FX Weekly(2016年5月13日)

FX Weekly
平成 28(2016)年 5 月 13 日
GLOBAL MARKETS RESEARCH
チーフアナリスト
内田 稔
三菱東京 UFJ 銀行
A member of MUFG, a global financial group
Table of contents
1
今週のトピックス
2
来週の相場見通し
3
来週の経済指標・イベント
4
マーケットカレンダー
1. 今週のトピックス
(1) 台頭する為替介入への警戒とその効果
チーフアナリスト
(2) 米国金融政策
内田 稔
様子見モードの次は?
シニアマーケットエコノミスト
鈴木 敏之
2. 来週の相場見通し
(1) ドル円:日米の金融政策見極めへ
予想レンジ
107.00 ~ 110.00
(2) ユーロ:新規材料難から横這い推移を予想
予想レンジ
対ドル:
1.1250 ~ 1.1550
対円:
122.00 ~ 126.00
(3) 豪ドル:利下げ観測が豪ドル相場の重石に
予想レンジ
対ドル:
0.7100 ~ 0.7400
対円:
77.00 ~ 81.00
(4) 人民元:不確実性の高まりが上値を抑えよう
予想レンジ
対ドル: 6.4900 ~ 6.5600
対円:
1
FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
16.40 ~ 16.90
(1) 台頭する為替介入への警戒とその効果
踏み込んだ円高けん制
発言
本邦大型連休の最中、ドル円相場は一時 105 円 55 銭まで下落す
るなど、4 月末の日本銀行(日銀)による金融緩和見送りを受けた
失望から下値不安が高まった。この動きに対し、今週に入ってから
麻生財務大臣は、「介入する用意がある」、「(後述する米財務省
の為替報告書を受け)日本の為替政策が制約されることはない」な
どと発言。為替介入の可能性を示唆するなど、これまでよりもさら
に踏み込んだ円高けん制発言を繰り返している。また、安倍首相も、
「注意深く動向をみて必要に応じて対応する」などと発言。国際的
にみると、大統領や首相などが、為替相場の動向に言及するのは極
めて異例と言える。しかし、かねて指摘の通り、安倍政権のデフレ
脱却の取り組みの一つは、金融緩和の強化による円高の是正であり、
政府による円高への警戒姿勢も極めて強いとみられる。市場では、
こうした発言から介入警戒感が台頭。過去最大規模の円ロング(投
機筋の円買い)の持ち高が一旦調整(円売り)を迫られたと考えら
れる(第 1 図)。この為、今週のドル円は、じり高に推移し、109
円台を回復。今後も、為替介入に対する警戒感が、ドル円の一定の
下支え役として機能する可能性があるだろう。
第 1 図:投機筋の円の持ち高(買いから売りを引いたネット)
(枚)
100000
円ロング
(円高期待)
50000
0
-50000
-100000
-150000
円ショート
(円安期待)
-200000
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(資料)米 CFTC より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
厳しさ増すおそれのあ
る国際社会の視線
2
一方、ドル円相場の水準についてみると、昨年末時点での購買力
平価が概ね 103 円(IMF試算)から 106 円程度(OECD試算)と
なっており、足もとの水準で本邦が為替介入に踏み切った場合、国
際社会の視線は厳しいものとなる可能性がある(第 2 図)。もとよ
り、80 円割れから 120 円超えに至るドル高円安を、日本は国内経
済(デフレ脱却)を目的とした金融緩和の結果であって、為替相場
水準を目的としていないとの説明を繰り返してきた。この為、為替
介入に踏み切ると、これまでの金融緩和も結局のところ通貨安を企
図したものという疑念の目を国際社会から向けられかねないという
わけだ。通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために
為替レートを目標としないといったことを確認した 20 ヶ国財務大
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
臣・中央銀行総裁会議の声明などを踏まえると、総じて為替介入へ
の風当たりは強いと言えそうだ。また、ここにきて目立つのが円相
場の動向を巡る日米間の温度差だ。本邦が急激な円高への警戒を強
めているにもかかわらず、ルー財務長官は、昨今の円高にも言及し
た上で、為替市場の動向を秩序だったものと繰り返している。
第 2 図:相対的購買力平価と実際のドル円相場
(円)
320
ドル円
300
OECD算出PPP
280
IMF算出PPP
260
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
73
76
79
82
85
88
91
94
97
00
03
06
09
12
15 (年)
(資料)OECD、IMF、Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
2011 年 を 凌 ぐ 下 落
ペース?
とは言え、日銀が追加緩和を見送った 4 月 28 日から 105 円 55 銭
まで下落した 5 月 3 日までに限ると、その間のドル円の最大の下げ
幅は 4 日で 6 円以上。一日当りの下げ幅は、G7 による協調円売り
介入を呼び込んだ 2011 年 3 月の本邦震災後のそれを凌ぐもの(第
3 表)。今後、同様の相場急変時に本邦通貨当局が為替介入に踏み
切る可能性は当然ながらゼロではないだろう。ただ、重要なのは本
邦通貨当局がいかなる政治判断を下すかより、仮に為替介入がある
と仮定し、その場合の相場への影響度合いを予め推し測っておくこ
とだろう。
第 3 表:円高局面の比較
震災後の動き
4/28 以降の急落
起点となる高値
83.17(11/3/10)
111.90(16/4/28)
ピーク時の安値
76.25(11/3/17)
105.55(16/5/3)
下落幅(円)
6.92
6.35
下落率(%)
8.3
5.7
要した営業日数(日)
5日
4日
1 営業日当りの下げ幅
約 1 円 38 銭
約 1 円 59 銭
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
2011 年の大規模介入
には一定の効果
3
そこで重要なのは、為替介入の規模感だ。当然ながら規模(金額)
が大きくなるほど、その威力は増す。ただ、問題となるのが 4 月
29 日に米国財務省が公表した半年次の為替報告書。これは、為替
相場を操作するなどして、米国に不利益をもたらしている国や地域
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
がないか米財務省が定期的(原則 4 月と 10 月)に議会に報告して
いるものだ。今年から、「貿易円滑化・貿易執行法」に基づき、新
たに監視リストが設定され、日本は、中国、韓国、台湾、ドイツと
並び、ここに挙げられた。これらの国は、今後、米財務省が掲げる
3 つの条件(第 4 表)全てに抵触した場合、米国から二国間協議を
通じた是正を求められる。場合によっては、輸入関税率の引き上げ
といった制裁措置が講じられる可能性がある。
第 4 表:米財務省が掲げる 3 つの条件
条件①
条件②
条件③
対米貿易黒字額
経常黒字額
外貨買い為替介入額
抵触基準
200 億ドル
GDP 比 3%
GDP 比 2%(過去 1 年)
昨年の日本の実績
約 686 億ドル
約 3.3%
実績なし
項目
(資料)米財務省、Bloomberg などより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
この内、日本が残る「条件③」への抵触を回避しようとするなら、
為替介入を実施する場合も、向こう 1 年間での介入額を約 10 兆円
(昨年の名目GDP499.1 兆円×2%)に抑える必要がある。この 10
