楽読 (ラクヨミ) 2016年5月16日 Vol. 1,102 設備投資・人材投資に積極的な企業を 対象にした新しい株価指数 日本銀行は昨年12月の金融政策決定会合で「設備投資・人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援 するためのETF(上場投資信託)」を、年3,000億円のペースで買い入れることを決め、当該ETFの設定に先 立ち、4月から「JPX日経インデックス400」に連動するETFの購入を開始しました。 さらに、日銀は5月6日に、設備投資・人材投資に積極的な企業を対象にした3つの株価指数(JPX/S&P設 備・人材投資指数、MSCI日本株人材設備投資指数、野村企業価値分配指数)を、ETFの基になる株価指 数として適格と認めたと発表しました。今後、これらの指数へ連動するETFの上場が予定されており、日銀の 購入対象になるとみられます。 日銀により認定された株価指数は、それぞれ特徴があります(裏面をご参照)。例えば、日本取引所グルー プなどが算出・公表する「JPX/S&P 設備・人材投資指数」の算出基準をみると、「流動性」、「信用力」および 「市場評価の安定性」の観点からスクリーニングし、そのうえで、「設備投資の成長性」、「設備投資の効率 性」、「人材投資の充実度」の3つの項目についてスコアリング評価を行ない、上位200銘柄を構成銘柄とし て選定しています。当該指数のパフォーマンスについては、TOPIX(東証株価指数)を概ね上回っているほ か、業種別構成比率をみると、業績が比較的安定している業種である生活必需品やヘルスケアなどの比率 がTOPIXよりも高い一方で、景気に敏感な素材や金融などの比率が低いなどの特徴があります。 現状の日銀の購入規模では、株式市場を押し上げるには力不足との見方があるものの、今後、日銀が追加 緩和を行なう際は、ETFの買い増しが検討される可能性もあります。さらに、設備や人材への投資に積極的 な企業は、脱デフレを掲げるアベノミクスの方向性とも合致していることに加え、経営陣が今後の事業拡大を 見込んでいる企業とも考えられます。新しい株価指数が、従来の株価指数(TOPIXや日経平均株価など)の パフォーマンスを上回って推移するなどの実績が伴なえば、投資家の注目度が高まっていくと期待されます。 株価指数の推移 業種別構成比率 0 (2006年1月4日~2016年5月13日) 140 5 10 15 20 (%) 25 一般消費財・サービス JPX/S&P 設備・人材投資指数 資本財・サービス 120 生活必需品 100 ヘルスケア 金融 80 情報技術 電気通信サービス 60 TOPIX 40 素材 エネルギー ※起点を100として指数化 公益事業 20 06/1 08/1 10/1 JPX/S&P 設備・ 人材投資指数 TOPIX 12/1 ※上記指数は、ともに配当除く 14/1 16/1 (年/月) (2016年4月28日時点) ※業種はGICS分類 (S&Pなど信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/2 (ご参考)新しい株価指数の概略 (作成日時点) JPX/S&P 設備・人材 投資指数 MSCI日本株人材設備 投資指数 野村企業価値分配指数 構成銘柄数 200銘柄 150銘柄 上限300銘柄※ ※265銘柄(16年4月末時点) 算出基準日 2005年9月16日 2010年11月30日 2001年8月17日 1,000 10,000 10,000 リバランス 3月と9月の第3金曜日 5月末、11月末 8月20日 算出元 日本取引所グループ、 東京証券取引所、 S&P ダウ・ジョーンズ・ インデックス MSCI 野村證券 ユニバース TOPIX(東証株価指数) MSCIジャパンIMI指数 国内上場全株式 算出基準など 「流動性」、「信用力」お よ び 「 市 場 評価 の 安定 性」でスクリーニングし、 「設備投資の成長性」 「設備投資の効率性」 「人材投資の充実度」の 3つの評価を行ない、浮 動株時価総額を考慮し てウェイトを算出。 設備投資額は、業種内 で相対比較し、人材投資 は総報酬に加え、研修 制度や福利厚生制度な ども重視。コーポレート・ ガバナンスと財務クォリ ティの優れた企業ほど高 いウェイトになるよう時価 総額ウェイトを調整。 収益性とステークホル ダーへの還元度に関す る9つのファクターに基づ いた定量的な評価指標 (総合スコア)の上位銘 柄(上限300銘柄)を選 定。時価総額加重型で あるが、構成銘柄ウエイ ト上限を3%とし、大型銘 柄への偏りを抑制。 基準時点の指数値 (ご参考)新しい株価指数とTOPIXの年間騰落率の比較 (2011年~2016年※) 60% ※2016年は5月13日までの騰落率 TOPIX 50% JPX/S&P 設備・人材投資指数 40% MSCI日本株人材設備投資指数 30% 野村企業価値分配指数 20% 10% 0% -10% -20% 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年) ※上記指数は、いずれも配当除く (日本取引所、S&P、MSCI、野村證券など信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 2/2 覧ください。
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