2016 年第1四半期決算説明会 Q&A セッションサマリー 大和証券 石原太郎アナリスト Q 国内 EC 流通総額の伸び率について、今後どの程度で加速していくのか?また、SPU(ス ーパーポイントアッププログラム)により新規・復活ユーザー数の成長率が改善してい るようだが、流通総額への影響はどれぐらいか?ゴールは? A これまで、楽天市場のライトユーザー層や、ヘビーユーザー層の中でも楽天カード保有 者に対しては、非常にうまくマーケティングできていたが、それ以外のユーザーセグメ ントに対しては課題があった。今後は、ユーザーセグメント毎のマーケティング施策や ユーザビリティの向上等を実施し、楽天カード会員増加、スマートフォン利用者増加を 図ることで、流通総額は加速していくと考える。 新規・復活ユーザーの回復やスマホの成功、アプリ転換率の向上等の効果は見え始めて おり、徐々に流通総額の成長として表れると見ている。配送についても改善を図ってい る。 今後、時間は掛かるものの、流通総額の成長率で 10%台後半の伸びをゴールとして目 指していく。 Q FinTech の法人向け融資、生命保険の現状は? A 楽天カード(株)による楽天市場出店事業者向けの「楽天スーパービジネスローン エクス プレス」は好調。融資の申し込みから実行・返済までが簡単かつスピーディーにできる ため、機会損失が少ない。 銀行事業による法人融資は貸出免許がないため現時点で実施できない。 楽天生命については、楽天ミニ保険(条件を満たす楽天会員向けに無料で提供している 1 年定期がん保険)の加入者に対し、満了後のご案内が奏功している。特にスーパー2000 (総合保障保険)はインターネットとの親和性が高い商品であり、新規加入者が順調に 拡大している。 ドイツ証券 風早隆弘アナリスト Q SPU の戦略成果は出ているように見受けるが、課題はあるのか? A SPU は、エントリー不要制、ポイントの早期付与、期間限定ポイントの利用可能期間 延長、ポイント付与の上限額拡大等、これまでの楽天市場や競合他社に比べ、ユーザー の声を重視したプログラムとなっている。これらについて効果は出始めている。 一方で、SPUのメリットや利便性の高さに関するユーザー認知度を上げることが、現 在の課題。 Q 国内 EC における今後の広告販売戦略について。 A パーソナライズされ、広告効果が圧倒的に高い、スマートクーポン、リターゲティング 等などに注力する。 また、楽天市場出店企業以外のナショナルクライアント向け広告も強化していく。 ユーザビリティ低下につながるような広告販売は行わない方針を一時採っていたが、パ ーソナライズされた広告を増やしていくことにより、広告売上は、今夏ごろまでに前期 の水準に戻したいと考えている。 Q 楽天市場における楽天カード決済比率(16/3 月は 46.4%)の目標は? A 最終目標は 100%。今期目標については、非開示。 SPU プログラムや楽天 ANA マイレージクラブカードの提供開始により、これまで獲得 できなかった層にアプローチが可能となっており、着実に伸びている。 特に、楽天会員ランク プラチナ・ゴールドのユーザーからの加入が倍増している。 Q 楽天モバイルのグループシナジーはあるのか? A はっきりとある。楽天モバイルの端末は、楽天の各サービスアプリがプリインストール されている。また、SPU プログラムの 1 つであるため、楽天市場との相乗効果は高い。 楽天カードで支払うことにより、端末の 24 回分割払いが可能。 クレディスイス証券 米島慶一アナリスト Q SPU により、新規や復活ユーザーの成長率が改善したようだが、ダイヤモンド会員等 のヘビーユーザーには効果があったのか?それともSPUは第二、第三ステージがある のか? A 顕著な効果があったのは新規やライトユーザー層ではあったが、全体的に効果があった。 ヘビーユーザーも徐々に効いてきている。パーソナリゼーションの効果がある。楽天市 場における楽天カード決済比率が上昇しているのはその例。 Q FinTech のライフタイムバリューが高いとのことだが、今後は、国内ECは会員獲得チ ャネルで、利益成長には FinTech と海外事業の改善が寄与することになるのか? A 国内 EC もまだまだ収益改善する余地はある。現在は転換期。今後、二桁以上のトップ ラインの成長だけでなく、ボトムラインの成長ができるよう設計していく。 マーケットプレイス型モデルであることが当社の強み。1stパーティの他社に比べ、 アセットライトなモデルであるため投資費用は抑えられるし、投資対効果は高いと考え る。 Q 今後、月額有料の会員サービスは実施するのか? A 学生向けに「楽天学割」を開始した。送料のポイント還元等の特典サービス「楽天プレ ミアム」の試験的な運用を始めている。今後、対象を広げてローンチを検討している。 [免責事項] 本資料に記載された意見、予測やビジョンなどは資料作成時点での弊社の判断であり、そ の情報の正確性を保証するものではありません。 本資料の内容は事前の通知なく変更されることがあります。また、本資料に記載される業 界、市場動向又は経済情勢等に関する情報は、現時点で入手可能な情報に基づいて当社が 作成したものであり、当社がその真実性、正確性、合理性及び網羅性について保証するも のではありません。 様々な要因の変化により、実際の業績や結果とは大きく異なる可能性があることを御承知 おき下さい。文中に記載の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
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