兆円規模の為替介入のインパクトとして、日本が最後に実施した為
替介入がヒントとなろう。ドル円相場は、2011 年 10 月 31 日に 75
円 32 銭と戦後史上最安値まで下落。これに対し、本邦は祝日
(11/3)を含む 5 日間にわたって合計 9 兆 917 億円もの円売り為替
介入を実施。特に、その初日の 10/31 だけで 8 兆円を超える大規模
介入に踏み切った。因みにそれ以前の 1 日当りの介入最高額は同年
8 月 4 日の約 4.5 兆円であるからいかに強い覚悟で臨んだ介入で
あったのかがうかがえよう。実際、ドル円相場は 10/31 に 79 円台
まで 4 円以上も急騰。その後、徐々に失速し、同月中に早くも 76
円台まで下落したが、その後も強い介入警戒感が持続。為替介入が
その後のドル円続落を阻んだとも映る。つまり、約 9 兆円の為替介
入は、相場トレンドの反転こそもたらさなかったが、一定の成果を
上げたとの見方も成り立とう(第 5 図)。尚、年が明けた 2012 年
2 月以降のドル円上昇は、いわゆる日銀のバレンタイン緩和による
ものであって、当該為替介入との因果関係は希薄とみられる。
第 5 図:2011 年 9 月から 2012 年 2 月までのドル円相場の値動き
(円)
83
8兆722億円(10/31)
82
2826億円(11/1)
81
2279億円(11/2)
80
2028億円(11/3)
79
3062億円(11/4)、5営業日計9兆917億円
78
77
76
75
74
11/9
11/10
11/11
11/12
12/1
(資料)Bloomberg、日銀より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
4
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
12/2
(年/月)
当時と異なる環境
もっとも、当時と現在のドル円を取り巻く環境は、残念ながら少
なくとも以下の四つの点において異なっていると言わざるを得ない。
① 本邦の経常収支の
構造
まず一点目は、日本の経常収支の構造である。当時の日本では、
震災を経て既に貿易収支が赤字転し、経常黒字が縮小傾向を辿るな
ど、円高圧力が既に後退していたとみられる(第 6 図)。この為、
為替介入によって円高圧力を抑制するためには、基本的に投機筋の
戦意を削ぐだけで十分であったと言えよう。翻って足元では本邦の
経常収支黒字が年間 16.3 兆円(15 年暦年実績)まで拡大しており、
震災以前の規模を完全に回復した。つまり、為替介入によって、投
機筋の円高期待を削ぐことに成功した場合も、経常黒字から生じる
円高圧力は残るということだ。その点、為替介入を契機に円高トレ
ンドが転換するとすれば、そのカギを握るのは本邦の投資家だろう。
彼らが、為替介入を機に、一段の円高が進む可能性を低いと判断。
現在、為替ヘッジ付きが主流と考えられる対外証券投資の内、中長
期債に関し、オープン化ないしはヘッジ比率の引き下げ(いずれも
円売り要因)を活発化すると、介入による円売りに次ぐ二段目のロ
ケットに点火することとなるだろう。
第 6 図:本邦の月次経常収支の推移
(兆円)
3
2
11年の当該介入局面
1
0
-1
-2
経常移転収支
所得収支
サービス収支
貿易収支
経常収支
-3
10
11
12
13
14
15
16 (年)
(資料)財務省より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
② 円相場の水準
5
当時との二点目の違いは、円相場の水準だ。当時のドル円相場は
名目でみて史上最安値(円の最高値)。実質実効相場でみてもやは
り相応の円高圏に位置していた(第 7 図)。この為、為替介入が効
果を発揮しやすかったとも言えよう。一方、足元でみるとドル円相
場はまだ史上最安値 75 円 32 銭と昨年 6 月高値 125 円 86 銭までの
上昇幅、50 円 54 銭の半分以上を残している。実質実効相場でみて
も、漸く円が史上最安値圏を脱した程度となっている。冷静になっ
てみれば、ペースを除き、行き過ぎた円高とみるべき水準かどうか
議論の余地を残す。こうした水準を踏まえると、仮に介入をみた後
も、市場の円高方向へのセンチメントが、前回ほど萎えるか不確実
性が高い。
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
第 7 図:1995 年以降の日本円の実質実効相場(※)
160
円高
(輸出競争力は弱い)
150
140
130
120
110
100
90
80
円安
(輸出競争力は強い)
70
60
95
97
99
01
03
05
07
09
11
13
15
(年)
(資料)BIS より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(※)実効相場は、特定の 2 国間の為替レートだけではとらえられない相対的な通貨の実力を計るための総合的な指標。特
に、実質実効相場は、対象となるすべての通貨と日本円との間の 2 国間為替レートを、貿易額などで計った相対的な重要度
でウェート付けして算出。また、各国とのインフレ率の格差も勘案しており、輸出競争力の強弱を表す(日銀などより記載)。
③ 円高トレンドの持
続期間
三点目の違いは、円高方向に向かう相場の持続期間だ。当時の円
高は、124 円 14 銭を記録した 2007 年 6 月を起点とすると、既にド
ル円の下落トレンドが始まってから 5 年目に突入。そろそろトレン
ド転換が訪れてもさほど不思議ではないタイミングと大規模介入の
実施時期が重なったと言えよう。一方、足もとの下落は、125 円 86
銭を記録した昨年 6 月を起点としてもまだ 1 年未満と非常に若く、
それだけに下攻めのエネルギーを溜め込んでいる可能性が高い。為
替介入が実施された場合、当初こそそれに怯み、円安に振れた場合
も、その後、改めて果敢に為替介入に立ち向かっていくといった市
場センチメントが醸成される可能性に留意が必要だろう(第 8 図)。
第 8 図:2007 年以降のドル円相場
(円)
130
125.86(15/6/5)
(4年5ヶ月目)
124.14(07/6/22)
120
110
100
90
80
75.32(11/10/31)
70
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
④ 為替介入の持続性
6
そして最後の違いは為替介入の持続性に対する市場の思惑だ。
2011 年当時は、公表された介入実績より、8 兆円を超える金額を目
の当たりにし、自然と継続的な大規模介入へ身構える必要があった
と言えよう。一方、今回は先の米為替報告書を踏まえ、本邦の介入
は実施されても上限が向こう 1 年で約 10 兆円と市場がタカをく
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
くってしまうと、為替介入によって跳ね上がったところは絶好の売
り場としか映らない。そうなれば、為替介入の効果や持続性が極め
て限定的なものにとどまる可能性がある。
根強いドル円下押し圧
力は続く公算が大きい
以上のような点を踏まえると、仮に今後、為替介入があった場合
も、ドル円続落を阻む効果は前回に比べて劣る可能性が低くない。
目下のところ日本の期待インフレ率が、日銀の期待に反して伸び悩
み、円の実質金利の高止まりが続く。経常収支も黒字基調を維持す
るなど本邦要因による円高材料は多い。加えて、米国についても、
6 月を含め、正常化(利上げ)プロセスに対する不確実性が高く、
ドル高の勢いは乏しい。そもそも世界的な低成長下、米国の利上げ
は市場の緊張を高め、かえって円高圧力を強めるおそれがある。こ
の為、為替介入の有無にかかわらず、今後ともドル円は乱高下しな
がらも下落基調をたどる可能性が高く、十分な警戒が必要であろう。
チーフアナリスト
7
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
内田 稔
(2) 米国金融政策 様子見モードの次は?
