本文資料 - 国土交通省 関東地方整備局

平 成 28年 4月 20日 (水 )
国土交通省 関東地方整備局
利 根 川 ダム統 合 管 理 事 務 所
記者発表資料
利根川上流の5ダムが満水となりました
首都圏の1都5県(東京都、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、栃木県)の水源となっている
や ぎ さ わ
な ら ま た
ふじわら
あいまた
そのはら
利根川上流8ダムのうち、5ダム(矢木沢 ダム、奈良俣 ダム、藤原 ダム、相俣 ダム、薗原 ダム)
が、4月20日0時に満水となりました。
し も く ぼ
く さ き
わた ら せ
上記の5ダムに、下久保 ダム、草木 ダム、渡 良 瀬 貯水池を含めた、利根川上流8ダムの合
計貯水量は4億1,726万㎥となりました。
きた ち ば どうすい ろ
今年は冬期の降雪が記録的に少なかったことから、2月より下流施設(北千葉導水路 )を活
用し、上流ダム群では貯留に努めました。
これから、水需要が増大していく時期となりますが、今年は記録的な少雪であるとともに、気
温も平年より高いことから融雪も早く、今後の融雪水の流入が見込めないことが予想され、今
後の降雨状況によっては、貯水量が減少する可能性もあります。
当事務所では引き続き関係機関と連携しつつ、きめ細かいダム運用に努めてまいります。
引き続き節水にご理解、ご協力をお願いします。
発
竹芝記者クラブ
表
者
ク
ラ
ブ
神奈川建設記者会 刀水クラブ ・ テレビ記者会
問
国土交通省
記
い
合
関東地方整備局
副所長(技術)
広域水管理課長
電話
FAX
わ
せ
先
利根川ダム統合管理事務所
おお
た
ほし
の
太 田
星 野
ひさし
久
きみ
ひで
公 秀
027-251-2021(代表)
027-280-4410
1/2
利根川上流8ダムの貯水量(平成28年4月20日0時現在)
ダ ム 名
や ぎ さ わ
①矢木沢ダム
有効貯水容量
1億1,528万 m3
100%
8,500万 m3
8,478万 m3
100%
3,101万 m3
3,087万 m3
100%
2,000万 m3
1,984万 m3
99%
1,322万 m3
1,311万 m3
99%
2億6,473万 m3 2億6,388万 m3
100%
②奈良俣ダム
ふじわら
③藤原ダム
あいまた
④相俣ダム
そのはら
⑤薗原ダム
5ダム計
⑥下久保ダム
1億2,000万 m3
9,532万 m3
79%
5,050万 m3
4,482万 m3
89%
2,640万 m3
1,324万 m3
50%
4億6,163万 m3
4億1,726万 m3
90%
く さ き
⑦草木ダム
わ た ら せち ょ す い ち
⑧渡良瀬貯水池
8ダム計
利根川上流8ダム
①矢木沢ダム
貯 水 率
1億1,550万 m3
な ら ま た
し も く ぼ
貯 水 量
②奈良俣ダム
湯西川ダム
五十里ダム
③藤原ダム
川治ダム
川俣ダム
⑤薗原ダム
④相俣ダム
⑦草木ダム
⑧渡良瀬貯水池
⑥下久保ダム
北千葉導水路
利根川上流8ダム位置図
利根川ダム統合管理事務所では、利根川上流ダム群の状況等について情報
提供サービスを行っています。ご利用下さい。
○インターネットホームページ http://www.ktr.mlit.go.jp/tonedamu/
ダム情報、ダム LIVE 情報、降水量・水位 LIVE 情報、雨量・流量・積雪情報
2/2
【参考資料:解説】
1.利根川上流8ダムの貯水状況
本年は冬期の降雪が記録的に少なかったことから、2月より下流施設(北千葉導水路)を活用し、上
流ダム群では貯留に努めました。
今年は利根川上流8ダムのうち、5ダム(矢木沢ダム、奈良俣ダム、藤原ダム、相俣ダム、薗原ダム)が満
水となりましたが、これからは水需要が増大していく時期となりますが、今年は記録的な少雪であるととも
に、気温も平年より高いことから融雪も早く、今後の融雪水の流入が見込めないことが予想され、今後の降
雨状況によっては、貯水量が減少する可能性もあります。
当事務所では、利根川上流8ダムの効果を最大限に発揮するよう、一元的にコントロールする「統合管
