現代座レポート No.66 2016年5月1日発行

(通巻 469 号)
発行責任者:木村快
〒 184-0003 東京都小金井市緑町 5 丁目 13 番 24 号 TEL 042-381-5165(代) FAX042-381-6987
共生の道に生きた男
明 治 元 年、 明 治 政 府 は 幕 府 に 代 わ っ て
小次郎の赦免状を発行し、小次郎は 歳
で
年ぶりに江戸の土を踏むことができ
歳で没しています。
ます。以後、三宅島支援や多摩地域の復
興に尽くし、
1 9 7 8 年( 昭 和 年 )
、小次郎井戸
が縁で三宅村と小金井市は友好都市盟約
黒澤義之による『小金井小次郎』
手話で歌おう!
江戸小咄で遊ぼう
おはなし『おおきな木』
朗読・宮沢賢治作『カイロ団長』
心をつなぐバラエティ劇場
先行きの見えない現代社会も、小次郎
の生きた時代に似てきたようです。
(木村 快)
協同」を示す貴重な歴史です。
た 人 物 も い た の で す。 下 層 庶 民 の「 共 生
あの支配者たちの権力闘争に明け暮れ
た 幕 末 期 に、 流 人 と 島 民 の 協 同 に 献 身 し
贈られたものだったのです。
とき三宅島のシンボルとして小金井市へ
を締結しています。ガクアジサイはその
53
『小金井小次郎』を語る
小金井市には珍しく三宅島原種のガク
アジサイの花が街のあちこちに咲いてい
ま す。 そ の い わ れ を 辿 っ て い く と、 幕 末
激変期を生きた一人の農民出身の男の姿
が 浮 か び 上 が っ て き ま す。 通 称 小 金 井 小
次郎こと、関小次郎です。
も絶えませんでした。
糧の不足に苦しみ、流罪人とのいざこざ
小次郎の墓は小金井市鴨下墓地にあり
ま す。 墓 碑 銘 は 江 戸 を 戦 火 で さ ら さ な い
れながら、無宿者となり関東一円に名の
た め、 勝 海 舟 と の 会 談 を 西 郷 隆 盛 に 直 談
知 れ 渡 る 親 分 と な っ た こ と は 事 実 で す。
判 し た 山 岡 鉄 舟 の 筆 に な る も の で す。 さ
)、 歳 の 時、
し か し、 安 政 3 年( 1856
ら に 墓 地 内 に 立 て ら れ た「 小 金 井 小 次 郎
賭博の罪で三宅島へ流され、江戸社会か
君追悼碑」は自由民権運動の闘士として、
ら 完 全 に 抹 殺 さ れ た 人 物 で す。 こ こ で 小
また国会議員として明治政府と戦った中
次郎は全く別な姿に生まれ変わります。
村克昌が建立しています。
三宅島は八丈島に次ぐ流刑地とされた
小金井小次郎は明治から昭和にかけて、 島でした。幕府から多数の流罪人が送り
歌 舞 伎 や 講 談、 あ る い は 映 画 な ど で、 国
込まれ、水源がないため、島民は水と食
定 忠 治、 清 水 次 郎 長 と 並 ぶ 武 蔵 国 の 大 親
分 と し て 描 か れ た た め、 や く ざ の 親 分 と
し て の イ メ ー ジ が 定 着 し て い ま す が、 実
63
現代座会館 3F 小ホール
参加費 2,500 円
小中高 1,000 円
(コーヒー or 紅茶付き)
小金井の水で育った小次郎は、島の暮
らしの中ではじめて水の尊さに目覚めま
27 日 ( 金 ) 14:00
28 日 ( 土 ) 14:00
29 日 ( 日 ) 14:00
はまったく別な顔を持った人物です。
50
40 名の予約制です
事前にお申し込みください
後援 小金井市
す。小次郎は流罪人を組織し、私財をな
)、 下 小 金
関 小 次 郎 は 文 政 元 年( 1818
げうって島民とともに大貯水池の建設に
井村の名主をつとめる関家の次男に生ま
挑みます。その規模は五百人が百日間使
用できるものでした。以後、島民が水に
流 罪 地 に お い て、 困 難 を 乗 り 越 え 、 島 民
と 流 罪 人 と の 間 に 人 間 ら し い「 共 生 」 の
年代まで島民の生活用水として使わ
この貯水池は小次郎井戸と呼ばれ、昭
絆が生まれます。
和
12
