3月 - 和歌山県ホームページ

普及活動現地情報
「農業現場では、今」
平成 28 年 3 月号
【伊都振興局】3/4 郷土料理の伝承活動
和歌⼭県農林⽔産部経営⽀援課
(農業革新⽀援センター)
は
じ め
に
普及活動現地情報は、普及指導員等が行う農業の技術普及、担い手育
成、調査研究、地域づくり等の多岐に渡る現場普及活動や、運営支援を
行っている関係団体の活動、産地の動向等、その時々の旬な現場の情報
をとりまとめたものです。
それぞれの地域毎の実情に応じて、特徴ある普及活動を展開していま
すので、是非、御一読頂き、本情報を通じて、普及活動に対する御理解
を深めて頂くと共に、関係者の皆様にとって、今後の参考になれば幸い
です。
また、本情報については、カラー版(PDF ファイル)を和歌山県ホー
ムページ内(農林水産部経営支援課:アドレスは下記を御参照下さい。
)
に掲載しており、過去の情報も閲覧出来ますので、併せて御活用下さい。
和歌山県農林水産部経営支援課ホームページ 普及現地情報アドレス
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070900/hukyu/
検索サイトより、以下のキーワードで御検索下さい。
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目
次
>
Ⅰ 海草振興局
頁数
1-2
1.和海地方農業士会が県外研修を実施
2.農家経営研修会を開催
3.河西農業士会県外視察研修会を開催
Ⅱ 那賀振興局
3 -5
1.重点プロジェクト【モモ高品質安定生産技術の普及】
~生産者大会・研修会で今年度の成果を発表~
2.紀の川市環境保全型農業グループ総会・研修会を開催
3.ハーブ栽培研究会が先進地研修会を実施
4.那賀地方有機農業推進協議会が研修会を実施
Ⅲ 伊都振興局
6 -7
1.九度山町生活研究グループ員が郷土料理を伝承
2.橋本市隅田地域農産物利用推進協議会が先進地研修を開催
3.河南地区農産物加工販売組合が総会・研修会を開催
Ⅳ 有田振興局
8―10
1.温州みかんの苗木管理及び剪定研修会(アグリビギナー等技術経営研修事業)
2.平成 27 年度有田地方農村青年交流会を開催
3.有田地方農業者団体研修会を開催
4.有田地方環境保全型農業研究会が技術研修会を開催
Ⅴ 日高振興局
11-
11-13
1.由良町農山漁村女性の日推進会が交流会を開催
2.印南町立清流小学校でわさび寿司づくり体験を実施
3.由良町農業士会が現地研修会を実施
4.商品化技術講習会を開催
~手書きPOPの書き方~
Ⅵ 西牟婁振興局
14-
14-15
1.西牟婁の特色ある農林水産物を紹介した冊子が完成~地産来消を推進~
2.ニホンザルの被害防止対策を学ぶ
Ⅶ 東牟婁振興局
16
1.アグリビギナー等技術経営研修会開催
Ⅷ 農業大学校 就農支援センター
1.UIターン就農相談フェアを開催
17
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
Ⅰ
海草振興局
1.和海地方農業士会が県外研修を実施
和海地方農業士会(中居純三会長)は 3 月 2 日、兵庫県姫路市の有限会社夢先夢工房と
大阪府柏原市のカタシモワインフード株式会社を訪問し、大規模農業経営の実践等につい
て研修を受けた。
夢先夢工房代表者の衣笠氏は 25 年前 U ターン就農し、平成 11 年には夢前夢工房を設立、
代表者に就任した。現在、正社員 12 名、パート 15 名で農地 45ha を経営。水稲 32ha、そ
の他大豆、小麦、イチゴ、ソバなどを無農薬、減農薬で栽培している。農産物の販売先は
レストラン等業務用や個人への直売が中心である。
今後、水稲部門の経営安定を進めていくため、水田の水管理自動化、畦畔の雑草管理の
省力化、収穫作業の外部委託等栽培管理の省力化を検討しているとのことであった。また、
研修生受け入れによる担い手育成にも積極的で、年間 2 名程度が独立し、就農していくと
のことである。
「カタシモワインフード株式会社」の高井社長は、サラリーマンから転職し、ブドウ栽
培(10ha)とワイン醸造に取り組んでいる。
大阪府は、ぶどうの収穫量が全国 7 位。柏原市は大阪ぶどう発祥の地でもあり、明治 11
年からの生産が始まり、山梨県の甲州ぶどうより歴史があると言われている。経済成長期
以降、都市化、後継者不足で廃園が増加し、産地の維持が危ぶまれる状況にあった。
