知的資産経営戦略タスクフォースリーダー養成プログラム(PDF)

戦略 T
知的資産経営戦略タスクフォースリーダー養成プログラム
平成 28 年 4 月 15 日
主催
東京大学政策ビジョン研究センター
共催
公益財産法人日本生産性本部
※プログラム内容、実施形態等は変更することがあります。
<プログラム内容>
プログラムは、①東京大学本郷キャンパス(経済学研究科学術研究等小島ホール1階教室)における土曜日開
催 A 日程、②東京駅直結会場(日本生産性本部経営アカデミー)における平日開催 B 日程、③合宿研修、④フ
ォローアップ研修、の 4 つの集合研修からなります。以下全体の内容を示します。
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■【A-1】土曜開催A日程①
5 月 14 日(土)10:00~20:00
東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学本郷キャンパス
東京大学経済学研究科学術交流棟(小島ホール)
経済学研究科学術交流棟(小島ホール)1階教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_03_j.html
(1)10:00~10:30
開講式とガイダンス
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)他
【内容】
主催者である東京大学政策ビジョン研究センター、日本生産性本部経営アカデミー代表の挨拶と組織概要に続
いて本プログラムの目的と概要について解説し、受講生の自己紹介およびタスクフォースにおける目標と課題
発表を行う。あわせて受講生の目標に対して、管理可能な定量化を試みることを指導する。組織のイノベーシ
ョン活動を意図した方向に誘導していくためには、定量化した目標値を掲げて管理していくことが必要であり、
そのためにどのように目標値を設定し定量化して管理していくのかについて示唆を与え、戦略タスクフォース
についての目標管理について議論する。
(2)10:30~12:00
ウォームアップセッションⅠ「埋没する技術・無力化する知財―現象と処方箋」
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
【内容】
多くの企業で技術は埋没し知財は無力化している。技術を生かす戦略や、技術を収益に結び付けるビジネスモ
デルが欠けていては、技術も知財も生かされることはない。この傾向は電気電子、通信分野で顕著であったが、
IoT が多くの分野に普及するとともに、分野を超えた現象になっていくことは間違いないだろう。IoT,BD,AI
1
分野のビジネスモデル構築と知財戦略などの最新トピックスを交え、最近の事例と実証分析結果から技術の埋
没や知財の無力化の現象の実態とその処方箋について議論する。受講生一人ひとりに問いかけていく形で議論
を進め、本質を理解させることで、本プログラムのそれぞれのモジュールの意義と位置づけの理解を促す。以
降のモジュールを学習する動機付けを与える位置づけの講義。
【指導項目】
埋没する技術の事例とデータ、無力化する知財の事例のデータ、知的資産と競争力との関係、経営戦略とビジ
ネスモデルが介在するモデル、知識と知財のマネジメントの意義
(3)13:00~14:00
ウォームアップセッションⅡ「自己紹介と課題概要の発表」
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)、各教員
【内容】
受講生の自己紹介と自己検討課題の概要の発表を行う。この後相互課題学習を通じて他の受講生の課題の理解
と共有を進めるための準備を行う。
(4)14:00~17:00
ウォームアップセッションⅢ「ビジネスエコシステムを理解する」
【インストラクター】
立本博文(筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授)
【内容】
ビジネスエコシステムとは何か、何故注目されているのかについて、インテルのケースをもとにグループ討議
方式で理解を深めていく。全体のプログラムの戦略面でのコンテンツに対する学習の動機付けや焦点の形成な
どを狙いとしており、戦略タスクフォースプログラムのウォームアップセッションに位置付けられる。
【指導項目】
ビジネスエコシステムとは、ビジネスエコシステムの変遷、オープン&クローズ戦略とビジネスエコシステム、
ネットワーク外部性、国際標準にみるビジネスエコシステム
(5)18:00~20:00
ネットワーク交流会
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
里形玲子(株式会社ラゴム)
他メンバー教員、アドバイザリーボード
【内容】
2
次週からの受講生同士のディスカッションなどで必要になるコミュニケーションを十分に取るためにお互い
を理解することで、将来のクラス構成員のネットワーキングの基盤をつくる。また 20 コマにわたって高いモ
チベーションで学習を継続するための動機付けを様々な形で行っていく。
【指導項目】
動機付けインタビュー、場面に合わせたスピーチ、その他
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■【B-1】平日開催B日程①
5 月 20 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
東京都千代田区丸の内 1-6-2 新丸の内センタービル 6 階
http://www.jpc-net.jp/others/marunouchi.html
「グローバルビジネス戦略と新興国」
【講師】
元橋一之(東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻教授)
【内容】
企業の技術経営戦略について考えるうえで、モノづくりからソリューションビジネスへの流れ、新興国の台頭
による世界経済の変貌に対応したイノベーション戦略を理解した上で、新事業戦略をグローバルに展開する際
