横 浜 市 記 者 発 表 資 料 平成 28 年4月15日 政策局基地対策課 旧深谷通信所における土壌調査(概況調査)の結果について ~南関東防衛局から調査報告書を受理しました~ 昨日4月14日、国(南関東防衛局)から、昨年度実施した旧深谷通信所における土壌調査 (概況調査)の結果について、報告書を受理しましたのでお知らせします。 今回の結果では、土地の一部において、表層土壌及び配管下土壌から「鉛」 、 「ふっ素」 、 「ほう素」 及び「ダイオキシン類」が土壌汚染対策法等の基準を超過して検出され、また、土壌ガス調査では、 「ベンゼン」が検出されました。これらの汚染範囲の特定及び汚染の有無の判定は、今後実施され る詳細調査の中で行われます。 1 概況調査について 国は、平成 26 年6月の返還以降、土壌調査の第 1 段階の調査である資料等調査に着手し、平成 27 年7月、本市に対して調査結果の報告が行われています。 今回の概況調査は、第 2 段階の調査に相当し、資料等調査において「汚染のおそれが否定できない」 と判定された区域において、土壌や土壌ガスの採取・分析により、汚染状況を把握したものです。 2 概況調査の結果 調査内容 表層土壌調査 配管下土壌調査 土壌ガス調査 囲障区域内 通路及び野球場の一部 野球場の一部 基準不適合・ 物質検出場所 鉛(土壌含有量) 15 区画 鉛(土壌溶出量) 6区画 ダイオキシン類 鉛(土壌含有量) 36 区画 1 区画 ふっ素(土壌溶出量) 基準不適合 34 区画 ― ほう素(土壌溶出量) 5 区画 物質検出 措置状況 ― ― ベンゼン 2 区画 上記区画は、囲障区域内にあるた 上記区画は、既に撤去された配管 今後詳細調査を実施するため、調 め、一般の方の立入りが制限され の下に位置します。同区画には 査区域を明確にし、保全する目的 ています。 十分な土被り(50cm 以上)があ で、 国が トラロープ柵等を設置し、 るため、現地での措置は講じてい 立入り制限措置を講じています。 ません。 ※ 調査内容や調査結果については、添付の「旧深谷通信所に係る土壌汚染概況調査の結果(南関東防 衛局作成) 」をご参照ください。 報告書は、4月 15日から南関東防衛局のホームページ(URL http://www.mod.go.jp/rdb/s-kanto/) に掲載されます。また、基地対策課の窓口にて閲覧できます。 本調査に関する南関東防衛局の窓口は、南関東防衛局管理部施設管理課(045-211-7105)です。 裏面あり (参考1)土壌調査の流れ(旧深谷通信所) 資料等調査 資料やデータの収集・分析により、汚染の可能性を推定します。 汚染のおそれが否定できない区域 汚染のおそれが無い区域 調査終了 概況調査 現地で採取した土壌等を分析し、汚染の可能性がある区域を絞り込みます。 汚染の可能性がある区域 汚染が判明した区域 汚染が無かった区域 調査終了 詳細調査 汚染の可能性がある区域について汚染の有無を調査するとともに、汚染が判 明した区域について、ボーリング調査等により、汚染範囲を特定します。 (参考2)土壌調査(南関東防衛局実施)の経過 平成 27.1.14~27.3.27 資料等調査(平成 27.7 に本市に報告) 平成 27.10.22~28.3.31 概況調査(平成 28.4.14 に本市に報告) (参考3)旧深谷通信所の概要 本市では、平成 19 年 9 月に公表した「旧深谷通信所跡地利用基本計画の考え方」に基づき、 「緑でつながる魅力的な円形 空間」をテーマとし、現在、地域の意見・要望等を踏まえながら跡地利用基本計画の策定を進めています。 また、返還後国から承認を得て、施設内の一部を、市民生活上必要な通路や周辺の皆様が利用している広場のほか、野球 場等で暫定利用しています。 