2016 年 4 月 投資先企業との対話の概況 2014 年 5 月、当社は「責任

2016 年 4 月
投資先企業との対話の概況
2014 年 5 月、当社は「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コ
ード》の受け入れを表明しました。投資先企業や当該企業を取り巻く事業環境等への深い
理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)等を通じて、投資先企業
の企業価値向上や持続的成長を促すことは機関投資家としての責務であると認識していま
す。
当社は、投資先企業の経営陣・IR 担当者等への取材活動の中で、当該企業の企業価値向
上に向けた取組みやガバナンスの考え方、株主還元に対する姿勢などを確認し、
「目的を持
った対話」を通じて投資先企業が抱える課題の改善に寄与するようスチュワードシップ活
動に取り組んでいます。
具体的な取組みとして、投資先企業の中から収益性や株主還元の水準が当社の設定する
基準を下回っている企業やガバナンス等に問題を抱える企業を対話候補として抽出し、当
該企業を担当するアナリストもしくはファンドマネージャーが経営陣・IR 担当者等と個別
に面談して、企業価値向上に向けた建設的な対話を行っています。
当社におけるスチュワードシップ活動(2015 年 1 月~2016 年 3 月)の概況は以下の通
りです。
1.スチュワードシップ活動件数
対話内容
合計
対話を行った企業数
95社
収益性
株主還元
ガバナンス等
60件
76件
46件
注:複数の内容について対話を行った企業があり、件数の合計と社数は一致しません。
2.スチュワードシップ活動内容の内訳
2015 年 1 月から 2016 年 3 月までの間に、95 社の投資先企業と延べ 182 件の対話を実施
しました。対話の内容としては、株主還元についての対話が 76 件と最も多く、次いで収益
性に関する対話が 60 件、取締役会の構成などガバナンス等に関する対話が 46 件でした。
3.スチュワードシップ活動の具体的事例
当社が 2015 年 1 月から 2016 年 3 月までに実施したスチュワードシップ活動の具体的事
例の一部をご紹介します。
A社
既に発表済みの企業買収と不採算事業のリストラによる収益改善効果について議論しまし
た。中期的な設備投資と資金需要を確認し、株主還元の拡充余地があるとの指摘を行いま
した。また、同業他社に比べ経営陣の IR 活動への関与が不十分との認識を示し、IR 活動
の拡充を要望しました。
B社
会社側が発表した 10 年間の設備投資計画を基に、当社のアナリストが当該企業の長期業績
予想を作成し、資本政策を見直されなければ、将来的に資本効率の低下を招く恐れがあり、
増配や自社株取得など株主還元の拡充が必要との指摘を行いました。会社側からは、経営
陣も現在の株主還元が十分ではないと認識しており、新たな株主還元の在り方について社
内で検討中であるとの説明を受けました。
C社
コーポレートガバナンス報告書で公表した政策保有株の見直しについて議論を行いました。
D社
同社が公表した「株主還元方針及び成長に向けた投資財源に関するお知らせ」に基づき、
今後の株主還元と事業投資のバランス及び資本政策について議論しました。会社側から総
還元性向を 50%とし、還元後のキャッシュフローに内部留保を加えた 500 億円を事業投資
の財源とする方針について説明を受けました。
以上