参考資料 参考資料 この資料は、2016 年 4 月 25 日に独・メルクが発表した英語版プレスリリースの翻訳で、参考資料として 提供するものです。正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。 英語版は http://www.merckgroup.com をご参照ください。 2016 年 5 月 11 日 重要な第Ⅲ相 TAILOR 試験において アービタックス®+FOLFOX の併用療法が FOLFOX 単独療法と比較して有意なベネフィットを実証 RAS 野生型転移性結腸・直腸がん(以下、mCRC)患者さんの一次治療で、中国におけるピボタル 第Ⅲ相試験が主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長を達成した メルクは関係当局と連携し、アービタックス®を一次治療薬として中国の患者さんにできる限り早く 提供するために取り組む 今回の試験結果は、成長市場における成長を目指すメルクのオンコロジー戦略における重要なマ イルストーンである ドイツ・ダルムシュタット発、2016 年 4 月 25 日-サイエンスとテクノロジーの企業である独メルク社(以 下、メルク)は、本日、中国のピボタル第Ⅲ相 TAILOR 試験において、RAS 野生型 mCRC 患者さんを対 象としたアービタックス®(一般名:セツキシマブ)+FOLFOX の併用療法が、FOLFOX 単独療法と比較し て、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な延長を達成したことを発表しました。 メルクのバイオファーマ・ビジネス 研究開発部門グローバル責任者である Dr. Luciano Rossetti は、次 のように述べています。「当社は、アービタックス®+FOLFOX の併用療法の有効性に関して、RAS 野生型 mCRC 患者さんに対する標準的な一次治療として、科学的なエビデンスをもたらす TAILOR 試験の結果 を喜ばしく思います。これは、特に中国のような成長市場における、オンコロジー領域の成長戦略の重要な 前進を示すものです。今回の試験結果は、適切な標的細胞への治療を患者さんに提供することを目的とし た RAS バイオマーカー検査の意義や必要性を示すとともに、当社が検査の改善と世界中でアービタックス ®へのアクセスを確保するために継続的に努力している理由を明確に示しています。」1–4 アービタックス®が RAS 野生型 mCRC の患者さんにもたらす臨床上の有用性は、無増悪生存期間で実証 された優越性の結果を支持する副次的評価項目の結果によって、より明らかなものになるでしょう。 TAILOR 試験におけるアービタックス®の安全性プロファイルはマネジメント可能であり、他のピボタル試験 で観察されたプロファイルと同様であり、予測できない安全性上の知見は認められませんでした。全試験結 果は、今後の国際学会で発表される予定です。 全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)と欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の臨床ガイドラインは、RAS 野生型 mCRC 患者さんに対し、アービタックス®+FOLFOX、またはアービタックス®+FOLFIRI の併用療法を一 次治療として推奨しています 5,6。 Page 1 of 3 参考資料 TAILOR 試験の治験調整医師を務めた中国・南京八一病院の秦叔逵(Shukui Qin)教授は、次のように 述べています。「TAILOR 試験での良好な結果により、アービタックス®と化学療法の併用について、中国 の mCRC 患者さんの新たな一次治療の選択肢となり得たことを嬉しく思います。また、今回の結果は、過 去の試験で得られた知見を反映しており、多くの国でアービタックス®+FOLFOX の併用療法が一次治療 の適応となっていることを裏付けるものです。」 アービタックス®は、世界 90 カ国以上で販売承認を取得しています。欧州では、アービタックス®は、RAS 野生型 mCRC 患者さんの一次治療として、オキサリプラチンを含む FOLFOX との併用療法で、またはイリ ノテカンを含む治療(FOLFIRI など)との併用療法で、未治療患者さんに投与されています 7。これまでに、 世界で 442,000 人以上の mCRC 患者さんがアービタックス®による治療を受けています。 TAILOR 試験について TAILOR 試験は、中国の RAS 野生型 mCRC 患者さんを対象とする一次治療において、アービタックス®+FOLFOX-4 の 併用療法を、FOLFOX-4 単独と比較し評価することを目的として設計された、多施設共同・無作為化・非盲検第Ⅲ相試験で す。無作為化されたすべての被験者は、病勢進行(PD)または許容できない毒性が認められるまで試験薬の投与を受ける試 験設計でした。この試験には、RAS 野生型 mCRC 患者さん 397 人が登録され、主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS) でした。副次的評価項目には、全生存期間、最良総合効果、治療成功期間、肝転移の根治切除率が含まれています。 転移性結腸・直腸がん(mCRC)について mCRC 患者さんの約半数は RAS 野生型、残りの半数は RAS 変異型です 8。mCRC 患者さんの RAS 変異状態を評価 した研究結果から、セツキシマブなどの抗上皮成長因子受容体(EGFR)モノクローナル抗体薬により、RAS 野生型 mCRC 患者さんの予後が改善することが明らかになっています 1-4。結腸・直腸がん(CRC)は世界で 3 番目に多いがんであり、毎年 新たに 136 万人以上が罹患していると推定されます 9。世界では、毎年 694,000 人が CRC で亡くなっています。これは がん死亡全体の 8.5%に相当し、がん死亡原因では第 4 位となっています 9。55%近くが先進国で発症しており、罹患率お よび死亡率は女性よりも男性の方が大幅に高くなっています 9。 