9 全体総括 事体 業総 概括 要 1 全 9 9.1 平成26年度 スポーツツーリズム戦略推進事業 成果と課題 9.1.1. 大会見本市等出展 【総 括】 沖縄県のスポーツ観光誘客に向けて、国内・海外の大会やスポーツイベント・見本市等に出展しマラソン、サイク リング他、沖縄の優位性が際立つスポーツ環境をスポーツ愛好家から一般に広く紹介した。主な取り組みとしては、 事業が4月から実施された環境下において、誘客市場の拡大を目指し沖縄県の海外事務所及びOCVBの関連部 署との連携、これまでの経験と実績を活かしたOCVB独自の出展を強化、公募委託と併せて国内・海外に多くの プロモーションを展開した。内容については、昨年基礎を築いた種目別アドバイザーと大会主催者等受入側との 協力体制を活用することにより拡充を図り、より効果の高いプロモーションを実施した。また、沖縄のスポーツツーリ ズムに対するアンケート調査では、意欲的に大会やスポーツイベントに参加するスポーツ愛好家層の意識が依然 高いことが確認された。 【成 果】 スポーツツーリズムの受け入れに意欲を持つ大会主催者等受入側とともに年間を通して国内及び海外に展開し、 「北海道、横浜、名古屋」といった有望市場に出展エリアを拡大してスポーツ愛好家に即したPRを行い「スポーツア イランド沖縄」の認知度向上に至った。また、今年度意欲的に取り組んだ独自のプロモーションにおいて、各市場 関係者との交流を深め相互のネットワークを構築した事も今後に有望であり特筆すべき成果である。更に、「シマノ 鈴鹿ロードレース」に来場したサイクリング愛好家の中から「美ら島オキナワCentury Run2016」への招聘を実施し、 その体験記をWEBサイトのコンテンツとして備えた他、沖縄のサイクリング環境を活かしたサイクリングツアー造成に より中国から送客を得た。マラソンでは、各プロモーションで意欲的に連携を行った「石垣島マラソン」において、県 外参加者の増加が確認できた事も有意義な成果である。 【課 題】 プロモーションを通して「NAHAマラソン」や「ツール・ド・おきなわ」に代表される知名度の高い大会がスポーツアイ ランド沖縄の認知度向上を促している事が確認されており、今後に向けては、有望な魅力を備えながらも知名度の 低い大会をいかにスポーツ愛好家に伝えるかが重要となる。併せて、スポーツに興味を持つ一般層の意識を高め る努力も必要となることから、大会・イベントに並ぶ沖縄の優位性を活かした新たな誘客コンテンツの開発が求めら れる。また、海外からのエントリーに対する言語対応や参加料の国際送金等、インバウンドからの具体的な課題も 寄せられている。更に、スポーツツーリズムの普及にあわせた安全の確保、事故防止が特に重要であり対策が急 務である。 9.1.2. PRツール作成 【総 括】 スポーツ観光誘客に向けたスポーツアイランド沖縄の認知度向上を図るため、パンフレット等のPRツールを作成 し活用した。内容については、サイクリング関連のパンフレットにこれまで求められてきた実用性を加えて刷新すると ともに、マラソン他のスポーツパンフレットは最新情報に改訂し多言語版とあわせて増刷した。また、OCVBが独自 に展開したプロモーションの充実に向けて装飾ツールを新たに作成し、視覚的にスポーツアイランド沖縄をPRした。 【成 果】 掲載情報の改訂、刷新を行ったパンフレットを活用し全てのプロモーションの充実を図った。中でも、公式ロゴ「ス ポーツアイランド沖縄」の名称に相乗したパンフレット「サイクリングアイランドオキナワ」「マラソンアイランドオキナワ」 は、ネーミングからスポーツのメッカとしての沖縄を印象付け、スポーツ愛好家の好奇心を誘う充実した内容に人気 が寄せられており、今後にも有望なPRツールを備えた。 【課 題】 パンフレット等のPRツールがプロモーションの大きな役割を担う中で、そこから常に最新の情報を提供することに ついて限界が感じられる。印刷物についてはPRを行う各地への輸送コスト、特に海外について高額となることから、 今後は、スマートフォン等の普及に合わせた新たなPRツールの開発が必要だと考える。 0 148 事体 業総 概括 要 1 全 9 9.1 平成26年度 スポーツツーリズム戦略推進事業 成果と課題 9.1.3. WEB・PR動画制作 【総 括】 昨年度事業において制作した公式WEBサイト「Sports Islands OKINAWA」の充実を図り、沖縄の優位性が際立 つスポーツとその環境を配信する誘客プロモーションを展開した。事業の実施には専門技術が必要なことから事業 方針にあわせた企画と運営プランを公募しOCVBの管理により実施した。プロモーションの特徴としては、雑誌媒体 に相乗したメディアミックスにより、沖縄のスポーツシーンの魅力と話題を著名人・キーパーソンを通して配信した。 