高井氏は歴史ある産地の復活のため、農地を借受し「柏原ぶどう」発展に努めてきた。
夢前夢工房の衣笠氏から説明
カタシモワインフードのブドウ園
2.農家経営研修会を開催
3 月 18 日、紀美野町総合福祉センターで 6 次産業化をテーマに「農家経営研修会」(和
海地方農業生活連絡協議会(中居純三会長)・県共催)を開催し、会員、関係者約 60 名が出
席した。
「農産物の販路拡大に向けて
~農業の6次産業化~」と題して株式会社農業サポート
センターの代表取締役 高橋太一郎氏から、6 次産業を実践するために必要なことや進め
方、支援施策について講演があった。
-1-
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
また、海南市下津町の指導農業士:橋爪道
夫氏からは「果樹+野菜の複合経営から6次
産業化を実践」と題して事例発表があった。
橋爪氏は 6 次産業化に取り組み、アボカドや
ホワイトサポテのアイスクリーム、きゅうり
の漬物を製造販売している。今後は法人化を
進めたいなど橋爪農園が目指す農業経営に
ついて話された。出席者からは原価計算表の
具体的内容やアイスクリームの販売先など
高橋氏の講演
について質問があり、有意義な研修会であっ
た。
3.河⻄農業士会県外視察研修会を開催
3 月 15 日、河西農業士会(河嶌保儀会長)は、奈良県宇陀市の有限会社山口農園、大阪
府河内長野市の日本農薬株式会社総合研究所において、県外視察研修会を開催した。出席
者は河西農業士会会員ら 9 名。
山口農園では、研修生受入による後継者育成の取り組みに加え、ホウレンソウ等葉菜類、
ハーブ類の有機栽培や販売対策について代表取締役の山口貴義氏から説明を受けた。
参加した会員からは、自家製堆肥の製造工程やハウスの管理方法などについて質問がなさ
れ、知見を広めていた。
また、日本農薬総合研究所では、農薬開発に係る費用や新規薬剤の特性などについて講
義を受けた後、研究施設の見学を行った。
山口貴義氏の講義
山口農園ほ場見学
-2-
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那賀振興局
1.重点プロジェクト【モモ高品質安定生産技術の普及】
〜生産者大会・研修会で今年度の成果を発表〜
3 月 4 日、桃山会館であら川の桃振興協議会(山下忠男会長)生産者大会が開催され、生
産者、関係機関 134 名が出席し、振興局農業振興課は、平成 27 年度の重点プロジェクトで
ある果肉障害対策と高糖度モモ生産の実証結果について発表した。果肉障害については、平
成 27 年の気象条件を振り返り、障害発生の多い条件やマルチの敷設により障害が軽減でき
たこと、また、高糖度モモ生産の実証については、夏期せん定や縮伐による樹勢の矯正、日
照条件の改善により果実糖度が改善された事例について説明した。
その他、大果大阪青果株式会社代表取締役社長 中平敏夫氏より、
「TPP が青果物に及ぼ
す影響と桃の販売」について、かき・もも研究所の間佐古主査研究員から「桃のせん孔細菌
病対策」と近年日本で確認された新害虫「クビアカツヤカミキリ」についてそれぞれ講演が
あった。
3 月 9 日には粉河ふるさとセンターで和歌山県桃研究協議会(田村宗隆会長)生産者研修
会が開催され、生産者、関係機関 118 名が出席した。農業振興課から果肉障害対策と高糖度
モモ生産の実証結果について発表した。他にも、
独立行政法人農研機構果樹研究所の主任研究
員
澤村豊氏より「モモの品種動向と果樹研究
所の品種育成、新品種の特性」について、県農
業協同組合連合会、かき・もも研究所からも研
究成果について発表があり、生産者らは熱心に
聞き入っていた。
農業振興課では関係機関と連携し、モモの高
品質化と安定生産につながる栽培技術普及を
今後も進めていく。
あら川の桃振興協議会生産者大会での発表
2.紀の川市環境保全型農業グループ総会・研修会を開催
3 月 22 日、紀の川市環境保全型農業グ
ループ(畑敏之会長)が打田生涯学習セン
ターで平成 28 年度総会及び研修会を開催
し、48 名が出席した。
総会では、平成 27 年度の事業報告及び
平成 28 年度総会
収支決算報告が行われ、平成 28 年度につ
いてはこれまでと同様、果樹や野菜の栽培
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普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
