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平成28年5月11日
生 活 文 化 局
アジア舞台芸術祭
~東京でうまれた小作品が
~
縁
シンガポール公演
を結び
アジ舞
海外公演
~
外交関係樹立 50 周年記念フェス『スーパー・ジャパン』に
アジア舞台芸術祭が参加
~
シンガポールと日本の外交関係樹立 50 周年を記念してシンガポールで開催されるフ
ェスティバル「スーパー・ジャパン」において、アジア舞台芸術祭とシンガポール国立劇
場エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイが舞台作品を共同制作し、上演します。
■作品名:『DRUMS』
■演出:中野
成樹(アジア舞台芸術祭側)
チョン・ツェシェン(エスプラネード側)
■日程:5 月 14 日(土)15:00、20:00
5 月 15 日(日)15:00
■概要
Photo Courtesy of Esplanade – Theatres on the Bay
同じテーマ(古典能『綾の鼓』・三島由紀夫)(*)をもとに、アジ舞・エスプラネード
選出の演出家がそれぞれ作品を制作し、同じステージを使用し 2 本立てで上演する。
(*)三島由紀夫『近代能楽集』に収録されている戯曲(能を現代戯曲に翻案したもの)
■経緯
2013 年のアジア舞台芸術祭に参加していたエスプラネードのプログラマーが縁とな
り実現の運びとなりました。本年 2 月にエスプラネード側の演出家チョン・ツェシェン
氏を始めとしたシンガポールチームが来日し、アジア舞台芸術祭チームとともに、能のワ
ークショップなどを行いました。アジア舞台芸術祭チームが現地入りし、共同制作及び公
演を行います。
<スーパー・ジャパン
Photo Courtesy of Esplanade – Theatres on the Bay
KPP 5iVE YEARS MONSTER WORLD TOUR
2016 in Singapore
主なプログラム>
Photo Courtesy of Esplanade – Theatres on the Bay
鼓童
(C) Sankai Juku
山海塾
<参考>
シンガポール芸術祭『スーパー・ジャパン』
○日程:5 月 13 日~22 日
○開催場所:エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ
○主なプログラム
鼓童 & HIBIKIYA: Opening Taiko Concert
きゃりーぱみゅぱみゅ–
KPP 5iVE YEARS MONSTER WORLD TOUR 2016 in Singapore
中野 成樹& チョン・ツェシェン(Chong Tze Chien) –「Drums」
Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra – Celebrating Yamaha Music Asia’s
50th Anniversary
山海塾– Meguri: Teeming Sea, Tranquil Land
上妻 宏光– Shamisen Session 他、多数
○スーパー・ジャパン web サイト
https://www.esplanade.com/festivals-and-series/super-japan-japanese-festival-of-arts/2016
~
シンガポール最大の新聞社が選ぶ
最優秀脚本賞にノミネート
~
アジア舞台芸術祭からうまれた作品が、シンガポール最大の新聞社が選ぶ「ザ・スト
レーツ・タイムズ・ライフ・シアター・アワード」の最優秀脚本賞にノミネートされまし
た。
■作品名:「うえる/SEED」
■演出:チョン・ツェシェン/シンガポール
■作品制作経緯:
2013 年
アジア舞台芸術祭のワークショップ制作
の中で 15 分程度の小作品として誕生
2014 年
アジア舞台芸術祭 2014 で、小作品を
フルサイズ化し好評を得る
2015 年
シンガポールにて公演
■参考記事URL
http://www.straitstimes.com/lifestyle/arts/fresh-look-at-history
※2 別添「THE STRAITS TIMES」の記事より(東京都生活文化局にて翻訳)参照
※1
アジア舞台芸術祭 プロデューサー
宮城聰(みやぎ
さとし)
SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督
1959 年東京生まれ。演出家。東京大学で小田島雄志・渡辺守章・
日高八郎各師から演劇論を学び、90 年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な
公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や
様式性を融合させた演出は国内外から高い評価を得ている。2007 年 4
月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現
代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、また、静岡の青少年に向け
撮影:新良太
た新たな事業を展開し、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14 年 7 月アヴィニョ
ン演劇祭から招聘されブルボン石切場にて「マハーバーラタ」を上演し絶賛された。そのほかの代表作に
「王女メデイア」「ペール・ギュント」など。06 年よりアジア舞台芸術祭プロデューサーをつとめる。
04 年第 3 回朝日舞台芸術賞受賞。05 年第2回アサヒビール芸術賞受賞。
※2「THE STRAITS TIMES」の記事より(東京都生活文化局にて翻訳)
『うえる』は演出家・脚本家の Chong Tze Chien の 7 回目のノミネート(最優秀オリジナル脚本賞)に
あたるわけですが、ノミネートされるにあたって Tze Chien は最初に『うえる』を制作公演した時のこと
を思い起こします。41 歳の Tze Chien は東京で、2013 年、アジア舞台芸術祭の一部として、15 分の小作
品を創り東京芸術劇場で公演することになりました。その時、Tze Chien は、作品の創作方法として、日
本人俳優と一緒に、脚本の構成を考え、作り上げていくことにしたのです。「私は難しいことがあるとわ
くわくするのです。なので、この劇は全くゼロなところから創り上げることにしました。それが、共同制
作の真髄です。しかし稽古日数は短く、1 日約 4 時間、5 日間しかありませんでした」他にも難しいこと
はありました。Tze Chien は日本語が話せないのです。俳優のうち 2 名が通訳をしてくれました。「ラン
ゲージバリアはありましたが、私たちには共通の“演劇言語”がありましたから、お互いを理解すること
はできました。俳優たちは、私がこの劇を通して何を伝えたいのか、すぐにわかってくれました」アジア
舞台芸術祭のその年のテーマは「米」でした。出演者から、自分たちにまつわる愛、死、性、命、家族に
ついての事実に基づいたストーリーを引き出し、その中には 2011 年の福島の事故が中心になるものもあ
りました。
この作品を構成していくにあたり、溢れるほどのストーリーが引き出され、翌年、フルサイズの作品
に発展し、去年また同じ出演者で再演されることになりました。Tze Chien は「これが演劇制作のあるべ
き姿だと思うのです。まるでワインのようで、時間が経つほど、味わい深いものになっていくのです。時
間のおかげで、3 年連続して引っ張っていくことができたわけです」。独身の Tze Chien にとって、今年
も日本への愛情は薄れません。今、日本人作家、三島由紀夫の『綾の鼓』の演出に取り組んでおり、エス
プラネードのスーパージャパンにて、来月発表します。日本人演出家の中野成樹氏も、同じ題材の作品を
演出し、2 本立てで同時上演されます。彼は言います。「このような経験を通して、日本の方々と自分の
手法をシェアし、シンガポールとは何かと考える機会を与えられ、私は自分自身に向き合い、自分をより
深く理解することができました。また、母国シンガポールを再発見したような気持ちにもなりました」。