地域経済産業調査結果の概要(九州地域経済の動向)(PDF:545KB)

資料3
平成28年1-3月期 地域経済産業調査概要
(九州地域経済の動向)
平成28年4月20日
九州経済産業局
総務企画部調査課
【調査概要】
調査期間: 平成28年2月26日(金)~平成28年3月28日(月)
 ヒアリング対象企業数: 79社(機関)
(製造33、非製造37、その他9/大企業53、中小企業17、その他9)
<参考(全国)>
 ヒアリング対象企業数: 810社(機関)(全10地域合計)
(製造420、非製造318、その他72/大企業456、中小企業282、その他72)
1
<全体の結果>
(6期ぶりの下方修正))
九州地域の経済は、緩やかに持ち直している
【前回(10-12月期)調査:持ち直している】
<個別の動向>
1.生 産
横ばい傾向
(2期ぶりの下方修正)
【同:持ち直しの動きがみられる】
2.設備投資 持ち直している
(8期連続)
【同:持ち直している】
3.雇用情勢 改善している
(6期連続)
【同:改善している】
4.個人消費 緩やかに持ち直している
(3期連続)
【同:緩やかに持ち直している】
2
1.生産 ~横ばい傾向~ (前回調査:持ち直しの動きがみられる)
『輸送機械』は、国内向けでは需要期で持ち直しの動きがみられたが、海外向けの一部で生産が一時停止したため生産減となった。『電
子部品・デバイス』は、家電用途の半導体で持ち直しの動きが出てきたものの、中国の景気減速やスマートフォン市場の成長鈍化を背景
に生産減となった。『はん用・生産用・業務用機械』は、半導体製造装置、空調機器の生産が堅調であるものの、中国のインフラ需要低迷
などで電力制御装置の受注が低迷。『電気機械』は、燃料安を背景にハイブリット自動車関連部品の受注減が継続したが、太陽光発電関
連装置の輸出で持ち直しの動きがみられた。『素材関連』は、船舶用、電力用途等の金属加工や住宅用素材の生産が堅調に推移した企
業がある一方、海外向け一般鋼材の市況が悪化したほか、スマ-トフォン用途の半導体部品や、中国向けパワー半導体材料で一服感が
みられる。『食料品』は、鍋用食材などが1月下旬からの気温低下で動きがみられるとともに、健康志向の商品を中心に堅調な生産が継続
。
○九州 2月IIP 98.6 [速報値] (全国 同IIP93.6 [速報値] 前月比▲6.2%)
・前月比
▲2.5%(2か月ぶりの低下)
・前年同月比
0.0%(2か月連続低下後の横ばい)
平成22年=100.0
140.0
130.0
九州と全国の鉱工業生産指数の推移(H28年2月速報)
<リーマンショック前>
H20年9月 九州105.3
九州
全国
前年同月比
<東日本大震災前>
H23年2月 九州103.2
120.0
生
産 110.0
指
数 100.0
季
節 90.0
調
整 80.0
済
98.6 (速報)
93.6 (速報)
45
九州生産指数
35
全国生産指数
25
(
15 前
年
5 同
月
-5 比
( )
-15 %
)
70.0
<ボトム>
H21年2月 九州70.8
60.0
<東日本大震災直後>
H23年3月 九州91.0
<消費税率引上げに
伴う駆け込み需要>
H26年3月 九州103.7
-25
-35
-45
1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1
20年
21年
22年
23年
24年
25年
26年
27年
28
年
3
【生産に関する主な企業コメント】 (「増加・やや増加」は○、「変わらない」は→、「やや減少・減少」は▲)
【輸送機械】
○1~3月は需要期なので生産台数は増えるが、前年同月と比べると若干、生産台数は低下。【輸送機械】
○北米向け普通乗用車の生産が引き続き堅調に推移。【輸送機械】
▲第1四半期に生産工場を一時停止した関係で、生産台数が低下。【輸送機械】
【電子部品・デバイス】