技術や販路に関する研修会及び先進地研修などの計画が承認された。
研修会では、講師として元東京農業大学客員教授で兵庫県立農林水産技術総合センター農
業大学校
渡辺和彦氏を招き、「土壌ミネラルと作物・人間の健康について」と題して講演
があった。渡辺氏からは、「亜鉛など土壌ミネラ
ルの人間の健康への影響」「アミノ酸の作物への
効果」などの説明があった。出席者らは興味深く
聴講し、「亜鉛の適正な摂取量について」「アミノ
酸の病害虫発生理論について」など活発な質疑
も行われた。
農業振興課としては、平成 28 年度も同グルー
プが充実した活動を行えるよう支援していく。
渡辺氏の講演
3.ハーブ栽培研究会が先進地研修会を実施
振興局では新規就農者や女性向きの栽培作物として、ハーブの産地化に取り組んでおり、
11 月にハーブ栽培研究会(今木史典代表)が結成された。
3 月 2 日、ハーブ栽培研究会は、会の運営や栽培方法についての見識を深めるため、淡路
島での先進地研修を実施し、会員 14 名と農業振興課職員 3 名が参加した。
研修では、株式会社フレッシュグループ淡路島代表取締役の森靖一氏から、グループ設立
の経緯と経営概況、生産物の集出荷体制と販売などについて説明を受けた。その後、バジル、
イタリアンパセリ、ミント等の栽培園地を見学した。参加者は、病害虫の防除方法、栽培で
使用する資材、販路の開拓方法など様々な事について熱心に質問を行った。
研修終了後、参加者からは「品質へのこだわりがすごい」、
「研究会を運営していくために
は経営者の感覚が必要」などの意見が聞かれた。
農業振興課は、今後も同研究会が充実した活動を行えるよう支援していく。
説明を受ける参加者
ほ場の見学
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普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
4.那賀地方有機農業推進協議会が研修会を実施
3 月 27 日、那賀有機農業推進協議会(関弘和会長)は、打田生涯学習センターにて有機農業
の栽培技術向上を目的として「有機農業研修会 ~畑の草とうまく向き合う方法!!~」を開催
した。会員、関係者を含め 37 名の参加者があった。
講師は、甲南女子大学生活環境学科准教授の松村俊和氏で、畑に生息する雑草と肥料の関係、
除草剤のメリットとデメリット、有毒な雑草の種類、害虫のつきやすい雑草の種類、有益な雑草
の種類などについて説明があった。また、自分の畑に生息する雑草を持ち寄り質問を行う実物研
修も行った。参加者は、持ちよった雑草の種類や効果的な除草方法について熱心に質問していた。
農業振興課は、今後も同協議会の栽培技術の向上を支援していく。
松村氏による講演と実物研修
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普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
Ⅲ
伊都振興局
1.九度⼭町生活研究グループ員が郷土料理を伝承
九度山町生活研究グループ(谷口里美会長 会
員7名)は、平成 24 年度から伊都地方に伝わる
年中行事と、それにまつわる行事食や季節の食べ
物を次代に伝えることを目的に、郷土料理の伝承
を行っている。
本年度は、3 月 4 日に九度山町立九度山小学校
6 年生(30 名)が、祭りやお正月に作られている
「柿の葉寿司」と、収穫を感謝して先祖にお供え
谷口会長から作り方を説明
する「いのこ餅」をグループ員及び普及指導員の
指導のもと実習しながら学んだ。
柿の葉寿司を作る手伝いをしたことがある児
童は数人いたが、いのこ餅ははじめてという児童
がほとんどであった。柿の葉寿司は、サバと千代
巻き、煮付けたしいたけを具に 3 種類の寿司を作
った。いのこ餅は、米、もち米、小芋をいっしょ
に炊飯した後、レンゲを使ってつぶし小さなおに
ぎりを作り、それにあんこを付けたものとおにぎ
りの芯にあんこを入れ、きな粉を付けた物との2種
各グループに入って会員が手ほどき
類を作った。手作りみそと地元で収穫した野菜たっぷりのおいしいみそ汁と併せて試食した。
子ども達は行事と料理に大変興味を示しており、今後、柿の葉寿司やいのこ餅を食べた時
には、今回の実習のことを思い出してくれれば、と期待している。
