大阪教育大学広報誌 TENYU 特別号 Contents 大阪教育大学長 対談 シンクロナイズドスイミング 日本代表コーチ 栗林 澄夫×井村 雅代 特別支援学生・卒業生座談会/附属学校園ウォッチ拡大版 TOPICS/ICT教育支援ルーム特集/公式キャラクター年間活動記録 教師たちよ、 たくましくあれ! 世 界 を 舞 台に活 躍 する指 導 者は、 いまの日 本の教 育 界 を ど う 見ているのか? よ さ ま ら む い 栗林 澄夫 み す し や ば り く 富山大学文理学部卒、大阪大学大学院文学研究科修士課程修了、文学 天理大学卒業。選手時代は日本選手権で二度優勝し、 ミュンヘン五輪と同 博士。研究分野はドイツ近現代文学。平成16年4月から国立大学法人大阪 時開催された公開競技に出場。 現役引退後は、 大阪市の中学校教諭 (保健 教育大学理事・副学長、平成26年4月から学長に就任。昭和23年生まれ、 体育科) として教 をとりながらシンクロ指導に携わる。 昭和53年から日本代 67歳。 表コーチに就任し、昭和60年には 「井村シンクロクラブ」 を創設。以降、 日本、 すべて出し切って、 さらに無理を重ねて、 それで そういった基礎的なことをしっかりと教えてこ かった。でもそれは彼女たちが悪いのではなく、 りお会いできたことに感謝します。この間、 世界 う思考になって、 そもそもその軌道が間 違って 切らずに失敗すると、次はもっと頑張ろうとい ことはやったと断 言 する子 もいますが、 それで 井村 そう、 子どもは大人の鏡ですから。本当 栗林 社会全体の問題ですね。 若 者 に 反 映 さ れる 教 育の問 題 なかった周りの大人が悪いのです。 るのです。寝る間 も惜しみ、自 分の出せる力 を も結果が出ないことってありますよね? でも 各 国の代 表チームを指 導してさらなる実 績 を いても気づかないのです。選手の中にはやるべき す。間違いに気づき、 軌道修正できる。力を出し それによって原点に立ち返ることができるので 積み重ね、 年ぶりに日本代表コーチに復帰さ はそこまでの選 手で終わってしまう。可 能 性の れたわけですが、 その時の心 境はいかがでした か? 拶 するのです。挨 拶って、 ただ﹁おはよう ﹂と言 もそう。こちらの顔を見ずに、 そっぽを向いて挨 葉を交わすだけじゃなく、 その表情で 〝元気か いことです。世の中にある規律を、 親や教師のよ 歳ぐらいまでに経験しておかないといけな は わたしは無理をしなさいと檄を飛ばしているの 広がりを自ら閉ざしてしまっています。だから、 心でした。わたしが生 まれた国、 そしてわたし 栗林 日本の若者全体に感じることですが、 厳 です。 井 村 強い日本を復 活させよう というその 一 くない。もう 一 度日の丸を背 負って、選 手を連 を育ててくれた国ですから、 強くなければ面白 すね。 生の目から見るとそういった甘さを感じるので 井村 心の甘さは態度や表情にも表れてきま しい鍛錬を積んでいるアスリートであっても、 先 と思うのです。欧米やアフリカの選手に比べて体 すから。就任当初は歩き方まで注意していまし れて国 際 試 合で戦ってみようと決めたのです。 型には恵 まれないし、運 動 能 力 も見 劣りする、 シンクロって、 日本 人の精 神に向いている競 技だ そんな日本人がなぜメダルを獲れるかというと、 に、 うつむいて、 背筋が曲がって、 そんな歩き方で たよ。更 衣 室から練 習プールに移 動 するとき 強く努力ができるからです。 お互いが心と身体をぴったり合わせるまで粘り どうやって強くなれますか? 挨拶一つにして 栗 林 昔から日本 人 自 身が誇りとしているも 井村 逆に言うと、 それがなくなったらおしま な、疲れが残 っているかな、何か悩んでいるのか のですね。 す。わたしが彼女たちに向けて口を酸っぱくし い。 いま若い選手を指導してつくづく感じていま 心構えや戦う姿勢を養わなければいけない。だ な〟と感じ取れますよね。普段の生活態度から から、 その 一つひとつを正 すよう 注 意しました て言っている言葉、 何だと思いますか? それは が、 彼女たちはその意味にまったく気づいていな ﹁ 無 理しなさい﹂ということ。 いまの若い子たち げられるのに、自 分で自 分を安 く 見 積 もってい は無理をしない。もっと追い込めば可能性を広 10 を生み出した。 平成26年から日本代表コーチに復帰し、 翌27年、 リオデジャネ 中国、 イギリスなど世界各国で代表チームの指導にあたり、幾多のメダリスト イロ五輪ヘッドコーチ起用が承認される。大阪の教育界との関わりも深く、大 阪府教育委員、 松原市教育委員長を歴任した。 昭和25年生まれ、 66歳。 学 力をつけつつ、考 える力を養 う という 考 え方 たしは、 この教育の意図していたところ、基礎的 の影響も、 そこには含まれていると思います。わ われ日本 人 皆が感じていることで、 ゆとり教 育 した。 いま、 その秩序が崩れつつあることは、 われ れ、 ひいては国際社会からも一目置かれてきま 重んじ、 己を戒めることで国全体の秩序が保た と、それぞれの心の中にある規 律、その両 方 を 栗林 かつての日本人は、 社会全体で守る規律 りすぎる。優しすぎるのです。 あるのに、 それができていない。 いまは大 人が守 うな身 近にいる大 人が叩 き 込んでおく 必 要が ﹁ 日 本 シンクロの母 ﹂として幾 多のメダリストを 生み出した、シンクロナイズドスイミング日 本 代 表コーチの井 村 雅 代 氏が 周年記念事業 栗 林 澄 夫 学 長 と 緊 急 対 談! 現 代の若 者から 見 える教 育の課 題について、本 音 をぶつけ合いました。 年に、 本学開学 日 本の若 者の変 質 栗林 平成 60 でご講 演いただき ましたが、今 回 再びご縁によ 21 10 2 3 井村 雅代 お シンクロナイズドスイミング 日本代表コーチ 対談 大阪教育大学長 魂の提言 日本の教 育 界へ して生徒は指導される立場であり、 社会から守 る責任も負う、 指導する側の人間でしょう。対 なたは社会人だから、 自由もあればそれに対す 員室に帰って先輩の先生に相談したところ、﹁あ して、広く世の中を知り、現場で活 きる力を養 ンシップに代 表される就 業 体 験 を奨 励したり られている存在なの。そうであれば、守られてい わたしは、 返す言葉が見つかりませんでした。職 成しています。 