玉野市行政改革大綱

資料④
玉野市行政改革大綱
~行政サービスの向上に向けて~
平成23年4月
玉 野 市
目
次
Ⅰ 玉野市行政改革大綱の基本方針 ........................................... 1
1 最近の環境変化 ...................................................... 1
2 地方における行政改革 ................................................ 1
3 玉野市のこれまでの取り組み .......................................... 1
4 新たな玉野市行政改革大綱の考え方 .................................... 2
(1)行政改革大綱の必要性 ............................................ 2
(2)行政評価システムとの連携 ........................................ 3
(3)質的な改革 ...................................................... 3
5 取組期間 ............................................................ 3
Ⅱ 玉野市行政改革大綱の実施内容 ........................................... 5
1 3つの視点 .......................................................... 5
視点① 市民との協働 .................................................. 6
(1)市民との連携・協力,協働のまちづくりの推進 .................... 6
視点② 市民目線による行政運営 ........................................ 6
(1)事務事業の見直し .............................................. 6
(2)外郭団体の抜本的見直し ........................................ 6
視点③ 市役所の体質改善 .............................................. 7
(1)人材の育成 .................................................... 7
(2)組織・人事制度の見直し ........................................ 7
(3)エコへの取り組み .............................................. 7
Ⅰ 玉野市行政改革大綱の基本方針
1
最近の環境変化
世界的に取組が進められている環境問題,情報化や国際化の進展,著しいスピード
で進展する少子・高齢化などによる,根本的な社会構造の変化に伴う新たな課題や,
住民ニーズの複雑化,多様化など,近年の我が国を取り巻く環境は,急速かつ大きく
変化しています。
また,米国の金融危機に端を発する世界的な不況により,引き続き,雇用不安や消
費の低迷などといった問題が立ちはだかっており,我が国の経済活動に影を落として
います。
本市においても,これらの影響を受け,市税収入が大幅な減少となるなど,厳しい
状況であり,身の丈に合った財政運営が求められています。
2
地方における行政改革
一方,地方行財政においては,「地域主権」という考え方のもと,自己決定,自己
責任の原則に基づき,自主・自立した地方自治体の運営が求められるようになってき
ています。
このため,効率的で透明性を確保した行財政運営を基本に,行政評価をはじめとし
て,住民の満足度と成果をより重視した,創意・工夫による行財政運営や,協働によ
るまちづくりを推進することで,市民の力を最大限に発揮できる施策の展開を図り,
都市としての総合力を高めていくことが重要となっています。
3
玉野市のこれまでの取り組み
玉野市においては,厳しい財政事情のもと,従来から積極的に行政改革の推進に努
めており,国に先駆け昭和 51 年に各種の研究会や審議機関を設置し,行政改革に取
り組んだことをはじめ,昭和 60 年に「玉野市行政改革(第 1 次)大綱」,昭和 62 年
に「玉野市行政改革(第 2 次)大綱」,平成 8 年 3 月に「玉野市行政改革(第 3 次)
大綱」
,平成 14 年 3 月に「玉野市行政改革(第 4 次)大綱」を策定し,これらの大綱
に基づき,毎年度実施計画を策定しながら,全市的に行政改革に取り組んできた結果,
着実にその成果を上げてきています。
その後,総務省が平成 17 年 3 月に策定した「地方公共団体における行政改革のた
めの新たな指針」に基づき,平成 18 年 3 月に「新玉野市行財政改革大綱」を策定し,
1
平成 21 年度までの 5 年間に,持続可能な行政への転換を図るため,財政改革に軸足
