H28記者発表資料 [PDFファイル/1.23MB]

碧南市、安城市、西尾市、高浜市と同時発表
平成28年4月25日(月)
愛知県環境部水地盤環境課
調整・生活排水グループ
担当 元山、出原 内線 3041,3058
(ダイヤルイン)052-954-6219
愛知県建設部河川課
環境・海岸グループ
担当 西村、戸田 内線 2732,2733
(ダイヤルイン)052-954-6556
愛知県農林水産部農業経営課
環境・植防グループ
担当 伴、内藤 内線 3668,3669
(ダイヤルイン)052-954-9411
愛知県建設部下水道
公共下水道グループ
担当 榎本、玉置 内線 2683,2686
(ダイヤルイン)052-954-6535
油ヶ淵 清流ルネッサンスⅡの進捗状況(平成 27 年度)及び
にごり改善対策について
愛知県と油ヶ淵流域関係4市は、本日、開催しました「平成 28 年度油ヶ淵水質浄化促進協議会
※1
」において、清流ルネッサンスⅡ※1(本計画)に定める油ヶ淵の水質浄化対策の進捗状況及び
油ヶ淵のにごり改善対策について、以下の事項を確認しました。
(1)平成 27 年度の進捗状況は資料1のとおりとなった。
(2)COD※2の値は、長期的な改善傾向がみられるものの、平成 27 年度は速報値で 7.2mg/L
(COD75%値)となり、目標値 6.0mg/L には達していない。
(資料2)
(3)平成 28 年度も引き続き、河川・湖内対策や下水道整備、下水道への早期接続や水環境
に対する流域住民の保全意識の高揚などの水質浄化対策を、県、流域市と市民が一体とな
って実施する。
(資料3)
(4)平成 27 年度に実施した油ヶ淵のにごりに関する環境調査や平成 27~28 年度の予定で実
施しているにごりを除去するための実験等の結果をもとに、平成 28 年度も引き続きにご
り改善対策を検討する。
(資料4)
※1
油ヶ淵水質浄化促進協議会(愛知県、碧南市、安城市、西尾市、高浜市)は、県内唯一の
天然湖沼である油ヶ淵の水環境の改善を図るため、「第二期油ヶ淵水環境改善緊急行動計画
(清流ルネッサンスⅡ)
」を平成 16 年度に策定、平成 23 年度には改定し、総合的な対策を進
めている。
※2
清流ルネッサンスⅡでは、総合指標として COD を、生物の生息改善指標として DO を、親水
性指標としてにごりを設定し、それぞれ目標値を定めている。
指標
評価項目
総合指標
COD
目標値
6mg/L 以下
(COD:化学的酸素要求量)
生息改善指標標
DO
3mg/L 以上
(DO:溶存酸素量)
親水性指標
にごり
1
透視度 30cm 以上
資料1
油ヶ淵清流ルネッサンスⅡの進捗状況の概要(平成 27 年度)
計画概要(計画期間:平成 16 年度~32 年度)
水質改善
目的
対策
平成 27 年度実績
項目
富栄養化の要因である
32 年度目標値
河床浚渫
4.2 万 m3(累計)
湖内覆砂
13.2 万 m3(累計) 平成 24 年度までに完了
- (累計: 3.7 万㎥)
ヘドロの除去と窒素・リン
河川・湖内
の溶出抑制
対策
流入河川、湖の多自然化
(植生)による浄化の回復
0.4km ※2
植生浄化
9km
下水道普及率
74%
72 %
※2
接続率
82%
83 %
※2
接続率
100%
98 % ※2
(累計:3.5km)
下水道整備
水質汚濁の主な原因で
農業集落
ある生活排水による汚濁
排水
物質の流出削減
合併処理
合併処理浄化槽人口
浄化槽整備
浄化槽の雨水貯留タンク転用
市街地対策
13,854 人
190 基(累計)※1
9,978 人
※2
3 基(累計:44 基)※2
降雨時の市街地から流出
する汚濁物質や農地から
農地対策
畜産対策
産業排水
対策
流出する窒素・リンの軽減
西尾市:65%
70 %
※2
その他 3 市:85%
85 %
※2
側条施肥
畜産排水の水質改善
巡回指導件数
工場排水の水質改善
立入検査数
14 件(延べ)※2
55 件
実施
その他
水環境に対する保全意識
(啓発活動等)
の高揚
一斉清掃参加者数
4,578 人
水環境モニタリング地点
84 地点
※1 浄化槽の雨水貯留タンク転用の目標基数は H23~32 の累計
※2 本日時点の見込み値
2
資料2
平成 27年度の水質について
・ 流入河川の水質は改善傾向にあり、近年、BOD75%値は環境基準を達成している。
・ 油ヶ淵の水質は改善傾向にあるが、平成 27年度の COD75%値(速報値)は 7.2
mg/L で、目標値は達成していない。
水域名
地点名
油ヶ淵
中央
稗田川
稗田橋
長田川
潭水橋
半場川
坂下橋
朝鮮川
坂下小橋
環境基準値
5mg/L
(COD75%水質値)
清流ルネッサンスII
目標値
6mg/L
(COD75%水質値)
5mg/L
(BOD75%水質値)
平成27年度調査結果(速報値)
(参考)平成26年度調査結果
環境基準
適合状況
目標値の
適合状況
7.2mg/L
×
×
3.0mg/L
○
3.2mg/L
○
75%水質値
-
環境基準
適合状況
目標値の
適合状況
7.5mg/L
×
×
2.3mg/L
○
2.2mg/L
○
75%水質値
-
-
2.6mg/L
○
2.3mg/L
○
1.5mg/L
○
1.7mg/L
○
30
20
10
0
環境基準値(BOD5mg/L)
環境基準値(BOD5mg/L)
年度
長田川/潭水橋
20
15
10
5
0
環境基準値(BOD5mg/L)
S48
S49
S50
S51
S52
S53
S54
S55
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
稗田川/稗田橋
BOD75%値(mg/L)
40
S48
