本文資料 - 国土交通省 関東地方整備局

平成28年5月2日(月)
国土交通省関東地方整備局
記
者
発
表
資
料
尾瀬沼の雪が、例年より1ヶ月も早く消えました。
~ダム貯水量の減少が加速する心配があります~
利根川上流域の山間地に冬の間に降り積もった雪は、利根川の水を利
用する上で欠かせない貴重な水資源です。
しかし、昨年11月から本年3月頃にかけて、利根川上流域では、降
雪が記録的に少なかったことと、暖冬傾向により気温が平均に比べて高
い状況でした。その結果、尾瀬沼では、平均に比べ1ヶ月も早く雪が消
えたことが確認されました。
利根川では、これから農業用水の利用が本格的に始まる時期を迎えま
す。山岳の高標高地帯には、まだ残雪があり、多少の雪どけ水は期待さ
れますが、それだけでは足りないため、すでにダムの貯水を使用する必
要が生じています。
関東地方整備局では、関係機関と連携し、ダム及び下流施設を活用し、
引き続ききめ細やかな水運用を行うとともに、ダム貯水量や雨量等の情
報提供を積極的に行って参ります。
発 表 記 者 ク ラ ブ
埼玉県政記者クラブ、竹芝記者クラブ、神奈川建設記者会、
東京都庁記者クラブ、千葉県政記者会、茨城県政記者クラブ、
栃木県政記者クラブ、刀水クラブ・テレビ記者会
問
国土交通省
関東地方整備局
河川環境課
河川環境課長
建設専門官
水政課
水政調整官
水政課長
課長補佐
い
合
河川部
い と う
か ず ひ こ
伊
藤 み和彦
(内線)3651
さいとう
つのり
斎 藤 充 則(内線)3652
おおた
太
田
い し だ
石
田
や ま も
山本
ひろのり
浩
徳(内線)3515
た け し
武史
(内線)3551
と
の り
典 (内線)3557
わ せ 先
住所 〒330-9724
埼玉県さいたま市中央区新都心2-1
さいたま新都心合同庁舎2号館
電話(代表)
048-600-1336
利根川上流ダム群等の現状について
矢木沢ダム上流部(平成28年4月27日撮影)
平成28年5月2日
関 東 地 方整 備 局
1.尾瀬沼地点及び藤原ダム地点の積雪状況
藤原ダム地点では、3月15日に消雪しました。更に、尾瀬沼地点では4月28日に消雪し、これは過去62年
間の観測史上で最も早く、平均消雪日(5月23日)に比べて約1 ヶ月早い状況です。
表-1 藤原ダム地点及び尾瀬沼地点の積雪深、累加降雪量の状況
最大積雪深
134 ㎝
94 ㎝
70%
S33 年~H27 年の 58 ヶ年で 15 位
累加降雪量
743 ㎝
342 ㎝
46%
S33 年~H27 年の 58 ヶ年で最低
最大積雪深
289 ㎝
172 ㎝
60%
S29 年~H27 年の 62 ヶ年で最低
累加降雪量
1,408 ㎝ ※
892 ㎝
63%
S29 年~H27 年の 62 ヶ年で最低
備考
※11/30~12/6 は欠測のため参考値
図-1 藤原ダム地点及び尾瀬沼地点の積雪深、累加降雪量図
6/1
6/1
月/日
0
6/1
0
月/日
500
5/1
500
5/1
1,000
月/日
1,000
5/1
1,500
4/1
1,500
3/1
2,000
2/1
2,000
1/1
2,500
12/1
2,500
4/1
月/日
累加降雪量
(cm)
藤原ダム 累加降雪量
尾瀬沼 累加降雪量
平成27 年11 月30 日~
12 月6 日は欠測のため
参考値。
4/1
0
3/1
0
10/1
100
6/1
100
5/1
200
4/1
200
3/1
300
2/1
300
1/1
400
12/1
400
累加降雪量
(cm)
尾瀬沼 積雪深
積雪深(cm)
3/1
藤原ダム 積雪深
積雪深(cm)
H2 7~H28は
1 72cm(2/10)
2/1
最少43cm (S46~47)
最少43cm(S46~47)
12/1
0
最少172cm (H27~28)
2/1
50
1/1
100
11/1
150
平均289cm
1/1
平均134cm
平均134cm
12/1
200
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
11/1
最大244cm (S58~59)
最大244cm(S58~59)
尾瀬沼 年最大積雪深
最大420cm (S39~40)
S29~30
S31~32
S33~34
S35~36
S37~38
S39~40
S41~42
S43~44
S45~46
S47~48
S49~50
S51~52
S53~54
S55~56
S57~58
S59~60
S61~62
S63~H1
H2~3
H4~5
H6~7
H8~9
H10~11
H12~13
H14~15
H16~17
H18~19
H20~21
H22~23
H24~25
H26~27
H2 7~H28は
9 4cm(2/11)
300
250
積雪(cm)
藤原ダム 年最大積雪深
10/1
積雪(cm)
11/1
(標高1,666m)
割合
11/1
尾瀬沼
本年の観測値
S33~34
S35~36
S37~38
S39~40
S41~42
S43~44
S45~46
S47~48
S49~50
S51~52
S53~54
S55~56