接収年月日 返還年月日 所 在 地 面 積 経 過 昭和 20 年9月2日 平成 26 年6月30日 泉区和泉町、中田町 77.37ha(国有地 100%) 昭和 20. 9. 2 旧日本海軍通信施設を米海軍が接収 平成 16.10.18 日米合同委員会において、返還方針合意 平成 26. 6.30 全域返還 <旧深谷通信所位置図> お問合せ先 政策局基地対策担当課長 石丸 潔 Tel 045-671-3790 南 関南関東防衛局 東防衛局 平成28年4月 平成28年4月 旧深谷通信所に係る土壌汚染概況調査の結果 1 土壌汚染概況調査について (1)調査業務の概要 調査場所:旧深谷通信所 履行期間:平成 27 年 10 月 22 日から平成 28 年 3 月 31 日まで 目 的:対象地内において土壌汚染概況調査を行い、土壌汚染状況を把握することを目的とする。 (2)調査内容 ア 表層土壌調査 表層土壌(地表から深度 0.5m)を採取し、土壌溶出量試験と土壌含有量試験を実施した。 イ 土壌ガス調査 ボーリングバーを用いて深度約 1m を削孔し 30 分間放置、その孔より土壌ガスを採取し、分析を行った。 ウ 配管下土壌調査 現在、排水管本体は撤去されているが、土壌汚染のおそれがあると判断された排水管下の土壌汚染を特定す るために土壌(配管下から 50cm)を採取し、土壌溶出量試験と土壌含有量試験を実施した。 〔参考〕 ・土壌溶出量試験:土壌から地下水等に溶出する有害物質の量をはかる試験 ・土壌含有量試験:土壌に含まれる有害物質そのものの量をはかる試験 ・土壌ガス調査 :土壌に含まれる揮発性の有害物質の濃度を測定する調査 2 土壌汚染概況調査の結果 (1)調査対象物質と表層土壌調査結果 表層土壌調査は、第二種特定有害物質(9 項目)と第三種特定有害物質(1 項目) 、ダイオキシン類を調査対象 物質として行いました。 調査の結果、対象地の土壌で鉛及びその化合物について、区域内に設定された全体で1342区画(各区画1 0m×10mメッシュ)のうち、15区画において(※1) 「含有量基準不適合」と評価されました。 また、ダイオキシン類については、1区画(各区画10m×10mメッシュ)において(※2) 「含有量基準不 適合」と評価されました。 ※1 土壌汚染対策法の定める「汚染状態に関する基準」 。 ※2 ダイオキシン類対策特別措置法の定める「土壌の汚染に係る環境基準」 調査結果概要表 調査対象物質 土壌調査結果 カドミウム及びその化合物 基準適合 - 六価クロム化合物 基準適合 - シアン化合物 基準適合 - 水銀及びその化合物 基準適合 - セレン及びその化合物 基準適合 第二種 特定有害物質 - 鉛及びその化合物 基準不適合 砒素及びその化合物 基準適合 不適合項目:含有量 基準値:150mg/kg 分析値:170~1500mg/kg 不適合区画数(10m 区画) :15 区画 - ふっ素及びその化合物 基準適合 - ほう素及びその化合物 基準適合 - 1 第三種 特定有害物質 ポリ塩化ビフェニル(PCB) ダイオキシン類 基準適合 - 基準不適合 基準値:1000pg-TEQ/g 分析値:2300pg-TEQ/g 不適合区画数(10m 区画) :1 区画 ・基準不適合が確認された範囲 対象地において、表層土壌の鉛含有量の分析値が基準に不適合であった範囲は、巻末に示す赤枠で囲った15 区画の10m区画で、ダイオキシン類の分析値が基準に不適合であった範囲は巻末に示す青枠で囲った1区画の 10m区画です。 (2)調査対象物質と土壌ガス調査結果 土壌ガス調査は、第一種特定有害物質(11 項目)を調査対象物質として行いました。 調査の結果、対象地の土壌でベンゼンについて、区域内に設定された全体で392区画(各区画10m×10 mメッシュ)のうち、2区画から「検出」しました。 