グループ員一同は、食育活動に伝承活動を位置づけ今後も続けていきたいと張り切ってお
り、振興局農業振興課としてもサポートしていきたい。
出来上がった料理
柿の葉寿司を作る子ども達
(柿の葉寿司、いのこ餅、具だくさんのみそ汁)
-6-
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
2.橋本市隅⽥地域農産物利用推進協議会が先進地研修会を開催
3 月 9 日、橋本市隅田地域農産物利用推進協議会(乾 幸八会長)は、農業関連企業の見
学を通じて、自己研鑽に努めるとともに、会員相互の交換、親睦を図ることを目的に研修会
を開催。大阪府堺市のアルスコーポレーション株式会社及び株式会社クボタ堺製造所を見学
した。当日は、会員 14 名、市職員、振興局農業振興課普及指導員の計 16 名が出席した。
アルスコーポレーション株式会社では、堺第1工場、第2工場を見学し、身近な鋸、鋏の
製造工程等について説明を聞いた。本工場は、研究部門を持ち、自社商品の工作機械の設計、
製造から製品開発も行っており、鋏の刃研ぎ等はベトナム工場に部品を送って製造している。
クボタ堺製造所では、エンジン、50 馬力以上の大型トラクタ等を製造している。工場内
では無人の運搬車が走り回り、組立に必要な部品のみを供給して製造効率を上げている。製
造ラインには異なる機種を同時進行(国内・海外仕向け)で組立ており、1 台 40 分程度で
生産していると説明を受けた。
アルスコーポレーション
クボタ堺製造所
参加者らは、身近な農機具等の製造現場を見学し、随所に生産効率を上げる工夫がなされ
ている事や新商品に関心している様子で、今後の農業経営にも工夫が重要であると再認識で
きた。
3.河南地区農産物加工販売組合が総会・研修会を開催
かつらぎ町の河南地区農産物加工販売組合(以下果夢果夢バザール、倉谷孝子組合長)で
は、3月 15 日に総会および研修会を開催した。
総会終了後、振興局農業振興課の普及指導員
から、果夢果夢バザールの主力農産物であるモ
モの栽培管理および病害虫対策について研修を
行った。平成 27 年産は気象の影響を受けてモモ
栽培にとって厳しい年であったことから、気象
要因に応じた栽培管理を中心に説明した。組合
員は熱心に聴講し、活発な質問が出され、モモ
栽培に対する意識の高さが伺われた。
農業振興課では、今後も栽培技術向上に向け支
援を行っていく。
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総会後の研修会
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
Ⅳ
有⽥振興局
1.温州みかんの苗⽊管理及び剪定研修会
(アグリビギナー等技術経営研修事業)
3 月 2 日、振興局農業振興課で温州みかんの苗木管理及び剪定研修会(アグリビギナー等
技術経営研修事業)を開催し、新規就農者や4Hクラブ員が参加した。この事業は、新規就
農者や青年農業者を対象に栽培技術の習得や経営感覚の育成、情報交換等を目的として実施
している。
午前中、温州みかんの苗木の定植及び管理について研修を行い、26 人が参加した。上山
苗木店の上山寿一氏から、苗木を植えるときの注意事項や、定植後の管理について、実際に
苗木を植えながら説明を受けた。参加者からは、根鉢は崩すのか、細かな根の処理はどうす
るのか、枝はどこで切り返すのか等、多くの質問が出された。上山氏からは、梅雨までは土
壌を乾燥させないように特に注意すること等の指導があった。
午後は、有田川町の園地で温州みかんの剪定について研修を行い、20 人が参加した。ま
ず、有田川町指導農業士の嶋田勝彦氏から実演を交えつつ剪定について説明を受けた後、実
際に平成 28 年産が表年にあたる樹の剪定を行った。嶋田氏からは、剪定は温州みかん栽培
では大事な作業であり、いかに美味しいみかんが成る枝を作るかを意識していること、裏年
にあたる樹は花芽が大きくなるまで切らないこと、大胆な整枝は裏年に行うこと、等の話が
あった。参加者は、実際に剪定をしながら、樹高を下げるにはどうすればいいのか、隔年結
果を是正する方法は、等の質問をしていた。
これらの技術は、一度の研修で身につくものではないが、参加者自身の園地で実践を重
ねることで、栽培管理技術の向上につなげてもらいたい。農業振興課では、今後も温州みか
ん栽培を中心に知識・技術の習得を支援していく。
苗木管理研修
剪定研修
2.平成 27 年度有⽥地方農村⻘年交流会を開催