を置いた改革を進めてきました。
【図表1】
玉野市の行政改革の沿革
昭和52 年 3 月
玉野市行財政対策研究会答申「行財政運営改善の方策について」
昭和53 年11 月 玉野市行財政運営改善推進委員会提言「行財政運営の改善策について」
昭和57 年 1 月
人件費適正化専門委員会報告「人件費適正化のための対策について」
昭和60 年 8 月
玉野市行政改革大綱
昭和62 年11 月 玉野市行政改革(第 2 次)大綱
4
平成 8 年 3 月
玉野市行政改革(第 3 次)大綱
平成11 年 3 月
玉野市行政改革(第 3 次)大綱(中間見直し)
平成14 年 3 月
玉野市行政改革(第 4 次)大綱
平成18 年 3 月
新玉野市行財政改革(第 5 次)大綱
新たな玉野市行政改革大綱の考え方
(1)行政改革の必要性
平成 18 年 3 月に策定した「新玉野市行財政改革大綱」の計画期間が平成 21
年度で終了したことから,今後も少子・高齢化の進展や,協働の推進,多様化
する市民ニーズへの対応など,新たな課題に対応しながら,「みんなで築くた
まのプラン」に掲げる諸施策を実現するとともに,引き続き積極的に行政改革
に取り組むため,新たに平成 23 年度から取り組む「行政改革(第 6 次)大綱」
を策定します。
【図表2】 平成 21 年度市民意識調査結果(抜粋)
回 答 割 合
調 査 項 目
市役所のサービスが利用しやすくなったと感じている市民の割合
ボランティア活動に参加している市民の割合
利用しやすくなった
26.1%
まあ利用しやすくなった
41.5%
よく参加している
5.8%
時々参加している
19.2%
男性が非常に優遇されている
男女が平等に扱われていると感じている市民の割合
どちらかといえば男性が優遇されている
い
い
子育ての環境が整っていると感じている市民の割合
整っている
日常的に健康に気を付けている市民の割合
防災対策が進んでいると感じている市民の割合
日常的に気を付けている
34.2%
日常的ではないが気を付けている
46.7%
十分に行われている
12.5%
題
○ 子育て支援や,市民の健康志向,防災意識の高まりなど,多様化する市民 ニーズへの対応
○ ボランティアや男女共同参画による協働の推進
○ 市役所の体質改善による,さらなる行政サービスの向上
など
2
4.1%
35.7%
どちらかといえば満足している
課
31.9%
まあ整っている
非常に満足している
子どもの学校(園)での教育に満足している市民の割合
3.5%
2.9%
26.2%
(2)行政評価システムとの連携
新たな行政改革大綱は,市民満足度の高い行政サービスを提供するため,特
に「行政サービスの向上」という観点から,行政の組織・制度の抜本改革の道
しるべとなるものであり,この大綱に基づき,事務事業や枠組みの見直し,体
質改善に取り組むものです。
また,行政評価システムを活用することにより,行政改革の取組項目に限ら
ず,関連する施策や事務事業について客観的な評価を行い,経営資源の選択と
集中を図りながら行政改革を進めていきます。
これらにより,限られた行政資源を有効かつ効率的に運用しながら,市民と
連携・協力し合い,協働のまちづくりを進めることにより,総合計画に掲げる
将来像「安心・活力・支えあい~みんなで築く自立都市」を実現していくもの
です。
(3)質的な改革
「行政を経営する」という新たな視点に立ち,限られた経営資源を有機的に
結びつけ,迅速性,的確性,効率性,実効性を追求し,市民が満足する行政サ
ービスをよりよく,より効率的に提供できる質的な改革を図ることとします。
取組は,①「市民との協働」,②「市民目線による行政運営」,③「市役所の
体質改善」という三つの視点に基づき進めることとし,実現性のある目標を掲
げ,目標とする効果は,内容をできる限り具体的なものとし,可能なものは数
値化するなど,市民に分かりやすいものとします。
5
取組期間
平成 23 年度から概ね 6 年間とします。
3
6
推進体制
行政改革大綱に沿った,具体的な取組項目については,庁内組織の「玉野市行政改
革推進本部」及び庁外組織の学識者,団体代表,公募市民で構成する「玉野市行政改
革推進委員会」の意見を参考とし,毎年度実施計画を立てて取り組みます。
【図表3】 推進体制図
推進体制図
玉野市行政改革推進委員会
助言
報告
玉野市行政改革推進本部
指示・進行管理
報告
全部署(全職員)
目標設定,取り組み実施,評価,改善
また,実施実績についても,毎年度,玉野市行政改革推進委員会による意見を踏ま
え,PDCAのマネジメントサイクルの中で,次期実施計画に改善点を反映しながら,
より高い効果を発揮するよう,確実に推進します。
【図表4】
PDCA マネジメントサイクル
Plan
実施計画策定
Action
見直し
改革
推進
Check
検証
行政改革推進委員会
行政改革推進本部
4
Do
計画推進
Ⅱ 玉野市行政改革大綱の実施内容
1
3つの視点
【図表5】
3つの視点
この行政改革大綱の理念を達成するた
めの基本的な考え方として,改革の目標
を「行政サービスの向上」とします。
また,行政を経営するという新たな視
