東京薬科大学史料館開設事業趣意書

東京薬科大学史料館開設事業趣意書
わが国最古の歴史を誇る私立薬系大学である東京薬科大学は、平成 27 年
(2015 年 11 月)に創立 135 周年を迎えました。この間、本学は多くの有為な
人材を卒業生として社会に輩出することで、薬学関連の広範な分野で多大な貢
献をして参りました。この輝かしい歴史の中には幾多の困難もありましたが、
皆様方の本学に寄せる強い思いに支えられ、今日まで着実に発展することがで
きましたことを、深く感謝しております。
本学の礎を築き、苦難をも乗り越え発展に尽力してきた創設者や関係者の
方々を顕彰し、本学の歴史を在学生や後世に伝えていくことは我々の責務であ
ります。既に、本学の創立 130 年記念事業として、資料展示のための「記念展
示プラザ」が開設されていますが、残念ながら特別展示などが開催できるほど
の資料が収蔵されておらず、卒業生や在校生およびその父兄、受験生、国内外
の来訪者に対し充分な有効利用ができておりません。本学には過去に先人によ
り蒐集された未公開の資料も残されており、これらについては現在、展示に向
け整理を行っております。一方で学外にある関連の貴重な薬学資料が今後、時
間的な経過とともに、散逸し、蒐集が一層困難になることが懸念されます。
そこで、創立 140 周年に向けた記念事業として、東京薬科大学史料館を開設
し、本学の創立者や歴史、我が国の薬学・生命科学関連の歴史及び薬剤師の歴
史に関する資料等を急ぎ蒐集し、これを展示するとともに教育に還元していく
こととなりました。本事業は、これまでの本学の歴史に鑑み、諸先輩方の輝か
しい業績を称え、新しい時代を生きる「東薬生」の誇りとして継承しつつ、本
学のさらなる飛躍と発展を目指すものであります。同時に、本学が、わが国の
薬学や薬剤師養成の歴史とともに歩んできたことから、薬学の発展に関わる学
術的、博物学的に価値を有する資料を蒐集することによってその証とし、本学
と薬学の発展に寄与するものであります。
本趣旨にご理解、ご賛同いただき、関連資料の蒐集(寄贈、情報提供等)に
皆様方のご支援・ご協力を賜りますよう、切にお願い申し上げます。
平成 28 年 5 月
東京薬科大学学長
笹津
備規