今の Fed は、様子見
モ―ド
いつまで、それが続く
とみるかが、問題
4 月 26-27 日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)後の幹部発言
は、今後、継続的に利上げを続ける方針維持を言う一方で、次回の
6 月 14-15 日のFOMCでの利上げの有無は特定させないということ
で、ほぼ共通している。この様子見モードが変わるとすれば、6 月
14-15 日のFOMCまでの間で、その変化はいつか、その先、利上げ
を続けるという方針を保持できるものかをみておきたい。
① 弱めの経済指標の動きに継続利上げの方針は屈していない
米国の経済指標は強弱
混交だが、弱い指標が
少なくないことを侮れ
ない
市場は 6 月の利上げの可能性をほとんど見込んでいない。ここへ
きて出ている米国の経済指標にも、勢い不足を感じさせるものが少
なくない。4 月 28 日に発表された第 1 四半期のGDP成長率の事前推
定値はわずか 0.5%(前期比年率)に留まった。5 月 2 日に発表され
たISM製造業景気指数は、3 月の 51.8 から 4 月は 50.8 に低下した。
5 月 6 日に発表された 4 月の雇用統計では、非農業部門雇用者数
(NFP)の前月比増加数は 16.0 万人(160K)という弱い数字で
あった。5 月 9 日に発表された労働市場の情勢をとらえる指数
LMCIは、4 月が▲0.9 で、前月の▲2.1 より改善したが、それでもマ
イナス圏で推移が続いていた。4 月の自動車販売は年率 17.32 百万
台で、前月の 16.46 百万台より増えたが、これは、イースター休暇
の影響による増減分が含まれている。3 月と 4 月を平均すると、
16.89 百万台で 1 月の 17.46 百万台、2 月の 17.43 百万台に及ばない。
一方で、強い方向の指標も出ている。5 月 4 日発表の非製造業
ISM景気指数は、3 月の 54.5 から 4 月は 55.7 に改善している。雇用
統計でみても、失業率は小数点以下第 3 位までみるとわずかに低下
し、広義のU6 失業率は前月の 9.8%から 4 月は 9.7%に低下した。賃
金は上昇がみえ、労働需給の引き締まりを示している。
最近の指標は強弱混交(ミックス)といえるが、この通り、弱い
ものも少なくない。また、6 月 15 日にFOMCは政策決定を行うが、
その直後の 6 月 23 日に英国でEU離脱(Brexit)を問う国民投票が
予定されてい る。 Fed は こ の 日 程 を 気 に し て い る と こ ろ が あ る
(例:後掲のダドレー総裁のインタビュー)。それでも、Fed高官
たちの発する示唆は、従来からの(2018 年にかけて)継続的に利
上げを行う方針、今年については 2 回の利上げを行うこと、そして
6 月の利上げの可能性も排除しないというものである。Fedは、弱
めの指標の動きには屈していないことになる。
8
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
② Fed が継続的利上げの方針を保持する事情
弱い経済指標が出てい
ても Fed は利上げ継
続の方針を保持。その
事情は、①統計の歪
み、②市場の動揺の小
康回復、③小さいなが
らインフレ率上昇の動
き、④金融政策正常化
の要請
弱めの指標があっても、また、市場が利上げの可能性をみていな
くても、Fedが継続的に利上げをする方針を変えず、6 月利上げの
可能性も排除せずという事情は、次のように整理できる。
イ)弱い指標に統計の歪みがある可能性がある。第 1 四半期の
GDPは(季節調整をしていても)弱めに出る傾向が言われている。
さらに、昨年、一昨年と寒波があり、また、イースターの時期がず
れることで指標が歪んでいるかも知れない。それで経済を弱いと判
断して、それが錯誤であったとすると、下記のインフレ率が高まる
動きを放置したことになるリスクがある。
ロ)市場の動きが、年初から大きな動揺があったが、それがここ
へきておさまりだしている。このため、この先、経済状態は好転を
見込める。ニューヨーク連銀のダドレー総裁は、この動きへの注目
を言っている。
(ダドレー総裁のインタビューの掲載箇所)
http://www.nytimes.com/2016/05/10/upshot/a-fast-talk-with-new-yorks-fed-chiefand-a-view-of-a-steady-economy.html
ハ)この 4 月分の雇用統計では、賃金(平均時給)の上昇率が前
年同月比で 2.5%に高まった。失業率は、4 月に 5.0%で、完全雇用
という見方もなされるほどの低位になっている。原油価格も上昇し
だしている。それとともに市場のみる期待インフレ率の数字も、わ
ずかだが、上がりだしている。
第 1 図: 原油価格の上昇と市場のみる期待インフレ率の上昇
(ドル/バーレル)
100
(%)
3.5
3.3
80
3.1
60
2.9
40
2.7
20
2.5
0
2.3
-20
2.1
1.9
-40
1.7
-60
-80
1.5
01/01
03/01
05/01
07/01
09/01
11/01
13/01
FRBの示す5年から先5年のブレークイーブンインフレ率 〈左目盛〉
原油価格(前年同月比) 〈右目盛〉
15/01
(年/月)
(資料)FRB、ブルームバーグ収録のデータにより三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
インフレ率の指標でみても、消費者物価コア指数の前年同月比上
昇率は 2.2%と 2%を超えている。やはり、後手にまわる(Behind
The Curve)のリスクは侮れないというのが、中央銀行の良識であ
ろう。
9
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
ニ)何よりも金融政策の正常化を進めるという大方針を保持しな
くてはならない。確かに、量的緩和の拡大は解除し(Tapering)、
昨年 12 月に利上げを行ったが、それでも、Fedは強い緩和を続けて
いる。Fedのバランスシート規模は 4.5 兆ドルを維持している。FF
金利は、歴史的にみれば超低位である。先行きの期待形成の誘導も
中立のFF金利レベルに戻すまで長い時間がかかるとみている。強烈
な金融緩和は、100 年に一度あるかないかの危機的事態への緊急対
応の手段であった。平時にこれを続けることは、二つの問題がある。
この強烈な緩和が、どこかで金融不均衡(バブル)を膨らませる不
健全な金融行動をさせている場合、その不均衡が露呈したときにバ
ブル破裂の調整になりかねない問題である。また、何かの要因で経
済活動が鈍化しだしたときに、金融緩和で対処する手段が制約され
る(弾薬庫が空になっている)問題も侮れない。
③ 6 月の FOMC までに様子見モードを修正する時期