更に、WEB広告やユーザー参加によるキャンペーン等、新たな取り組みを行った事により有意義かつ効果的な内 容となった。併せて、美しい自然、ホスピタリティーといった沖縄独特の魅力的なスポーツ環境をPRする動画を制作 しWEBサイトをはじめプロモーション現場において活用した。 【成 果】 既存のWEBサイトを使用することにより従来のユーザーを維持しつつサイトの拡充を行い、メディアミックスとWEB 広告により利用を促進し、スポーツ観光誘客に有効な情報を配信する事で新たなユーザーを取り込んだ。その中 で、 高橋尚子さん、益子直美さんのインタビュー及びWEBキャンペーンと出展プロモーションから県内の大会に 招聘したスポーツ愛好家の体験にもとづく話題が、ユーザーにより身近な沖縄を伝える誘客コンテンツとして備 わった。 【課 題】 今年度の公式WEBサイトの運用結果は、昨年度を上回るアクセス数を得るに至っているが利用内容と実数からは 途上段階にあると感じられる。スポーツ愛好家に向けたアンケート調査では、スポーツ情報の入手にインターネット が多く用いられていることから誘客促進に向けて引き続きWEBサイトの活用が重要となる。その上で、スポーツ愛好 家のニーズを把握し誘客に有望な情報をいかに効果的に伝えられるかが求められる。そのためには、WEBサイトの 運用技術だけでは無く、配信情報の編集、演出にも専門的な知識と技術が必要である。また、近年コミュニケーショ ンツールとして多くのユーザーが愛用するSNSを活用したサイトの活性化も重要だと考える。 9.1.4. メディアプロモーション 【総 括】 公募企画による公式WEBサイトと雑誌を相乗させたマラソン・サイクリングの情報配信を中心に、ゴルフツーリズム に向けた月刊誌タイアップ企画によるメディアプロモーションも展開した。内容については、マラソン、サイクリング 愛好家が購読する人気雑誌で影響力のあるキーパーソンの体験から沖縄のスポーツツーリズムの魅力を伝えると ともに、全国のゴルファーに多くの配布数を誇るフリーペーパーを活用しゴルフ場施設が求める誘客情報を届けた。 【成 果】 公募により競争性を持たせた事で、スポーツ愛好家に影響力のある「Running style」「Number Do」に高橋尚子さん、 「自転車日和」に益子直美さんを起用し効果的なメディアプロモーションの実現に至った。ゴルフツーリズムにおいて は、沖縄のゴルフツーリズム誘客に意識の高い媒体と交渉を重ね、12ページの特集記事から県内ゴルフ場のニーズ にあわせた春季、秋季のリゾートゴルフの魅力と旅行商品を紹介すると共に抜き刷り紙面をPRツールとして活用した。 【課 題】 多様化するメディアの活用については、その選定がプロモーション効果を左右するポイントとなる事から、誘客ター ゲットの情報入手や動向分析等、細かな取り組みによる媒体選択が求められる。更に、媒体の効果的な活用には 交渉も重要となる。また、媒体主体の企画記事と広告タイアップ記事では依頼者の要望に対する許容範囲が異なる 特性もあることから、このようなメディア活用の要点を念頭に置いた取り組みが必要である。 1 149 事体 業総 概括 要 1 全 9 9.1 平成26 26年度 年度 平成 スポーツツーリズム戦略推進事業 スポーツツーリズム戦略推進事業 成果と課題 9.1.5. 海外招聘 【総 括】 沖縄のスポーツ環境の魅力や優位性等の発信を目的に、美しい自然やホスピタリティー等の魅力を備えた大会・ スポーツイベントへ海外メディア及びスポーツのキーパーソンの招聘を行った。事業の実施にあたっては沖縄県及び OCVBの海外事務所と連携し誘客に有望な市場を厳選、対象者の適正を確認するとともに目的を明確にしたうえ で相互メリットを備えて実施した。その結果、スポーツ誘客に有効な情報を各地に配信し誘客に向けた旅行商品を 造成させる等の効果を得るに至った。 【成 果】 中国の大手旅行社「Ctrip」により沖縄本島を周遊するサイクリングツアーが造成され送客が行われた。また、台 湾のサイクリストに影響力のあるWEBメディア「單車時代」が「ツール・ド・おきなわ」、韓国の「バイクマガジン」が 「美ら島オキナワCentury Run」、月刊「山」と「メンズヘルス」が「なごやんばるツーデーマーチ」を両地域の愛好家 に紹介し、今後の誘客に向けた基礎を築いた。更に、マラソンにおいてはシンガポール大手旅行社「CTC」の招聘 から「おきなわマラソン」のツアー造成が計画されており今後の送客が期待される。併せて、今年度の招聘事業を 機にサイクリングツアーの受入体制が整い、ニーズにあわせた対応が随時可能となった事も有望な成果と言える。 