一 年 次からカリキュラムに取り入れ、早 くから 井村 いろんな社会の価値観を知ってほしいで るものとしてのルールに従う必要があるし、 守る 学校と関わる機会を増やしたり、 企業インター すね。懐の深さを身につけるには、 学生のうちか もらい、す とんと腑に落 ちました。次の授 業で ことで得ることもたくさんあるのよ﹂と教 えて 自 分なりに解 釈したその答 えを生 徒たちに説 揺さぶる場面に出会うことです。そのためにも、 明すると、皆大 きく納得してくれました。日々 らさまざまな価値観にふれる機会をつくり、 心 んな経 験を与 え、生 きる力、人 間 力を身につけ できるだけ学 校 現 場に出る機 会をつくり、 いろ 子どもと向き合っている現場の先生からすれば ために教師がいるわけですが、勉強を放棄する 長できません。その乗り越える力をともに育む 思っています。もちろん、大 学は免 許 状 を与 え わたし は 修 行 の 一 環 として 必 要 なことだ と れることを問題視する声が挙がっていますが、 強嫌いな子だっています。わたしは、 学校は勉強 な生 活 背 景のある子どもたちがいる。当 然、勉 じめで優等生ですよね。でも教室にはさまざま きいと思います。教 師を志 す 学 生は、一 様にま る、暴力もある。教科書の知識だけでは通用し いてきました。しかし、 教室の中にはいじめもあ では教 科による専 門 的 知 識の習 得に重 点を置 栗林 これまで本学を含めた教員養成系大学 い方向に進んでしまいます。 なかったときに、病んだり、押さえつけたり、悪 子 どもたちの反 応が自 分の答 えに当てはまら せん。さまざ まな答 えを知っておかなければ、 へと導くことに一律の正しい答えなど存在しま に、 深く理解できていないのです。人を正しい道 いるのに、 なぜわたしたちは皆おそろいの決まっ ﹁先生は自分の好みのトレーニングウェアを着て 出 しの体 育 教 師 だったころ、一 人の生 徒 から た。 いまでも忘れられない思い出があって、駆け に先輩の先生がいろんなことを教えてくれまし たころは、 研修制度はなかったのですが、 代わり 研 修をお願いしたいですね。わたしが教 師だっ 井 村 それも 形 式 的な研 修ではなく、本 音の していきます。 し、 これからもさらに強化した取り組みを展開 地 域の教 育 委 員 会と連 携して進めてきました あります。特に現職教員研修は、 これまでも各 の責任です。教師も、 教室を離れて、 陰で深く反 かったこと、力 不足だったこと、 それはすべて私 が 動 かなかったこと、試 合で力 を 出 し 切 れな たちの成績が振るわなかった時、彼女たちの心 部 自 分が悪いと思 うことです。シンクロで選 手 もたちの成績や生活態度が悪ければ、 それは全 見出すとともに、 その重みを感じてほしい。子ど たちの 一 生に影 響 を及ぼすことにやりがいを いることを忘れてはいけ ません。関わる子 ども 井村 教師は第一に、 子どもの人生を預かって 向けてご教示くださいませんか。 栗林 人の前に立つ者の心得を、本学の学生に 教 師 を 志 す 学 生へ れるのです。 ら、国 際 舞 台でのしびれる場 面にも冷 静でいら 切さを教えてもらいました。あの経験があるか 原点であり、 命を張って人と向き合うことの大 す。わたしにとって教 師 時 代の8 年 間はいまの ささいな助言も、 新任の教師には金言となりま させることが大事ですね。 多 様な価 値 観 と言 葉 を 持つ教 師 と なるために 実際は甘えを助長するだけに終わり、 真にめざ はいまでも間 違っていないと思います。しかし、 子どもたちを説得するだけの言葉を持っていな 会と連携し、 一人前の教師に育て上げる責任が ればそこでお役御免ではありません。教育委員 栗 林 昨 今、新 任 教 師が荒れた学 校に配 属さ すものが実現できなかった。 してできないのか、自 分は勉 強ができたがゆえ い教師が多すぎます。どうして嫌いなのか、 どう する場であるとともに、 それを通して嫌なこと ないと痛感しました。こうした問題に対応する 教 師 に 反 映 さ れる 教 員 養 成の問 題 から目を背けず、 向き合う場でもあると思って ために、本 学では実 践 力の育 成に力 を注いでい たものを着ないとあかんの﹂と質されたのです。 省できるかどうか、 そこが教育者として、 そして 井村 教師一人ひとりの資質による部分も大 難しい技を会得しないといけないように、 子ども います。シンクロが、 高いステージに上がるために ます。改革の一例として、 学校での体験実習を 教 師 た ち よ、 た く ま し く あ れ! たちも苦手な教科を克服し、 乗り越えないと成 人として成長できるかの分かれ目です。 栗林 責任転嫁せず、 真正面から子どもと、 そ して己と向き合うということですね。 栗林 先生のおっしゃることを、 学生たちが教 井 村 そして恥 をかくことを 恐れないでほし 師となって実行できれば、 教師全体が、 ひいては ながり ま す ね。いま、選 手には日々の目 標 とし ですね。半面、 そういった子たちはその分プライ て、 ﹁ 普 通のレベルを上 げる﹂ことを課していま い。大 教 大の学 生は学 力が高 く、まじめで優 秀 ドが邪 魔してしまうのです。でも恥 というのは す。一 例 を挙 げると、練 習で指 示 を送ったり、 井村 お互いを高めあえば、全体の底上げにつ なかなかいいもので、 こんな目に遭いたくない、 こ 注意したりする際は、 選手には立ち泳ぎの姿勢 日本の教育界が生まれ変わるでしょう。 んな思いはしたくないと思ったときに人は成長 を 保たせていま す 。プールの水 深は3m あるの 恥をかかない人間なんていないのに、 変なプライ するものです。外へ出て、 どんどん恥をかいて、 そ ドも高くなり、恥をかくことを避けてしまう。 こからいろんなものを得てほしい。 とはありません。何時間も練習を重ね、 疲労困 憊の状態なので、 以前は鼻の下まで水に浸かり で、浮 力がかかり、立ち泳 ぎしなく とも沈むこ ながら私の話を聞いている姿 も見られました。 栗 林 わたしも恥の多い人 生 を送ってき まし 井 村 生 きるということは苦 難の連 続ですか いる余裕なんてありません。 でも、聞く姿勢をつくることも大切なことです たが、人 間 生 きていくためには恥を気にかけて らね。そして苦難に立ち向かって超えたときの 務づけました。