2016年5月
小金井市内に咲く
三宅島原産のガクアジサイ
れ、三宅村史跡として保存されています。
30
NPO現代座
特定非営利活動法人
37
困ることはなくなりました。幕府支配の
『小金井小次郎』を語る 黒澤義之
NPO 現代座ホームページ http://www.gendaiza.org/
2016 年 5 月 1 日 発行
1967 年 2 月 18 日 第三種郵便物認可
現代座 通巻 469 号
現代座レポート № 66
・共生の道に生きた男 _ 小金井小次郎
(1)
・『遠い空の下の故郷』~ハンセン病療養所に生きて~(2)
・緑中学校・卒業記念講演を終えて 環 笑子 (2)
・NPO 現代座第 15 回総会の報告 ・活動計算書
(4)
・現代座を支える人々 第 23 回 古明地節子さん
(6)
・朗読教室第1期生発表会 ・会館日誌
(7)
・トピックス ・お知らせ 会員入会、継続、寄付 (8)
年たって
20
(木下美智子)
3月 日(水)松本市
島内・島立ふれ愛コンサート
5
長野県松本市は自然豊かな環境に恵まれてい
ます。私が暮らしている島内町はアルプスを背
に、安曇野まで広がる田園地帯を目の前にした
大変暮らしやすいところです。この島内地区に
「松本市音楽文化ホール」があります。七〇〇人
収容の大ホールには常設のパイプオルガンもあ
り、地域の演奏活動で重宝されています。
島内町と隣の島立町では、地元に音楽ホール
が あ る 地 の 利 を 生 か し て、 毎 年 春 に、 合 同 で コ
ン サ ー ト を 行 っ て い ま す。 そ れ が「 人 権 を 考 え
る ― 島 内・ 島 立 ふ れ 愛 コ ン サ ー ト 」 で す。 地 元
小学校二校の生徒達による、合唱や吹奏楽の演
奏の発表を中心に、パイプオルガンの演奏や落
語や地元の歌手をゲストに招いてのコンサート
は住民の大きな楽しみとなっています。このコ
ンサートに今回、ゲスト出演が実現したのです。
昨 年、 松 本 と 豊 科 で「 遠 い 空 の 下 の 故 郷 」 を
公演した時に、島内公民館長の胡桃さんが舞台
を見て、「ふれ愛コンサート」にゲスト出演して
くれないかと打診して下さったのです。音楽専
門 の 大 き な ホ ー ル で あ り、 反 響 も か な り あ り、
生の声を伝える「語り」にとっては手強い会場
な の で は と、 心 配 が あ っ た の で す が、 木 下 さ ん
とも相談し、挑戦することになりました。
当 日、 ホ ー ル の ス タ ッ フ さ ん の ア ド バ イ ス
を い た だ き、 ヘ ッ ド セ ッ ト・ マ イ ク を 使 う こ
とにしました。いつも以上に神経を張った語り
が始まりました。会場がどんどん集中していく
のが感じられます。時間の関係でいつもの半分
の 上 演 時 間 で し た が、 予 想 以 上 の 出 来 で し た。
三〇〇人の観客でした。
【アンケート】◆NPO現代座のうたと語り感
動いたしました。何回か参加致しましたが、今
回ほど感動にあふれた「ふれ愛コンサート」はありま
せんでした。素晴らしい企画ありがとうございました。
◆人権を考えるにふさわしいコンサートでした。知ら
ずに差別をすること、今でもハンセン病に限らずある
かもと考えるとこわいと思う‥‥など、一〇〇枚以上
の感想文が寄せられました。 今
( 村純二)
月
環 笑子
日(木)小金井市立緑中学校
卒業記念講演会を終えて
り、それを包み込み増幅する松本真理子さんのアコー
ディオン、観た者の心に必ず響く美しい作品である。
卒業記念講演会といういわば〝ハレ〟の場で、差別
をテーマにした作品はいかがなものか、などの意見も
聞こえてきた。が、三学年委員の皆さんが「こういう
作者・木村快さんの人を観るまなざしのあたたかさ、
岡田京子さんのそれに寄り添う優しい音楽、木下美智
子さんの本人が話しているとしか思えない見事な語
現代座の木下美智子さんは私にとって〝会いに行け
るアイドル〟で、「遠い空の下の故郷」は木下さんのファ
ンになるきっかけとなった演目だ。