【課 題】 今回実施した招聘事業において軽微な転倒負傷があり、参加者の事故防止等、安全確保に向けた対策が課題 として浮かびあがった。特に、サイクリングツアーは公道を走行することため道路交通法やマナー、沖縄の交通事 情等、参加者の安全に向けたレクチャーが不可欠である事から受け入れ側と連携した取り組みが急務である。 9.1.6. プロスポーツ 【総 括】 沖縄のプロスポーツチームの試合を活用した誘客プロモーションを国内外に展開した。バスケットボール「琉球 ゴールデンキングス」が所属するbjリーグのネットワークを活用して国内、ハンドボール「琉球コラソン」が独自の ネットワークにより欧州、サッカー「FC琉球」がJリーグのネットワークからアジアにおいてそれぞれにチームカラーを 活かした効果的なプロモーションを展開した。中でも、bjリーグ日本一を目指し有明コロシアムに開催され「シーズ ンプレーオフFINALS」では、直前の敗退によりキングスの進出が果たされなかったが、その状況にも関わらず全 国のファンがブースを訪れ、事前に問われたプロモーションの意義をキングスの人気と共に裏付ける結果となった。 【成 果】 「琉球ゴールデンキングス」を活用したbjリーグ公式戦及びメジャーゲームが「有明」「島根」「金沢」「仙台」に、 「琉球コラソン」がブンデスリーガ交流戦を「ドイツ」に、「FC琉球」がプレミアムリーグ「香港」に多くの観衆を集めス ポーツアイランド沖縄の認知度向上を図った。併せて、全ての会場にPRブースを展開し観客へ沖縄の魅力を伝え た。更に、琉球コラソンが展開したドイツにおいては沖縄への合宿誘致といった付加価値が加わり県の関連事業と 相乗が図られた。FC琉球においては、次世代選手の育成に向けて取り組むリーグに香港から参加の意向が寄せ られた。 【課 題】 プロチームを活用したプロモーションは、社会貢献と対外試合におけるチーム力強化及び相手チームとのネット ワーク構築といったメリットから各チームともに意欲的に取り組んでいるが、事業の実施に向けてはレギュラーシーズ ンに並行してプロモーション企画の立案から実施に至る調整、現場運営といった専門作業が求められることから負 担となっている一面もある。 2 150 事体 業総 概括 要 1 全 9 9.2 平成26年度 スポーツツーリズム戦略推進事業 今後の展望 平成27年度スポーツ観光誘客促進事業の成果と課題を踏まえて当該事業の今後を展望する。 今年度事業は、前年度の実績を踏襲し「大会・見本市出展」、「公式WEBサイト」、「メディアプロモーション」、「海外 招聘」、「県内プロスポーツチーム」を活用し、誘客に有効な「PRツール」を備えることでより効果的に実施された。また、 事業期間が拡張された事から、大会・イベント主催者、および関係者等、受入側との連携を強化し誘客に繋がる有効 な情報を得て、国内・海外のプロモーション市場の拡大を図ることが出来た。 今後は、今年度の事業成果とアンケート結果を基に、更なる市場拡大と合理化・効率化の強化を図り、「スポーツア イランド沖縄」の確立に向けて誘客事業を推進する事が重要であると考える。 今後の誘客促進に向けては、アンケートの結果から、引き続き県内マラソン大会・サイクリング大会・イベント等への誘 客を中心に実施していくと共に、主催者との更なる連携の強化を図り、各大会・イベントに潜在する魅力をさらに訴求し ていくことが重要と考える。また併せて、ランニングやサイクリングを自由に楽しめる新たなコンテンツの構築にも取り組 むことで誘客促進の強化を図る事が求められる。 ゴルフツーリズムにおいては、今年度新たに構築したゴルフ場とのネットワークを活用したプロモーションの展開が有 効であると考える。特に、プロゴルフトーナメントでは、次年度県内開催が決定している国内メジャー競技会が誘客に 有望である事から、大会主催者及び開催施設との連携によるプロモーションが効果的だと考える。 その他、ヨガやウォーキングなど、幅広い年代に愛好されている種目を新たに取り上げ、意欲的に紹介することで誘 客促進を図る事も必要である。 また、プロモーションを通じて、県内と県外・海外の大会・イベントが相互の関係を深める事で今後のプロモーション の自立発展に繋がると考える。 今年度のアンケートにおいても前年度同様「沖縄へのスポーツ旅行」の未経験者から高い関心が寄せられており、調 査を行ったすべての市場に確認できるリピーターの存在と併せて、これからの沖縄のスポーツ観光の需要の高さを裏 付けている。今後は、受け入れ態勢の充実と環境の整備拡充を視野に入れ、沖縄の自然、気候、食、ホスピタリティー といった魅力の訴求を図り、スポーツを安全に提供することが重要であると考える。 3 151
© Copyright 2024 ExpyDoc