理」を行っており、引き続き関係機関と連携し、きめ細かいダム運用を行って参ります。
なお、神流川の下久保ダムでは、流域に降雪がほとんどなく昨年の10月から12月の降水量が平年に比
べ少なかったことから、現在の貯水量は9,532万 m3(貯水率:79%)にとどまっています。
渡良瀬川の草木ダムでは、流域に降雪がほとんどなく昨年の10月の降水量が平年に比べ少なかったこ
とから、現在の貯水量は4,482万 m3(貯水率:89%)となっています。
渡良瀬貯水池については、冬期における貯水池干し上げ後の貯水に努めており、現在の貯水量は1,32
4万 m3(貯水率:50%)まで回復しています。
(図-1)
図-1
利根川上流8ダム貯水量図
1
2.利根川上流域の降水状況
平成28年の栗橋上流域における降水量は、1月は69㎜(平年比161%)、2月は36㎜(平年比74%)、
3月は57㎜(平年比85%)を観測しており、1月~3月までの総降水量としては、平年並みとなっています。
4月の降水量は、18日までで52㎜を観測しており、4月平年比の58%となっています。
(図-2、表-1)
図-2 栗橋地点上流域平均降水量(月計)
表-1 栗橋地点上流域平均降水量(月計)
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
(mm)
10月 11月 12月
計
平均値(S23~H27)
43
48
67
90
118
178
200
205
212
125
60
39
1,385
平成6年(渇水年)
27
50
52
23
139
107
104
153
346
87
26
29
1,143
平均値に対する割合(%)
63
104
78
26
118
60
52
75
163
70
43
74
83
平成8年(渇水年)
26
35
68
47
98
117
155
78
217
80
55
23
999
平均値に対する割合(%)
60
73
101
52
83
66
78
38
102
64
92
59
72
平成19年(少雪年)
34
21
38
67
126
159
262
116
380
137
27
53
1,420
平均値に対する割合(%)
79
44
57
74
107
89
131
57
179
110
45
136
103
平成24年(渇水年)
43
57
115
98
206
192
190
87
221
85
55
47
1,395
平均値に対する割合(%)
100
118
171
109
175
108
95
42
104
68
91
121
101
平成25年(渇水年)
43
38
20
134
46
168
152
153
244
224
24
48
1,294
平均値に対する割合(%)
100
79
30
149
39
94
76
75
115
179
40
123
93
69
36
57
52
161
74
85
58
平成28年
平均値に対する割合(%)
214
0
0
0
0
0
0
0
0
15
数値は、平成28年4月18日迄の速報値
利根川取水制限実施月(一時緩和含む)
2
3.利根川上流域の積雪状況と気温
(1)積雪状況
藤原ダム地点は11月25日に初冠雪となりましたが、積雪深は平均値を下回ったまま推移し、3月15日
に消雪しました。また、尾瀬沼地点は、11月25日に初冠雪となりましたが、藤原ダムと同様に積雪深は平
均値を下回ったまま推移しています。
今期の最大積雪深は藤原ダム地点で94cm(2月11日)であり、平均値(58ヶ年)の70%、尾瀬沼地点
で172cm(2月10日)であり、平均値(62ヶ年)の60%となり、観測史上で最低の値でした。
また、藤原ダムの累加降雪量は、藤原ダム地点で342cmであり、ダム完成後の58年間の観測史上で
最低の値でした。
平成28年4月18日9時現在、尾瀬沼地点の積雪深は56cm となっています。
(表-2、図-3),
藤原ダム地点及び尾瀬沼地点の積雪深、累加降雪量表
6/1
月/日
6/1
月/日
0
5/1
0
月/日
500
6/1
500
5/1
1,000
4/1
1,000
3/1
1,500
2/1
1,500
1/1
2,000
12/1
2,000
11/1
2,500
10/1