S57~58
S59~60
S61~62
S63~H1
H2~3
H4~5
H6~7
H8~9
H10~11
H12~13
H14~15
H16~17
H18~19
H20~21
H22~23
H24~25
H26~27
(標高667m)
過去の平均値
10/1
藤原ダム
観測項目
10/1
観測地点
H18-19
H24-25
H18-19
H24-25
H27-28
平均(S34-H27)
H27-28
平均(S30-H27)
平成28年4月28日9時現在 ※過去のデータは半旬末の値
- 1 -
2.他の積雪観測所の状況
図-2
積雪観測所位置図
利根川本川及び鬼怒川の上流ダム群管理に必要な情報
として監視を行っている34箇所(利根川本川26箇所、
鬼怒川8箇所)の積雪観測所の内、現在積雪が観測され
ているのは、4地点のみとなりました。
(平成28年4月28日現在)
図-3 各観測所の積雪深状況
矢木沢ダム関連
積雪深(cm)
500
400
奈良俣ダム関連
積雪深(cm)
600
平成19年4月第6半旬
平成25年4月第6半旬
平成28年4月28日現在
4月第6半旬平均値
平成19年4月第6半旬
平成25年4月第6半旬
平成28年4月28日現在
4月第6半旬平均値
500
457
400
385
383
300
300
200
198
200
136
172
113
100
0
100
0
0
0
0
14
16
0
矢木沢ダム地点
(753m)
23
0
0
奈良沢
(867m)
0
0
0
00 0
00
欠
測
14
0
奈良俣ダム地点
(929m)
小穂口
(952m)
欠
測
休
止
中0
20
0
タキガ沢
(1500m)
矢種
(1335m)
積雪深(cm)
藤原ダム関連
積雪深(cm)
500
400
157
148
119
悪沢
(2040m)
薗原ダム関連
500
平成19年4月第6半旬
平成25年4月第6半旬
平成28年4月28日現在
4月第6半旬平均値
平成19年4月第6半旬
平成25年4月第6半旬
平成28年4月28日現在
4月第6半旬平均値
400
300
300
200
200
140
132 139
100
100
83
74
56
0
00
0
0
00
00
みなかみ(気象庁)
(531m)
0
0
0
00
0 0
0
藤原(気象庁)
(700m)
相俣ダム関連
積雪深(cm)
500
400
0
藤原ダム地点
(667m)
3
平成19年4月第6半旬
平成25年4月第6半旬
平成28年4月28日現在
4月第6半旬平均値
300
200
100
0
72
0
0 0
00 00
0 00 00 00
0 00 00 00
相俣ダム地点
(572m)
川古
(661m)
永井
(947m)
欠測 欠測 欠測
平標
(1653m)
- 2 -
0 0 0 0
0
0
0
0
薗原ダム地点
(582m)
0 0 0
0
0
0
大尻沼
(1443m)
2
0
鳩待峠
(1590m)
56
57
46
0
00
坤六峠
(1625m)
尾瀬沼
(1666m)
0
3.ダム貯水量の状況
①利根川上流8ダムの貯水状況
4月28日0時の貯水量は、4億1,231万㎥で、貯水率は89%です。これは、平均値(平成4年~27年)に対する
割合では109%です。
50,000
図-4
図ー5 利 根 川 上 流 8 ダ ム 貯 水 容 量 図
(万m3)
常時満水容量 46,163万m3
45,000
平成28年
平成19年
平成27年
40,000
夏期制限容量
34,349万m3
35,000
30,000
25,000
20,000
平成25年
平成13年
平均値(H4~H27)
15,000
10,000
平成8年
平成24年
平成6年
5,000
H6年
H8年
H13年
H19年
H24年
H25年
H27年
H28年
平均値(H4~H27)
0
1/1
2/1
3/1
4/1
5/1
6/1
7/1
8/1
9/1
10/1
11/1
12/1
・4月の8ダム補給量
例年、利根川本川の4月の水利用は、豊富に流れる雪どけ水によりまかなわれています。しかし、本年
は、少雪の影響から雪どけ水が少ないため、平均値よりも多くダムに貯めてある水を利用しています。
図-5 利根川上流8ダム補給量の平均値との比較(4月分合計)
万㎥
1000
少雪の影響で
4月の補給量が
増加(151%)
825
547
500
0
平均
(H4~H27)
H28年4月
(28日まで)
- 3 -
②鬼怒川上流4ダムの貯水状況
・4月28日0時の貯水量は、2億1,190万㎥で、貯水率は84%です。これは、平均値(平成25年~27年)に対す
る割合では101%です。
図-6
・4月の4ダム補給量
鬼怒川では、4月の中旬から農業用水の利用が増加します。少雪によりダムへの流入量が少ないため、
平均値よりも多くダムに貯めてある水を利用しています。
図-7 鬼怒川4ダム補給量の平均値との比較(4月分合計)
万㎥
2,500
2,000
1,836
少雪の影響で
4月の補給量が
増加(125%)
2,254
1,500
1,000
500
0
平均値
(H25~H27)
- 4 -
H28年4月
(28日まで)