こちら - 熊薬東京バッテン会

平成 28 年度熊薬東京バッテン会総会
研修認定対象研修会「大江戸教室」
4 月 14 日に熊本を襲った地震はその後も大きな地震が頻発しており、その規模の大きさ・期間の
長さがこれまでに経験のない大きな被害を与えております。被害に遭われた方々に心よりお見舞い
申し上げます。バッテン会としても募金活動を開始いたしました。詳細は別紙をご覧ください。
さて、今年は 2 年に 1 度の診療報酬改定の年です。調剤では“かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤
師”に重点を置いております。又、門前→自宅近くの“かかりつけ薬局”への誘導もみられます。
薬局経営は営利→地域住民の“健康サポ-ト”に力点を移し、地域の方々に信頼されるようになら
なければなりません。又、バッテン会が取り組んできた卒後研修会(H.14 年に日本薬剤師研修セン
タ-より研修会実施機関の認定を受け、2 ヶ月に 1 回 1 単位で実施)は今後皆様の研修の場として再
認識されることになるでしょう。
今後の皆様のご活躍を心より祈念致しております。
尚、バッテン会の行事はホ-ムペ-ジに掲載しております。ご覧頂き、積極的なご参画をお願い
致します。(URL: http://www.kumayaku-tb.ne.jp)
熊薬東京バッテン会会長 中野栄二
記
開 催 日 時: 2016 年(平成 28 年)7 月 31 日(日)10:00 - 15:00
場
所: メルパルク東京 3F「牡丹」 (添付の地図をご参照下さい。メルパルクホール隣)
東京都港区芝公園 2-5-20
Tel: 03-3433-7212(宴会担当)
総
会: 10:00 - 10:30 (受付は 9 時半より)
研 修 会: 10:30 - 12:00
『がんの薬物療法の個別化医療実現に向けて-点と点を繋ぐ四半世紀-』
濱田 哲暢 先生
懇 親 会: 12:30 - 15:00 (受付は 12 時より)
出
欠: 郵送の方には、返信用のハガキを同封しております。
6 月 30 日(木)までにご返信ください。
会
費: 男性会員 1万円
女性会員 9千円(当日会場にてお願い致します。)
平成 18 年 3 月以降に学部をご卒業の方......................................... 6 千円
ご家族・ご友人の方........................................................................... 6 千円
研修会のみ参加の方............................................................................3 千円
研修認定シール
(財)日本薬剤師研修センタ-の生涯教育『研修認定薬剤師制度』の研修認定シ-ルが必要な方に
は受付に用意しております。研修手帳(シールをはる手帳)が必要な方には、1冊 510 円で販売し
ております。
お 願 い
毎年、約 500 名以上の会員の方に総会案内状を送付しております。その費用(8 万円以上)は総会
出席者の方々の参加費の一部で賄っております。しかし、参加費からの拠出にも限度がありますし、
これ以上会費を上げることも出来ません。つきましては、誠に恐縮でございますが同窓会存続のた
め、些少でもご寄付頂ければ幸いに存じます。
ご賛同頂ける方は、東京バッテン会の下記口座にお振り込み下さいます様お願い申上げます。
三菱東京 UFJ 銀行 日本橋支店
普通 1928992
熊薬東京バッテン会
三井住友銀行
東京中央支店
普通 1433994
熊薬東京バッテン会
会費受領方法の変更について
会費につきましては、現在、当日の受付にて受領させて戴いております。
受付でトラブルの発生も予測されますが、ご協力頂けますようお願い申し上げます
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会場付近の地図
メルパルク東京
会場へのアクセス
� JR 浜松町駅北口 徒歩 8 分
� JR 浜松町駅南口 徒歩 8 分
� 都営三田線 芝公園駅 A3 徒歩 2 分
� 都営浅草線・大江戸線 大門駅 A3 ・ A6 徒歩 4 分
今後のご案内について
郵送料節約の為、E-mail でのご案内、ホームページへの
掲載を行っております。
可能であれば、資料添付が可能な皆様のご都合の良いメ
ールアドレスをご連絡ください。
尚、ホームページでは種々の行事を掲載しております。
薬剤師募集の案内も掲載しております。是非ホームペー
ジをご覧いただき、活用をお願い申しあげます。
URL:http://www.kumayaku-tb.ne.jp
この案内状の挿絵は昭和 30 年卒の平野 豪さんに描いて頂きました。
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熊薬東京ばってん会 “大江戸教室”
-研修認定対象研修会-
演
講
題
師
『がん薬物療法の個別化医療実現に向けて-点と点を繋ぐ四半世紀-』
濱田 哲暢(はまだ あきのぶ)先生
学歴 1990 年 3 月 熊本大学薬学部卒業
1992 年 3 月 熊本大学大学院薬学研究科博士前期課程修了
1997 年 7 月 博士(薬学) 熊本大学
職歴 1992 年 4 月 日本化薬株式会社総合研究所 研究員
1999 年 11 月 熊本大学医学部附属病院薬剤部 助手
2005 年 8 月 米国国立衛生研究所・米国国立癌研究所 客員研究員
National Cancer Institute/National Institutes of Health