3 月 5 日、有田地方4Hクラブ連絡協議会(南村準治会長)主催の有田地方農村青年交流
-8-
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
会を開催した。この交流会は異業種間の交流を図ることを目的に開催しており、今年度はク
ラブ員 5 名、女性 6 名の参加があった。
当日は、紀の川フルーツファーム(紀の川市)で、イチゴ狩りを行った後、雨の森陶芸の
里(海南市)に移動し、陶芸作りを体験した。天候にも恵まれ、参加者は和やかな雰囲気の
中楽しんでいた。
最後に、クラブ員の農業に対する取り組みなどの意見交換会を行い、交流を深めた。
今後も、様々な活動を通して、クラブ員の資質向上のための支援を行っていく予定である。
イチゴ狩り
陶芸体験
3.有⽥地方農業者団体研修会を開催
3 月 7 日、鮎茶屋において有田地方農業者団体(農業士協議会、生活研究グループ連絡協
議会、4Hクラブ連絡協議)による研修会が開催され、管内各市町から会員及び関係者等併
せて約 120 名が出席した。
研修会ではまず、県果樹試験場の水上副主査
研究員より「近年登録の話題のカンキツ品種」
について情報提供があった。最近品種登録され
た 4 品種について栽培面や品種特性について説
明があった。
基調講演では、講師として国際フルーツ協会
の中野瑞樹氏を迎え、「フルーツにまつわる誤
解と明るい未来」と題し、自身が取り組んでい
る果実のみの食生活実験を通して、フルーツの
県果樹試験場から情報提供
魅力を伝える取り組みの講話があった。参加者
からは、果実のみの食生活への驚きの声と共に、「食費はいくらかかるのか」、「みかんは
他の果物と比べどういった点が優れているのか」といった質問が活発にでていた。
-9-
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
今回の研修を通じて、果樹農家としてフルーツ
の正しい知識を学ぶと共に、日頃交流の
機会が少ない農業士と生活研究グループ、4H
クラブ員の交流が図れ、有意義な研修会となっ
たようであった。
今後とも振興局農業振興課では、このような
取組みを支援していきたい。
中野氏講演
4.有⽥地方環境保全型農業研究会が技術研修会を開催
3 月 8 日、県果樹試験場にて有田地方環境保全型農業研究会(古田耕司会長、会員 75 名)
の技術研修会が開催され、会員、関係者ら合わせて約 35 名が参加した。本会は、化学肥料
や農薬を減らしたカンキツ栽培を実践している、あるいは興味を持つ有田管内の農家を中心
に構成されている団体であり、会員の栽培技術向上や知識習得を目的として定期的に研修会
を開催している。
本研修会では、27 年産ミカンの生育を振り返り、果皮障害や腐敗果が多発した原因と対
策について中谷主査研究員から、黒点病を中心とする病害虫被害の原因と対策について井沼
副主査研究員から講演があった。質疑応答ではジベレリンの使い方や、イセリアカイガラム
シ対策にテントウムシを導入する方法等の質問があり、参加者は熱心にメモを取りながら聴
講していた。
振興局農業振興課からは、前田普及指導員が春期のミカン剪定のポイント解説及び有田農
業技術者会で実施している枝挿し調査の結果概要を紹介し、池田技師がエコファーマーの取
り組みの呼びかけを行った。
振興局農業振興課では、今後も研究会の取り組みを支援していきたい。
研修会の様子
- 10 -
Ⅴ
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
日高振興局
1.由良町農⼭漁村⼥性の日推進会が交流会を開催
3 月 2 日、由良町農山漁村女性の日推進会(山中紀美子会長)が、交流会を開催し、55 名
が参加した。
推進会では、由良町の女性団体(生活研究グループ、農業士会女性部会、JA 紀州女性会、
漁協女性部)が毎年 3 月に交流会を開催している。
今回は、伝統的な健康食である「かんぶつ」をテーマに、株式会社野田商店の代表取締役
専務でかんぶつマエストロの野田智也氏を招き、「今こそ伝えたい!日本の伝統食『かんぶ
つ』の魅力」と題して講演が行われた。
野田氏は、保育所や小学校の食育講演会や出前授業を実施し、若い世代にかんぶつを食べ
てもらいたいとの想いからかんぶつを使ったスィーツを製造・販売する『3 時のかんぶつ屋』
の店主としても幅広く活躍している。
かんぶつはヘルシーでうま味があり、常温で保存でき、持ち運びしやすく、非常食なるな
