効果は?】
・この薬は、免疫抑制剤と呼ばれるグループに属する薬です。
・この薬は、リンパ球の増殖を抑えることにより免疫の働きを抑え、臓器移植後
の拒絶反応を抑えます。
・次の目的で処方されます。
○腎移植後の難治性拒絶反応の治療
(既存の治療薬が無効又は副作用等のため投与できず、難治性拒絶反応と診
断された場合)
○下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、心移植、肝移植、肺移植、膵移植
・この薬は、体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり、量を加減した
りすると生命に関わることがあります。指示どおりに飲み続けることが重要で
す。
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【この薬を使う前に、確認すべきことは?】
○次の人は、この薬を使用することはできません。
・過去にミコフェノール酸モフェチルカプセル 250mg「ファイザー」に含まれる
成分で過敏な反応を経験したことがある人
・妊婦または妊娠している可能性がある人(妊娠中にこの薬と他の免疫抑制剤を
一緒に使用し、耳の奇形など奇形のあるお子さんを出産した人がいるとの報告
があります。)
○次の人は、原則として、この薬を使用することはできません。
・妊娠する可能性のある人
治療上の必要性から、やむを得ずこの薬を使用する人は、この薬を使用する前、
使用している間および使用後6週間は、避妊する必要があります。
○次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げ
てください。
・重篤な消化器系疾患のある人
・重い慢性腎不全の人
・腎移植後の腎機能の改善に時間がかかっている人
○この薬には併用してはいけない薬[生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾
燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、等)]や併用を注意すべき薬
があります。他の薬を使用している場合や、新たに使用する場合は、必ず医師ま
たは薬剤師に相談してください。
○妊娠する可能性のある人は、この薬の使用前に妊娠検査が行われます。
【この薬の使い方は?】
●使用量および回数
[成人]
飲む量は、あなたの症状などにあわせて、医師が決めます。
通常、飲む量および回数は、次のとおりです。
一回量
腎移植後の難治性拒
絶反応の治療の場合
腎移植における拒絶反
応の抑制の場合
心移植、肝移植、肺移
植、膵移植における拒
絶反応の抑制の場合
6カプセル
4カプセル(最大使用
量:1日12カプセル)
2~6カプセル
ただし、重い慢性腎不全の人の最大使用量は、
1回4カプセル(1日2回)です
飲む回数
1日2回 食後 12時間毎
[小児]
飲む量は、身長と体重から計算し、患者さんの症状などにあわせて、医師が決め
ます。
●どのように飲むか?
コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください。
●飲み忘れた場合の対応
決して2回分を一度に飲まないでください。気がついた時に、できるだけ早く1
回分を飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合は 1 回とばして、次の
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時間に 1 回分飲んでください。
●多く使用した時(過量使用時)の対応
すぐに受診してください。過量使用の治療薬としてコレスチラミンがあります。
【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】
・B型肝炎またはC型肝炎ウイルスキャリアといわれている人は、定期的な血液
検査が行われます。B型肝炎ウイルスの再活性化またはC型肝炎の悪化が起こ
っていると思える症状(発熱、倦怠感(けんたいかん)、皮膚や白眼が黄色くなる、
食欲不振など)があらわれた場合には、速やかに医師に連絡してください。
・この薬の使用に際しては、以下の注意事項について、患者や家族の方は十分理
解できるまで説明を受けてください。
・妊娠する可能性のある人で、治療上の必要性から、やむを得ずこの薬を使用
する人は、この薬を使用する前、使用している間および使用後6週間は、避
妊してください。(妊娠中にこの薬と他の免疫抑制剤を一緒に使用し、耳の
奇形など奇形のあるお子さんを出産した人がいるとの報告があります。)
・感染症状、知らない間のうちみ、内出血、出血、貧血、下痢などがあらわれ
たら、すぐに医師に連絡してください。
・日光や紫外線による皮膚癌の危険性を避けるために、帽子などの衣類や日焼
け止め効果の高いサンスクリーンを使用し、日光や紫外線を避けるようにし
てください。
・この薬の使用中は頻回に血液検査が行われることがあります。
・授乳を避けてください。
・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬を飲
んでいることを医師または薬剤師に伝えてください。
副作用は?