のリスクとベネフィットのトレードオフについて学習する。
【指導項目】
インドにおけるインフラビジネスの立ち上げに関する事例研究をベースにディスカッションを行う。その上で、
レビューを行いながら、グローバルレベルでの経済情勢と新興国ビジネスの重要性。モノづくりからソリュー
ションビジネスへの流れ、模倣されにくいビジネスモデル(複合的ソリューションビジネス)などについて解
説を行う。
【テキスト】
『グローバル経営戦略』元橋一之(東京大学出版会)2013 年 3 月
*授業の前に第 1 章~第 5 章(全部で 100 ページ強)に目を通し、特に第 5 章(インドの日本企業向け工業団
地の事例研究)を熟読して P116 の演習問題について解答を用意しておくこと。授業は第 5 章を題材としたデ
ィスカッションからスタートする。
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■【B-2】平日開催B日程②
5 月 27 日(金)18:00~20:30
「経営戦略の理解」
3
日本生産性本部経営アカデミー
【講師】
新宅純二郎(東京大学大学院経済学研究科教授)
【内容】
競争戦略論の基礎的なフレームワークと概念を理解することが目的である。そのうえで、製造業のグローバル
戦略、新興国企業との競争戦略についても触れる。特に製造業企業の生産現場の重要性やその評価を正確に行
うことを基盤として、経営戦略の充実を適切に図っていくことの大切さについても学ぶ。タスクフォースで実
践を目的とするオープン&クローズ戦略等の基礎として位置付けられる。
【指導項目】
経営戦略とは、競争優位の実現と維持、顧客価値と価値マップ
【テキスト】
網倉久永・新宅純二郎(共著)『経営戦略入門』日本経済新聞出版社,2011 年
*1 章、2 章、6 章を必読とする。
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■【B-3】平日開催B日程③
6 月 3 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
「オープン&クローズ戦略」
【講師】
小川紘一(東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)
【内容】
世界の産業界が 100 年に一度ともいうべき構造転換に直面している事実とその背景を、ソフトウエア
リッチな産業の興隆という視点から解きほぐすのが第一の狙い。第二の狙いは、製造業のグローバライゼーシ
ョン、ビジネス・エコシステム型のグローバル産業構造、新興国の興隆、などに象徴される21世紀の市場で、
①これまでの常識が通用しなくなった事実、②先進国型製造業としての勝ちパターン再構築が必須となった事
実、③再構築で中心的な役割を担うのがオープン&クローズの戦略思想であり、知財マネージメントであるこ
とを、歴史的な視点や内外の多様な事例から学び、第三に、これを自らの手で具体化できる軍師型人財の育成
を目的とする。
【指導項目】
日本経済における製造業の位置付け、100 年ぶりに起きたグローバル市場の産業構造転換と競争ルールの変化、
およびその変化をもたらす
技術体系の変貌と製品アーキテキクチャーの転換、自然法則の産業化と論理体系
の産業化の違い、ここから見た日本の製造業の現状と課題、企業人が自らの手で産業構造や競争ルールを変え
ることのできる時代の登場と、この経営環境の中のオープン&クローズ戦略思想の役割、ケーススタディ:オ
4
ープン&クローズ戦略で再構築された内外企業の勝ちパターン、*ICT/エレクトロニクス産業、自動車産業、
部品・材料産業、グローバルなビジネス・エコシステムを介した市場支配の仕組み作りとこれを支える知財マ
ネージメントの体系,*IoT の時代に欧米企業が繰り出すビジネスモデル分析と日本企業のモデル分析、
【テキスト】
『増補改訂版オープン&クローズ戦略―日本企業再興の条件―』小川紘一(翔泳社)2015 年 12 月
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■【B-4】平日開催 B 日程④
6 月 10 日(金)18:00~20:30
東京都中央区日本橋本町 2-3-11
日本橋ライフサイエンスビル 313 会議室
日本橋ライフサイエンスビルカンファレンスルーム
3階
https://www.nihonbashi-lifescience.jp/#
相互課題学習セッションⅠ
【会場管理】
戦略タスクフォースリーダー養成プログラム事務局
【内容】
受講生の課題を効果的に共有するためのセッション。運営は受講生から選ばれた幹事を中心に自主的に行うこ
とを基本とする。必要に応じてファシリテーター役の教員が効果的な共有を指導する。
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■【A-2】土曜開催A日程②
6 月 18 日(土)10:00~17:00
東京大学経済学研究科学術交流棟(小島ホール)
共通モジュール「新世代の産業世界観・産業歴史観とビジネスモデル」
①②③
3 コマ
【共通モジュールインストラクター】
妹尾堅一郎(NPO 法人産学連携推進機構理事長)+
協力スタッフ
【内容】
戦略タスクフォースで行う事業戦略に関する議論の共通基盤とすべき概念群、モデル群、語彙等について、そ
の基礎を、文献購読、講義・ワークショップ(グループワーク)を通じて学ぶ。
【指導項目】
① 産業世界観・産業歴史観の変遷と含意(特に、IoT の産業生態系に関わる影響について)
② 基本的なビジネスモデル群とそれを支える知財マネジメントの基本型とその進化型
(特に、製造業とサービスの関係性の変容と多様化について=製造業のサービス化の類型)
③ イノベーションデザインの起点をつくる基本概念群
5
【テキスト】
妹尾堅一郎『技術で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』ダイヤモンド社、2009 年
妹尾堅一郎『新ビジネス発想塾』(週刊東洋経済 2012/5/12 号~2014/5/17 号)冊子(私家版)