調査結果概要表 調査対象物質 第一種 特定有害物質 調査結果 四塩化炭素 不検出 - 1,2-ジクロロエタン 不検出 - 1,1-ジクロロエチレン 不検出 - シス 1,2-ジクロロエチレン 不検出 - 1,3-ジクロロプロペン 不検出 - ジクロロメタン 不検出 - テトラクロロエチレン 不検出 - 1,1,1-トリクロロエタン 不検出 - トリクロロエチレン 不検出 - ベンゼン 検出 基準:検出されない事 分析値:0.1、0.7 volppm:2 区画 ・土壌ガスが確認された範囲 対象地において、ベンゼンが検出された範囲は、巻末に示す紫枠で囲った2区画の10m 区画です。 2 (3)調査対象物質と配管下土壌調査 配管下土壌調査は、第二種特定有害物質(9 項目)と第三種特定有害物質(1 項目)を調査対象物質として行い ました。 調査の結果、対象地の土壌で、区域内に設定された全体で111区画(各区画10m×10mメッシュ)のう ち、 (※1)43区画において、 ①鉛及びその化合物について(※2) 「溶出量基準不適合」 、 「含有量基準不適合」 ②ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合物について(※2) 「溶出量基準不適合」 と評価されました。 ※1 鉛及びその化合物・ふっ素及びその化合物・ほう素及びその化合物が重複している区画は1区画とする。 ※2 土壌汚染対策法の定める「汚染状態に関する基準」 。 調査結果概要表 調査対象物質 土壌調査結果 カドミウム及びその化合物 基準適合 - 六価クロム化合物 基準適合 - シアン化合物 基準適合 - 水銀及びその化合物 基準適合 - セレン及びその化合物 基準適合 鉛及びその化合物 基準不適合 砒素及びその化合物 基準適合 第二種 特定有害物質 基準不適合 不適合項目:溶出量 基準値:0.8mg/L 分析値:0.82~3.7mg/L 不適合区画数(10m 区画) :34 区画 ほう素及びその化合物 基準不適合 不適合項目:溶出量 基準値:1.0mg/L 分析値:1.1~4.1mg/L 不適合区画数(10m 区画) :5 区画 ポリ塩化ビフェニル(PCB) 基準適合 - ふっ素及びその化合物 第三種 特定有害物質 不適合項目:溶出量・含有量 基準値:0.01mg/L・150mg/kg 分析値:0.011~0.043 mg/L・160~2900mg/kg 不適合区画数(10m 区画) :6 区画・36 区画 - ・基準不適合が確認された範囲 対象地において、 分析値が基準に不適合であった範囲は、 巻末に示す緑枠で囲った43区画の10m区画です。 (4) 措置状況 表層土壌調査により汚染が確認された16区画につきましては、いずれも柵に囲まれ出入り口も施錠された区 域内の第三者の立入ができない場所であり、配管下土壌調査により汚染が確認された43区画につきましては、 汚染されていない土壌に覆土されております。しかしながら、土壌ガス調査により汚染のおそれが確認された2 区画につきましては、一般人の立ち入りが可能な場所に所在することから、汚染のおそれが確認された範囲をト ラロープで囲い、 シートで覆う措置を講じるとともに、 関係者に立ち入らないよう注意喚起を行ったところです。 これらの状況及び措置により、第三者への健康被害の可能性は低いと報告を受けております。 3 詳細調査の計画 今回の調査結果を踏まえ、平成28年度に詳細調査(基準不適合深度確認のためのボーリング調査)を実施す る予定です。 3 対象地の基準不適合等範囲図 4
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