いつ、様子見モードが
修正されるかでは、5
月 27 日の第 1 四半期
の GDP 改訂が注目さ
れる
Fedは、FOMC後に出した経済見通し(SEP)で、年 2 回の利上げ
の方針を示している。公言はされなくても、年後半は大統領選挙の
日程があることが利上げを制約することも勘案すると、6 月 14-15
日のFOMCでは、とりあえず、様子見モードというわけには行かな
い。
第 2 表:大統領選挙の今後の主要日程
日付
日程
7/18 – 21
共和党全国大会
7/25 – 28
民主党全国大会
9/26
第1回
TV討論
10/9
第2回
TV討論
10/19
第3回
TV討論
11/8
大統領選挙本選
1/20 (2017 年)
大統領就任式
(資料)報道などにより三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
それでは、様子見モードの軌道修正はいつか? 5 月 18 日に公
表される前回のFOMC議事要旨発表はひとつの注意イベントである。
それ以上に注目の要るのが、5 月 27 日の第 1 四半期のGDPの改訂値
の発表である。アトランタ連銀の発表しているGDP Nowは、第 2
四半期の推計を 2.2%と高めの数字を示している。このGDP Nowは
前期のGDPの改訂で大きめに動く。第 1 四半期の数字が歪んでいて、
第 2 四半期の数字と均してどうかの目処がつくのが、5 月 27 日の
GDPの改訂からである。また、この日からニューヨーク連銀の公表
するNowcastが、第 3 四半期の推計を示し始める予定である。これ
で、米国経済の当座の姿が見え始めることになろう。
10 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
(アトランタ連銀
GDP Nowの掲載箇所)
https://www.frbatlanta.org/cqer/research/gdpnow.aspx#gdpnow.aspx?panel=1
(ニューヨーク連銀
Nowcastの掲載箇所)
https://www.newyorkfed.org/research/policy/nowcast.html
第 3 図: GDP Now による経済成長率の推計の推移
(%)
4.5
2016年第2四半期を、アトラ
ンタ連銀のGDP Nowは
2.2%と推計している
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
15年第1四半期の成長率推計
15年第4四半期の成長率推計
発表された事前推定値
15年第2四半期の成長率推計
16年第1四半期の成長率推計
16年第2四半期の成長率推計
15年第3四半期の成長率推計
FOMCのみる潜在成長率
(年/月)
(資料)アトランタ連銀のデータにより三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
その後、6 月 1 日に、ISM製造業景気指数、地区連銀景況報告の
発表があり、そして 6 月 3 日の雇用統計を経ると、年初がソフト
パッチで、それを抜けているかどうかの目鼻がつくようになる。
④ Fed は、利上げに進むか?
紆余曲折、周囲の期待
の高まりは予想される
が、イエレン FRB 議
長は慎重。実際に利上
げには動かず、結局様
子見が続きそう
今、市場は 6 月利上げを見込んでいない。FOMCの決定が 15 日
であり、直後の 6 月 23 日に英国でEU離脱(Brexit)を問う国民投
票があることが気にされている。
したがって、現実的には最速で、6 月 15 日のFOMC声明で次回の
利上げ検討を告知し、6 月 23 日のBrexitのイベントの通過で混乱な
しを確認して、7 月 26-27 日利上げということになろう。次回の
FOMCの決定は、その前のFOMCで示唆するものとすることが多々
ある。7 月 26-27 日の利上げであれば、6 月のFOMC会合で、その示
唆ができる。
また、それを逃すと、大統領選挙の接近で動き難い時間帯に入り、
年 2 回の利上げは、いよいよ無理と見込まれてしまう。
それでは、その手順で 7 月 26-27 日に利上げに進むことは可能で
あろうか? 可能性はあるが、容易ではないだろう。景気拡大が
ピークを過ぎていそうである。雇用も鈍ってきそうな様子が見える。
利上げがドル高を引き起こすことが米国の企業収益、そして経済を
圧迫する問題があるし、新興国経済からの資金流出を誘発するかも
知れない。昨年みた通り、イエレンFRB議長は相当に慎重である。
周囲から利上げの話題が出ても、結局、イエレンFRB議長は、様子
見を続けてしまうのではないだろうか。
11 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
第 4 図:労働市場情勢指数(LMCI)は、雇用増加の減速を示唆
(前年比、%)
4
20
3
10
2
0
1
0
-10
-1
LMCI 3月‐2.1
4月‐0.9
-2
-3
-20
-30
-4
-40
-5
-6
95/01
97/01
99/01
01/01
03/01
05/01
07/01
09/01
非農業部門雇用者数の前年同月比 伸び率 〈左目盛〉
11/01
13/01
-50
15/01
(年/月)
LMCI 〈右目盛〉
(資料)米労働省、FRB のデータにより三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
シニアマーケットエコノミスト
12 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
鈴木 敏之
(1) ドル円:日米の金融政策見極めへ
今週のレビュー
ドル円、円高けん制発
言受け、109 円台を回
復部の報道受け、110
円台回復
今週のドル円相場は、107 円 36 銭で寄り付いた(日本時間 9 時)。
事前の予想をやや下回る前週末の米雇用統計(4 月分)の余韻から、
朝方は 106 円台で推移する時間帯もみられたが、ドル円はその後じ
り高に推移。麻生財務大臣による「為替が急激に変動した場合には
介入する用意がある」とする踏み込んだ円高けん制発言が意識され
たとの指摘もきかれた。市場では、円買いの持ち高が積み上がって
いたとみられ、こうした発言を受けたその取り崩しに伴う円売り圧
力が強まったと考えられる。加えて、今週は、日銀の黒田総裁が国
会答弁などにおいて、「2%の物価上昇実現に必要なら躊躇なく 3
次元緩和を行なう」、「会合毎に点検していく」と発言するなど、
常に臨戦態勢で望んでいる姿勢を示した。このほかにも、今週は、
原油先物相場が小じっかりと推移。市場の緊張がいく分和らいだこ
とも、ドル円を下支えした面があったであろう。ドル円は、これと
いって目だった材料もみられない中、109 円台半ばまで値を戻した