それが普通のこととして定着し から、肩のラインより 上は水に浸 けないよう 義 っていくのです。教育も同じことで、 周りに気 たことで、 さらに高い次 元 を求めてサイクルが 達成感の連続でもあります。若い人にはもっと 年ぶりに日 本 代 表コーチとして水 泳 困難に挑戦する気概を持ってほしい。わたしも 一昨年 連盟に復帰しましたが、 大手を振って歓迎され 人ひとりの意 識 を高めて、学 級 全 体のレベルを 上げてください。教師が変われば子どもたちが を配るとか、率先して動くとか、子どもたち一 変わる、子どもたちが変わればこの国の未来が た わ けでは あ り ま せんでし た 。だ か らこそ 、 水 泳 選 手 権 大 会︵ロシア・カザン︶ での4 大 会ぶ 変わる。その日まで、 教師たちよ、 たくましくあ 〝よっしゃ、 やってやろう〟と発奮し、 昨年の世界 契機となって大勢が変わり、 わたしをトップと り となるメダル獲 得につながり ました。それが 栗林 波乱万丈の人生経験に裏打ちされた金 言の数々、 本当にありがとうございました。リオ れ! すのではなく、どこに行っても必 要 とされる存 ます。 デジャネイロ五輪でのご活躍をお祈りしており 学生の皆さんも、 自分が必要とされる場所を探 在になってください。居場所はつくるものです。 して五輪へ挑 もう と足 並みがそろったのです。 なぜそう までしてわたしがシンクロの現 場で闘 を伝 え、未 来を託したいからです。その気 持ち い続けているかというと、 若者に人生で得たもの は若いころのまま、 やってやろうという熱意があ る限り、 心に定年はないのです。 4 5 10 川 ぼくは、 特別支援学校の教師をしていた えなければ声で、 耳が聞こえなければ文字や身 ルームで支援利用学生と接してみると、目が見 て親しくなり、 2回生から本格的に手話サーク 行っていました。ぼくもその人から手 話を習っ 援は手 話サークルの学 生 有 志が中 心 となって 支援プロジェクト︵※2︶﹂を立ち上げることに 学 生 代 表 として﹁ 東日 本 大 震 災 被 災 障がい者 先生や同期の仲間に相談し、 同期の仲間と共に 出来事があります。大学を卒業した2011 母の影響です。母に連れられて、 ボランティアや 振りで伝えることができるし、 話してみれば、 他 ことをきっかけに、手話での修学支援を始める 学 校 行 事によく 参 加していました。幼いころか とはどう思っていた? ら障がいのある人のそばにいることが日常で、 母 育を学ぶ学生として何ができるかを話し合い、 くの熱い思いをもった学生と共に、特別支援教 活動を開始しました。どんなことをしたかと言 なり ました。4 月の大 学ガイダンスで募った多 とする先 生のゼミに入り ましたが、 そこには聴 う と、現 地で被 害 を免れた福 祉 作 業 所の協 力 の影響もあって、 聴覚障がいの教育研究を専門 覚障がいのある学生が複数在籍していました。 ルの講 習を受け、支 援の輪に加わり ました。そ した。 そこで、障がいの有 無に関わらず、 トークやバリ 分と変わらない普通の学生じゃないかと思いま 池谷 愛 もないことで笑ったり、怒ったり。なんだ、自 いました。 なく、 全学を挙げた取り組みもこれからという と教え子たちとのやり取りも間近で見ていたの 進藤 わたしは弟が自閉症スペクトラム障がい 川さんが入学した時は、まだルームも だったので、弟 と 一 緒に、療 育 施 設で勉 強した 息の場を提供する﹁レスパイトケア﹂という活動 どもたちにはレクリエーションを、 保護者には休 です。また、被災地の福祉作業所で作られた商 を得て、 避難場所周辺の障がい児を預かって、 子 池 谷 ﹁しゃべり場 ﹂は聴 覚以外の障がい学 生 ト ︵※1︶企画﹁しゃべり場﹂が誕生したのです。 という 気運が高まり、学 生チャレンジプロジェク 川 ルームができる前はここもソファだけの空 アフリースポーツで交 流 を深める場 をつくろう 間でしたしね。ぼくは昔から特別支援と縁があ 品 を大 学に取 り 寄せて大 学 祭で販 売し、売 り ところで、 いわば支 援の夜 明 け 前にあたるけれ がいのある人たちと関わっていくような気がし や、留 学 生 も参 加 するようになって、現 在 も広 ど。 ていました。教師になろうと思ったのは、 自閉症 りましたが、聴 覚 障がい者 とは面 識がなく、手 がりを見せながら継続しているね。 子たちと話したりして、漠然と、自分は将来障 スペクトラム障がい児の成長を描いた漫画﹃ 光と 話 を覚 えることもあり ませんでした。それが、 みにも興味がわいたので調べてみると、 キャンパス ティと関わるようになり、 ほかの大 学の取り 組 聴覚障がいをはじめいろんな障がい者のコミュニ しても知っておきたいと思いました。そこから、 との接し方にも共通するので、支援法 の一つと 表 現 するところは自 閉 症スペクトラム障がい児 てみたいなと感じました。それに、 言葉を視覚で ションをとる姿を見て、すごいな、 わたしもやっ れた手話サークルで、 音声を介さずコミュニケー せんでした。ところが、 友人に半ば無理やり誘わ 以外の障がい種について関わるつもりはあり ま 進 藤 入 学 当 初は、自 閉 症スペクトラム障がい ね。 き だね。進 藤 さんが 入 学 したのもこの時 期 だ 池 谷 全 学での支 援について、萌 芽が見 えたと 共に送りました。 やモザイクアートにして福祉作業所に売上金と お客さんにメッセージをいただき、 タペストリー も行いました。その際、 模擬店に来ていただいた 上げの全額を福祉作業所に還元する取り組み 同じ専 攻の中に、聴 覚 障がいのある学 生がいた 川 支援の思い出としてもう 一つ、心に残る ともに⋮ ﹄︵ 戸 部 けいこ著 秋田 書 店 ︶を読ん で支え、 育てる、 そんな関わり方もあるんだなと 感じました。 1996年度大阪教育大学小学校教員養成課程卒業/ 2006年度同大特殊教育特別専攻科修了/2012年 度同大学院教育学研究科修了 小学校教員を経て2014年から教職教育研究センター 特任准教授・障がい学生修学支援ルームコーディネー ター。 池谷 ふたりとも幼いころから関わりがあった 多 様 性 を 認め合い、 共に生 きることについて考 える機 会 を 池谷 航介 んだね。荒木さんは? 荒木 ぼくはふたりとは対照的に、 大学に入る まで障がいのある人 と関わったことがなく、関 りません。