理工学研究科 新専攻の紹介

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理工学研究科 新専攻の紹介
建築・都市学専攻
情報科学専攻╱数学専攻╱物理学専攻
統合
新設
専攻再編の趣旨・目的
理工学部は 2014 年に創立 70 周年を迎え、次世代へ向けた新しい歩みを始めました。それ
に合わせ大学院理工学研究科においても、グローバル化された持続性社会の発展に寄与する学
問体系を構築すべく、2017 年度より博士前期課程、博士後期課程を新たな枠組みに再編しま
す。建築学専攻と新領域創造専攻を発展的に統合し、建築・都市学専攻に再編して互いの連携
を深めます。また、理工学研究科においてこれまで唯一の理学系専攻であった基礎理工学専攻
を母体にして、学問分野に立脚した情報科学専攻、数学専攻、物理学専攻の 3 つの独立した理
学系専攻に再編します。更に、これらの再編に合わせ、電気工学専攻、機械工学専攻、応用化学
数学専攻のゼミ風景
専攻の定員を変更し、新たな理工学研究科としてスタートします。
統合
新設
新設
新設
物理学
再編後
電気工学
機械工学
応用化学
建築・都市学
情報科学
数学
再編前
電気工学
機械工学
応用化学
建築学
新領域創造
基礎理工学
理工学研究科
電気工学専攻
機械工学専攻
応用化学専攻
建築・都市学専攻
情報科学専攻
数学専攻
物理学専攻
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建築・都市学専攻
入学定員
82 名
86 名
40 名
80 名
40 名
15 名
16 名
博士前期課程
取得可能学位
修士(工学)、修士(学術)
修士(工学)、修士(学術)
修士(工学)、修士(理学)
修士(工学)、修士(建築学)、修士(学術)
修士(理学)、修士(学術)
修士(理学)、修士(学術)
修士(理学)、修士(学術)
入学定員
6名
7名
5名
7名
3名
3名
3名
博士後期課程
取得可能学位
博士(工学)、博士(学術)
博士(工学)、博士(学術)
博士(工学)、博士(学術)
博士(工学)、博士(建築学)、博士(学術)
博士(理学)、博士(学術)
博士(理学)、博士(学術)
博士(理学)、博士(学術)
―― 持続可能な建築・都市の創造と再生
建築・都市学専攻は、建築・都市を中心とする空間環境の創造・再生
を多様な立場で担い、国際的な視野に立って人間を取り巻く環境・社
会・文化の持続的な発展に貢献出来る人材の育成を目指します。これを
踏まえて建築学系、国際建築都市デザイン系、総合芸術系の 3 系を置き、
それぞれ次のとおり人材育成その他教育研究上の目的を掲げます。
【建築学系】 確固たる建築学術の体系を踏まえつつ横断性・統合性・革
新性を持って人間環境の持続的発展に貢献できる人材育成を目指しま
す。安全・安心かつ快適な、自然環境と調和した社会の持続を、空間環
境の創造という側面から実現してゆくことを究極的な目的とし、確固た
る体系に基づいた教育研究により、社会的に信頼される技術者や研究者
を養成します。
【国際建築都市デザイン系】 国際的環境で通用する建築・都市デザイン
のプロフェッショナル、特に国際的な環境において建築・都市の創造・
再生を実践的に担えるプランナーやデザイナーを育成します。
【総合芸術系】
歴史的視座と構想力を持った芸術の研究を行います。
また、高い環境意識と国際性を兼ね備えた作品制作や、それに対応する
批評の実践など、芸術に関する高度専門職業人の育成を目指します。
※国際建築都市デザイン系、総合芸術系は中野キャンパスで開講。
■ カリキュラムの特色
【建築学系】 建築学の特定分野における高度で先端的な知識・技術を身
に付けるために、主要科目として建築・都市計画設計研究、建築構造・
建築材料研究、建築環境・建築設備研究を設置して研究指導します。ま
た、横断型講義科目として先端建築特論を設置します。更に、実務を経
験するための実習科目としてインターンシップと、実務教育に対応した
演習・講義科目としてインターンシップ関連科目を設置します。修了後
の進路としては、建築実務者、研究者などが挙げられます。
【国際建築都市デザイン系】
英語で教育研究を行い、国際的に活躍出
来る人材を育成します。博士前期課程の主要科目として Architecture
Urban Design Studies 1 ~ 4 を設置して研究指導し、原則的に設計
プロジェクトの提出を求めます。また、演習科目の Advanced Design
Studio A ~ C のうち 2 科目を修得することを修了条件として、実践的
なデザイン能力を養います。更に、海外ワークショップへの参加および
交換留学の交流を積極的に促進し、国際的な視野とコミュニケーション
能力を養成します。修了後の進路としては、建築実務者、特に建築設計
者・都市プランナーなどが挙げられます。
【総合芸術系】
研究分野は、視覚芸術から文学や音楽まで多岐にわたり
ます。原典資料を丁寧に分析し、更にはワークショップなどにも積極的
に参加することで、芸術に対する経験値を高めることが出来るようなカ
リキュラムが展開されています。修了後の進路としては、研究者、教員、
学芸員、制作者などが挙げられます。
008 │ MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017
2017 年