特にご注意いただきたい重大な副作用と、それぞれの主な自覚症状を記載しまし
た。副作用であれば、それぞれの重大な副作用ごとに記載した主な自覚症状のう
ち、いくつかの症状が同じような時期にあらわれることが一般的です。
このような場合には、ただちに医師または薬剤師に相談してください。
重大な副作用
主な自覚症状
感染症
かぜのような症状、からだがだるい、発熱、嘔
かんせんしょう
吐(おうと)
進行性多巣性白質脳症(PML) ぼんやりする、考えがまとまらない、物忘れ、
しんこうせいたそうせいはくしつのうし 意識がなくなる、手足のまひ、しゃべりにくい、
ょう (ピー・エム・エル)
けいれん
BKウイルス腎症
からだがだるい、頭痛、発熱、むくみ、下腹部
ビー・ケー・ウイルスじんしょう
の痛み、排尿回数が増える、残尿感、血尿、尿
量が減る
汎血球減少
めまい、動悸(どうき)、耳鳴り、鼻血、出血し
はんけっきゅうげんしょう
やすい、歯ぐきの出血、あおあざができる、息
切れ
好中球減少
発熱、のどの痛み
こうちゅうきゅうげんしょう
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重大な副作用
無顆粒球症
主な自覚症状
発熱、のどの痛み
むかりゅうきゅうしょう
白血球減少
発熱、のどの痛み
はっけっきゅうげんしょう
血小板減少
けっしょうばんげんしょう
貧血
ひんけつ
赤芽球癆
歯ぐきの出血、鼻血、出血が止まりにくい、皮
下出血、あおあざができる
階段や坂を上る時の動悸や息切れ、頭痛、息切
れ、耳鳴り、めまい、からだがだるい
からだがだるい、めまい、息切れ、動悸
せきがきゅうろう
悪性リンパ腫
あくせいリンパしゅ
リンパ増殖性疾患
リンパぞうしょくせいしっかん
悪性腫瘍(特に皮膚)
あくせいしゅよう(とくにひふ)
消化管潰瘍
しょうかかんかいよう
消化管出血
しょうかかんしゅっけつ
消化管穿孔
リンパ節のはれ、寝汗をかく、発熱、体重が減
る、食欲不振
発熱、食欲不振、リンパ節のはれ、出血しやす
い、貧血
ほくろがかゆい、ほくろが痛い、ほくろから血
が出る、赤茶色のかさぶた、ほくろが潰瘍にな
る、ほくろが大きくなる
血が混ざった便、黒色便、吐き気、嘔吐、胃の
痛み
血が混ざった便、黒色便、吐き気、血を吐く、
腹痛、嘔吐
吐き気、激しい腹痛、嘔吐
しょうかかんせんこう
イレウス
イレウス
重度の下痢
じゅうどのげり
アシドーシス
アシドーシス
低酸素症
ていさんそしょう
糖尿病
とうにょうびょう
脱水症
だっすいしょう
血栓症
けっせんしょう
重度の腎障害
じゅうどのじんしょうがい
激しい腹痛、むかむかする、嘔吐、排便・排ガ
スの停止
汗をかく、泥状の便、水のような便、激しい腹
痛、吐き気
考えがまとまらない、手足のふるえ、深く大き
い呼吸、判断力の低下、意識の低下
頭が重い、息苦しい、短時間呼吸が停止する、
めまい、脱力感
水を多く飲む、尿の量が増える、からだがだる
い、体重が減る、のどの渇き
からだがだるい、尿量が減る、のどが渇く、意
識がうすれる、深く大きい呼吸、手指のふるえ、
考えがまとまらない、判断力の低下
吐き気、血を吐く、腹がはる、嘔吐、胸の痛み、
胸をしめつけられる感じ、激しい腹痛、出血、
足の激しい痛み、知覚のまひ、胸を強く押さえ
つけた感じ
発熱、尿量が減る、頭痛、食欲不振、口の渇き、
手足のむくみ、顔のむくみ
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重大な副作用
心不全
しんふぜん
狭心症
きょうしんしょう
心停止
主な自覚症状
横になるより座っている時に呼吸が楽になる、
息苦しい、息切れ、全身のむくみ、からだがだ
るい、動く時の動悸
胸が押しつぶされるような感じ、冷や汗、胸の
痛み、胸がしめつけられる感じ、胸を強く押さ
えつけた感じ
意識がなくなる、呼吸停止
しんていし
不整脈(期外収縮、心房細動、 脈がとぶ、脈が乱れる、胸の違和感、意識の低
心房粗動、上室性・心室性頻 下、胸・心臓がドキドキする、動悸、動く時の
脈等)
動悸、めまい、気を失う、胸の不快感、脈が速
ふせいみゃく(きがいしゅうしゅく、しん くなる、息切れ、胸の痛み
ぼうさいどう、しんぼうそどう、じょうし
つせい・しんしつせいひんみゃくなど)
肺高血圧症
はいこうけつあつしょう
心嚢液貯留
疲れやすい、動く時の息切れ、気を失う、胸の
痛み
からだがだるい、食欲低下、息苦しい、息切れ
しんのうえきちょりゅう
肝機能障害
かんきのうしょうがい
黄疸
おうだん
肺水腫
はいすいしゅ
無呼吸
皮膚が黄色くなる、嘔吐、白目が黄色くなる、
尿の色が濃くなる、吐き気、食欲不振、かゆみ、
からだがだるい
皮膚が黄色くなる、尿が褐色になる、白目が黄
色くなる
息切れ、息苦しい、吐き気、嘔吐、横になるよ
り座っている時に呼吸が楽になる