きっかけは、入学手続きの書類と一 わりたかったから支援学生になったわけでもあ 緒に入っていた﹁あなたも支援に参加してみま せんか?﹂というルームの募 集チラシでした。講 義 内 容をパソコンに打ち込み、音 声を文 字 化し たのです。タイピングには自信があったのでテク て情 報を伝 える﹁ P Cテイク﹂の単 語に惹かれ 石二鳥じゃないかと思って、 ルームのドアを叩き ニックを活かせるし、 しかも謝金ももらえる。一 池谷 ルームに入るまでは、 障がいのある人のこ ました。 こう す け たに いけ たことがきっかけです。学校の先生という立場 で、主 人 公と担 任の先 生とのふれあいに共 感し り、 そこで弟とともに学ぶいろんな障がいのある で、 将来も母と同じ道に進むのだろうと考えて 池 谷 皆さんが障がい者 支 援 をはじめよう と ているかを語り合いました。 年3月に、 東日本大震災が起こりました。自分 支援を通じて得た学びが現在の自分にどのようにつながっ に何かできないかと思い、特別支援教育講座の および現役学生がこれまでのルームでの活動を振り返り、 を進める環境が整っておらず、 その人の修学支 根付くまでの、黎明期、確立期、発展期を支えた卒業生 ことになったのです。当時は講義中に情報保障 開設され、5年目を迎えます。全学を挙げた支援体制が 荒 木 当 時の感 覚 そのま までいえ ば、ど うコ 本学に「障がい学生修学支援ルーム」 (以下、 ルーム) が ミュニケーションを取ればいいんだろう、 と。でも ―障がい者支援 から得た学び― 思ったきっかけは? ダイバーシティ(多様性)を 活 かす 大学 へ [コーディネーター] 6 7 障がい学生支援 学生・卒業生 座 談 会 奈良県立西和養護学校教諭 2009年度特別支援学校教員養成課程卒業/2011 年度大学院教育学研究科修了 在学中は、 ルーム開設前から聴覚障がい学生の修学支 援に携わる。 池谷 この頃にちょうど荒木さんが入学してき 現して本当にうれしかったです。 設されたのです。自分の思い描いていたことが実 学が動いてくれて、4回生の時ついにルームが開 教大にもあったらいいなと思っていたところ、大 しているところがあると知りました。そこで、 大 内に支援施設があり、 大学が主体となって運営 たことで、学 生が主 体 となって運 営し、教 職 員 出してくれて、 それを学 生 皆で実 行し、形にし 進藤 荒木さんたちがいろんなアイデアを生み ルームのあゆみをどう見ていた? 池 谷 初 代 学 生 代 表でもあった進 藤さんは、 大きなアピールポイントになりました。 分自身の成長にもつながりましたし、就活でも つけて解決し、 新しいものを生み出す試みは、 自 することができます。このように、 困りごとを見 ついて勉強し、 ある程度実践の場数も踏んでいた かされているかな? 支援によって得た学びは、現在の自分にどう活 池 谷 皆さんに伺いたいのだけれど、大 学での があった一年でした。 ましょう﹂と言ってくれ、 自分の中で考えの転換 ういった振る舞いをするべきか、 お互い学び合い ムの職員の方々も、﹁人として良くなるためにど 分たちの考えを見直す機会になりました。 ルー 合う活動にしよう﹂に照らし合わせ、間に自分 時はルームのスローガン ﹁ともに気持ちよく学び 個性がぶつかり合うこともありました。そんな たい。支援を利用する学生も、 支援に協力する 日々は現 場に活かせると思 うし、活かしていき を 活かせていません。でも、学 生 代 表 としての てしまうこともあって、まだまだ大 学での学び に精いっぱいで、 つい子どもたちに感 情 的になっ 進藤 わたしも担任している学級をまとめるの いです。 今の自分にしかできないことに挑戦していきた ﹁教科書を出しましょう﹂といっても、 すぐに出 をする学 生にとっては問 題 点を客 観 的に分 析 たのです。テイカーはトレーニングになるし、 授業 望の学生の模擬授業を録画して練習教材にし かなか叶いませんでした。それならばと、 教員志 習をさせてもらえないかとも考えましたが、 な 支 援が広がりつつある頃で、授 業でテイクの練 どうやって気 持 ちよい関 係に構 築 していける 持ちよくない関 係に変わるということ。そこを 点を持った学生たちと出会うことによって、自 が強 す ぎたように思います。それが、新しい視 め、障がい者の権 利を守らなければという 意 識 育 を専 攻 する学 生たちが主 体で、わたしも 含 できる前、 聴覚障がい学生の支援は特別支援教 わかり、 とても楽しかったです。それに、 ルームが 推進する取り組みをしていますが、 これからも 奈良県の特別支援学校におけるICT教育を 生の財 産です。教 師になって4 年 目 となる今、 同じ志 を持つ仲 間 とともに経 験できたのは 一 ティアなど、学 生のうちにしかできないことを、 いま す 。それでも、 ﹁しゃべり 場 ﹂や 震 災ボラン 進 藤 一 人ひとり 違っていいということです。 ことはある? 池谷 現在担任している子どもたちに伝えたい にも活かしていきたい。 にとても頭を使いました。あの経験を今の学級 が入ってどうやって共に気持ちよく過ごせるか 学生も、 一人ひとり考え方や価値観が異なり、 荒木 できたばかりで環境も何も整っていなく たんだね。 がそれをバックアップするという、 ルームの特 色 りで、子どもたちの姿を見て日々学びを続けて のに、 いざ現場に出てみるとわからないことばか せる子 もいれば時 間のかかる子 もいます。なん きたいですね。 か、 精一杯探ってきました。お互いを尊重し、 認 池谷 社会に出れば、 教師であれ、 サラリーマン め合う関係づくりを、社会に出ても実践してい たせ、 できる子はもっとできるように伸ばしな ぞれ違 う。できない子には追いつく 気 持ちを持 がら、 待つ、 手伝う、 そういった思いやりの心を育 生のうちから多様性や価値観を認め合い、 共に であれ、出 会 う 相 手は選べない。だからこそ、学 生きることについて考える機会を得ることは重 んでいきたいです。障がいの有無に関わらず、違 ば。 要ですね。どうもありがとうございました。 かしていきたい? 荒木 ITの技術でさまざまな領域の問題を 解決する、 システムインテグレータという仕事に 就くので、 ルームで学んだことが直接活かされる かは未知数です。それでもルームでの日々は無駄 にしたくない。