2016 年 5 月 17 日 プレスリリース デジタル地図 DB 国内市場に関する調査を実施(2015 年) -デジタル地図全体は縮小傾向にあるものの、今後は新たな需要分野の創出も- 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内デジタル地図 DB(電子地図)市場に関する調査を実施し た。 1.調査期間:2015 年 5 月~11 月 2.調査対象:デジタル地図 DB ベンダー、 GIS エンジンベンダー、GIS アプリケーションベンダー、スマートフォン/ 携帯電話向け位置情報/地図情報活用サービスベンダー等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用 <デジタル地図 DB(電子地図)とは> 本調査におけるデジタル地図 DB(電子地図)とは、需要分野別にカーナビ/PND 分野、GIS(Geographic Information System; 地理情報システム)分野、web サイト・モバイル端末サイト向け地図配信・データ提供分野、個 人/法人向け地図ソフトウェア分野を指す。 【調査結果サマリー】 2015 年度の国内のデジタル地図 DB(電子地図)市場規模は 前年度比 96.5%の 473 億円の見込、今後も縮小基調を予測 2014 年度の国内デジタル地図 DB(電子地図)市場規模はベンダー出荷金額ベースで、前年度比 95.4%の 490 億円であった。国内デジタル地図 DB(電子地図)市場はカーナビ/PND 分野の成長に伴 い、順調に市場を拡大してきたが、2013 年度以降は減少傾向にあり、2015 年度の市場規模は前年度 比 96.5%の 473 億円の見込み、2016 年度は同 97.4%の 460 億 5,000 万円と縮小基調を予測する。 防災、マーケティング、ビッグデータ解析といった新たな需要分野の創出も GIS(Geographic Information System; 地理情報システム)を利用した領域において位置情報や地 図情報を応用した需要分野が創出されている。今後はあらゆる情報に位置情報が紐付くことと なり、こうした融合された情報を用いた、防災、マーケティング、ビッグデータ解析といった分野に今 後の成長が期待できるものと考える。 ◆ 資料体裁 資料名:「2016 年度版 位置情報/地図情報活用ビジネス市場 -位置/地図×3D 化×時間×BigData 解析 次世代アプリ予測-」 発刊日:2015 年 12 月 22 日 体 裁:A4 判 471 頁 定 価:165,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 5 月 17 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況 2014 年度の国内デジタル地図 DB(電子地図)市場規模はベンダー出荷金額ベースで、前年度比 95.4%の 490 億円であった。 国内デジタル地図 DB(電子地図)市場全体はカーナビ/PND 分野の成長に伴い、順調に市場を拡 大してきたが、世界的な不況の影響で 2009 年度は微減、その後 2010 年度以降は盛り返して微増傾向 にあったが、2013 年度以降は再び減少傾向にある。2015 年度は前年度比 96.5%の 473 億円の見込み、 2016 年度は同 97.4%の 460 億 5,000 万円と縮小基調を予測する。現行のデジタル地図 DB(電子地図) 自体は厳しい状況にあるものとみる。 一方で GIS(Geographic Information System; 地理情報システム)を利用した領域において位置情 報や地図情報を応用した需要分野が創出されている。今後はあらゆる情報に位置情報が紐付くこ ととなり、主に防災、マーケティング、ビッグデータ解析といった分野に今後の成長が期待できるも のと考える。 2. 注目すべき動向と将来展望 情報通信環境の整備により、大容量のデータや高速通信が可能となり、デジタル地図や地図上に表 示される位置情報付きコンテンツが、モバイル端末などで円滑に閲覧、検索できるようになった。さらに、 様々な端末やセンサから人やモノの位置情報を取得し、ビッグデータとして活用することが可能になり つつある。 また 2018 年から準天頂衛星システムが 4 機体制になり、位置の測位がより高精度化し、今後は都市 部や山間部のさらなる精度の向上が図られることから、官民における様々なサービスへの活用が期待さ れている。 こうしたなか、位置情報や地図情報を応用した需要分野が創出されている。なかでも GIS(Geographic Information System; 地理情報システム)を利用した領域については社会的な要請もあり、注目されてい る。こうした位置情報や地図情報などを融合することで防災、マーケティング分野や、ビッグデータ解析 への活用が期待される。今後はあらゆる情報に位置情報が紐付くこととなり、こうした融合された情報を 用いたソリューションビジネスが進展するものと考える。なお本調査における市場規模には当該需要分 野を含まない。 2-1.防災分野 従前より防災分野における位置情報は地図情報とともに用いられ、災害時においては紙媒体の地図 を利用して災害場所や避難地域を想定するなど、高頻度で利用されてきた。昨今で被災地域の空中写 真や衛星写真などが web サイトで公開されるなど、官民個人を問わず地理空間情報が生成され、流通 し、その有効性が改めて認識されている。今後は GIS の位置情報や地図情報を活用した防災マップや 避難時における避難場所への誘導など、リアルタイムでの効率的な情報活用や運用が期待される。 2-2.マーケティング マーケティング分野における位置情報や地図情報は、主に小売業の商圏分析や出店調査などの際 に、既存の地勢情報や国勢調査による流動人口調査などのデータが用いられてきた。昨今ではこうした 情報に消費者(顧客)の動態情報を付加し、時間という概念を入れた分析が開始されている。時系列に 消費者(顧客)の動態情報を分析することで、より精度の高いエリアマーケティングが可能となる一方、タ ーゲットとする消費者層に対してより効果的な情報発信や販売促進活動を行うことなども期待されてい る。 2-3. 時空間ビッグデータ解析 人や車といった移動する対象物、いわゆる移動地物(Moving Feature)に対する時間、及び空間解析 はまだこれからである。移動地物(Moving Feature)とは、時空間情報のうち、動く物体位置を把握するも のであるが、こうした動く物体の位置変化を時系列に収集し、可視化することが可能になれば、モデル 化やシミュレーションがより身近になり、リアルタイムでの事象把握や想定される状況の事前予知などが 可能となる。現在、大学や民間企業において時空間ビッグデータの解析手法やシステム開発が進めら れている。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 5 月 17 日 プレスリリース 図表 1. 国内デジタル地図 DB(電子地図)需要分野別市場規模推移 (百万円) 単位:百万円 需要分野 カーナビ/PND分野 GIS(地理情報システム)分野 webサイト・モバイル端末サイト向け 地図配信・データ提供分野 個人/法人向け地図ソフトウェア分野 国内地図DB市場規模(合計) 2009年度 前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 20,310 16,060 10,090 1,870 48,330 - 2010年度 21,580 106.3% 16,200 100.9% 11,060 109.6% 1,690 90.4% 50,530 104.6% 2011年度 21,060 97.6% 16,700 103.1% 12,810 115.8% 1,930 114.2% 52,500 103.9% 2012年度 20,000 95.0% 16,200 97.0% 15,500 121.0% 1,900 98.4% 53,600 102.1% 2013年度 21,000 105.0% 16,000 98.8% 12,500 80.6% 1,850 97.4% 51,350 95.8% 2014年度 21,200 101.0% 15,900 99.4% 10,850 86.8% 1,050 56.8% 49,000 95.4% 2015年度 (見込) 22,100 104.2% 13,850 87.1% 10,400 95.9% 950 90.5% 47,300 96.5% 2016年度 (予測) 21,900 99.1% 13,550 97.8% 9,850 94.7% 750 78.9% 46,050 97.4% 矢野経済研究所推計 注 1. ベンダー出荷金額ベース 注 2. (見込)は見込値、(予測)は予測値 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
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