呼吸が10秒以上とまった状態
むこきゅう
気胸
胸の痛み、息苦しい
ききょう
痙攣
けいれん
けいれん
錯乱
さくらん
幻覚
げんかく
精神病
せいしんびょう
アレルギー反応
アレルギーはんのう
難聴
なんちょう
意識の混乱、意識が乱れる、考えがまとまらな
い
実際にはない物が見えたり聞こえたりするよ
うに感じる
他者との関係を持つ能力がなくなる、気分が悪
い、上機嫌、感情のコントロールが出来ない
喘息、じんましん、鼻づまり、鼻水、眼のかゆ
み、くしゃみ
声や音がきこえない、耳が聞こえにくい、耳鳴
り
以上の自覚症状を、副作用のあらわれる部位別に並び替えると次のとおりです。
これらの症状に気づいたら、重大な副作用ごとの表をご覧ください。
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部位
全身
頭部
顔面
眼
耳
口や喉
胸部
腹部
手・足
皮膚
便
尿
その他
自覚症状
かぜのような症状、からだがだるい、脱力感、疲れやすい、発熱、
リンパ節のはれ、出血しやすい、汗をかく、寝汗をかく、冷や汗、
体重が減る、貧血、むくみ、全身のむくみ、けいれん
めまい、頭が重い、頭痛、ぼんやりする、考えがまとまらない、
意識の低下、意識がうすれる、意識がなくなる、意識の混乱、意
識が乱れる
顔のむくみ、鼻づまり、鼻水、鼻血
眼のかゆみ、白目が黄色くなる
耳鳴り、耳が聞こえにくい、声や音がきこえない
しゃべりにくい、くしゃみ、吐き気、嘔吐(おうと)、のどの痛み、
口の渇き、のどが渇く、水を多く飲む、歯ぐきの出血、血を吐く
吐き気、むかむかする、胸の不快感、胸の違和感、胸・心臓がド
キドキする、動悸(どうき)、動く時の動悸、息切れ、動く時の息
切れ、階段や坂を上る時の動悸や息切れ、深く大きい呼吸、横に
なるより座っている時に呼吸が楽になる、息苦しい、喘息、胸の
痛み、胸がしめつけられる感じ、胸を強く押さえつけた感じ、胸
が押しつぶされるような感じ、短時間呼吸が停止する、呼吸が10
秒以上とまった状態、呼吸停止
食欲低下、食欲不振、吐き気、下腹部の痛み、腹痛、激しい腹痛、
むかむかする、腹がはる、胃の痛み
脈が速くなる、脈が乱れる、脈がとぶ、足の激しい痛み、手指の
ふるえ、手足のふるえ、手足のむくみ、手足のまひ
むくみ、かゆみ、じんましん、皮膚が黄色くなる、あおあざがで
きる、ほくろがかゆい、ほくろが痛い、ほくろが大きくなる、ほ
くろから血が出る、ほくろが潰瘍になる、赤茶色のかさぶた、皮
下出血
泥状の便、水のような便、排便・排ガスの停止、血が混ざった便、
黒色便
尿の量が増える、尿量が減る、尿の色が濃くなる、尿が褐色にな
る、排尿回数が増える、残尿感、血尿
出血、出血しやすい、出血が止まりにくい、物忘れ、判断力の低
下、知覚のまひ、気を失う、実際にはない物が見えたり聞こえた
りするように感じる、他者との関係を持つ能力がなくなる、気分
が悪い、上機嫌、感情のコントロールが出来ない
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【この薬の形は?】
形状
1号硬カプセル
PTP シート
表面
裏面
色
頭部:青色
胴部:淡橙色
識別コード
M723
【この薬に含まれているのは?】
有効成分
添加物
ミコフェノール酸
モフェチル
部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、クロスカルメロース
ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム
(カプセル本体)ゼラチン、酸化チタン、青色2号、黄色三二酸化
鉄、三二酸化鉄
【その他】
●この薬の保管方法は?
・直射日光と湿気を避けて室温(1~30℃)で保管してください。
・子供の手の届かないところに保管してください。
●薬が残ってしまったら?
・絶対に他の人に渡してはいけません。
・余った場合は、処分の方法について薬局や医療機関に相談してください。
【この薬についてのお問い合わせ先は?】
・症状、使用方法、副作用などのより詳しい質問がある場合は、主治医や薬剤師
にお尋ねください。
・一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください。
製造販売会社:マイラン製薬株式会社(http://www.mylan.co.jp)
販 売 会 社:ファイザー株式会社
(http://www.pfizer.co.jp/pfizer/)
製品情報センター
学術情報ダイヤル:0120-664-467
FAX:03-3379-3053
受付時間:月~金 9 時~17 時 30 分
(祝日、当社休日を除く)
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