その日、天気予報は雪マークがつい
ていた。卒業式を一週間後に控えた三
月十日、幸い雪も雨も降らなかったが
凍えるように寒い日だった。
昨年四月、緑中父母と教師の会の三学年委員を引き
受けた 緑
( 中ではなぜかPTAとか学級委員とは言わ
ない 。)末の子の卒業の年、小学校でも中学校でも一
度も委員をしてこなかったので一回はやっておこう、
最後のご奉公だという思いがあった。それは卒業記念
講演会に現代座を呼びたいと考えていたからだ。卒業
記念講演会とは、授業枠を使って保護者が企画できる
緑中独自の行事である。
10
らい予防法廃止から
84
日(日)
現代座3F小ホール
47
3
20
今年3月で「らい予防法」が廃止されて 年に
な り ま す。 国 家 賠 償 訴 訟 で 政 府 が 謝 罪 し て か ら
は 年 で す。 け れ ど 差 別 は 様 々 な 形 で つ づ い て
お り、 各 療 養 所 に は 故 郷 へ 帰 れ な い 遺 骨 が 多 数
残っています。
今 な お 未 解 決 の 問 題 が 多 く、 現 在 は、 ら い 患
者に対して1997年まで隔離裁判を続けたこ
と に つ い て、 最 高 裁 が 謝 罪 す る か ど う か が 見 守
られています。
私 が は じ め て 療 養 所 を 訪 ね た 頃、 全 国 の 療 養
所 に は 約 五 千 人 の 方 が 暮 ら し て い ま し た。 今 は
約 千 六 百 人 と な り、 平 均 年 齢 も 歳 に 近 づ い て
います。
高 齢 に な り、 後 遺 症 や 障 が い を 抱 え た 入 所 者
の 方 が、 最 後 ま で 安 心 し て 生 き ら れ る よ う に、
そしてこのハンセン病の差別の歴史を決して風
化 さ せ な い た め に、 さ さ や か で も、 ひ と り で も
多くの方に知っていただく活動を続けていきた
いと思います。
2月
28
15
現代座小ホールで上演するのは5年ぶりです。
長野県公演のレポートを見た地元小金井の会員
の 方 た ち か ら、 是 非 や っ て ほ し い と 言 っ て い た
だいて、小ホールで公演することになりました。
S P 雑 談 会、 緑 町 ふ れ あ い サ ロ ン、 朗 読 教 室
の 生 徒 さ ん、 小 金 井 市 の N P O 法 人 連 絡 会 の 仲
間 な ど、 身 近 な 人 が 集 ま っ て く だ さ っ て、 満 席
の 人でした。
小ホールなればこその一体感の中で、いっしょ
に呼吸し、感じ合える劇場になりました。「涙が
止 ま ら な か っ た 」 と か「 こ の 活 動 は 続 け て ほ し
い」という声をいただいて、本当にやって良かっ
たと思いました。
、
(2)
2016 年5月 1 日発行
『遠い空の下の故郷』 ハンセン病療養所に生きて
NPO現代座レポート № 66
(3)
28
2月 日
現代座3F小ホ ー ル で
上演する会場は定員 40 名の現代座小ホールから、
松本市音楽文化ホールのような大会場 、230 人の中
学卒業生を送る緑中学校体育館と実に様々です。
3月5日 松本市島内ふれ愛コンサートにゲスト出演。
パイプオルガンの設置された松本市音楽文化ホールで
3月 日
小金井市立緑中学校の卒業記念講演会で
10
『遠い空の下の故郷』
上演チームの紹介
◆ 木 下 美 智 子 2 0 0 1 年 以 来、
熊本 鹿
・ 児 島 の 療 養 所 と 交 流。
2005年から語りを続けている。
◆今村純二 現代座の前身・統一
劇場創立期からの俳優・アコ奏者。
松本市で小さな畠を借りて農業の
傍ら地域活動。現代座副理事長。
◆松本真理子 統一劇場時代は木下
美智子と同期で俳優兼アコーディオ
ン 奏 者。 高 齢 の 父 を 介 護 し な が ら、
必要に応じて現代座を支援。
テーマの演目は、自分の楽しみのために選びとって足
を運ぶものではないので良い機会になる」と賛成して
く だ さ り、 先 生 方 も 入 試 や 卒 業 準 備 で お 忙 し い な か、