セツキシマブ (アービタックス®)について セツキシマブは EGFR を標的とする IgG1 モノクローナル抗体です。セツキシマブの作用機序は、モノクローナル抗体として、 EGFR に対して特異的に結合するという点で従来の標準的な化学療法とは明確に異なります。EGFR に結合することによっ て受容体の活性化と下流のシグナル伝達が阻害され、正常組織への腫瘍細胞の増殖、浸潤と転移が抑制されます。また、 化学療法や放射線療法によって引き起こされた損傷を修復する腫瘍細胞の活性を抑制し、腫瘍内血管新生を抑制するとも 考えられており、それによって腫瘍の増殖を全体的に抑えるとされています。 セツキシマブに最も多い副作用はざ瘡様皮疹であり、皮疹の程度(グレード)と治療効果は相関があると報告されています。 また、結腸・直腸がんの患者さんを対象とした使用成績調査において、約 5%に過敏反応(インフュージョン・リアクション)が 発生し、このうちの約 2 分の 1 が重度な症状を示しました。 セツキシマブ は結腸・直腸がん及び頭頸部扁平上皮がんの治療薬として、90 カ国以上で市販承認を受けています。メルク は 1998 年、イーライリリーの 100%子会社であるイムクロン社から米国、カナダ以外でのセツキシマブの販売権をライセン ス供与されました。メルクはグローバルでがん治療の進展に継続的にコミットしており、対象領域における新規治療法の研究 に取り組んでいます。 <参考文献> 1. 2. 3. 4. Bokemeyer C et al. J Clin Oncol 2014; 32:(Suppl 4): abstr 3505. Van Cutsem E et al. J Clin Oncol 2015;33(7):692–700. Stintzing S et al. Oral presentation at the 2014 European Society for Medical Oncology Congress, September 26–30, 2014. Abstract No:LBA11. Lenz H et al. Ann Oncol 2014;25(Suppl 5):v1–41. Page 2 of 3 参考資料 5. 6. 7. 8. 9. National Comprehensive Cancer Network (NCCN). Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines). Colon Cancer. Version 2.2016. Available from: www.nccn.org/patients. Accessed April 2016. Van Cutsem E et al. Ann Oncol 2014;25(Suppl 3):iii 1–9. Erbitux® (cetuximab) SmPC, Last updated Jun 2014. Available at: http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/ human/000558/WC500029119.pdf. Accessed April 2016. Vaughn CP et al. Genes Chromosomes Cancer 2011;50(5):307−12. Ferlay J, Soerjomataram I, Ervik M, Dikshit R, Eser S, Mathers C, Rebelo M, Parkin DM, Forman D, Bray F. GLOBOCAN 2012 v1.0, Cancer Incidence and Mortality Worldwide: IARC CancerBase No. 11 [Internet]. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer. 2013. Available from: http://globocan.iarc.fr. Accessed April 2016 メルクについて Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノ ロジー企業です。がんや多発性硬化症を治療するためのバイオ医薬品療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、 スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約 5 万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の 進歩を目指しています。2015 年は 66 カ国で 128 億 5 千万ユーロの売上高を計上しました。 メルクは 1668 年に創業された世界で最も長い歴史を有する医薬・化学品会社で、現在も上場企業が率いるグループの株 式の過半数を創業家で保有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、ドイツのダルムシュタットに本社 を置くメルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国では EMD セローノ、EMD ミリポア、EMD パフォーマンス マテリアルズとして事業を行っています。 メルクセローノ株式会社について メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオファーマ・ビジネスの日本法人で、2007 年 10 月 1 日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。 メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jp をご覧ください。 Page 3 of 3
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