○パワーモジュール関係では12月頃からエアコンや白物家電の動きが上向いてきた。【電子部品・デバイス】
→ 汎用電子機器用途の半導体部品が横ばいで推移。【電子部品・デバイス】
▲中国の景気減速の影響で、中国向け半導体の受注がやや減少。【電子部品・デバイス】
▲スマートフォン需要の伸びの鈍化でスマートフォン用途の半導体製品が受注減。【電子部品・デバイス】
【はん用・生産用・業務用機械】
○半導体用途の製造装置は、顧客の都合(年度末までの納期を希望等)で生産が増加。【生産用機械】
→船舶用内燃機関、化学機械とも当面の仕事量は確保しているが、競争激化で収益面では厳しさが続いている。【はん用機械】
→中国や欧米からの空調機器の受注が堅調のほか、国内からの受注も持ち直しの動きが継続。【はん用機械】
→中国インフラ需要の低迷、原油安によるエネルギー関連需要の低迷、太陽光発電用途の国内需要の鈍化等で受注低迷。【生産用機械】
▲海外向け注油タンク、水力発電所、橋梁など公共工事部門の受注が前期に集中した反動で生産減。【生産用機械】
▲年末まで空調機器の生産で稼働率が高かったが、今は一段落している。【はん用機械】
【電気機械】
○太陽光発電用途の機器の生産が海外向けの受注増、出荷増で持ち直しの動き。【電気機械】
→半導体用途の部品の受注減や、燃料安を背景にハイブリット自動車が伸び悩み関連部品の受注減が継続。【電気機械】
【素材関連】
○船舶用配管等の洗浄、塗装のほか、電力用途、水門用途の金属加工・表面処理の受注が増えている。【金属製品】
→住宅設備機器は、国内はリフォーム需要が堅調で、海外も新興国に需要減退の懸念があるものの総じて大きな落ち込みはみられな
い。【窯業・土石】
→生産は、引き続き高い状態が続いているが、資源安の影響から海外向け鉄鋼製品の受注が弱含んでいる。【鉄鋼】
→化学製品等は需要の低迷と価格競争の激化により厳しさを増しており、一部品目で生産を減らしている。【化学】
→ディスプレイ用の蛍光体材料などの生産は好調を維持しているが、パワー半導体材料の生産が一服した状況が継続。【化学】
▲建設用鋼材需要が落ち込み先行き不透明感も高く生産が減少している。【鉄鋼】
▲高い水準で推移してきたスマートフォン向け半導体部品は、客先の在庫調整局面にあり、弱含んでいる。【窯業・土石】
【食料品】
○1月下旬以降は気温が下がり、鍋料理用途の食材の動きが良いほか、EU、アジアへの輸出も増加傾向で推移。【食料品】
→ドレッシングの売上げは健康志向の主力商品を中心に堅調に推移。【食料品】
▲輸出用や通信販売用のウイスキーの生産は好調であるものの、酒類全体では前期の忘年会等需要の反動で生産減。【飲料】
4
2.設備投資 ~持ち直している~ (前回調査:持ち直している)
製造業では、輸送用機械、飲食料品等で、増産に向けた動きがみられるとともに、はん用・生産用機械、化学等で、設備の維持更新やコ
ストダウン等に向けた投資の動きがみられた。
非製造業においても、店舗等のリニューアルや情報システム関係の設備導入等の動きが出ている一方、店舗展開に係る計画の遅れや
前年度の大型投資の反動で前年を下回る企業もみられた。
【参考】ヒアリング結果
【参考指標】九州・沖縄 日銀短観
72.4
増加
26.5
27年12月調査
28年3月調査
製造
▲ 5.6
▲ 3.8
27年12月調査
28年3月調査
非製造
非製造
29.9
製造
62.7
27年12月調査
28年3月調査
全産業
合計
80
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
27年度の設備投資計画(27年10-12月期調査と28年1-3月期調査の比較)
平成27年度設備投資計画額(九州・沖縄)の前年度比推移
前年度比%
10-12月期調査
33.3%
1-3月期調査
34.4%
前年並み
減少
未定
54.5%
43.8%
12.1%0.0%
21.9%
0.0%
10-12月期調査
21.4%
60.7%
17.9%
0.0%
1-3月期調査
21.4%