2,500
5/1
累加降雪量
(cm)
藤原ダム 累加降雪量
4/1
月/日
10/1
0
6/1
0
5/1
100
4/1
100
3/1
200
2/1
200
1/1
300
12/1
300
11/1
400
10/1
400
累加降雪量
(cm)
尾瀬沼 積雪深
積雪深(cm)
尾瀬沼 累加降雪量
平成27 年11 月30 日~
12 月6 日は欠測のため
参考値。
4/1
藤原ダム 積雪深
積雪深(cm)
H2 7~H28は
1 72cm(2/10)
3/1
最 少43cm (S46~47)
最少43cm(S46~47)
S33~34
S35~36
S37~38
S39~40
S41~42
S43~44
S45~46
S47~48
S49~50
S51~52
S53~54
S55~56
S57~58
S59~60
S61~62
S63~H1
H2~3
H4~5
H6~7
H8~9
H10~11
H12~13
H14~15
H16~17
H18~19
H20~21
H22~23
H24~25
H26~27
0
最 少172cm (H27~28)
3/1
50
2/1
100
12/1
150
平均289cm
2/1
平均134cm
平均134cm
1/1
200
尾瀬沼 年最大積雪深
最大 420cm (S39~40)
11/1
最大
244cm(S58~59)
最 大244cm
(S58~59)
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
1/1
H2 7~H28は
9 4cm(2/11)
11/1
300
250
積雪(cm)
藤原ダム 年最大積雪深
累加降雪量
34 2㎝
7 42 cm
89 2㎝
14 03 ㎝
S29~30
S31~32
S33~34
S35~36
S37~38
S39~40
S41~42
S43~44
S45~46
S47~48
S49~50
S51~52
S53~54
S55~56
S57~58
S59~60
S61~62
S63~H1
H2~3
H4~5
H6~7
H8~9
H10~11
H12~13
H14~15
H16~17
H18~19
H20~21
H22~23
H24~25
H26~27
積雪(cm)
積雪深 今期最大積雪深
0㎝ 94cm(2月11日)
3㎝
56cm 172cm(2月10日)
189㎝
12/1
観測所名
時 点
藤 原 ダ ム 平成28年4月18日9時現在
(標高667m) S34~H27の4月第4半旬末平均値
尾 瀬 沼 平成28年4月18日9時現在
(標高1666m) S30~H27の4月第4半旬末平均値
10/1
表-2
H18-19
H24-25
H18-19
H24-25
H27-28
平均(S34-H27)
H27-28
平均(S30-H27)
図-3
藤原ダム地点及び尾瀬沼地点の積雪深、累加降雪量図
3
4月18日現在の奥利根の積雪深は、標高の低い観測所では消雪となっており、標高の高い観測所は平
均値の約3割の積雪となっています。(図-4)
※平成19年は少雪年、平成25年は平均的な
積雪年、平均値は各観測所毎の観測開始年
からの平均値
図-4
積雪観測所位置及び各観測所の積雪深状況
(2)気温
群馬県内の藤原地点及び前橋地点における今年1月からの気温状況は、局所的に大きな上下変動
はありますが、概ね平年より高めで推移しています。(図-4)
図-4
藤原地点及び前橋地点における気温状況
4
4.利根川上流8ダムの状況
①矢木沢ダム
②奈良俣ダム
③藤原ダム
④相俣ダム
⑤薗原ダム
⑥草木ダム
⑦下久保ダム
⑧渡良瀬貯水池
5
6
現在の状況(平成28年4月18撮影)
現在の状況(平成28年4月18撮影)
奈良俣ダム
平均的な年の状況(平成25年4月1日撮影)
矢木沢ダム
平均的な年の状況(平成25年4月1日撮影)
巻機山
現在の状況(平成28年4月18撮影)
朝日岳
現在の状況(平成28年4月18撮影)
5. 利根川上流域の積雪状況
7
みなかみ町藤原 大芦付近より巻機山方面を望む
平均的な年の状況(平成25年3月29日撮影)
みなかみ町藤原付近(宝台樹スキー場)より朝日岳方面を望む
平均的な年の状況(平成25年4月1日撮影)