ハンセン病について事前学習の授業を二時間してくだ
さった。緑中は伝統として合唱に力を入れており、し
かも三年学年主任が音楽の先生で、演目に含まれる〝赤
とんぼ〟と〝ふるさと〟もきっちりご指導いただいた。
卒業生達は最後に講演者へのお礼として、“
ふるさと”
を合唱した。これほど思いがこもった〝ふるさと〟を
聴けて私は幸いである。正に緑中三年間の集大成と言
えるものだった。願わくば、子どもたちの心の片隅に
何かしら残りますように。
中学生の感想から
◆ハンセン病の存在を初めて知って、いろいろと思わされまし
た。
「知らなかった」では済まされないようなことではあるけれ
ど、これからもっと自分自身を見つめ、差別について考えてい
きたいです。このような機会が無かったら思わなかったと思い
ます。ありがとうございました。
◆思っていたものより想像以上にすごい朗読だった。本当に体
験した方から聞いている気分になって、痛いシーンの時にはす
ごく重い気持ちになった。とても感動した。
◆木下さんの話し方やアコーディオンで、すごく話に引き込ま
れました。こんなにつらいことがあったのかと思うとやりきれ
ない気持ちでいっぱいになったし、自分がもしハンセン病になっ
て同じ体験をしたら耐えられなかったと思います。こういうこ
とをつなげていかなければならないし、ハンセン病を恐れては
いけないと感じました。
◆お話を聞いてすごく心に響き、すごく泣きそうになりました。
今でもいじめや差別があります。何も悪いことをしていないの
に、悪者扱いされるのはおかしいと思います。私はそういった
とを絶対にしません。そういったことを止める人になりたいで
す。写真を見てみたかったです。ありがとうございました。
NPO現代座
回総会報告
回 定 期 総 会 」 が 開 か れ ま し た。 正 会 員
名中9名の出席でした。
毎 週 行 っ て い る の は「 小 金 井 熟 年 会 」
の勉強会、障がい児の放課後預かり事業
◎定例活用
して頂くことがテーマでした。4月、6
た紙芝居を観賞し、知識だけでなく体験
語りました。戦争中に実際に使われてい
での暮らし、引揚げの実情などについて
が使いにくくて苦労していた2Fと3
◆ ト イ レ の リ フ ォ ー ム 1 F の ト イ レ
を 全 部 洋 式 に リ フ ォ ー ム し ま し た。 鍵
④その他会館の整備など
③セミナー事業
てきました。
2015年度は約8万円の黒字にな
り ま し た。 前 年 度 ま で の 累 積 赤 字 が あ
左 の 表 は 東 京 都 に 提 出 し た「 活 動 計
算書」です。
昨年好評だったので、さらに広げてい
こうと 年度も現代座ホールで9月4~
◎合唱構成劇『武蔵野の歌が聞こえる』
②制作上演事業
しいことです。
代座を使用してくれる団体があるのは嬉
用がありました。毎年、公演や稽古に現
した。今年度は4回行いましたが、新年
「 昭 和 の コ ド モ ~」 は こ の 雑 談 会 で 紙
芝居を見て話し合ったことから始まりま
◎『SPレコード雑談会』
2月には久しぶりで現代座3F小ホー
ルでも観ていただきました。
市の上演を取り組みました。
二・俶子夫妻が松本市島内地区と安曇野
権教育講演会。そして松本在住の今村純
てくれています。
日 の 午 前 中、 掃 除 や 資 料 整 理 等 を や っ
松 本 江 理 子 さ ん と 後 藤 俊 子 さ ん が、 平
昨 年 の 柳 澤 さ ん、 前 田 さ ん か ら 引 き
継いで、ご近所の子育て中のお母さん、
万円弱の赤字が残っ
収入では何より会員の皆様の会費と
寄 付 で 支 え て 頂 き ま し た。 約 4 0 0 人
8日、8ステージ上演しました。今回も
て い ま す が、 赤 字 は か な り 少 な く な っ
◎『誰でもできる朗読教室』第1期
2016 年度・2017 年度も公演予定。
『武蔵野の歌が聞こえる』
りますから、まだ
の方が寄せてくださった220万円で