2008 年 1 月 熊本大学大学院生命科学研究部臨床薬物動態学分野 准教授
2012 年 4 月 独立行政法人国立がん研究センター 研究所 ユニット長
2014 年 8 月 (組織変更)国立がん研究センター 研究所 基盤的臨床開発研究
コアセンター 臨床薬理部門 部門長
2015 年 4 月 国立研究開発法人国立がん研究センター 先端医療開発センター
臨床薬理トランスレーショナルリサーチ分野 分野長
兼任 2013 年 4 月 熊本大学大学院生命科学研究部 腫瘍治療・トランスレーショナル
リサーチ学分野(医学系・薬学系) 客員教授
現在に至る
所属学会
日本臨床腫瘍学会(評議員)、日本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床薬理学会(評議員)、日
本薬学会、日本薬物動態学会(評議員)、米国癌学会(AACR)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、欧州臨
床腫瘍学会(ESMO)、米国臨床薬理学会(ASCPT)
受賞歴
2013 年
2011 年
2007 年
2007 年
2004 年
臨床薬理研究振興財団 学術論文賞
日本薬物動態学会奨励賞
臨床薬理研究振興財団奨励賞
ASCO Merit Award
日本薬学会九州支部奨励賞
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がん薬物療法の個別化医療実現に向けて-点と点を繋ぐ四半世紀―
国立がん研究センター 先端医療開発センター
臨床薬理トランスレーショナルリサーチ分野 分野長 濱田 哲暢
がん化学療法の治療成績を向上させるには、新規薬物開発と同様に、薬物の適正使用と患者個々
の特性に合わせた個別投与設計が重要であり、腫瘍細胞の遺伝子発現プロファイルに加え、宿主由
来の薬物代謝酵素、薬物輸送タンパクに関する解析が重要である。薬物療法における個別化医療推
進を目的とする基礎ならびに臨床研究を展開してきた。
熊本大学薬学部では、大江キャンパスを離れて、抗がん薬の研究を行っていた附属病院薬剤部に
所属し、フッ化ピリミジン系薬剤に関する代謝研究が研究生活の第一歩となった。お世辞でも優秀
と言えない小生を中野眞汎教授ならびに福島昭二(現神戸学院大学)先生から、根気強く指導して
いただいたことは、研究者生活にとって基礎となっている。特に、臨床における問題点を解決する
ことが、研究のスタートであることを学んだことは、国立がん研究センターにて、基礎研究から臨
床研究を担当する上で大いに糧となっている。
職業人としてのスタートは、1992年に日本化薬株式会社に入社し、製剤研究所に配属後、製造管
理、品質管理、製剤設計、臨床試験と大学で学ぶことができない、実践的な医薬品開発を学ぶこと
ができた。その後、熊本大学に戻る機会を得て、ベッドサイドにおける臨床研究を血液内科、消化
器内科、消化器外科、発達小児科、呼吸器内科の臨床医との共同研究をスタートさせた。熊本大学
時代の主な研究成果は、塩酸アムルビシンの血中濃度と血液毒性との相関解析(2004年日本薬学会
九州支部奨励賞)、慢性骨髄性白血病治療薬イマチニブがP-gp(P糖タンパク質)の基質であるこ
と、SLCO1B3およびSLCO1A2が体内動態変動に影響する因子であること、有効血中濃度がヨーロッパ
での報告と同様に約1.0µg/mLであることを報告した(2011年日本薬物動態学会奨励賞)。本研究成果
に基づき、2012年3月に特定薬剤治療管理料対象薬としてイマチニブが追加された。エルロチニブ
体内動態と有害作用にP-gpをcodeするABCB1の遺伝子多型が影響すること(2013年臨床薬理研究振
興財団論文賞)、慢性リウマチで用いられるメトトレキサート体内動態に影響する遺伝子群と消失
クリアランスの相関解析(2007年臨床薬理研究振興財団奨励賞)を報告し、個別化医療実現のため
の研究を行ってきた。なお、2005年から2007年まで、米国国立がん研究所・国立衛生研究所(NCI/NIH)
に客員研究員として留学し、前立腺癌におけるホルモン輸送タンパクであるSLCO1B3の解析を行い、
予後との相関(2007ASCO Merit Award)、パクリタキセル輸送に関係する遺伝子群の人種差に関し
て報告した。米国留学中は、研究の規模の違いに加え、創薬開発の目標のための、業務の役割分担
を学ぶ機会となり、研究室運営において大いに参考となっている。
2012年に、国立がん研究センターに異動し、臨床薬理学に関するトランスレーショナルリサーチ
に従事し現在に至っている。熊本時代における研究では、薬物血中濃度解析に基づくPK/PD解析で
は、固形腫瘍において治療効果との相関をみいだせないことを経験してきた。そこで、標的である
腫瘍組織における薬剤到達度の評価が重要と考え、次世代薬物動態解析システムとしてマススペク
トロメトリーイメージングを用いた薬物可視化研究を推進し、組織内における非標識薬物分布画像
に定量性を付与する手法を構築している。また、抗体医薬の血中濃度測定技術のブレークスルーと
して、質量分析装置を用いたハイスループット測定システムを構築している。その他、個別化医療
推進のために、次世代シーケンサーを用いた遺伝子検査を導入した臨床研究も行っている。
熊本大学薬学部4年次に卒業研究で研究を開始し、四半世紀が過ぎたところであるが、多くの研
究課題を推進するにあたり、点と点を繋ぐようにどれもが関連があったと改めて認識している。今
回、みなさまに頂いた貴重な機会に、小生の研究の一端とこれから目指す創薬研究開発に関して紹
介し、これからの若い世代の参考になる話を行いたい。
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