(本稿執筆時点での週間高値は 12 日の 109.40)。もっとも、4 月
22 日の一部報道を受けた日銀への追加緩和観測からドル円が 109
円台から 111 円台後半まで急伸した局面を除けば、ドル円は 110 円
台から既に 1 ヶ月以上も遠ざかっている。このため、ドル円の上値
は次第に重くなると小反落し、週末 13 日の日本時間には 108 円台
後半で推移するなど冴えない値動きとなっている。
第 1 図: ドル円相場
(円)
110.0
↑円安
109.0
108.0
107.0
106.0
↓円高
5/9
5/10
5/11
5/12
5/13
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
大きくは動きにくい。
本 邦 GDP 統 計 と 米
CPI に注目か
ドル円相場には、依然として本邦での実質金利の高止まりや経常
黒字などに伴う円高圧力が効いているとみられる。米国の正常化
(利上げ)プロセスに対する不確実性の台頭を反映し、ドル高にも
勢いはみられていない。当面の間、ドル円下落に対する警戒を怠る
べきではないだろう。とは言え、高水準に積み上がった円買いの持
ち高と、本邦当局による踏み込んだ円高けん制発言を前に、しばら
くは下攻めも迫力を欠いたものとなりそうだ。6 月の来週のドル円
相場も 108 円台を中心にもみ合うと予想する。尚、主だった経済指
標として、本邦では来週 18 日に、第 1 四半期の実質GDPが発表さ
れる。かねてより安倍首相は、この数値をみて消費税延期の是非を
最終判断するとも言われており、その結果が注目される(事前予想
は前期比年率換算プラス 0.3%程度)。とは言え、市場では、既に
13 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
消費税延期との見方がコンセンサスになりつつあり、延期決定によ
る相場への影響は限定されよう。
一方、米国では発表される経済指標の内、消費者物価指数の伸び
が注目される。事前予想を上回る伸びを記録すると、限りなくゼロ
に近づきつつある 6 月利上げの可能性が改めて意識されそうだ。そ
の場合、幅広い通貨に対し、ドルの上昇が見込まれる。但し、足も
とでは物価上昇の勢いも鈍化。また、利上げの可能性が意識される
場合、米国の株式相場が軟化する公算が大きく、それは円買いを誘
発する可能性が高い。従って、仮にドルが上がっても、ドル円とい
う通貨ペアだけは異なる動き(即ち下落)を辿ると考えられる。
第 2 図:米消費者物価指数(前年比)
(%)
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
全品目
除く食品・エネルギー
0.5
0.0
-0.5
-1.0
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
予想レンジ
ドル円:107.00 ~ 110.00
チーフアナリスト
14 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
内田 稔
(2) ユーロ:新規材料難から横這い推移を予想
今週のレビュー
今週のユーロドル相場は、横這い推移した(第 1 図)。
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
1.150
↑ユーロ高
1.145
1.140
1.135
1.130
1.125
↓ユーロ安
1.120
5/9
5/10
5/11
5/12
5/13
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
ユーロドルは、週初に 1.13 ドル台後半で寄り付いた後は、横這
い推移した。11 日に、①米 10 年国債入札の良好な結果を受けて米
国債利回りが低下したことや、②ウォルトデズニーや百貨店大手
メーシーズ等の消費関連株における業績悪化懸念から米主要株価指
数が大きく下落して、リスク回避姿勢がやや高まったことなどから、
ユーロドルは 1.1447 まで幾分上昇した程度。12 日には、米主要株
価指数の反発から、ユーロドルは 1.1371 に戻っている。
総じてみれば、ユーロドルは横這い推移した。ユーロ円は円売り
を受けて 124 円台半ばに上昇した。
来週の見通し
来週は、ユーロ圏 3 月貿易収支(4/17)等の経済指標が発表され
る程度。ユーロ圏景気指標は原油安や物価下落による実質購買力の
拡大を受けた個人消費の増加、ユーロ安を受けた輸出の持ち直しか
ら、ユーロ圏景気の着実な持ち直しを示す良好な結果となろう。
ユーロ圏 1Q実質GDPは 12 期連続で増加し、リーマンショック前の
水準に到達した(第 2 図)。
しかし、ユーロ圏景気はデフレギャップ(実際のGDPが潜在GDP
を下回る幅)が引き続き大きい上に、消費者物価指数(HICP)は
前年比マイナスで推移することが見込まれる。ユーロ圏 4 月HICP
は前年比▲0.2%とマイナス幅を幾分拡大した(3 月同+▲0.1%)
(第 3 図)。ECBは金融緩和を続けて行こう。
15 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
第 2 図 :ユーロ圏実質 GDP
第 3 図:ユーロ圏消費者物価指数(前年比)
(2008年1Q=100)
(%)
4
105
3
2
100
1
95
0
90
-1
08/3
09/3
10/3
ユーロ圏
11/3
ドイツ
12/3
フランス
13/3
イタリア
14/3
15/3
スペイン
(資料)Eurostat より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
16/3
(年/月)
08/1
09/1
10/1
コアHICP
11/1
食料品等
12/1
13/1
エネルギー
14/1
15/1
ユーロ圏HICP
16/1
(年/月)
(資料)Eurostat より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
4 月ECB理事会の記者会見で、ドラギECB総裁はマイナス金利に
ついて「銀行収益を傷めていない」との見方を示した。その後、
クーレECB理事も「マイナス金利が銀行とその収益力という経路を
通じてマーケットメーカーに大きな悪影響を与えている兆候は、ま
だ見えない」と発言している。19 日の 4 月ECB理事会議事要旨では、
マイナス金利政策に対する銀行収益への影響や副作用に関する議論
が注目される。
米国では、4 月FOMC声明を受けて利上げ期待が大きく後退して
いる。米 4 月住宅着工件数(4/17)や米 4 月中古住宅販売(4/20)、
4 月FOMC議事要旨(4/18)等が注目される。
来週のユーロドルは新規材料に乏しいことなどから横這い推移し
よう。
予想レンジ