ます。本当にありがとうございました。 いました。その結果、新しい団体への広
年度も9月に現代座で
年度は「川崎平右衛門」の没
がりが生まれ、
公演し、
長谷川葉月さんを講師に、初心者向け
朗読教室を 月から始めました。基礎訓
練を丁寧に行いながら、半年間で発表会
後250年にあたり、平右衛門が生まれ
た府中市での公演も予定しています。
までやる
回の講座でした。9人が受講
◎『昭和のコドモが伝えたいこと』
しました。(詳細は7P)
12
活動報告
16
戦後 年、木村快が子供時代に受けた
戦争教育、日本内地とはちがった植民地
70
①地域劇場づくり支援事業
これは現代座会館を地域の方や創造
活動をする方に活用してもらう事業で
す。
10
15
17
居のDVDを見ることも始めました。
度からは音楽を聴くだけでなく、昔の芝
◎事務所スタッフ
設備を新調する工事を進めています。
◆ ホ ー ル の 照 明 設 備 新 調 こ れ ま で
40年以上使用していたホールの調光
が解決しました。
◆ 屋 上 の 防 水 塗 装 を 行 い、 雨 漏 り 問 題
Fのトイレのドアを取り替えました。
「バンビーノ」、通信制大学生支援の「早
毎月「緑町ふれあいサロン」が行われ
ているのと、緑町第二町会は役員会や総
◎『遠い空の下の故郷~ハンセン病療養
月
月、8月、
会にも使って頂いています。
所に生きて~』
には木村快との雑談会を行いました。
月と7ステージ行い、
稲 田 ラ ジ オ ス ク ー ル 」 と「 教 育 文 庫 」、
そして「東志野香のヨガ教室」です。
◎地下ホールと3F小ホール
長野県で5カ所7回の上演をしまし
た。長野県仏教婦人会総会や伊那市の人
11
ホ ー ル 公 演 6 団 体、 3 F 公 演 2 団 体、
稽古など 団体で、今までより多くの使
15
10
第
2 0 1 6 年 4 月 日( 土 ) 午 後 6 時
半 か ら、 現 代 座 で「 N P O 現 代 座 第
16
満席で600人以上の方が参加して下さ
財政状況
17
現代座の基本的な活動が成り立ってい
14
15
17
(4)
2016 年 5 月 1 日発行
(5)
NPO現代座レポート № 66
2015年度 活動計算書
2015年3月1日から 2016年2月29日まで
科 目
Ⅰ 経常収益
1 受取会費
2 受取寄付金
3 受取助成金等
公共団体補助金
民間助成金
4 事業収益
①地域劇場づくり支援事業収益
②制作上演事業収益
③セミナー事業収益
④国際協力事業収益
⑤まちづくり事業収益
⑥子ども健全育成事業収益
⑦会報発行事業収益
5 その他収益
受取利息
雑収益
特定非営利活動法人 NPO現代座
(単位:円)
金 額
1,897,000
307,000
0
0
0
4,079,700
2,081,000
773,000
0
2,000
0
0
6,935,700
212
99,223
99,435
経常収益 計
Ⅱ 経常費用
1 事業費
⑴ 人件費
給料手当
⑵ その他経費
制作・準備費
創造・上演費
交通・通信費
資料・印刷費
消耗品費
会報・HP経費
その他経費 計
事業費 計
2 管理費
⑴ 人件費
給料手当
⑵ その他経費
通信運搬費
消耗品費
OA経費
雑費
光熱水道費
租税公課
家賃
その他経費 計
管理費 計
9,239,135
582,900
269,308
1,842,312
65,000
36,896
1,783,236
850,962
4,847,714
5,430,614
426,350
173,882
174,086
453,664
278,606
946,939
70,000
1,200,000
3,297,177
3,723,527
経常費用 計
当期正味財産増減額
9,154,141
84,994
前期繰越正味財産額
次期繰越正味財産額
-252,011
-167,017
当期において、その他事業は実施していません。
NPO現代座を支える人々
第二十三回
古明地節子さん
記 武本英之
「あのマンションの
住民の 人は 歳以上
年。岡山県で初めて
変でしょうから町会を抜けます』と付き合いが疎遠に