60.7%
17.9%
0.0%
10-12月期調査
27.9%
1-3月期調査
28.3%
57.4%
51.7%
14.8% 0.0%
20.0%
0.0%
(出所)日本銀行福岡支店「九州・沖縄 企業短期経済観測調査」平成28年4月1日発表資料
【設備投資に関する主な企業コメント】 (前年度比で 「増加」は○、「変わらない」は→、「減少」は▲)
《製造業》
○自動車の生産能力増強のため、樹脂関連部品に関する設備投資を実施。【輸送機械】
〇厳しい経営環境にあるものの競争力強化に向けた設備投資を計画的に実施。【はん用機械】
〇化学プラントの設備維持更新や、コストダウン、合理化に向けた投資を実施中。【化学】
○海外向けの酒類が好調で生産設備を増強予定。【飲料】
→収益が上がっていないので新規の設備投資を抑えているところ。【はん用機械】
→工場の老朽化による設備維持更新が主で大きな投資をするほど余裕がない。【窯業・土石】
▲グループ内他工場からの生産移管の対応にかかる投資や、合理化投資等が中心。【 電子部品・デバイス】
▲受注見通しが不透明な中、電気設備、受電装置、ボイラー関係の設備を更新するのみ。【非鉄金属】
《非製造業》
○顧客層の高齢化を踏まえ、若い年齢層をターゲットとした売り場を整備する予定。【百貨店】
○データセンター整備を行ったため大きな設備投資となった。【情報サービス】
〇毎年、順次行っている店舗のリニューアル(照明のLED化等)の他、県内に新店舗を建設中。【自動車販売】
→ホテルの改装によるグレードアップのほか、バスのICカード化にかかる設備投資を実施。【運輸・宿泊他】
→設備投資は極力抑えており、設備の維持更新のほか、食材の本社工場での一括加工などコスト削減に関する取組を継続。【スーパー】
▲計画している店舗展開等が遅れているため設備投資を減額。【燃料小売】
▲前年度にホテル用地の取得等大きな投資があった反動で今年度は減少。内容は設備維持更新と商業施設の更新等。【運輸・不動産他】
5
3.雇用情勢 ~改善している~ (前回調査:改善している)
有効求人倍率が上昇し続ける中、製造業、非製造業ともに、人材確保に向けた意欲的な動きがみられるものの、一部では求人が充足し
ない厳しい状態。このため、企業の中には、正社員登用、賃上げ、残業時間の削減など職場環境の改善で人材の確保・定着を図る動きも
みられる。
このように全体として雇用情勢は改善しているものの、企業側からみると人手不足感が強まっている。
【参考指標】九州の有効求人倍率推移
求人数、
求職者数
(万人)
【参考指標】九州・沖縄日銀短観 雇用人員に対する判断DIの推移
有効求人、求職の動向
有効求職者数
(DI:%ポイント)
有効求人数
40
有効求人倍率
1
30
過
剰
30
」
H28年1月 1.10倍 2月 1.12倍
1.2
「
←
好況期・不況期
40
雇用人員判断DI
「過剰」-「不足」
求人倍率(倍)
20
10
0.8
20
0.6
0
▲ 10
景気後退期
10
IT不況
0.4
製造業
非製造業
▲ 30
全産業
製造業
非製造業
合計
16/3
▲13
▲28
▲23
08
10
16/6予測
▲15
▲27
▲23
不
足
」 →
金融危機
バブル崩壊
リーマン
ショック
「
▲ 20
▲ 40
0
H3 4
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
有効求人倍率(平成28年2月1.12倍)は平成3年1月以来過去最高。
(出所)各県労働局資料より九州経済産業局作成
0.2
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
09
11
12
13
14
15
16
(年)
製造業・非製造業ともに不足超幅が拡大傾向で推移。
(出所)日本銀行福岡支店「九州・沖縄 企業短期経済観測調査」資料から九州経済産業局作成。
【雇用情勢に関する主な企業コメント】 (前年度比で 「不足」・「やや不足」は○、「変わらない」は→、「過剰」・「やや過剰」は▲)