ユーロドル:1.1250 ~ 1.1550
ユーロ円:122.00 ~ 126.00
シニアアナリスト
16 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
天達 泰章
(3) 豪ドル:利下げ観測が豪ドル相場の重石に
今週の豪ドル相場は、週初 0.7356 で寄り付くも、追加利下げ観
測の高まりを背景に軟化。鉄鉱石価格の急落も重石となる中、5/10
には、0.73 付近まで下落した。しかし、豪州の主要株価指数が堅調
に推移すると、豪ドルも反発。5/11 には、高値となる 0.7403 を記
録した。もっとも、同水準では上値も重く、週後半には再び軟化。
0.73 の大台を割り込むと、週末には、約 2 ヶ月ぶりとなる安値
0.7286 を記録している(第 1 図)。一方、対円相場は、週初に安値
78.66 を示現するも、その後はドル円に連れて上昇。5/11 には、高
値となる 80.65 を記録した。しかし、同水準では上値も重く、週後
半に再び下落。本稿執筆時点では、79 円台前半にて推移している。
今週のレビュー
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
0.745
↑豪ドル高
0.740
0.735
0.730
0.725
↓豪ドル安
0.720
5/9
5/10
5/11
5/12
5/13
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
豪州を巡っては、足許で 2 つのサプライズに直面している。一つ
は、オーストラリア準備銀行(以下、RBA)による政策金利の引き
下げ(5/3、第 2 図)、二つ目は、四半期報告でのインフレ見通し
の下方修正だ(5/6)。市場ではこれらがサプライズとなり、豪ド
ルは、わずか 2 週間で約 500 ポイント急落している。利下げの背景
には、①物価上昇圧力の鈍化や、②豪ドル高に対する牽制が挙げら
れる。事実、4/27 に発表された消費者物価指数では、インフレ率、
トリム平均値共にインフレターゲットの下限(2%)を下回る冴え
ない結果となった(第 3 図)。また、4 月半ばの急激な豪ドル高も、
利下げに踏み切った一因と見られる。実際、当局は、豪ドル高に対
する牽制を強めており、声明文でも「通貨高は進行中の経済調整を
複雑化する」と、豪ドル高に対する警戒感を滲ませた。
来週の見通し
第 2 図 : 政策金利と豪ドル相場の推移
第 3 図 : 消費者物価指数の推移
(%)
(米ドル)
8.00
1.20
政策金利(左目盛)
(前年比%)
6.0
住宅関連
レジャー、教養
教育
保険、金融サービス
トリム平均値
豪ドル相場(右目盛)
7.00
1.10
6.00
1.00
5.0
アルコール、タバコ
保険、衛生
家具、家庭用品
通信
食品、ノンアルコール飲料
輸送
衣料関連
CPI
4.0
RBAインフレターゲット
3.0
5.00
0.90
4.00
0.80
3.00
0.70
2.00
0.60
(1.0)
1.00
0.50
(2.0)
2.0
1.0
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(資料)RBA、Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
17 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
0.0
11
12
13
14
15
(資料)ABS より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
16
(年)
加えて、6 日に発表された四半期報告では、インフレ見通しの大
幅な下方修正が発表された(第 4 図)。RBAが重視する基調インフ
レ率(トリム平均値と加重中央値の平均値)の見通しは、年内 1~
2%へと下方修正され、低インフレ環境の長期化が示唆された。市
場ではこれが第 2 のサプライズとなり、豪州債利回りが急低下。追
加利下げ観測が高まる中、8 月定例理事会での追加利下げの織り込
み度合いは、足許で約 8 割前後まで急騰している。
第 4 図 : 四半期報告での基調インフレ見通しの変遷
2016 年 12 月
2017 年 6 月
2017 年 12 月
2018 年 6 月
2015 年 11 月公表時
2.00-3.00
2.00-3.00
2.00-3.00
-
2016 年 02 月公表時
2.00-3.00
2.00-3.00
2.00-3.00
2.00-3.00
今回(2016 年 5 月時)
1.00-2.00
1.50-2.50
1.50-2.50
1.50-2.50
(資料)RBA より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
また、住宅価格の伸び率鈍化も、利下げ観測を高める材料となっ
ている。住宅価格の高騰が、これまで、追加利下げを阻む要因の一
つと見られてきたが、融資基準の厳格化を背景に、住宅価格の高騰
はひとまず沈静化。直近声明文でも、「住宅価格の上昇圧力は弱ま
りつつある」「住宅市場にもたらす利下げのリスクは、1 年前と比
べて小さくなった」との認識が示された。また、同国の主要輸出品
である鉄鉱石価格の急落も、豪ドル相場の重石となっている。鉄鉱
石価格は 2 月以降、上昇基調を辿ってきたが、中国が投機マネーの
流入を抑える施策を打ち出した事から、足許で急反落。交易条件の
悪化が意識される中、豪州の実体経済への波及も警戒されよう。
以上の通り、豪州を巡っては依然として不透明感が根強く、RBA
は当面、緩和的な金融政策を続ける公算が大きい。市場では、徐々
に豪ドル高期待が剥落しており、約 3 年ぶり高水準へと積み上がっ
ているIMM通貨先物市場での投機筋の豪ドルロング(買い持ち超)
の巻き戻しに、警戒が集まる。来週は、5/18 の賃金指数、5/19 の雇
用統計が注目されるものの、総じて上値の重い展開を予想する。状
況次第では、豪ドルが一段と下落する可能性もあり、下値リスクに
警戒が必要だ。
予想レンジ
対ドル:0.7100 ~ 0.7400
対円:77.00 ~ 81.00
アナリスト
18 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
藤瀬 秀平
(4) 人民元:不確実性の高まりが上値を抑えよう
今週のレビュー
今週のオンショア人民元(CNY)は、6.4950 で寄り付いた。冴え
ない輸出入統計を背景に、元売り圧力が強まる中、CNYは週初より
軟調に推移。中国の株価指数の下落も重石となると、5/10 には、約
2 ヶ月ぶりとなる安値 6.5233 を記録した。翌 5/11 には、米国の株
価指数の下落を受けたドル売りを背景に、一時高値となる 6.4908
まで上昇するも、同水準では上値も重く、その後急反落。本稿執筆