この4年間、 ずっと楽しかったわ るプロジェクト型の取り組み。 い者施設への大学祭収益金の寄付、被災した障 ︵※2︶ ⋮2011年に結成。活動内容は、被災地の障が る啓 発 活 動 、被 災した障がい児 支 援のレスパイ がい者やその支援状況を知らせる展示開催によ トケア活動など。 大阪市立南港光小学校教諭 2012年度特別支援学校教員養成課程卒業/2014 年度大学院教育学研究科修了 支援ルーム開設前から聴覚障がい学生の修学支援に 携わる。2012年度後期から初代ルーム学生代表に就 任、2014年前期まで務めた。 けじゃないし、﹁ともに気持ちよく﹂をスローガン 一 人ひとり 違っていい 進藤 伴予 に掲げているということは、 すなわち、 簡単に気 ︵ ※ 1 ︶⋮ 学 生の自 主 的 、創 造 的な活 動を大 学が支 援す 池 谷 荒 木さんは企 業 就 職だけれど、どう 活 いを分かち合い、 良さに変えていくことができれ にでも個人差がありますし、 できることはそれ 川 正 直なところ、6 年もの間、特 別 支 援に て、 だからこそ、 より理想的な空間に近づけるた がだんだん確 立できていったように感じます。 教養学科 人間科学専攻4回生 1回生から支援学生として活動。 2013年度から2015年度まで、 ルーム研修リーダーを務 める。 ルーム全 体がう まく 回っているのが目に見 えて お 互いを 尊 重 し 認め合 う 関 係づく り を へい こう き した。ぼくが入 学したころはP Cテイクによる [在学生] めに、 やりたいことをやらせてもらった4年間で 今の自 分にしかでき ないことに 挑 戦 していきたい 荒木 航平 あら き ゆう よし か わ とも よ どう しん 8 9 川 悠貴 [卒業生] [卒業生] 附 属 学 校 園 ウ ォッ チ 増進堂・受験研究社と、産学共同でICT 本 学 は 、株 式 会 社 東 芝およ び 株 式 会 社 英語を絵や文 し 、耳 で 聞いた 識技術を活用 よって 、自 ら の り返ることに 柏原市手土産コンテストで 本学学生が最優秀賞に輝く 手 土 産 を 通し て 同 市の 魅 力 を 全 国 に PRする﹁柏原市手土産コンテスト︵アイ デア部門︶﹂ の最終審査が1月 日︵日︶ に 市 民 文 化 会 館で行われ、本 学 国 語 教 育 専 攻 3 回 生の 小 野 田 彩 花 さ ん が 考 案し た ﹁柏原ハイカラまんじゅう﹂が最優秀賞に 輝きました。集まった 品のレシピのうち 選 考を 通 過した 5 品から 、中 野 隆 司 市 長 ら 人の特 別 審 査 員と 、会 場に集 まった 約 1 2 0 人の一般 審 査 員 が 実 食 審 査し 、 ホテルで腕を磨いたフレンチシェフや、調 理 師 免 許 取 得をめざす主 婦な ど 、並み居 るライバルを抑えて選ばれました。 同作品は、まんじゅう生地の中に、白あ んと クリ ームチー ズ 、そして同 市の 特 産 品であるブドウを 活かしてレーズンを 練 りこみ、 しっとりした食感に仕上がってい ます。今後は商品化に向けて、市内食品企 業を中心に交渉が進められる予定です。 小 野 田 さ ん は 、﹁ ま さ か 選 ばれる と 思わ ず 驚 きました が、 いつか店 頭 に 並んで、食べた 人の 喜 び につ な が れ ば う れ し いです﹂と 笑 顔を 見せて いました。 第 して守りたかった﹂ と当時の心境を振り返 んでしまう事態が頻発したので、どうにか 回﹁海とさかな﹂自由研究・作品コン ク ー ル︵ 朝 日 新 聞 社 、朝 日 学 生 新 聞 社 主 浜 と と もに 市 販のスケルトンケースに 入 れ 、ネット を 張 る こ と で 仲 間の 侵 入 を 防 ります。そこで、脱 皮 が近いヤドカリを 砂 部科学大臣賞を受賞しました。受賞作は、 もいて 、人 間 と 同 じ く それ ぞ れに 個 性 が ﹁よく 食べる 子もいれば 、人 見 知りな 子 あってかわいい。安全な脱皮方法を考え出 ぎ、安全な脱皮に成功しました。 賞に輝いており、3年連続での入賞となり したのも、 それが原因でやどちゃんが死ん 自 由 研 究﹁ ぼ く の ナ キ オ カ ヤ ド カ リ 券があるので、家族で遊ぶのが今から楽し を語ります。 今後の意気込みを聞くと﹁ナキオカヤド でし まい、胸 が 痛んだから ﹂と 考 案の動 機 カリは産卵時の生態に謎が多いので、産卵 善 明さんとナキオカヤドカリとの出 会 に一目 ぼれし 、﹁や ど ちゃん ﹂と 名 付 けて、 いは、夏 祭りの屋 台 。ちょこまかと 動く姿 見が生まれるのが楽しいので、将来は研究 に成功して解明したい。疑問から新しい発 者になりたい﹂ と心を躍らせていました。 砂 浜 と 海 水による 人工 海 岸を 水 槽に 作 み﹂ と嬉しそうに語ります。 まし た 。﹁ 景 品にディズニー ランドの 招 待 2015﹂ で、過去2年も朝日学生新聞社 催︶ で、附属天王寺小学校4年生の善明宗 24 一郎︵ぜんみょう そういちろう︶ さんが、文 附 属 天 小の 善 明 宗一郎 さんが 文 部 科 学 大 臣 賞 を受 賞 朝 日 新 聞 社 主 催の自 由 研 究コンクールで 30 聴覚障害支援学生事例 コンテストで最優秀賞 本学の障がい学生修学支援ルームの学 生らが、﹁聴覚障害学生支援に関する実践 事例コンテスト2015﹂︵2015年 月 日、福岡県春日市で開催︶ において最 賞﹂ を受賞 優秀賞である﹁ PEPNet-Japan し、1月 日︵水︶ に 栗 林 学 長を 表 敬 訪 問 しました。 同コンテストは、 日本聴覚障害学生高等 ︶ 教育支援ネットワーク ︵ PEPNet-Japan と筑波技術大学の主催で、 全国の大学等で 障 がい学 生 支 援 活 動 を 行 う 支 援 学 生 ら が、 聴覚障がい学生への支援体制の充実を 目的とした積極的な取り組みを発表する ものです。今回は 大学・団体がポスター 発表及びプレゼンテーションを行い、参加 者ら約400人による投票で受賞団体が 決定されました。 今 回の発 表で本 学は、仲 間と 手を 取り 合って励まし合い、同じ目標に向かって進 むという意味の﹁共走﹂をスローガンに掲 げ 、支 援 活 動をやってみたい学 生 が 集 ま り 、支 え 合いな がら 切 磋 琢 磨してスキル アップし、 積み上げてきた技術を先輩から 後輩につないでいく循環サイクルになって いることを、 ポスターやタブレット端末な どで説明しました。