理工学研究科の専攻が再編されます。
4 専攻の大学院が生田キャンパスで新たに開設
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情報科学専攻
―― 第 2 次 IT 革命の担い手の育成
情報科学専攻は、従来の基礎理工学専攻情報科学系を発展させて独
会議への発表などを通じて、自己の研究能力と表現能力とを高めること
立させたものです。研究分野は、コンピュータのハードウェア、ソフト
を目指しています。また、学生同士が広く分野を学べるように全体での
ウェア、応用システム、それらを裏打ちする基礎理論などで構成されて
研究発表会を行うなどの工夫をしています。
います。情報科学の応用範囲は広大です。さまざまな分野の知見を素早
■ 修了後の進路
く吸収し、新規に開発した技術を組み合わせることでまったく新しい分
博士前期課程では、情報科学の知見や論理的思考、問題解決能力、発
野が提案されています。人間並みに高度に知的な処理をする情報シス
表技術の習得を生かして、社会に貢献できる高度専門職業人を育成しま
テムロボットの知性や情報通信システムなどを提案・開発できる第 2 次
す。博士後期課程では、主体的に研究し、問題解決能力とともに問題発
IT 革命の担い手の育成を目標とします。
見能力を獲得し、革新的な情報システムの提案と開発が出来る高度専門
■ カリキュラムの特色
職業人や研究者の育成とを目指します。
カリキュラムでは、情報科学の先端的な研究を理解するための特論科
学位取得者の修了後の進路としては、学術研究、製造業や情報通信業
目と、研究指導による先端的な研究に携わりながら、国内の学会や国際
における研究開発、公務員などが挙げられます。
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数学専攻
―― 現代の科学技術社会を支える数学を創り、使い、伝えられる人に
現代の科学技術社会において、数学的モデルによって現象を記述する
もありますが、特に周辺諸科学を俯瞰する観点を構築して、数学を創り、
理学的アプローチと、それに基づいてシステムを制御する工学的アプ
使い、伝える能力を培うことを目指します。カリキュラムはゼミナール
ローチは、自然・社会・人文の境界を越えてさまざまな領域に浸透しよ
を中心にして、指導教員はもちろん、複数の教員とコミュニケーション
うとしており、数学は科学技術を根底において支える役割を担っていま
を取りながら、自身の関心と資質に合わせて活動出来るように工夫され
す。このような数学の豊かな応用可能性は、厳密性、抽象性、審美性など
ており、数学固有の科目ばかりでなく、物理学専攻と連携した複合的科
の、数学を数学たらしめている特質と結び付いており、数学を深く学ぶ
目も設けられています。修了後の進路としては、数学の教員や、情報産
には、周辺諸科学に対する広い視野のもとで、数学の基本的な特質をき
業、サービス業などにおける高度の専門職が挙げられます。
ちんと身に付けることが大切です。
博士後期課程では、数学を創ることに重点を置いて高度の訓練を行
■ カリキュラムの特色・修了後の進路
い、研究者として世に貢献出来る人材を育成します。特に将来にわたっ
て長く研究対象とし得る「自分自身の問題」との邂逅を果たし得るよう、
数学専攻の博士前期課程は、4年間の学部教育に接続して数学の基礎
その前提となる基盤の充実に努めます。
を築く階梯の最上層に当たり、また数学研究の第一着手を試みる場で
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物理学専攻
―― 宇宙から遺伝子まで、自然全ての基礎を研究
物理学専攻は、従来の基礎理工学専攻物理学系を発展させ独立させた
す。また、これらの研究分野の理解に必要な知識を講義で学びます。
ものです。物理学は、研ぎ澄まされた理論と巧みな実験により自然法則
カリキュラムの特色としては、数学物理学連携科目を設置しているこ
を明らかにします。見出された法則は、他の自然科学の礎となり、また、
とがあげられます。物理学では現象を数学的に記述するため、数学と密
新しいテクノロジーを生み出す指導原理となります。
接に関連しており、その点に着目した講義が行われます。
自然法則の理解に裏打ちされた正しい自然観を備え、あらゆる場面で
■ 修了後の進路
その根本原理に基づいて現象を演繹的に理解しようとする物理学的思
考が出来る人材の育成を目指しています。
■ カリキュラムの特色
博士前期課程では、物理学の知見や論理的な思考方法を生かして、社
会に貢献出来る研究者、または、高度専門職業人を育成します。博士後
期課程では、主体的に物理学の研究を推進し、その成果をもって自然科
研究分野は、生物物理、物性物理、光の物理、宇宙・原子・素粒子の物
学の進展に貢献し得る研究者の育成を目指します。学位取得者の修了
理、環境・エネルギーの物理と多岐にわたっています。自分の興味に応
後の進路としては、学術研究、製造業における研究開発、情報通信業、理
じて研究分野を決め、指導教員のアドバイスのもとで研究指導を受けま
科・数学の教員などが挙げられます。
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MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2017 │ 009