時点では 6.52 台前半まで軟化し、そのまま、安値圏で越週しそう
だ。一方、オフショア人民元(CNH)は、週初に高値 6.5104 を示
現するも、その後は、中国を巡る不透明感の高まりを背景に軟化。
週末 5/13 には、約 2 ヶ月ぶり安値 6.5548 を記録し、同水準にて越
週する見通しだ(第 1 図)。
第 1 図 :人民元相場と対ドル基準値の推移
(人民元)
6.80
対ドル基準値
6.70
オンショア人民元相場
6.60
オフショア人民元相場
6.50
6.40
6.30
6.20
6.10
6.00
15/01
15/03
15/05
15/07
15/09
15/11
16/01
16/03
16/05
(年/月)
(資料) 中国人民銀行、Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
中国では全人代閉幕以降、良好な経済指標が続いてきたが、今般
発表された貿易統計では、輸出入共に冴えない結果が示された(第
2 図)。また、インフレ指標の予想外の上昇を背景に(第 3 図)、
当局による(景気下支えを目的とした)追加緩和へのハードルも高
まる等、中国を巡る不確実性が、足許で一段と高まってきている。
加えて、過剰流動性を背景に資金が流れ込んでいた商品先物市場や
社債市場にも、足許で巻き戻しの動きが見られる等、相場急落の可
能性が警戒される。こうした中、中国の株価指数は軟調に推移し、
上海総合指数は 5/12、約 2 ヶ月ぶり安値を記録している。
国内から国外への資本流出の動きは、当局による資本規制(個人
の外貨両替規制の厳格化や、窓口指導を通じた企業の外貨買い制限、
オフショアへの資金移動制限など)の強化を背景に、2 月以降、急
速に減退してきた。外貨準備の減少にも歯止めがかかり、足許では
残高が増加に転じている(第 4 図)。人民元相場も、米ドルに沿っ
た動き(逆相関の動き)を続け、主体性に欠ける安定的な値動きを
形成している。とは言え、過剰債務問題やサプライサイドの構造改
革など、景気への下押し圧力は依然として根強く、足許の状態(ボ
ラティリティが抑制された状態)が定着するとは考えにくい。
19 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
加えて、10 月のSDR(IMFの特別引き出し権)組み入れ開始を前
に、当局が人民元改革を一段と推進する可能性も指摘される。実際、
国家外為管理局は 4/21 に行われた記者会見にて、「資本市場にお
ける人民元の交換性を推進する」「オンショアとオフショア市場の
人民元レートの一本化を目指す」と発表。人民元国際化に向けた取
り組みが本格化すれば、資本規制の緩和や、人民元相場の変動幅拡
大、変動相場制移行等が見込まれる為、ボラティリティの拡大が想
定される。事実、オンショアとオフショアの価格差はじりじり拡大
しており、元の先安観が再び高まってきている(第 5 図)。
来週は、明日(5/14)発表の、鉱工業生産、小売売上高、固定資
産投資に注目が集まる。予想を下回る結果となれば、中国経済に対
する悲観論が再燃し、人民元に下押し圧力を加える公算が大きい。
その為、米ドルの動きを睨みながらも、下値リスクに警戒が必要だ。
第 2 図 : 中国の貿易統計の推移
第 3 図 : 中国の物価指標の推移
(前年比、%)
(億ドル)
(前年比%)
100
1,000
12.0
貿易収支(右目盛)
80
消費者物価
輸出(前年比)
輸入(前年比)
800
貿易(前年比)
生産者物価
GDPデフレータ上昇率
10.0
8.0
60
600
40
400
20
200
6.0
4.0
2.3
2.0
0.5
0
0.0
0
-2.0
-20
-3.4
-200
-4.0
-40
-400
-60
-600
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
-6.0
-8.0
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(資料)中国国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(資料)中国国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
第 4 図 : 中国の外貨準備の推移
第 5 図 : オンショアとオフショアの価格差の推移
(兆ドル)
(兆ドル)
4.50
3.50
6.80
0.20
6.70
0.5000
オンショアとオフショアの価格差
外貨準備前月比増減(右)
4.00
(USD/CNY)
0.25
3.99
0.15
中国外貨準備高(左)
3.2
0.4500
オンショア人民元相場
6.60
0.4000
オフショア人民元相場
6.50
0.3500
6.40
0.3000
3.00
0.10
2.50
0.05
6.30
0.2500
2.00
0.00
6.20
0.2000
6.10
0.1500
6.00
0.1000
5.90
0.0500
5.80
0.0000
(スプレッド)
1.50
-0.05
1.00
-0.10
0.50
-0.15
0.00
-0.20
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(資料)中国人民銀行より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
予想レンジ
5.70
15/01
-0.0500
15/04
15/07
15/10
16/01
(年/月)
(資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
ドル人民元:6.4900 ~ 6.5600
人民元円:16.40 ~ 16.90
アナリスト
20 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
16/04
藤瀬 秀平
来週の主な経済指標
16 日 (月)
17 日 (火)
18 日 (水)
19 日 (木)
20 日 (金)
予想
前回
7.00
9.56
720
202
0.9%
108.9
107.6
▲ 0.6%
74.8%
▲ 1.1%
0.0%
1.0%
▲ 9.2%
2.61
5.7%
111
29.4
▲ 1.6
0.2%
533
21:30
5:00
18:00
21:30
21:30
21:30
22:15
22:15
8:50
18:00
18:00
8:50
10:30
10:30
17:00
21:30
21:30
23:00
23:00
独
米
米
ユ
米
米
米
米
米
日
ユ
ユ
日
豪
豪
ユ
米
米
米
米
市場休場
ニューヨーク連銀景況指数(5 月)
証券投資収支(3 月、億ドル)
貿易収支(季調済、3 月・億ユーロ)