特にタブレット端末に よる動画付きのプレゼンテーションは多く の参加者から好評でした。 同コンテストに 出 席し た 支 援 学 生 は 、 ﹁ 今 後 は この 活 動を多くの人に 認 知してもら い、学 内 で も さ らに多くの人に 参 加してもら う こ とで、よ り 良い支援をめざ し てい き た い ﹂ と述べました。 12 り 、その 日 か ら 観 察 日 記 をつけ 始 め まし 昨 年 度 までは 生 た。 態 観 察 が 主 体 でし たが、今年度は研究 を一歩先へ進めまし て身 体をふやかす、 察から、海水を蓄え た 。﹁ こ れ ま での 観 とり が感 想を 入 力し 共 有したりするシス 起こると 脱 皮 が 近 な どの 生 理 現 象 が てく る を 繰 り 返 す 砂 浜 に 潜 って は 出 附属池田小学校の佐々木靖校長は、﹁こ 分が大きいが、英語の教科化に向けて教師 れまでは 教 師 個 人の力 量に頼ってきた 部 いこ と がわかった 。 皮する最中に、仲間 た だ 、砂に潜って脱 の力を補ったり、ICTを使って授業と連 動 さ せ た 家 庭 学 習 が 可 能 と な る 。4 者で の 爪 が 当 た って 死 協 力して、良い成 果を 発 信していきたい﹂ と意気込みを述べました。 11 小学生向けイングリッシュ キャンプを開催 を 活 用した英 語 教 育 及びクラウド活 用に 字で視 覚 化し に発表しました。 成 長を 実 感し 17 本学サッカー部学生が、 アルビレックス新潟 シンガポールに入団決定 本 学サッカ ー 部 所 属の田 中 脩 史︵たな さん ︵教養学科スポーツ専攻 か なおふみ︶ 4 回 生 ︶が 、アル ビレック ス 新 潟 シン ガ ポールに入団することが決定しました。 アルビレックス新潟シンガポールは、日 本とシンガポールの架け橋をスローガン に、Jリーグに加盟するアルビレックス新 潟の下部組織として2004年に発足し ました。 シンガポールのプロサッカーリー ﹄ に所属しており、世界で唯 グ ﹃ S league 一、海外に拠点を置く日本人サッカークラ ブです。 念 願 の プロ 入 り に 田 中 さ ん は 、﹁ プロ サッカ ー 選 手になれたのは 両 親 、スタッ フ、チームメイトな ど 、自 分に関わってく れたすべての人のおかげで、期待に応えら れるように努力します。また、 ここまで成 長させてもらった大阪教育大学と広島皆 実 高 等 学 校の名を 広められるよ うに、プ レーで恩 返しし たいです ﹂と 喜 びを 語 り ました。 ポジションはDFで、﹁持ち味であ る クロ ス や ボ ー ル 奪 取 を 全 面 に 出 し て リ ー グ優 勝に 貢 献し たい﹂と 新 天地での プレーに思いをはせています。 遊びを通して生きた英語を学ぶことを 目的に、小学3、4年生を対象としたイン グリッシュ・デイキャンプを、 2月 日 ︵土︶ に柏原キャンパス大学会館で開催し、約 人の児童が英語の世界を体感しました。 外 国 語 学 習 支 援ルームのジョン・トム セック特 任 准 教 授による 進 行のもと 、子 どもたちは互いに英語で挨拶してネーム カ ー ドを 獲 得したり 、世 界の国 旗でかる た 取 りをした りと 、さ ま ざ まなアトラク ションに挑戦し、 ホールは一日中笑い声に 包まれていました。 参加した子どもたちは満足気に ﹁︵今日 ﹂﹁皆と の感想を英語で言うと?︶ Great! 仲良くなれて楽しかった﹂ などと声を弾ま せながら、 口々に感想を寄せていました。 なお 、このイベントは 、北 海 道 教 育 大 、 愛 知 教 育 大 、東 京 学 芸 大 、大 阪 教 育 大に よ る 連 携 事 業の一環 として、地 元 柏 原 市 教 育 委 員 会の協 力を 得て開 催され、4 大 学から集まった学生 人が活動をサポー トしました。 学 生 た ち か ら は 、﹁ 企 画 や 準 備 は 大 変 だった が 、たくさんの 子 ど も た ちの 笑 顔 に 出 会 えてしん ど さ も 吹っ飛ん だ ﹂な ど の声 が 上 がり 、皆 充 実した 表 情を 浮かべ ていました。 産 学 共 同による 英 語 教 育 と I C T 授 業の実 証 を 関 する 実 証 事 業﹁ 楽し さひろ がる 英 語 学 音を 録 音し 振 た り 、自 らの 発 附 属 池 田 小 で開 始 日 習﹂﹁学びつながるクラウド環境﹂ を附属 小学校で2020年度より予定されて ながら 楽しく 学ぶ環境を構 向けて、本学が事業の統括と教材開発の指 導 助 言 、附 属 池 田 小 学 校 が 教 育 実 践・検 ラウド環境﹂として、東芝が提供する手書 築します。 ツの開発・提供をそれぞれ行います。 き入力可能なタブレット端末を使って、ク 証、東芝がタブレット端末や教育ソリュー 英語教育では、﹁楽しさひろがる英語学 ラウド型の教 育 支 援システムを 導 入し ま また 、I C T 授 業では﹁ 学びつながるク 習 ﹂として、東 芝のもつ音 声 認 識や文 字 認 末で学習し、 クラウド上に保存された学習 す。学校だけでなく家庭でもタブレット端 履歴から学習効果を測定・分析し、個別適 応型のデジタル教材を開発します。 発 表 会では 、タブレット 端 末を 使い、英 語 の 音 と 文 字 のつ な が り を 認 知 さ せ る ﹁フォニックス﹂という 学 習 法を 取 り 入れ た英語の授業と、 クラウド環境にある問題 13 テムを用いた算数の授業を公開しました。 を解いてデータを蓄積したり、生徒一人ひ 19 34 20 ションの提供、受験研究社が教材コンテン いる 英 語の教 科 化と I C T 授 業の導 入に 池田小学校にて実施することを2月 70 タブレット端末を使って英語学習する児童 24 10 11 17 記者会見の様子 (左から佐々木靖大阪教育大学附属池田小学校校長、吉田晴世大阪教育 大学教授、諌山浩司東芝マーケティング戦略室参事、岡本泰治増進堂・受験研究社常務) OSAKA KYOIKU UNIVERSITY’S Topics Osaka Kyoiku University Affiliated School タ ブレット 端 末 を 活 用 し た 授 業 づく り の サ ポ ー ト ICTルームには、100台規模のiPadが常備されており、講義で 1人1台利用可能な環境が整っています。