別紙2 島根原子力発電所2号機 特定重大事故等対処施設および所内常設直流電源設備の概要 島根原子力発電所2号機では,新規制基準を踏まえ,重大事故対策(シビア アクシデント対策)などの様々な安全対策に取り組んでいるところであるが, 新規制基準では,さらに信頼性を向上させるため,特定重大事故等対処施設 および所内常設直流電源設備(3系統目)の設置を要求している。 これらの施設・設備は,本体施設に係る工事計画認可日から起算して5年 までに完成させることとしている。 本件に係る「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」 第43条の3の8第1項の規定に基づく,島根原子力発電所2号機原子炉設置 変更許可申請の概要は以下のとおり。 1.特定重大事故等対処施設の設置 (1)施設の設置目的 特定重大事故等対処施設は,故意による大型航空機の衝突やその他のテロリ ズムにより炉心の著しい損傷が発生するおそれがある場合または発生した場合 においても,原子炉格納容器の破損を防止し,放射性物質の放出を抑制する ための施設。重大事故等に対処するために配備した可搬型設備等(送水車, 電源車等)による安全対策のバックアップとして,原子炉格納容器破損防止 対策に対する信頼性をさらに向上させるために設置する。 (2)施設の位置 特定重大事故等対処施設は,故意による大型航空機の衝突やその他のテロリ ズムによって,原子炉建物等と同時に破損することを防止するため,必要な 離隔距離を確保するか,故意による大型航空機の衝突に対して頑健な建物に 収納する。 (3)主要設備 a.減圧操作設備 減圧操作設備は,既設の逃がし安全弁を遠隔操作で動作させることに よって原子炉圧力容器内を減圧する機能を有する。 1 b.注水設備 注水設備は,専用の水源およびポンプ等によって原子炉圧力容器内または 原子炉格納容器内に注水またはスプレイする機能を有する。 c.原子炉格納容器過圧破損防止設備(第2フィルタ付ベント設備) 原子炉格納容器過圧破損防止設備(第2フィルタ付ベント設備)は, 放射性物質を低減させながら原子炉格納容器内のガスを排気することに よって原子炉格納容器内を減圧する機能を有するもので,現在設置工事中 の第1フィルタ付ベント設備に加え,設置する。 d.電源設備(発電機) 電源設備(発電機)は,特定重大事故等対処施設の各設備の稼働に必要 な電源を確保し,電力を供給する機能を有する。 e.緊急時制御室 緊急時制御室は,特定重大事故等対処施設の設備を操作し,原子炉圧力 容器内および原子炉格納容器内の状態を把握するための各種パラメータ を監視する機能を有する。 また,中央制御室および緊急時対策所と通信連絡する機能を有する。 <特定重大事故等対処施設の概要図> 2 2.所内常設直流電源設備(3系統目)の設置 (1)設備の設置目的 所内常設直流電源設備(3系統目)は,非常用電源設備(1系統目:非常用 ディーゼル発電機,蓄電池等)および重大事故等の対応に必要な電源設備(2 系統目:ガスタービン発電機,高圧発電機車等)が機能喪失した場合において も,重大事故等の対応に必要な設備への直流電源を確保し,電力を供給できる よう,さらなる信頼性向上のために設置する。 (2)設備の位置 所内常設直流電源設備(3系統目)は,特に高い信頼性を確保するため, 非常用電源設備(1系統目)および重大事故等の対応に必要な電源設備(2系 統目)との位置的分散を図った原子炉建物近傍の地下に設置する。 (3)主要設備 a.蓄電池 蓄電池は,非常用電源設備(1系統目)および重大事故等の対応に必要 な電源設備(2系統目)が機能喪失した場合においても,24 時間にわたり 重大事故等の対応に必要な設備への直流電源を確保し,電力を供給する。 b.充電器 充電器は,通常時に蓄電池を充電する。 <所内常設直流電源設備(3系統目)の概要図> 以 3 上
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