点に立ち,限られた経営資源を有機的に
結びつけ,迅速性,的確性,効率性,実
効性を追求し,市民が満足する行政サー
ビスをよりよく,より効率的に提供する
質的な改革を実行します。
このために,改革の視点を三つ定め,
これに基づき改革を進めます。
改革の視点①
市民との協働
活気に満ちた,誇れる郷土玉野を実現していくため,市は,公正で透明な行政運
営を推進し,市民と情報を共有しながら,対等の立場でパートナーシップを築き,
共に課題解決に取り組む必要があります。
そのため,市民に対して分かりやすい情報を積極的に発信するとともに,まちづ
くりへの参加の機会の拡充を図り,市民の意思を反映しながら,協働のまちづくり
の取組を進めます。
改革の視点②
市民目線による行政運営
市民に分かりやすい行政運営を目指し,職員一人ひとりが,使命感を持ち,これ
までの前例踏襲主義を改め,主体的に創意工夫と目標を持ち,費用対効果を基本に
した市民サービスの向上に向けた取組を進めます。
改革の視点③
市役所の体質改善
地方分権が強力に進められ,自治体の自己決定・自己責任の原則のもと,質の高
い行政サービスを提供していくためには,知識や技術の確実な継承はもとより,専
門技術の習得,政策立案能力の向上,民間経営感覚の導入など,資質の向上を図る
必要があります。また,めまぐるしく変化していく環境に,迅速,的確かつ柔軟に
対応できる市役所の実現に向けた取組みも必要です。
5
視点① 市民との協働
平成 12 年の地方分権一括法施行以後,国と地方自治体は,それまでの上下・主従
の関係から,対等・協力の関係へと変わりました。
また,人口減少や少子高齢化の進展など,本市を取り巻く社会情勢は急速に変化し
ており,地域の住民ニーズは複雑かつ多様化してきています。
このような状況に的確に対応しながら,行政経営を進めるためにはこれまでのよう
に,市が一方的に行政サービスを提供していくのではなく,情報共有の原則のもと,
市民と市がお互いに対等な立場で役割分担しながら,連携と協力をすること,すなわ
ち市民との協働を進めます。
(1)市民との連携・協力,協働のまちづくりの推進
総合計画に掲げる「自立都市」の実現を目指し,住民をはじめとして,NP
Oやボランティア団体などの地域活動団体と行政とが,目的を共有した上で,
役割分担しながら地域課題の解決に取り組める仕組みづくりを進めます。
視点② 市民目線による行政運営
行政が市民に対して提供するサービスは,安全・安心のまちづくり,子育て支援,
高齢者や障害者などの社会福祉施策など,その範囲は非常に多岐にわたっています。
住民福祉の増進を目的とする自治体として,行政サービスの向上をめざして,これ
までの前例や価値観にとらわれることなく,市民目線を常に意識し,市民志向の行政
運営を進めます。
(1)事務事業の見直し
限りある人材,財源を効率的に活用し,総合計画に掲げる「自立都市」の実
現を目指して,各種の政策,施策,事務事業を展開していくにあたり,実施し
た事業が市民や地域社会に与える成果を常に意識し,評価しながら,よりよい
成果を目指して進める必要があります
そのため,市の行っている全ての施策及び事務事業について,行政評価制度
を活用しながら,市民目線による事務事業の見直しを進め,良質で市民が満足
できる行政サービスの提供に努めます。
(2)外郭団体の抜本的見直し
行政機能を補完・代替する目的で設置し,効果的かつ効率的な公共サービス
6
を提供している外郭団体について,社会経済情勢や住民の望む行政サービスの
変化に対応しながら,今後も継続してその役割を果たしていくため,今後の方
向性等について検討します。
視点③ 市役所の体質改善
地方分権が急速に進展していく中,複雑・多様化する住民ニーズに対し,質の高い
行政サービスを提供していくためには,直面する様々な行政課題に対し,職員自らの
創意と工夫による,的確かつ迅速な対応ができる組織づくりをしていかなければなり
ません。
そのため,職員の意識改革と資質の向上を図りながら,職員の能力を活用できるよ
う,組織の機能を強化していくことで,持続可能でよりよい行政サービスを提供でき
る行政経営の実現を目指します。
(1)人材の育成
複雑・多様化する地域課題の解決に向けて,職員の確かな政策形成能力,情
報共有の観点からの説明能力が求められています。
そのため,職員の能力や資質を向上し,市民目線による行政サービスを提供
していくとともに,職員自ら市民満足度の向上に向けた改善に取り組むことが
できるよう意識改革を進める等,人材育成に取り組みます。
(2)組織・人事制度の見直し
地方分権が進展する中,自主・自立し,持続可能な行政経営が求められる現
在,業務内容に応じて正規職員や非正規職員の構成,バランス等を考慮しなが
ら,全ての職員が,やりがいと誇りを持って職務にあたることができるよう,
市民満足度の高い行政サービスの提供に向けた体制を確立するため,組織の活
性化やモチベーションの向上などに取り組みます。
(3)エコへの取り組み
全世界的な課題である,燃料資源の有効利用を進めるため,市役所における
エネルギー使用の合理化に取り組みます。
これによりエコ市役所,すなわち環境にやさしい市役所へと体質改善を図り
ます。
7