機器の貸し出しや操作説明だ 山 田 周二 准教授 e ﹁小学校専門科目社会﹂ の地理分野で、3D地図ソフトウェア﹁ 講義は、 地理分野7コマのうちの1コマのみでしたが、 来年度は3から4コマ 果的ではないかと考えます。学生からも好評で、 今年度タブレットを使った なって現れるので、 小学校で子どもが楽しく学ぶためのアプローチとして効 になるこれらの情報が、 タブレット一つに収まり、 立体的で色鮮やかな姿と もできます。地図帳だけでは把握できない、 でも補助資料を入れると膨大 水量、 ほかの果物の生産量などと比較することで、 立地条件を考えること 南部に分布していることがはっきりとわかりますね。また、気温、年間降 した地図から、 何が読み取れるでしょうか? 生産量の多い地域は、 日本の り組みを展開しています。たとえば、 市町村におけるみかんの生産量を示 中写真から何が読み取れるかを問いかけ、 学生自らが答えを探し出す取 ﹂を活用しています。 Google Earth は、 世界中の衛星画像・空中写真 Earth や地理統計データが閲覧できるデジタル地球儀です。講義では、 地図や空 Google けでなく、教員それぞれの授業にどう活用できるかといったコンサルタン 社会科教育講座 ト業務も請け負います。 ic ICTスキルの習得と 新たな授業モデルの創造の サポート施設として 情 報 通 信 技 術 を 活 用 した教 育 、 いわゆるICT ︶教 ︵ Information and Communication Technology 育は、 タブレット型情報端末﹁iPad﹂ の登場と、 その 教育活用により飛躍的に進化し、 タブレット端末や電 子 黒 板を使ったデジタル授 業は、 いまや全 国の学 校で 導入されています。映像や音声の駆使、 指を使ったタッ チパネルの操作など、 五感を刺激し、 脳内でイメージし やすい学習ツール、 そしてこれらのツールから、 子どもた 程度に増やす予定です。 Google Earthによるみかん生産量の3D表示 ちが仲 間たちともに自ら答 えを見つけ出 す 学 習スタ ic e ic e ITに関する知識や経験が豊富なスタッフが、最新鋭の機器を駆使し、ケースに 応じますので、 ぜひ気軽にお越しください。 場の教員も教育新時代に対応するため、 ICTのスキ 応じて丁寧にサポートしています。 理科教育専攻4回生 さん 形にするお手伝いをします。ICTに関する問い合わせであれば、 どんなことでも相談に イルは、 授業の質的転換をもたらしました。そして、 現 Vo 学生と教職員に向けたICT研修会を不定期で実施しており、学生スタッフも講 大学院英語教育専攻2回生 香川 和志 ハチの生態をすごろくにした自作教材をつくっていま さん す。 コマを進めるとハチの幼虫が成虫になる遊び要素を ぎなどの立 体 模 型を製 作しました。根 気がいるため、 勤 務 先の中 学 校に電 子 黒 板が導 入されたの 手作業では3日ほどかかっていたのが、 モデリングから 入れるために、 3Dプリンターを使って、 ハチの巣やさな 続 方 法の操 作 手 順をわかりやす く 解 説しても 黒板研修会﹂に参加しました。機器の名称や接 らったほか、 実践演習では、 電子黒板に投影した 出力まで半日で、頭の中で描いた設計図どおりの出来 ic e 栄えに仕上がりました。 理科教育専攻4回生 大久保 千弘 さん ic e こしたいとの音楽教育専攻の学生の依頼を受け、 音楽 デジタルでの音楽制作が得意で、課題曲の楽譜を起 吉原 寿樹 文化研究専攻3回生 フォルムに再現でき、 ゼミ生からも好評でした! て、断 面 図 を 立 体 化 し ました。実 物 と限 り な く 近い く示せるように、 ICTルームの職員の方々の力を借り に、文 献に載っていた断 面 図の構 造をよりわかりやす 卒 業 論 文でカイミジンコの生 態について発 表 する際 さん 自作のパワーポイント資料の発表も行いました。 類も違うので不安でしたが、勤務先にある電子 つなぐパソコンのメーカー等によって接続端子の種 黒板に対応できる接続方法を教えてもらい、不 安を解消して授業に臨むことができました。次 回は、 子どもたちの目を引く効果的な見せ方が できる資料の作り方など、 さらに発展した企画 さん ic e 月に開 催された、学 生スタッフ企 画の 岡田 祐 輔 大学院数学教育専攻2回生 を期待しています。 昨年 ﹁Word勉 強 会 ﹂で講 師 を務め、美しく 読みや すいレポートや卒論をいかに早く作成するかを テーマに、即 座に役 立つWord機 能 を厳 選して 解説しました。WordやExcelなどのオフィス で、自 分 自 身も学びが深 まりますし、教 える技 ソフトについて勉 強し、人にレクチャーすること すが、 ドラムやバイオリンなどいろいろな楽 器に対 応し ソフトを使って編集中です。キーボードの形をしていま ているので、 オーケストラ仕 様にもでき ますよ。ICT 個人では手の届きにくい機器・設備が充実しています。 しかしこれらはあくまでツール ルを身につけ、 子どもたちをサポートして正しいゴール へと導くコーディネーターという、 新たな役割を求めら 教 員 養 成 系 大 学である本 学では、将 来その役 割を れています。 月にICT教 担 う 学 生はもちろん、大 学 教 員 も、 その実 践モデルを 示 す 必 要があると考 え、2 0 1 4 年 育支援ルーム ︵以下、 ICTルーム︶ を立ち上げました。 本ページでICTルームによる、 教員と学生がICT スタッフによる ケ ースに応 じ た き め 細 かい支 援 業モデルの提 案のための取り 組みの 一 部 を紹 介しま スキルを習得するためのサポートと、 新たなデジタル授 しょう。 声 師として活躍しています。 I C T スキルを 高 める 研 修 会の実 施 1 用教員の 利 助教 尾崎 拓郎 も利用できるので、 一度ふれてみてはいかがですか? タブレット学習の様子 3Dプリンターで作成したハチの巣の立体模型 情報処理センター 10 で、使い方を覚えて活用したいと思い、﹁デジタル 大浦 詩織 Vo Vo 12 13 に過ぎず、 大事なことはそれを使って何を生み出すか、 なのです。