Yano Research Institute Ltd

2016 年 5 月 16 日
プレスリリース
ブライダル市場に関する調査を実施(2016 年)
~市場は縮小基調にあるが、今後の婚礼挙行の多様化に期待~
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内ブライダル関連市場の調査を実施した。
1.調査期間:2015 年 12 月~2016 年 2 月
2.調査対象:ブライダル産業に参入しているサービス業や物販業を中心とした企業及び関連団体等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・FAX・郵送によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<ブライダル関連市場とは>
本調査におけるブライダル関連市場とは、挙式披露宴・披露パーティ、新婚家具、新婚旅行、ブライダル
ジュエリー、結納式・結納品、結婚情報サービスの主要 6 分野を対象とする。また、挙式披露宴・披露パー
ティ市場規模には、国内拠点で手配された海外挙式事業の売上を含む。
【調査結果サマリー】
 2015 年のブライダル関連市場規模は前年比 99.3%の 2 兆 5,480 億円で縮小の見込、
挙式披露宴市場は縮小基調、関連分野への支出も抑制傾向
2015 年のブライダル関連市場規模(主要 6 分野)は、前年比 99.3%の 2 兆 5,480 億円と、前年に続き
市場の縮小を見込む。ブライダル関連市場の構成比において過半数を占める挙式披露宴・披露パーテ
ィ市場を含め、ジュエリー、新婚旅行なども縮小見込みであることが大きな要因である。
 2015 年の挙式披露宴・披露パーティ市場規模は前年比 99.4%で微減の見込、
「なし婚」や「少人数婚」増加の影響が顕著
2015 年の挙式披露宴・披露パーティ市場規模は、前年比 99.4%で 1 兆 4,160 億円と微減の見込みで
ある。高価格帯の婚礼を販売の主体とする企業の多くが少人数婚の販売に対応するようになったことで、
婚礼者ニーズの取り込みに成功している一方で、1 組あたりの単価は低下傾向にある。
◆ 資料体裁
資料名:「2016 年版 ブライダル産業年鑑」
発刊日: 2016 年 3 月 14 日
体 裁: A4 判 584 頁
定 価: 110,000 円(税別)
 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております
㈱矢野経済研究所
マーケティング本部
http://www.yano.co.jp/)
広報チーム TEL:03-5371-6912
E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
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2016 年 5 月 16 日
プレスリリース
【 調査結果の概要 】
1. ブライダル関連市場の概況と予測
2014 年のブライダル関連市場規模(主要 6 分野)は前年比 99.0%の 2 兆 5,649 億円であり、市場規模
は縮小がつづいている。
2015 年は前年比 99.3%の 2 兆 5,480 億円となり、前年に続き市場の縮小を見込む。厚生労働省のデ
ータによると、2015 年の婚姻件数は速報ベースで 63 万 5,000 件(2016 年 1 月 1 日公表値)となり、2014
年比で 8,700 件余りのマイナスである。一時は増減を繰り返すような動きであった婚姻件数も、減少基調
が強まっている。婚姻件数が減少していることに加えて、全体的に婚礼関連分野への支出を抑制する流
れも強まっていると考えられる。
ブライダル関連市場(主要 6 分野)において 5 割以上の構成比を占める挙式披露宴・披露パーティ市
場は、都市部を中心に少人数化が進んでいる。高単価の婚礼の受注ができていた市場環境は変化し、
こうした少人数婚の受注に消極的であった施設運営側でも、昨今では予約の入りにくい日時を中心に、
積極的な販売に踏み切る動きが増加している。市場成長の観点からは、同じ件数であれば、高単価の
婚礼を多く受注することが望ましいものの、多様化の流れからそのトレンドに回帰することは考え難い。長
期的には、「なし婚」層を取り込み、少人数であっても安定的に市場を形成すると共に日本の婚礼文化の
継承を前向きに捉える運営が求められるものと考える。
こうした動きから、挙式披露宴・披露パーティ市場について、今後大きな伸びを予測する材料は乏しい。
大手企業は婚礼以外の第二の事業領域を構築するべく事業を多角化し、婚礼では海外市場の開拓に
懸命となっている。
2016 年のブライダル関連市場規模(主要 6 分野)は、挙式披露宴・披露パーティ市場についてはほぼ
横ばいとなることが見込まれることから、前年比 99.7%の 2 兆 5,400 億円を予測する。
図 1. ブライダル関連(主要 6 分野)市場規模推移
(単位:億円)
矢野経済研究所推計
注1. 事業者売上高ベース
注2. ブライダル関連市場規模は、挙式披露宴・披露パーティ、新婚家具、新婚旅行、ブライダルジュエリー、
結納式・結納品、結婚情報サービスの主要 6 分野を対象とする。
注3. (見込)は見込値、(予測)は予測値
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2016 年 5 月 16 日
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2. 挙式披露宴・披露パーティ市場の概況と予測
2014 年の挙式披露宴・披露パーティ市場規模は事業者売上高ベースで前年比 99.5%の 1 兆 4,240
億円であった。2015 年は同 99.4%で 1 兆 4,160 億円と微減を見込み、2016 年は同 99.8%の 1 兆 4,130
億円とほぼ横ばいを予測する。
2015 年は 2014 年以上に業界にとって厳しい状況であった。一つは集客低下がつづいている点である。
婚姻者数も挙式披露宴実施者も減少していることに加え、インターネットなど、事前に情報収集のできる
媒体が一般化したことで、実際に下見を兼ねて足を運ぶのは 2~3 施設という状況下、来館者も減少傾
向にある。そのため、結婚情報誌やインターネットに掲載する画像や情報が大きなカギとなるが、有力企
業では特に、試行錯誤を重ねながら改善や更新を行っている。競合する他社の広告や販促活動につい
ては少なからず研究され続けており、なかでも地域の一番店ともなれば、その販促活動は常に追随され、
なかなか優位性が訴求しにくい状況にある。
また、新店舗効果の短期化は企業業績の伸び悩みにつながっている。かつては出店の広告を出せば、
圧倒的な集客力を発揮し、多くの枠が予約でうまった。最近では、一定の訴求力をもつものの、従来のよ
うな状況はすべての新店舗にあてはまることではなくなっている。こうした状況から、出店すればその店
舗で 2~3 年は業績を牽引するほどの効果が継続したと言われるが、最近ではその期間が短くなっている。
実際に、継続的に新店舗を出店してきた企業でも、初期投資の大きい新規出店のペースは総じて低下
している。
現状では少人数婚が主流となることはないという見方もあるが、少人数婚を志向する層が増えることが
予想される。招待客が少人数化することによる単価低下も、企業規模によっては影響を及ぼすようになる
とみる。
図 2.
挙式披露宴・披露パーティ市場規模推移
(単位:億円)
注 4.
注 5.
注 6.
注 7.
事業者売上高ベース
国内拠点で手配された海外挙式事業の売上を含む
挙式披露宴・披露パーティ市場規模はブライダル関連市場規模(図 1)の内数
(見込)は見込値、(予測)は予測値
矢野経済研究所推計
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