どの利点があるが、昔に比べ消費量が減少している。
また、かんぶつから「だし」をとるうま味の文化が世界で見直され、スィーツなどの新
たな活用法もあるとのことであった。
その後、参加者はかんぶつを使ったスィーツの「あべかわ麩」と「ヒジキのマドレーヌ」
を作った。参加者からは、
「かんぶつがスィーツになるなんて不思議」、
「食べたら美味しい」
、
「かんぶつの利用法がわかって嬉しい」などの声があり、大変好評であった。
講
演
かんぶつを使ったスィーツづくり
2.清流⼩学校でわさび寿司づくり体験を実施
3 月 11 日、印南町立清流小学校で、印南町の郷土料理であるわさび寿司づくり体験を行
った。
講師は、「明日を考える会」の代表で、食育ボランティアの小田美津子氏らが務めた。
最初に、わさび寿司の作り方の説明を聞いた後、3 年生(10 名)が押し抜きした酢飯にし
めさばを乗せ、わさびの葉(塩漬け)で包んだ。
- 11 -
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
塩漬けしたわさびの葉は破れやすいため、丁寧にわさびの葉で包みながら、出来上がったわ
さび寿司は、家に持ち帰った。
家の人と一緒にわさび寿司を作った児童もいて、楽しく実習できた。
わさび寿司づくり
3.由良町農業士会が現地研修会を実施
3 月 25 日、由良町農業士会(松村章弘会長)が現地研修会を実施し、10 名が出席した。
今回は、6 次産業化に取り組んでいる有限会社農業法人「いずみの里」の岡田雅子代表
取締役から話を聞いた。
岡田代表は、道の駅「いずみ山愛の里」の軽食コーナーで、米粉パンやおにぎり、旬彩
カレーなどを販売していることや、和泉みかんの新たな加工品としてみかんのドレッシン
グやみかんラスクを商品化した経緯を説明した。
また、学校給食にパンを納入する業者が業務用みかんペーストを使って「和泉みかんパ
ン」を製造し、和泉市内の小中学校等へ提供しているということであった。
会員からは、みかんラスクとドレッシングの製造方法や米粉の利用法などについて質問
があった。
研修会(岡田代表から講演)
- 12 -
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
4.商品化技術講習会を開催
〜⼿書き POP の書き方〜
3 月 22 日、日高管内の女性起業グループを対象に、加工品等の売上げアップを図るため、
商品化技術講習会を開催し、14 名が参加した。
講師は、POP ライターの大江祐子氏(田辺市)で、
「手書き POP で売上げアップ」と題し
て講話と実習を行った。
最初に、POP が消費者に商品を使える手段として有効であることや用具、色彩、レイア
ウトなどの説明を聞いた後、参加者はひらがなの書き方の練習をした。
次に、イベントや直売所で販売したい商品をイメージしながら、各自 POP で書いた後、
大江先生から色彩や文字の大きさ、レイアウトなどのアドバイスを受けながら、POP の書
き方を楽しく学んだ。
参加者は、「初めて POP を書いたので、難しかった」「とても役に立った」、「家で POP の
書き方を練習したい」などの声があった。
大江氏から説明を聞く参加者
POP の書き方を練習
- 13 -
Ⅵ
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
⻄牟婁振興局
1.⻄牟婁の特⾊ある農林⽔産物を紹介した冊子が完成
〜地産来消を推進〜
この程、生産量は少ないが西牟婁地方ならではの農林水産物と、その料理が食べられる地
元飲食店を紹介した冊子が完成した。当地方を訪れる観光客等に PR して、消費拡大につな
げることが狙い。発行元は振興局農業振興課が呼びかけて平成 27 年 4 月に設立した「西牟婁
地方農林水産物食材コレクション活用協議会」で、田辺・西牟婁地域の生産者団体、飲食業
組合、商工会などで組織している。
冊子の名称は「おいしい西牟婁地方の農林水産物食材コレクション」で、24 品目の農林
水産物の旬や特徴とそれが食べられる飲食店 38 店舗を地図といっしょに紹介。西牟婁管内
の道の駅や南紀白浜空港、JR 紀伊田辺駅・白浜駅・周参見駅、吉備湯浅パーキングエリア、
印南サービスエリアなどで配布している。
なお、本冊子は西牟婁振興局 地域振興部農業振興課(H28.4~ 農林水産振興部農業水産振