くと『ポストに入れておいて』が、最後は『いつも大
所 付 き 合 い が 今、 崩 壊 し て い る。
「回覧板を持って行
る。いわゆる〝隣近所〟の位置だ。この顔の見える近
現代座と古明地さんのお宅と筆者の家は東京・小金
井市の緑町第二町会という同じ地域ブロック内にあ
事情通になるべくしてなったというわけだ。
委員として社会に向き合ってきた。その結果、地域の
だから、古明地さんはその約3分の1近い歳月を民生
民生委員制度ができて来年で100周年を迎えるそう
結局引き受けてから今年で早や
は 大 変 だ か ら や め た 方 が い い 」 と 家 族 は 反 対 し た が、
き 受 け ら れ た。 当 初、
「 方 面 委 員( 民 生 委 員 の 前 身 )
学生になって親の手を離れた時、民生委員の仕事を引
地域の事に精通した数少ないお一人である。子供が大
情に明るい方がめっきり少なくなった。古明地さんは
隣近所の付き合いがなくなった昨今、そんな地域の事
の こ と は 何 で も わ か る。
の方に聞けばその地域
の 方 た ち で す 」 ―― こ
75
て い る こ と だ と 言 う。「 独 居 の 高 齢 者 が 具 合 が 悪 く な
することによって、お互いに協力しあう力が弱くなっ
中心に高齢者が
3木曜の午後、緑町を
の1階ロビーに毎月第
人ほ
ると、以前は様子をよく知るお隣さんが病院に連絡を
と雇用関係になります。隣近所の本来の善意のボラン
を払ってボランティアをしてもらえます。有償となる
す。今、有償ボランティアという制度ができて、お金
パーを呼びます」。「障害者の方の対応も変化していま
してあげてました。今はケアマネさんが契約したヘル
いう。それほど地域の
ての人ばかりだったと
も会話をしたのは初め
見かけたことはあって
己紹介し合うと、顔は
ど集まる。サロンで自
高齢者は孤立している
証だろう。
か」と古明地さんは探し回った。「あと7、8年頑張っ
「 こ れ で い い の か。 隣 近 所 の 付 き 合 い も な く、 引 き
こもった高齢者の人たちがみんなで集える場所はない
おっしゃる。
だからこのサロンは楽しいんですよ」と古明地さんは
あ り、 と 現 代 座 の 役 者 ス タ ッ フ が 参 加 す る。「 現 代 座
サ ロ ン は 誰 で も 参 加 で き る。 お 茶 を 飲 み な が ら の お
喋りだが、時に朗読あり、歌あり、人形劇あり、ヨガ
てみよう」と地域興しの人材を養成するファシリテー
と い っ た 会 話 が 毎 日 の 生 活 の エ ネ ル ギ ー に な り ま す。
ター養成講座にも通った。
あるとき、社協主催の一人暮らしの高齢者の会食会
で現代座の人たちが歌や手踊りで、会場になごやかな
メンバーには
歳になる井上末子さんがいらして、庭
雰囲気をつくりだしているのを目撃した。現代座の名
「 こ こ の サ ロ ン は 自 由 に お 喋 り が で き ま す。 こ ん な
お店があるよとか、こんな美味しい物が食べられるよ
緑町ふれあいサロンの誕生
ティアが減っています」と奥深い問題を提起する。
15
た。そんなとき、木下美智子さんがひょっこり訪ねて
はじめて「こんなこともしてくれるのか」と興味を持っ
自分たちとは関係ない団体だと思っていた。このとき
の 立 つ 海 」( 木 村 快 作 ) を 観 た こ と も あ る。 け れ ど、
前は古くから知っていたし、環境汚染がテーマの「虹
こ と を 考 え た い 」 と 古 明 地 さ ん か ら 宿 題 が 出 さ れ た。
これからの現代座には「地域に開かれたサロンとし
てのお喋りの次に、何かみんなで一緒にできるような
を作ったり、みんなでワアワア騒ぎながらね」
で 取 れ た お 花 を 持 っ て き た り、 草 の 実 で ア ク セ サ リ ー
あります。
の編 集局長。NPO 現代 座正会員で も
武本英之さんは専門紙「東京交通新聞」
※このシリーズを担当している筆者の
了
回ほど開催した。現代座会館