<不足感あり>
○定年退職者も多く正社員が不足。新入社員もそれを補う数ではなく、期間従業員の正社員登用等も行っている。【輸送機械】
○今年度は、多数の社員の募集を行ったが、目標者数に届かなかった。人材不足で採用が難しい。【プラスチック製品】
〇現場管理者(正社員)の不足が課題。来春入社予定の新卒者も計画より不足しており、人材確保に苦労している。【生産用機械】
○技能を持った中堅層が慢性的に不足気味。【はん用機械】
○人材の確保が困難。非正規職員で勤務成績が良い職員には臨時手当を出すなど、雇用環境の改善に取り組んでいる。【労働者派遣業】
○一部の旅館等では、部屋は空いていても、対応するスタッフの不足のため、宿泊予約を受けられないこともある。また、新卒者など若い
年代の人材を採用できても、条件が良い職場を求めて定着しないことも課題となっている。【宿泊】
○非正規社員は特に不足しており、正社員登用や賃上げ等の対応を行っているが、定着率は低い。【物流】
○人材確保のため、定休日を増やしたり、残業を減らすなど、職場環境の改善に取り組んでいる。【百貨店】
<過剰感あり>
▲経営の効率化のため正社員比率を下げる方向で取り組んでいる(正社員に過剰感)。【スーパー】
▲全社的に土地不足のため分譲マンション戸数が減少しており、営業社員の過剰感がある。【不動産】
6
4.消費 ~緩やかに持ち直している~ (前回調査:緩やかに持ち直している)
百貨店・スーパーでは、気温が比較的高く推移したこともあり、衣料品の動きが鈍かったものの、各種催事やインバウンド効果
等で飲食料品や高額品等が好調を維持した。観光レジャーは、海外はテロ事件等で低調な一方、国内は堅調に推移。家電販
売は、テレビや冷蔵庫など生活家電が好調。自動車販売は、一部で新型車効果がみられるものの、株価の乱高下などを背景
に消費マインドが低下し販売が減少。住宅関連では、都市部のマンション需要は堅調に推移しているほか、戸建においてもマイ
ナス金利と消費税率引上げを控え、動きが出てきた。このように、消費は気温高等の影響で一部に弱めの動きがみられたもの
の、食料品や家電、住宅等が堅調で、全体としては緩やかに持ち直している。
40.0
【参考指標】九州の消費関連データ
%
前
年
同
月
比
百貨店・スーパー販売額の前年同月比3か月移動平均の推移[全店]
10.0
販売額合計
百貨店のみ
6.0
スーパーのみ
20.0
10.0
( )
8.0
販売額合計
+0.9%
百貨店のみ
▲4.0%
スーパーのみ +3.3%
%
4.0
0.0
▲ 10.0
▲ 20.0
▲ 30.0
2.0
3
5
0.0
▲ 2.0
1 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2
H25
H26
H27
H28
H28年2月の前年同月比3か月移動平均は、3か月ぶりに前年を上回った。
【出所】九州経済産業局
1
3
5
36.0%
▲ 15.0
40.0%
30.8%
30.8%
12.0%
40.0%
24.0%
消費
マインド
見通し
H27.10-12
26.9%
H28.1-3
25.9%
44.0%
H28.1-3
28.0%
20.0%
32.0%
61.5%
66.7%
3
5
7
9
11
H27
1
H28
H28.1
+1.7%
H28.2
▲2.1%
5
7
9
11
1
3
5
7
9
11
1
3
H26
5
7
9
11
H27
1
H28
H28.1
+6.1%
H28.2
+4.9%
家電販売額の前年同月比推移
50.0
0.0
▲ 50.0
20.8%
38.5%
1
%
24.0%
62.5%
38.5%
H27.10-12
40.0%
52.0%
16.7%
前
年
同
月
比
( )
H28.1-3
24.0%
60.0%
H27.10-12
H28.1-3
3
100.0
やや減少、減少(やや低迷、低迷)
38.5%
