グローバル・マクロ・ トピックス 2016/ 5/16 投資情報部 シニアエコノミスト 宮川 憲央 勢いを取り戻した米国の個人消費 ~米国・小売売上高(2016年4月) 4月の米国・小売売上高(飲食サービスを含む)は前月比+1.3%、GDPの推計に用いられる ベースの小売売上高(全体から自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービスを除いたもの) は同+0.9%となった。 1-3月期の個人消費は伸びが低下したものの、今回の小売売上高は再び個人消費が勢いを 取り戻した可能性を示している。 雇用・所得環境は良好であり、低水準のガソリン価格も消費者の購買力を支えていることを ふまえると、基調として米国の個人消費は堅調に推移していくと引き続き考えている。 個人消費を取り巻く 環境は引き続き良好 4月の米国・小売売上高(飲食サービスを含む)は前月比+1.3%となり、市場予想 (ブルームバーグの集計は同+0.8%)を上回る結果となった。また、GDPの推計に用 いられるベースの小売売上高(全体から自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービ スを除いたもの)は同+0.9%となり、こちらも市場予想(同+0.4%)を上回った。なお、4 月の水準は1~3月平均と比べて年率換算で+4.6%と大幅に増加している。 内訳をみると、自動車・部品が前月比+3.2%と3月の減少から持ち直したほか、価 格の上昇を受けてガソリンが同+2.2%となった。そのほかでは、建材・園芸は3月から 減少したものの、無店舗販売、飲食料品、ヘルスケア、衣料品・アクセサリ、飲食 サービス等、幅広い分野で3月から増加している。 1-3月期は個人消費の伸びが低下したものの、今回の小売売上高は再び個人消 費が勢いを取り戻している可能性を示している。雇用や賃金の増加が続いているこ とに加えて、米国の株価が高値圏まで回復し、ミシガン大学が発表する5月の消費 者センチメント指数(速報値)が大きく改善していることから考えると、個人消費の基 調は堅調といえよう。米国経済全体でみても、1-3月期は低成長にとどまったが、こう した個人消費の持ち直し等から、4-6月期は成長率を高めるとみている。 今後についても、①雇用の堅調な増加が続き、賃金上昇率にも上向く兆しがみら れる等、所得環境は引き続き良好である、②ガソリン価格は底値からは上昇してい この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 2016/5/16 グローバル・マクロ・トピックス るものの、引き続き低水準で推移しており、消費者の購買力を支えている、等から、 基調として個人消費は堅調に推移していく可能性が高いと引き続き考えている。 また、これまで資産価格の上昇傾向が続く一方、賃金が伸び悩むなか、所得や資 産の格差が拡大し、景気回復の恩恵のすそ野が広がりづらい面があるため、個人 消費の増加ペースは過去に比べれば緩やかなものにとどまってきた。こうしたなか、 低水準のガソリン価格に加えて、賃金が上昇してくることによって、中低所得者層に も回復の動きが広がってくるかどうか注目したい。また、ミレニアル世代と呼ばれる若 年層の台頭を受けて、個人消費がモノからサービス、または販売チャネルが伝統的 な小売店からネット販売等へシフトしていく傾向が続く可能性が考えられるため、こう した変化にもあわせて注目していきたい。 米小売売上高の推移 (前月比:%) 小売売上高(飲食サービスを含む) 小売 自動車・部品 家具 電気製品 建材・園芸 飲食料品 ヘルスケア ガソリン 衣料品・アクセサリ スポーツ用品、書籍、趣味用品 総合小売 その他小売 無店舗販売 飲食サービス ※小売売上高(自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービス除く) 16/03 ▲ 0.3 ▲ 0.3 ▲ 3.2 0.2 0.6 0.5 ▲ 0.5 1.3 3.1 ▲ 0.8 0.2 0.3 1.6 0.5 ▲ 0.4 0.2 16/04 1.3 1.4 3.2 0.7 0.5 ▲ 1.0 0.9 0.9 2.2 1.0 0.2 0.0 1.5 2.1 0.3 0.9 出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成 米小売売上高と個人消費(前年同月比) (月次:2010/1~2016/4) (%) 7 小売売上高 個人消費 6 5 4 3 2 1 0 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注) 個人消費は名目値、2016/3まで。小売売上高は自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービスを除くベース 出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/5/16 グローバル・マクロ・トピックス 米小売売上高と雇用者報酬(前年同月比) (月次:2000/1~2016/4) (%) 10 5 0 ▲5 雇用者報酬 ▲ 10 小売売上高 ▲ 15 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注) 雇用者報酬は2016/3まで 出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成 米小売売上高と株価(前年同月比) (月次:2000/1~2016/4) (%) 15 小売売上高(左目盛) (%) 60 S&P500(右目盛) 10 40 5 20 0 0 ▲5 ▲ 20 ▲ 10 ▲ 40 ▲ 15 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 ▲ 60 (年) 出所:米商務省、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 米ガソリン小売価格の推移 ( 週次:2011/1/3~2016/5/9) (1ガロン=ドル) 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 11 12 13 14 15 16 (年) 出所:米エネルギー情報局(EIA)のデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33 2016/5/16 金融商品取引法に係る重要事項 グローバル・マクロ・トピックス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-160516-07 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 44
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