こんな授業ができた T E L 072-978-3849(内線:3849) ※不在時お急ぎの場合は、内線:4041 (情報処理センター管理室、 外線不可) まで 声 声 Vo ICTルームには、 このほか、動画編集用PCや催事中継用大型ビデオカメラなど、 ※他場所への支援でスタッフが一時的に不在となる場合があります 3 用学生の 利 声 らいいな こんな教材をつくりたい など、 それぞれが思い描く理想を、 専門のスタッフが 柏原キャンパス共通講義棟 (A棟) 3階 A-312 場 所 術 とICTの知 識、学 校 現 場で必 要な両 方のス キルが身についています。 Word勉強会の様子 用学生の 利 スタッフの 学生 ルームには最先端の機器がたくさんそろっていて、学生 ICT教育支援ルーム Vo Vo 理想の授業・教材を形にするために 平日9:00∼17:00(水曜13:00∼14:00は閉室) 開室時間 デジタル黒板研修会の様子 ICT教育支援ルーム 活用のススメ 2 声 声 12 文献の中のカイミジンコも立体模型に 専用ソフトを使って音楽データも作れます 教育新時代を生き抜くために 加学生の 参 スタッフの 学生 附属学校にも出張 気分はアイドル!? 附属平野五校園連合会30周年記念事業参 加のため、軽トラではるばる出張! ふたりの あとに子どもたちがぞろぞろとついてきてま るで大名行列。 例年7万人が来場する柏原市の一大イベント、 「柏原市民フェスティバル」。柏原市民のみんなにも すっかりおなじみとなったふたりは、360 子どもたちに囲まれ触られ、 とげぬき地蔵のよう。 この モテモテ状態はまるでアイドル!? 市民ランナーをお出迎え サクラ咲く! 毎年柏原キャンパスで開催される「柏原シティキャンパスマラソン」。 ゴールめざして疾走するランナーを沿道でお出迎えしました。来年こそ 一緒に走りたいなあ…。 緊張感漂う合格発表の現場では、掲示板のそばに陣取って合格した受 験生たちを祝福☆ アメフト部がお祝いの胴上げ! サクラ咲いたみん な、 キャラクターサポート活動に参加しない? 「やまお」 「たまごどり」 公式キャラクター わくわくアルバム大公開 ” ーがほしい キャラクタ な 的 力 魅 にも たちの大学 によって、 “わたし ち自らの手 た 生 学 、 が集い たちの願い した。 そんな学生 は誕 生しま ごどり」 ま た 「 と 」 「 やまお クター れあいを 公 式キャラ 人たちとふ た っ 会 出 ントで、 まざまなイベ て ふたりはさ して愛され 大学の顔と 育 教 阪 大 いまでは した。 します。 深めてきま そりお見せ っ こ を 帳 ム りのアルバ そんなふた いる、 新入生のみんな、こんにちは 入学式のステージでは、初めて見るキャラクターにみんなびっくり! 未知なる生き物を見る視線にふたりもどっきどき! 大盛況のオープンキャンパス 夏真っ盛りのオープンキャンパスでも、 ふたりは涼しい顔で初々しい高 校生のおともだちとパシャリ。 ふたりのうちわももらえるよ。春には大教 生として会いたいな! ゆるキャラたちと共演! 柏原市主催の子育て応援イベント 「親子ではっぴーフェスティバル」 では柏原市公認キャラクター「かしぴょん」、大阪府民共済キャラク ター「にっこりくん」 「にこりちゃん」 とともにステージに登場!たくさ んのファミリーとも仲良しになりました。 卒業生のみんな、また逢う日まで 音楽コースオーケストラの演奏に合わせて、拍手喝采のステージへ! 新しい世界へと巣立つ仲間たちを送り出しました。 雨の日も、夏の 日も、汗を流し て頑張るキャ ラクターサポー ターのみんな 、 いつもありが とう!! 公式キャラクター誕生秘話 2012年度学生チャレンジプロジェクト 『大教キャラクター策定プロジェクト』 から このキャラクターたちが誕生しました。 プ ロジェクトでは、全学に呼びかけて作品を 公募し、 メンバーによる審議を重ねて2体 にまで絞り込み、2012年11月の神霜祭お よびウェブサイトで投票を行いました。結 果は 「やまお」 の勝利でしたが、大学は 「たまごどり」 も個性豊かで甲乙つけがたいと判 断し、2体とも公式キャラクターとして採用することとしました。 15 やまお 柏原キャンパスのある自然豊かな山々をイメージしてい ます。のんびりした性格。ずっと昔からこの地にいて、 と ても物知りです。柏原キャンパスができてからは学生の みんなを優しく見守っています。 た まごどり 大阪教育大学のロゴマークのフォルムでもある「たま ご」がモチーフです。明るく元気で少しおっちょこちょ い。今はまだ飛べませんが、未来に羽ばたく学生たちの ように、 いつか自由に飛びまわることを夢見ています。 大学祭でフィーバー! 2013年秋の大学祭「神霜祭」 で鮮烈デビューを果たして以来、春の「五月祭」 と ともに大学祭には必ず参加! 五月祭では大人気ダンスサークル「いちゃりば ちょーでエイサー隊」 「YOSAKOIソーランサークル凜憧」 「モダンダンス部」 との 夢のコラボレーションも実現。 でも、屋台の美味しい匂いにお仕事を忘れてしま いそう…。 LINEスタンプ発売! 学生たちが企画・デザインした 「LINEスタンプ」が120円(50 コイン) で発売中! かわいいポーズや大学生活で 使えるメッセージなど全40種 のイラストで楽しくコミュニ ケーションしよう! スタンプショップで検索するか、 QRコードを読み取ってアクセス! たまごどり 14 池田分校講堂の照明 柏原キャンパスに移転統合される以前の池田分校の本館校舎は、池田師範学校時代 の昭和14(1939)年に完成して以来、平成4(1992)年3月の閉校まで、数多くの学生 を育て、社会へ送り出しました。 さまざまな大学行事などが行われた本館内の講堂の 天井にかかっていたこの照明は、最後の行事となる池田分校閉校式も見守りました。 附属図書館地下スペースの常設展示コーナー「大阪教育大学の歴史」には、取り壊し の直前に撮影された講堂の写真パネルが展示されています。 [天遊 特別号(Vol.37)]2016年3月発行 企画・編集・発行/国立大学法人大阪教育大学広報室 〒582-8582 大阪府柏原市旭ヶ丘4-698-1 TEL.072-978-3344 FAX.072-978-3225 E-mail [email protected] URL http://osaka-kyoiku.ac.jp 表紙イラスト/岩本 真理子 (教員養成課程美術・書道教育専攻)
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