H28.1-3
H27.10-12
不変
11
旅行取扱高の前年同月比推移
H25
増加、やや増加(上向き、やや上向き)
9
▲ 10.0
※ 沖縄を含む、3か月移動平均とは前年 比の動きを3か 月単位 でな らしたもの
消費動向ヒアリング結果 (有効回答企業数26社)
H27.10-12
7
H26
前 10.0
年
5.0
同
0.0
月
比 ▲ 5.0
%
【参考】ヒアリング結果
客数
11
( )
H24
客単価
9
15.0
▲ 6.0
購入
件数
7
H25
▲ 4.0
H28.1
▲9.3%
H28.2
▲11.2%
乗用車登録・届出台数の前年同月比推移
30.0
23.1%
3
5
7
H25
24.0%
11.5%
9
11
1
3
5
7
H26
9
11
1
3
5
7
9
11
H27
1
H28
H28年2月は、乗用車登録・届出台数は14か月連続、旅行取扱高は2か月
ぶり前年同月比マイナス。家電販売は2か月連続で前年同月比プラス。
7.4%
(出所)自動車販売店協会、九州運輸局、GFKジャパン・九州経済産業局他
7
【足下の消費に関する主な企業コメント】(「増加・やや増加」は○、「変わらない」は→、「やや減少・減少」は▲)
○ショールームへの来館者数、相談件数とも前年比プラスで推移。【窯業・土石】
○消費者にとって、安心感の高い地元産食材などの食品が好調なほか、健康(医薬品等)や美容(化粧品等)に関する商品も引き続き好
調。【スーパー】
○商業施設の改装効果等もあり、来客数は増加。【運輸・不動産他】
○高価格帯のレストランやファーストフード分野への配送業務は好調で消費マインドは上向きと認識。【物流】
○住宅展示場の来場者は戻りつつある。また従来と異なる客層にも動きがみられ、マイナス金利と消費税率引上げを控え、動きが出てき
た。【建設】
○インバウンド需要はお土産から実需に変化する動きなどもみられるが、引き続き好調に推移。【不動産投資信託】
→1月は中旬まで暖冬でクリアランスセールが低迷し、下旬は降雪で営業時間の短縮で売上減となったが、2月は催事で挽回。【百貨店】
→高級時計の販売が鈍くなってきている。一方、バレンタインフェアでは、有名パティシエの商品の動きが良かった。【百貨店】
→来客数は減少しているが、テレビや冷蔵庫など大型家電の単価が上昇しており、売上高は前年比プラスで推移。【家電量販店】
→乗用車のモデルチェンジが少ないことから特別な売れ筋車種はないが、軽自動車を中心として小型自動車等が幅広い層に購入されて
いる。【自動車販売】
→高級路線の温泉施設が好調な一方、価格を抑えた施設の利用も堅調で、消費が2極化傾向が継続。【宿泊】
▲高額商品は堅調な動きが続いているが、ボリュームゾーン向けの衣料品は低調となっている。【百貨店】
▲消費税率引き上げ後、消費は力強さが感じられず、消費マインドはやや低迷した状態が続いているように感じている。【ホームセンター】
▲イベント開催による大幅受注増を見込んでいたが、予想ほど受注が伸びず、年初からの円高及び株価の乱高下により、消費マインドが
やや低下した模様。【自動車販売】
▲2月~3月は、例年、学生の卒業旅行シーズンで受注が多い時期だが、今期は海外旅行の自粛ムードも感じられ、例年よりも動きが鈍
い。【旅行】
【先行きの消費に関する主な企業コメント】 (「上向き・やや上向き」は○、「変わらない」は→、「やや下向き・下向き」は▲)
○消費税率引上げの影響も一巡し、8%に対する意識が1年前よりは緩むのではないか。【スーパー】
○選挙や消費税率引き上げも予定されていることからやや上向くのではないか。【情報サービス】
○東京や関西の大型テーマパークのアニバーサリーイベントの効果で需要の持ち直しを期待。【旅行】
○来期は、春の行楽期に加え、4月に東九州自動車道が北九州から宮崎まで開通し、観光客の増加を期待。【宿泊】
○マンションは都市部の好立地物件が注目されており、福岡市内の分譲マンションの契約が好調。【不動産】