興課)の HP(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130600/130651/index/syokuzai_insyoku.html)
からもダウンロードできるので、ぜひ見て欲しい。
農業振興課では、今後も消費拡大を推進して農産物の生産拡大につなげていく。
PR 冊子
2.ニホンザルの被害防止対策を学ぶ
3 月 23 日に、紀南農業協同組合中央購買センターコピアで、平成 27 年度農作物鳥獣被害
防止対策研修会を開催し、生産者や関係機関の担当者約 40 名が出席した。主催は振興局農
業振興課・田辺市鳥獣害対策協議会・西牟婁地域鳥獣被害対策本部、後援は西牟婁農業プロ
ジェクト協議会で、平成 24 年度から有害鳥獣被害に対する防護対策・捕獲対策の意識や技
術の向上を目的に年 1 回開催している。
- 14 -
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
研修では神戸大学大学院人間発達環境学研究科の特命助教 清野未恵子氏から「ニホンザ
ルの生態と被害対策について」の講演と、田辺市自然公園センターの自然観察指導員 鈴木
和男氏から「アライグマ調査研究報告」の情報提供があり、参加者との熱心な意見交換も行
われた。
講演(清野氏)
情報提供(鈴木氏)
- 15 -
普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
Ⅶ
東牟婁振興局
1. アグリビギナー等技術経営研修会開催
3 月 4 日、
北山村下尾井ジャバラ園で那智勝浦町果樹園芸会会長の石田守氏を講師に招き、
剪定講習会を開催、ジャバラ生産組合員 19 名が参加した。
講習会では、農業振興課職員が資料に基づき説明した後、講師の石田氏より剪定の手順・
方法について実演があった。
参加者らは「主枝・亜主枝の配置」や「自分ならこの枝を残す」など活発な意見交換が行
われた。
講師の石田守氏
質問をする参加者
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普及活動現地情報平成 28 年 3 月号
Ⅷ
農業大学校
就農支援センター
1.UIターン就農相談フェアを開催
3 月 13 日、就農支援センターにおいて、県と県農業会議主催のUIターン就農相談フェ
アを開催した。
県内への就農を考えている 16 組 21 名(うち県外 6 組、県内 10 組)の相談があった。相
談内容は、
「技術を修得するために研修を受講したい」や「農業生産法人へ就職したい」な
どがあり、就農に向けてのアドバイスを行った。
また、参加者の中で事前に申し込みがあった 10 組 12 名が、相談と併せて農業体験研修(ス
ターチス収穫・出荷調整、ホウレンソウ播種、耕耘実習)と新たな試みとして、先輩就農者
のイチゴ栽培ほ場(日高川町三百瀬)において現地見学を行った。
現地では、先輩就農者から農地の確保や資金調達等についてアドバイスを受けたあと、ほ場
を見学した。
参加者からは、
「実際に栽培しているところがみれてよかった」や「苦労話が聞けてとて
も参考になった」などの意見があった。
現地見学
耕耘実習
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普及活動現地情報 発⾏・編集
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TEL073-441-2931 FAX073-424-0470
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那賀振興局農林⽔産振興部農業⽔産振興課
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有田振興局農林⽔産振興部農業⽔産振興課
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日高振興局農林⽔産振興部農業⽔産振興課
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和歌⼭県農業大学校
TEL0736-22-2203 FAX0736-22-7402
和歌⼭県農業大学校就農⽀援センター
TEL0738-23-3488 FAX0738-23-3489
※平成28年4月から、振興局地域振興部農業振興課は、農林⽔産振興部農業⽔産振興課に
名称変更しました。