わたらせ渓谷鐵道経営計画(平成25年度~29年度)概要 1 現 状 ○輸送需要の減少により、輸送人員は最盛期(平成6年度)と比較して半減している。 東日本大震災の被害及び福島第一原発事故に伴う風評被害がこれに追い打ちをかけた。 ○わたらせ渓谷鐵道は、沿線地域の生活路線として大切な交通手段であり、当鐵道を軸に した魅力的な地域づくりや地域活性化を図るうえで重要な役割を担っている。 ○平成18年10月に発足した「わたらせ渓谷鐵道市民協議会」は、鉄道を活用した地域 づくりをすることにより存続を図る活動を実践し「地域と共に生きる鉄道」として高い 評価を受けている。 ○24年4月から運行を開始した「トロッコわっしー号」は「わたらせ渓谷号」とともに 相乗効果で県内外から利用者が増加しているが、さらなる誘客を図っていきたい。 ○魅力ある鉄道として各種メディアにもとりあげられている。 2 課 題・対 応 ○普通車両 導入後約20年(24年)以上を経過し、経年劣化や老朽化による運行の遅延等様々な 支障・不都合が発生している。当経営計画中においても車両の計画的な更新を図ってい く必要がある。 ◆21・24年度予算 各1両導入 ◇26・28年度計画では 各1両導入予定 ○イベント車両 繁忙期である紅葉シーズン等に繁忙期の多客時対応のため新型イベント車(トロッコわ っしー号)を導入した。 ◆23年度(予算) 1両導入(トロッコわっしー号) 【効果】・桐生駅乗り入れに伴う利便性の向上 ・通年(冬季でも)対応できる全天候型→料理列車等での活用 ・ 繁忙期には現状の牽引式トロッコ列車の1往復に加えて桐生~間藤間の2往 復、併せて最大3往復運転 ○軌道、橋梁、トンネル、防護設備等、線路設備の経年劣化による老朽化の進行 ○沿線の景観維持及び列車走行中の乗客の安全確保のため、樹木や竹の定期的な伐採整備 に要する経費 ○燃料費の高騰による動力費の増 ○消費税率引き上げに対応するための設備改修費用 ○踏切設備の改良、駅舎・プラットホーム・駅構内跨線橋等、駅関連施設の維持補修及び バリアフリー化に要する費用 ◎いまだ尾を引く、福島第一原発事故に伴う風評被害による観光客数の減少が継続 この解消にはまだ2年程度を要すると推測している。(経営計画ではこの影響による定 期外の輸送人員減少分は考慮していない)新規顧客を開拓しさらに誘客活動に力を入れ るが、本経営計画期間内の輸送人員、運輸収入への影響は避けられないものと懸念して いる。 □「トロッコわたらせ渓谷号」「トロッコわっしー号」及び特徴のある各車両を軸に、他 地域にない沿線の恵まれた観光資源を活用し、JR、東武鉄道、旅行エージェント等と の連携を強化し、攻めの姿勢で有効な事業展開を図っていく。 3 取り組み 「関東交通プラン」、「地域資源を活用した地方鉄道活性化方策の検討調査」、「観光 まちづくりコンサルティング事業」の結果を踏まえ、沿線及び鉄道の観光的魅力を磨き 上げ、観光等での利用を促進する。 ○利用促進への主な取り組み ・新型イベント車の活用 ・新規顧客の開拓及びリピーターの確保 社員旅行等企業へのPR ・ターゲット別、参加型、体験型で新たな企画商品の開発:うた声列車、料理列車、 ナイトトロッコ等 ・タクシー会社との連携による自動車配送サービス ・企画列車、イベント、グッズの情報や沿線の情報を広く各種メディアに提供、PR ホームページ、SNS(フェイスブック、ユーチューブ等)、携帯電話、メール会員、 QRコード等の活用より情報発信の充実 ・キャラクターわっしーを活用したPR、わっしーグッズ政策 ・テレビの旅番組、ドラマ等のロケ誘致 ○鉄道乗車の満足度の向上 ・トロッコ列車観光サービスの充実 ビューポイントでの減速や車窓風景の見所等に関する観光アナウンスやガイド充実 ・鉄道沿線の景観整備 ・駅や列車内の美化の徹底 ○沿線観光の魅力向上 ・レストラン清流の新たな名物弁当の開発、改良 ・水沼駅温泉センターとの連携 ・登録有形文化財施設を活用したイベントの開催等 ○駅及び車内改札の充実 ・不正乗車の防止 4 サービスの向上と企業意識、社員意識の改革・変革 5 適切な設備更新等による安全性・定時性の向上 安全性・定時制は鉄道にとって不可欠。お客様に安心して安全に乗っていただく。 補助制度の活用、沿線自治体の支援により計画的な設備投資を実施していく。 社内の安全・危機管理体制の強化を徹底し、一層の安全輸送に努める。
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