→経済環境の不透明感に加え、消費を引っ張る商品が見当たらないことから、大きな変化はないとみている。【家電量販店】
→訪日外国人観光客は商業施設で買い物をするだけではなく、レンタカーを使って観光することも増えている。【燃料小売】
→日常消耗品は節約するという傾向は変わらないとみている。【ドラッグストア】
→ドラッグストアは新規出店効果に加え、免税対応で訪日旅行客のニーズも捉え、好調を維持。【運輸・不動産他】
→引き続き訪日外国人客は増加すると見込んでいる。【運輸・不動産他】
→新型車の受注残が増加しているものの、円高・株価の乱高下などもあり、先行きは不透明な状態。【自動車販売】
▲消費の先行きは、変わらないか、もしくは、やや低迷するのではと感じられる。【百貨店】
▲予想より売上が伸び悩む状態が続いている。今後も特にプラス材料もなく、やや低迷する見込み。【ホームセンター】
8
《参考1》景況感、先行き
【足下の景況感に関する主な企業コメント】(「改善・やや改善」は○、「変わらない」は→、「やや悪化・悪化」は▲)
○第1四半期は需要期なので車の生産台数は増える予定。ただし、前年に比べれば生産台数は減少【輸送機械】
○太陽光発電関係の製品は、ここ数か月、海外向けの出荷が続き、在庫の適正化が図られ、業況も改善した。【電気機械】
○国内外向け空調設備の受注が増加。特に中国向けは自動車工場や印刷業で、欧米向けは環境規制の強化で受注増。【はん用機械】
○リモデル事業の実施、近隣の百貨店の閉店により客の流入により業況改善。【百貨店】
○日銀のマイナス金利政策の導入で住宅ローン金利の低下や消費税率引き上げ予定もあり2月頃から少し動きが出てきた。【建設】
→中国メーカーの輸出圧力でアセアン市場等で一般鋼材を中心に国際市況が大幅に低下し、収益環境が悪化。【鉄鋼】
→国内用紙需要が減る流れの中、古紙価格が高止まりするなど厳しい経営環境が続いている。【紙・パルプ】
→1月、2月は冬物商品(暖房器具、衣料品、カイロ等)が売上を伸ばした。洗剤や食品などの日用品は引き続き好調。【ディスカウントストア】
→主力の労働者派遣事業をはじめ、年間を通じて好調を維持できている。3カ月前との比較では高い水準のまま変化なし。【労働者派遣業】
▲建設用鋼材は、土木向けに加えマンション等建築向けが一層弱含んでいる。製品市況の回復も鈍く収益環境が悪化。【鉄鋼】
▲化学原料の販売先の定期修理の影響で生産減。また原油価格の下落で、原材料(ナフサ)の評価損も拡大し業況悪化。【化学】
▲工場の生産計画の下方修正に伴い大幅に生産が減少している状況。【電子部品・デバイス】
▲1月中旬頃までの気温高、2月も寒暖の差が激しかったことにより、冬物商材、クリアランス商品の動きが低調だった。【百貨店】
【先行き(4-6月期)に関する主な企業コメント】(「改善・やや改善」は○、「変わらない」は→、「やや悪化・悪化」は▲)
○新型車の投入する計画であり、第2四半期に本格生産に移れば業況が改善する。【輸送機械】
○次世代携帯電話関連の設備投資需要の活性化に伴い、中国を中心に電気機械設備の回復を見込んでいる。【生産用機械】
○増税も一巡し、食品は回復傾向。消費者は価値を認めた物やサービスに関しては価格が高くても購入する傾向。【スーパー】
○自動車、半導体業界などからの人材派遣の依頼が増加傾向にあるほか、一般機械など新たな派遣依頼も増加傾向。【労働者派遣業】
○福岡市(都心部)の分譲マンションの契約が好調を維持できる見込み。【不動産】
→秋に出る新型スマートフォン用途の半導体製品の生産の増加を期待。ただし、スマートフォン市場そのものが低迷。【電子部品・デバイス】
→住宅設備機器は、国内外とも大きな落ち込みはなく推移すると見込んでいるが、最近の急激な円高の影響を懸念。【窯業・土石】
→健康志向の料理などは堅調に推移すると思うが、現在の業況より更に良くなる要因等もなく、当面の間は変わらないと認識。【食料品】
→テレビや冷蔵庫などの大型化、省エネ製品や高機能製品の構成比が増加し、売上げは前年並みを維持できそうだが、客数は減少傾向
