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まとに向かってボールを発射することのできる装置が2台ある。今、東西方向
に移動できる3本の平行な道を考え、それぞれの道に北から発射装置 A、まと T,
発射装置 B を乗せた車を置く。状況を簡単にするため、空気抵抗は小さく、ま
とは縦長のため鉛直方向のボールの落下は無視できるとする。装置 A、装置 B、
まと T が地面に対して静止している場合は、装置 A、装置 B からまと T を狙う
と、ボールは両者ともまと T に命中した。次に、装置 A、装置 B、まと T のす
べてが同じ速度で西から東に移動しながら同様なことを行うと、前回と同様に
どちらのボールもまとに命中した。
それでは、(装置 A の速さ)<(まと T の速さ)<(装置 B の速さ)の関係を
もってそれぞれが西から東に移動している場合、2つのボールはまと T に当た
るであろうか。装置 A からのボールはまと T より西、装置 B からのボールは東
へずれる。この理由を説明しなさい。
このような考察は、北半球で生じる台風の渦の巻き方の原因の説明に用いるこ
とができます。台風は低気圧であるから、外から台風の目に向かって空気(風)
が流れ込んでおり、一方、地球は北極南極を軸として西から東に自転している。
その自転による地球表面の運動の速さは赤道付近が一番速く、北極(或いは南
極)に近づく程遅くなる。このことと、前に調べたボールの考察とを考えあわ
せて、台風の渦が北半球では反時計方向に巻く理由を考察しなさい。また、南
半球での台風の渦は、どちらに巻いているのでしょうか。
北
装置 A
まと T
装置 B
西
東
南