「ありますとも、ぜひ一緒にやりましょうよ」
「 緑 町 ふ れ あ い サ ロ ン 」 の 誕 生 で あ る。 2 0 1 3 年
でしょうかねえ」とおっしゃる。
こ ら れ て、「 何 か こ の 地 域 で お 役 に た て る こ と は な い
91
40
なっていきます」と古明地さんは憂える。これには筆
者も内心ズキンとくるものがある。
月スタート。すでに
30
古明地 節子さん
( こめじ・せつこ )
現在の問題として頭が痛いのは、公的な制度に依存
10
28
(6)
2016 年 5 月 1 日発行
NPO現代座レポート № 66
(7)
誰でもできる朗読教室 1 期生発表会 現代座3階小ホール
15
後列
前列
石川秀樹
現代座会館 2月~4月 活動日誌
13
醬野良子
「現代座レポート 号」発送作業
1月 日 日 木村快雑談会
2月8日 北海道より青柳省三さん、鷲津さん来訪
「緑町ふれあいサロン」
日 協同勉強会・DVD上映『風は故郷へ』
日 日 ワーカーズコープ永戸祐三理事長一行来訪
「緑町ふれあいサロン」
3月 日 日 緑町第二町会役員会 日 雑談会・DVD上映『遥かなる島』
日 北海道「こぶし座」より計良夫妻来訪
4月4日 現代座ホール照明設備新調工事完了
日 NPO現代座理事会
日 DVD上映会『遙かなる島』
日 NPO現代座総会
「緑町ふれあいサロン」
日 日 木村快雑談会
【現代座ホール】
65
2月 ~ 日 八木澤賢『注文の多い料理店』稽古
2月 ~3月2日 希望舞台『焼け跡から』稽古
3月3日 目黒陽介ジャグリング撮影
『女の戦い』公演
3月 ~ 日 X.Company
3月 ~4月2日 劇団ブルーベリーパイファミリー
『すてきな街の仲間たち』公演
4月7~ 日 シアター青芸『ウインズオブゴッド』稽古
27
【三階小ホール】
2月 日 『遠い空の下の故郷』公演
3月 日 津田リトル・コンサート
4月3~ 希望舞台『釈迦内柩唄』稽古
25
朗読会の 楽 し さ
10
31 30
27 12
長谷川葉月
ながつきさわこ
40
22 21 19 17 29 21 18
24 21 16 12 11
31 25
【定期使用 二階サロン】
毎日曜日 早稲田ラジオスクール(学生支援)
毎月曜日 子どもクラブ・バンビーノ
毎水曜日 熟年パソコンサークル
熟年講座
隔木曜日 ipad
毎土曜日 オフィスプラシーボ・ワークショップ
隔水曜日 朗読教室
毎火曜日 東志野香のヨガ教室 13 28
息づかいを感じるよろこび
23
講師 3月 日(水) 現代座会館3階小ホールで、昨
木谷道宣
年 月からの半年間、月2回の朗読講座を受講し
環 笑子
た9人がその成果を発表しました。
長谷川葉月
(師 )
長く朗読を学んできた私にとって、朗読をする
講
今井治江
人もそれを聞く人も、朗読がこんなにも楽しく感
井上尚子
動させるものだということを目の当たりにしたの
は初めてといってもいいでしょう。朗読を習い始
高嶋悦代
めてわずか半年の〝生徒〟たちにとってもさぞや
手塚 修
驚きの連続だったと思います。
現に講座が進むにつれて、「私、この教室の稽古
だ け で い い ん で す け ど、 出 な き ゃ ダ メ で す か?」
まずプログラムを紹介しましょう。
「
エーッ、衣装って何ですか! 持ってません」「発
志賀直哉作 『清兵衛と瓢簞』 井上尚子
表 し た い 作 品 を 自 分 で 選 ぶ な ん て ‥‥、 普 段 は 小
芥川龍之介作 『蜘蛛の糸』 手塚 修
説を読まないんです私、もっぱらマンガで」など
小川洋子作 『風薫るウィーンの旅六日間』
の声が続出。
ながつきさわこ
それが、いよいよ2月から各自が発表作品の稽
夏目漱石作 『永日小品─泥棒』 高嶋悦代
古 に 入 る と、 ど う で し ょ う。 本 を 持 つ 手 が 震 え、
太宰治作
『黄金風景』 石川秀樹
文字を目で一生懸命追いながら、つっかえつっか
志賀直哉作
『転生』 醬野良子
え、 か ろ う じ て 声 を 出 し て い た 人 た ち は 何 処 へ?