S49
S50
S51
S52
S53
S54
S55
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
BOD75%値(mg/L)
注)平成 27年度調査結果は、平成 28年 1 月末までの速報値である。
年度
安城市
凡例
河川名/地点名
BOD75%値
20
20
朝鮮川/坂下小橋
15
10
5
環境基準値(BOD5mg/L)
環境基準値(BOD5mg/L)
S48
S49
S50
S51
S52
S53
S54
S55
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
0
10
0
清流ルネッサンスⅡ目標値(COD6mg/L)
環境基準値(COD5mg/L)
年度
3
年度
半場川/坂下橋
15
10
5
0
環境基準値(BOD5mg/L)
環境基準値(BOD5mg/L)
S48
S49
S50
S51
S52
S53
S54
S55
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
5
S48
S49
S50
S51
S52
S53
S54
S55
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
COD75%値(mg/L)
15
BOD75%値(mg/L)
油ヶ淵/中央
20
BOD75%値(mg/L)
湖沼名/地点名
COD75%値
年度
資料3
平成 28年度の主な水質浄化対策
(1)河川・湖内対策
家庭などから排出された汚濁物質は、ヘドロ生成の原因となり、河床や湖底に堆積したヘドロか
らは富栄養化の要因である窒素やリンが溶出します。
これらの対策として、これまで河川水の直接浄化の建設や、湖内の浚渫や覆砂を実施しました。
現在は、植生浄化としてヨシの生えやすい基盤整備を実施中で、平成 28 年度は引き続きこの基
盤整備を実施します。
浚渫と覆砂
凡例
浚渫
浚渫、覆砂
浚渫施工状況
油ヶ淵湖内の
浚渫・覆砂は完了
覆砂施工状況
凡
覆砂イメージ図
例
平成 26年度以前
平成 27年度
平成 28年度予定
覆砂
平成 29年度以降
底泥
植生浄化
直接浄化施設
半場川
28 年度実施予定
27 年度実施
4
(2)下水道整備
下水道整備進捗状況
・ 下水道整備による水質改善は、各
人
普及率
120,000
処理人口
接続人口
100,000
普及率
80,000
62%
56% 58%
53% 54%
60,000
32%
36%
39%
43%
65% 67%
100%
とで効果が出ます。よって、下水
90%
道の普及率とともに、接続率の向
72% 80%
69% 70%
70%
48%
度)における下水道整備の目標値
は、普及率74%、接続率82%
20%
10%
0
・ 本計画の平成32 年度(目標年
50%
30%
20,000
上が重要です。
60%
40%
40,000 27%
家庭から下水道管へ接続するこ
0%
であるのに対し、平成 27年度
(見込み)は普及率が 2 ポイン
ト上昇し、普及率72%、接続率
83%でした。
H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
注 普及率=処理人口/油ヶ淵流域内人口
油ヶ淵流域内における下水道整備進捗状況
接続率=接続人口/処理人口
下水道整備区域
※下水道整備済区域内人口=処理人口
5
資料4
にごり改善対策について
清流ルネッサンスⅡで目標値を設定している水質項目のうち、長期的な改善傾向がみら
れる COD や、目標値 3.0mg/L を上回り目標を達成することが多い DO に比べ、にごり
は目標値を下回る頻度が高く改善傾向もみられません。
このため、油ヶ淵水質浄化促進協議会では、油ヶ淵の更なるにごり改善に向けた調査と
検討を行っていくこととしました。
平成27年度は油ヶ淵のにごりの原因を解明するために必要な環境調査等を実施し、
土粒子の寄与率が高いことが推定されました。また、発生したにごりを除去するための実
験を平成27年 2 月から平成28年 5 月(予定)の期間で実施中です。
平成28年度はこれらの調査結果等をもとに、にごり改善対策を検討していきます。
図
油ヶ淵の透視度の推移
6
(1)にごりに関する環境調査
にごりに関する環境調査結果から油ヶ淵のにごりの主要因と寄与率を推定しました。
<にごりのメカニズム>
注)図中の①~③はにごりメカニズムの主要因と考えられる項目を示す。
<にごりの主要因の寄与率>
5月
■:土粒子(流入)による濁り
1月
8月
■:内部生産による濁り
降雨時
2月
■:有機物(流入)による濁り
■:再懸濁による濁り
注)
・環境調査を 5 月、8 月、1 月、2 月、降雨時(10 月)に実施。
・円の面積で各調査時のにごりの程度を調査時の濁度から表しています。
・5 月、8 月、2 月及び降雨時の濁りは、土粒子の寄与率が高いと推定される。
・1 月は、内部生産の寄与率が高いと推定される。ただし、1 月は、他の時期に比べると
濁りが低いことから、相対的にみると油ヶ淵への濁りの寄与は低いと推定される。
また、油ヶ淵における浮遊物質のシミュレーションモデルの基本検討を実施しました。今後は
引き続き、追加調査の結果等を用いてモデルを作成するとともに、にごりに関する対策を検討し
ていきます。
(2)河川に流入するにごりの除去実験
河川に流入するにごりを竹粗朶で除去する方法(矢作川方式)について、実証実験により効
果検証を行っています。
■実証実験浄化施設
・処理方法:竹粗朶による濁水除去
・調査期間:H28 年 2 月~5 月(予定)
・調査場所:半場川遊水地
(東隅田浄化施設)
7