であり、消費を牽引する新しい商品も見当たらない。【家電量販店】
→インバウンド効果が継続すると見込んでいる。株価の影響は特にない。【運輸・不動産他】
→新型車の受注が好調に推移しているが、円高及び株価の乱高下により消費マインドがやや低迷している模様。【自動車販売】
▲機器装置事業(熱源機器、ボイラー、空調機器等)は下期に売上げが集中する傾向があるため、第1四半期は悪くなる。【はん用機械】
▲4~6月期についても、スマートフォン向け半導体部品の在庫調整が続き、引き続き厳しさが残る見通し。【窯業土石】
▲前年の地方創生関連のプレミアム商品券の反動減や、郊外の競合店との競争激化で業況が悪化する見込み。【スーパー】
▲3月末に住宅が完工して売上げを計上する関係で、第2四半期は売上げが低下。【建設】
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《参考2》経営課題等
年初以来の株式市場、為替相場の乱高下については、消費マインドへの影響が懸念されたものの、大きな影響はみられなかった。原油
安は、コストダウンや個人消費喚起につながった一方、産業用機械や自動車部品等の受注減や値下げ圧力に繋がったとの声が聞かれた。
中国経済の減速は、中国産の安価な鋼材等との競争激化、市況低下、電子部品等部材等の受注低迷の原因との声が聞かれた。
その他の経営課題としては、新規事業や海外展開といった攻めの動きがある一方、内外の競争激化を背景にコスト削減や合理化への
取り組みや、人材不足を背景に技術等承継、人材確保・育成などを経営課題に掲げる声が聞かれた。また、消費の多様化が進む中、商
品の提案力や情報発信力の強化を課題とする声も聞かれた。
(1)株式市場・為替相場の乱高下、原油価格下落の影響
(「プラスの影響」は○、「影響なし」「不明」は→、「マイナスの影響」は▲)
①株式市場・為替相場の乱高下
→株安の影響は特になし。【化学、生産用機械、運輸・宿泊他】
▲消費マインドへの影響を懸念。【食料品】
②原油安
○原材料費や輸送費のコストダウンでプラスの影響。【化学、食料品、飲料、宿泊】
○石油ストーブなど一部の商品が販売増。【百貨店】
○旅行代金引き下げによる需要喚起。【旅行】
▲シェールガス掘削用途の産業用電気機械の受注減。ハイブリッド車用部品の受注減。【生産用機械、電気機械】
▲取引先からの値下げ要求圧力の拡大。【プラスチック製品、物流】
(2)中国経済減速の影響
○中国企業から原材料を安く調達できるようになった。【プラスチック製品】
→中国経済の景気減速の影響かどうかは不明であるが、このところ、インバウンド客はやや横ばい傾向。【百貨店】
▲中国メーカーの輸出圧力でアセアン市場等で一般鋼材を中心に国際市況が大幅に低下し、収益環境が悪化。【鉄鋼】
▲半導体関連材料の受注が低迷。【化学、電子部品・デバイス】
▲中国のインフラ関連設備の動きが低迷して産業用電気機器の受注が鈍化。【生産用機械】
(3)その他の経営課題
・新製品の開発・投入、新規事業の拡大。【生産用機械】
・グローバル経営、グローカル経営への取り組み。【生産用機械、食料品、運輸・不動産他】
・外注化から内製化による収益構造の改善。【金属製品】
・本業回帰で筋肉質な企業体質の実現やコスト削減、都市圏への事業所などの集約化。【はん用機械、スーパー、旅行】
・同じ企業グループにおける各生産工場間の競争激化、海外競合製品との競争激化。【輸送機械、化学、電気機械】
・技術承継、人材確保、人材育成、人材定着。【プラスチック製品、電気機械、はん用機械、生産用機械、ドラッグストア】
・商品の品揃え、商品の提案力、情報発信力の強化。【百貨店】
・インターネット経由での外販促進。【百貨店、家電量販店】
・新規出店の継続。【ドラッグストア】
・消費税率引き上げ後の反動減対策。【建設】
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