はじめに~改訂版の刊行にあたって

はじめに~改訂版の刊行にあたって~
平成25年3月に、八王子市ケアマネジャーガイドラインの初版を発行して以来、早くも3年の月日
が経過しました。その間に、平成27年の介護報酬改定を経て、本年3月より、八王子市においても、
介護予防訪問介護及び介護予防通所介護が、介護予防・日常生活支援総合事業に移行するなど、ケアマ
ネジャーの皆様が活動される環境は、常に変化しています。また、現在、八王子市では、約440名の
方が居宅介護支援事業所所属のケアマネジャーとして勤務し、要支援・要介護高齢者の在宅生活をケア
マネジメントを通じて支えていますが、これだけ多くのケアマネジャーの皆様の知識や情報の平準化を
図ることは、以前にも増して、とても難しいことだと感じています。
国に目を向けてみますと、3年に一度の介護保険制度改正では、必ずと言っていいほど、ケアマネジ
ャーの質の向上についての議論が行われています。平成27年の介護保険制度改正においても、ケアマ
ネジャーの資質向上を目的とした国の検討会「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後の
あり方に関する検討会」が、平成25年1月に取りまとめた報告書にある「介護保険の理念である『自
立支援』の考え方が、十分共有されていない。」
「利用者像や課題に応じた適切なアセスメント(課題把
握)が必ずしも十分でない。
」
「サービス担当者会議における多職種協働が十分に機能していない。」
「ケ
アマネジメントにおけるモニタリング、評価が必ずしも十分でない。」などといった、ケアマネジャー
業務の根幹に関わる指摘に基づいた、多くの議論が行われています。指摘や議論の内容の是非はさてお
き、ケアマネジメントの各過程で多くの疑問に直面し、負担を感じながら、その解決に時間を費やして
いるケアマネジャーの方が、少なからず存在することは間違いのないことだと思います。
また、ケアマネジャーの皆さんと接していると、とても忙しく時間の無いなかで業務を行っていると
いうことを強く感じます。
しかしながら、忙しい中でも、自立支援に資するケアマネジメントを実践し、自立支援型ケアプラン
の作成をしていただきたいと思います。なぜなら、それが今なお、ケアマネジャーの皆様に求められて
いることであり、その過程にこそ、専門家としてのケアマネジャーの存在意義があると考えられるから
です。
このような中で、本書を活用することで、日常業務を少しでも効率的に実施して負担軽減を図ってい
ただけたらと思います。もし、そうすることで時間に余裕が生じたら、その時間は、利用者の方一人ひ
とりに、ゆっくりと向き合う時間として使っていただき、更に多くの利用者の自立支援を実現していた
だけたらと考えるからです。この一冊が、皆様の日常業務の一助となれば幸いです。
最後に、改訂版の発行にあたり、6回にわたる改訂版編集委員会において、多角的な分析と専門的な
見地から様々な意見を出してくださった、八王子介護支援専門員連絡協議会及び八王子市地域包括支援
センターの皆様の御協力に、心より感謝を申しあげます。
平成28年3月
八王子市福祉部介護保険課長
伊比 洋司