丸紅が業績下方修正 - 格付投資情報センター

NEWS RELEASE
2016年4月18日
丸紅が業績下方修正―格付への影響は限定的
丸紅(証券コード:8002、発行体格付=A)は 18 日、チリ銅事業や豪州鉄鉱石事業など資源分野で約
700 億円の減損損失を計上することなどを主因に、2016 年 3 月期の連結当期利益見通しをこれまでの
1800 億円から 600 億円に下方修正した。資源・エネルギー市況の低下を受け資源価格の前提を見直した。
2015 年 3 月期も減損損失で利益が圧迫されたが、2016 年 3 月期はより利益が減少する見込みで資本蓄
積のペースが鈍化している。リスク耐久力やネット D/E レシオなど財務指標が悪化しており、A ゾーン
の水準に対して余裕はなくなってきた。
4 月からの新中期経営計画において 3 カ年累計で 1 兆円の新規投資する一方で、ノンコア事業からの
速やかな撤退を計画している。有利子負債の削減も追加で発表した。R&I はこうした取り組みを着実に
遂行できれば、A ゾーンに見合う財務内容を維持できるとみており、格付への影響は限定的とした。
非資源分野の拡充もあって、丸紅の収益力・キャッシュフロー創出力は格付に見合うと評価している。
計画では非資源分野をさらに伸ばして 2019 年 3 月期に 2500 億円の連結純利益を見込む。不透明な事業
環境においても、計画を大きく下回ることなく収益力の改善を図れるか、注目していく。
主任格付アナリスト:中島
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