池波正太郎作 『鬼平犯科帳─むかしの男』 スラスラと淀みなく読むのはもちろん、声の調
木谷道宣 子に変化をつけたり、顔を上げたり、立ったり座っ
篠原昌裕作
『卒業旅行ジャック』 環 笑子
た り と、 自 分 た ち で 工 夫 を 凝 ら し て、 ど ん ど ん 読
夏目漱石作
『吾輩は猫である』 今井治江
み方が上達していくではないですか、もう別人の
以上の9作品で1人 分~ 分ほどの朗読です。 ように。
そして迎えた発表会当日、ほぼ満席の 名あま
実は、このなかには朗読をまったく経験したこ りのお客様を前に、堂々と舞台朗読をする姿はみ
と の な い 人 が 4 名 も い ら し て、 受 講 し た 当 初 は、
なさん輝いて見え、私は感動とともに精一杯の拍
ちょっとした稽古場発表会ならともかく、まさか
手をおくりました。
自分がお客様の前で衣装をつけて、舞台照明も入っ
4月開講の第2期の朗読教室は、おかげさまで
て朗読をするなんて思いもよらなかったことと思 受講者も集まりました。半年後の発表会もますま
います。
す楽しみです。
10
2016 年 5 月 1 日発行
さようなら 40 年以上も
働いてくれた竜電社の調光器
調光室の壁面もすっきり、新しい調光器が並ぶ。
嬉しいような寂しいような照明担当の渋谷博史
40
お知らせ
心をつなぐバラエティ劇場
第1部 楽しいお話
「カイロ団長」
「おおきな木」
「江戸小咄で遊ぼう」
「手話で歌おう」
長谷川葉月
矢川千尋
東志野香
木下美智子
第 2 部 語り
『遠い空の下の故郷
~ハンセン病療養所に生きて~』
人権教育研究協議会及び人権啓発講演会
日時:6 月 27 日(月)午後
会場:松本合同庁舎会議室
主催:長野県教育委員会事務局中信教育事務所
揺れる幕末 共生の道に生きた男
小金井小次郎
作・木村 快 語り・黒澤義之
5 月 27 日(金)
14:00
28 日(土)
14:00
29 日(日)
14:00
現代座3F小ホール
参加費 2500 円(コーヒー or 紅茶付き)
小中高 1000 円
◆ 40 名の予約制です。事前にご連絡下さい
電話 :042-381-5165 FAX:042-381-6987
NPO現代座の会員になってください
●年間4回発行の活動レポートをお送りします。
●会員による企画行事をお知らせします。
●お申し出があれば、上演舞台の録画DVDをお送りします。
9 月上旬 要望に応えて再々演
合唱構成劇
武蔵野の歌が聞こえる
元禄バブルを打ちのめした宝永大地震・富士噴火
災害復興改革を目指した享保の改革によって
大岡忠相は川崎平右衛門に武蔵野開発を依頼
「弱者を含めた全体で生きぬけ!」
武蔵野は協同の心に目覚めた‥‥‥
★年会費(現代座レポート購読料を含む)
一般会員
3,000 円
協賛会員 10,000 円(1口以上)
郵便振替口座番号 00110-7-703151 NPO現代座
◆現代座ホールの調光設備を新調
従来の調光室
年代
現 代 座 ホ ー ル の 調 光 器 は 1960
か ら 全 国 の 市 町 村 を 駆 け 巡 り、 会 場 の
無い町では体育館を劇場に変身させる
大 切 な 役 割 を 担 っ て き ま し た。 大 事 に
使 っ て い た の で す が、 つ い に メ ー カ ー
か ら の 部 品 供 給 が 不 可 能 と な り、 年
間 馴 れ 親 し ん だ 器 械 と 別 れ を 告 げ、 新
しい調光器と入れ替えることになりま
した。
こ こ 数 年、 専 従 職 員 を 置 か ず に 経 費
を 節 約 し、 エ ア コ ン や 客 席 の 椅 子 を 新
調 し て 進 め て き た 中 で も、 大 き な 転 換
点 に な り ま す。 こ の 新 し い 調 光 設 備 に
頑 張 っ て 貰 っ て、 こ れ ま で 以 上 に 暖 か
く、優しいホールにしたいと思います。
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