消費者物価指数(前年比、4 月)
住宅着工件数(4 月・万件)
建設許可件数(4 月・万件)
鉱工業生産(前月比、4 月)
設備稼働率(4 月)
実質 GDP(前期比年率、1Q 速報)
消費者物価指数(前年比、4 月確定)
消費者物価指数(前年比、4 月確定コア)
機械受注(前月比、3 月)
雇用者数変化(4 月・万人)
失業率(4 月)
経常収支(3 月・億ユーロ)
新規失業保険申請件数(5/14・万件)
フィラデルフィア連銀景気動向指数(5 月)
景気先行指数(4 月)
中古住宅販売件数(4 月・万件)
8:00
10:30
16:45
17:00
米
豪
ユ
ユ
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
RBA 議事要旨(5/3 分)
プラート・ECB 専務理事講演
ヌイ・SSM(単一監督メカニズム)議長 / コスタ・ポルトガル中銀総裁 /
センテノ・ポルトガル財務相講演
1:00
2:15
17:00
3:00
20:30
23:30
米
米
ユ
米
ユ
米
ウィリアムス・サンフランシスコ連銀総裁 / ロックハート・アトランタ連銀総裁会見
12:45
18:35
12:45
17:50
2:00
日
ユ
日
ユ
米
1.1%
112.0
112.8
0.3%
75.0%
0.3%
▲ 0.2%
0.7%
▲ 1.9%
1.20
5.8%
3.5
0.4%
540
中央銀行関連
16 日 (月)
17 日 (火)
18 日 (水)
19 日 (木)
カプラン・ダラス連銀総裁講演
ビルロワドガロー・フランス中銀総裁講演
FOMC 議事要旨(4/26, 27 分)
ECB 理事会議事録
ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演
20 日 (金)
その他
16 日(月)
17 日(火)
18 日(水)
19 日(木)
20 日(金)
※市場予想は Bloomberg 調査中央値
時刻は日本時間
5 年債入札
10 年債入札(ドイツ)
20 年債入札
国債入札(フランス)
10 年インフレ連動債入札
G7 財務相・中央銀行総裁会議(~21 日)
*印は作成日(5/13)現在で未確定のもの
21 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
マーケットカレンダー
月
火
2016/5/16
米/NY 連銀景況指数(5 月)
証券投資収支(3 月)
水
17
米/住宅着工件数(4 月)
建設許可件数(4 月)
消費者物価指数(4 月)
鉱工業生産(4 月)
設備稼働率(4 月)
ユーロ圏/貿易収支(3 月)
豪/RBA 議事要旨(5/3 分)
木
18
独市場休場
23
米/新築住宅販売(4 月)
速報(3 月) 独/ZEW 景況指数(5 月)
製造業 PMI 速報(5 月)
サービス業 PMI 速報(5 月)
日/貿易収支速報(4 月)
25
G7 財務相・中央銀行総裁会議
(~21 日)
26
米/FHFA 住宅価格指数(3 月) 米/耐久財受注速報(4 月)
独/Ifo 景況指数(5 月)
27
米/GDP 改定(1Q)
独/小売売上(4 月)*
日/消費者物価指数
(都区部 5 月、全国 4 月)
米・ダラス連銀総裁講演
米・5 年債入札
欧州議会本会議(~26 日)
EU 経済・財務相理事会
米・セントルイス連銀総裁講演
米・2 年債入札
米・フィラデルフィア連銀総裁講演 ユーロ圏財務相会合
ユーロ圏/欧州委員会景況指数
米・ニューヨーク連銀総裁講演
米・10 年 TIPS 債入札
24
ユーロ圏/消費者信頼感指数
30
20
米/FOMC 議事要旨(4/26,27 分) 米/フィラデルフィア連銀景況
米/中古住宅販売(4 月)
ユーロ圏/消費者物価指数
指数(5 月)
景気先行指数(4 月)
確報(4 月)
日/GDP 速報(1Q)
ユーロ圏/ECB 理事会議事録
経常収支(3 月)
日/機械受注(3 月)
豪/雇用統計(4 月)
米・サンフランシスコ /
アトランタ連銀総裁会見
米・ダラス連銀総裁講演
米・ミネアポリス連銀総裁講演
金
19
31
米・セントルイス連銀総裁講演
米・7 年債入札
G7 サミット(~27 日)
6/1
米・イエレン FRB 議長講演
2
米/個人所得・消費支出(4 月)
米/地区連銀経済報告
米/ADP 雇用統計(5 月)
ISM 製造業景況指数(5 月) ユーロ圏/ECB 理事会
(5 月)
ケース・シラー住宅価格指数
独/消費者物価指数速報
建設支出(4 月)
ECB 総裁定例会見
(3 月)
シカゴ PM 景況指数(5 月)
自動車販売(5 月)*
生産者物価指数(4 月)
(CPI 5 月)
CB 消費者信頼感指数(5 月) 中/製造業 PMI
ユーロ圏/失業率(4 月)
日/法人企業統計(1Q)
マネーサプライ M3(4 月)
豪/GDP(1Q)
3
米/貿易収支(4 月)
雇用統計(5 月)
ISM 非製造業景況指数(5 月)
製造業受注指数(4 月)
ユーロ圏/小売売上(4 月)
消費者物価指数速報(5 月)
日/完全失業率(4 月)
家計調査(4 月)
鉱工業生産速報(4 月)
住宅着工件数(4 月)
米・セントルイス連銀総裁講演
米・英市場休場
米・シカゴ連銀総裁講演
6
7
米/消費者信用残高(4 月)
独/鉱工業生産(4 月)
日/景気動向指数速報(4 月)
豪/RBA 理事会
8
9
米/求人労働異動調査(4 月)
中/貿易収支(5 月)
日/国際収速報(4 月)
米/卸売在庫・売上(4 月)
独/貿易収支(4 月)
中/消費者物価指数(5 月)
生産者物価指数(5 月)
対外対内証券売買契約等
の状況(5 月) 日/機械受注(4 月)
GDP 改定(1Q)
景気ウォッチャー調査(5 月)
欧州議会本会議(~9 日)
米・3 年債入札
*印は作成日(5/13)現在で日程が未確定のもの
22 マーケットカレンダー | 平成 28(2016)年 5 月 13 日
米・10 年債入札
10
米/ミシガン大消費者信頼感
指数速報(6 月)
財政収支(5 月)
中/マネーサプライ M2(5 月)*
鉱工業生産(5 月、12 日)
小売売上(5 月、12 日)
都市部固定資産投資(5 月)
米・30 年債入札
照会先:三菱東京UFJ銀行
グローバルマーケットリサーチ
チーフアナリスト
内田 稔
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詳細は、ご請求いただいた方にお渡ししております。
EUステータスについての英国国民投票に関するディスクレーマー: BTMUの調査レポート又は速報等のニュースにおける、英国の欧州連合離脱の含意についての
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23 FX Weekly | 平成 28(2016)年 5 月 13 日