妹尾堅一郎『妹尾教授のビジネスモデル塾』(月刊『商工ジャーナル』連載) 冊子
配布プリント
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■【B-5】平日開催B日程⑤
6 月 24 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
「デザイン・ドリブン・イノベーションと顧客経験価値創造」
【講師】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
杉光一成(金沢工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科教授)
吉岡(小林)徹(一橋大学イノベーション研究センター特任講師、東京大学公共政策大学院特任講師)
企業のゲスト講師
調整中
【内容】
「デザイン」概念の変化とともに、デザインがイノベーションに強く関係するという論説が増えつつある。
ここではそのような先行研究等について紹介・検討するとともに、デザイン主導のイノベーションに欠かせな
い顧客経験価値創造の考え方や実践方法について事例を通じて学ぶ。デザイン主導でイノベーションが起きた
と考えられている国内外の具体的事例をパネル討論も交えて検討する。また,防水繊維のゴアテックスやテフ
ロン加工のように,イノベーティブな技術に顧客吸引力を付加する「技術のブランド化」や知的財産をもちい
たマーケティングなどについても言及を行う。
【テキスト】
主教材:パワーポイントテキスト
参考書:ロベルト・ベルガンティ『デザイン・ドリブン・イノベーション』(邦訳)2012 年
P・コトラー,ヴァルデマール・ファルチ『イノベーション・ブランド戦略』(邦訳)2014 年
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■【B-6】平日開催B日程⑥
7 月 1 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
「ビジネスエコシステムと事業戦略(大企業と中小企業の事例、標準化戦略)
」
【インストラクター】
糸久正人(法政大学大学院公共政策研究科准教授)
6
嶋田周吉(ファソテック・ホールディングス株式会社代表取締役社長)
【内容】
オープン領域を設けることで、新たなビジネスエコシステムを構築し、自社の競争力強化に結び付けている企
業の事例を学ぶ。こうしたオープン領域の活用には多様性があり、経営資源の乏しい中小企業だからこそ有効
な活用ができている事例もある。実際に新たなビジネスエコシステムの構築を目指している中小企業のケース
(ファソテックの3次元医療モデル事業)をもとに、戦略タスクフォースで提言する事業戦略がビジネスエコ
システムを構築するためには、どのようなポイントが重要なのか、それを実践するうえでどのようなマネジメ
ントが必要になるのかを理解する。
【指導項目】
ビジネスエコシステム、中小企業におけるオープン&クローズ戦略、国際標準、国際標準機関、
標準策定プロセス、標準に対する戦略的行動
【テキスト】
未定
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■【B-7】平日開催B日程⑦
7 月 8 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
「新興国イノベーション戦略」
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
新興国戦略を実践している企業のゲスト講師
調整中
【内容】
オープン&クローズ戦略など最新のイノベーション戦略の推進に際しては、しばしばオープン側において新興
国企業との連携が不可欠になる。そこで行われる研究開発や知財マネジメントにおいても多くの配慮すべきこ
とが存在する。新興国におけるビジネスや戦略の実践の成功要因について、新興国イノベーション戦略を実践
しているゲスト講師のお話をもとに議論を深めていく。
企業の新たな経営戦略実践に際してのタスクフォースの類型として、オープンイノベーションにおける新興国
政府との関係構築などについても議論を行う。
【指導項目】
新興国政府との連携、新興国における産学連携(新興国大学との連携)、国際機関や政府間関係、新興国知財
戦略、他
7
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■【B-8】平日開催 B 日程⑧
7 月 15 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
相互課題学習セッションⅡ
【会場管理】
戦略タスクフォースリーダー養成プログラム事務局
【内容】
受講生の課題を効果的に共有するためのセッション。運営は受講生から選ばれた幹事を中心に自主的に行うこ
とを基本とする。必要に応じてファシリテーター役の教員が効果的な共有を指導する。
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■【A-3】土曜開催A日程③
7 月 23 日(土)10:00~17:30
東京大学経済学研究科学術交流棟(小島ホール)
(1)10:00~12:00
イノベーションエコシステム
セッションⅠ
「東京大学の産学連携とイノベーションエコシステム」
【インストラクター】
各務茂夫(東京大学産学協創推進本部教授、イノベーション推進部長)
日本経済団体連合会などからゲスト講師
調整中
【内容】
大学、政府、ベンチャー、ベンチャーキャピタルなどからなるイノベーションエコシステムを、企業の経営戦
略においていかにして活用していくのかが益々重要になってきている。日本では産学連携というと大学との共
同研究をさすことが多いが、大学は人材や知財のネットワークが国内外のベンチャーやベンチャーキャピタル、
政府などに広がるイノベーションエコシステムの一角を形成している点で、企業との連携のあり方は本来多義
的である。ここでは東京大学の産学連携を例に企業との連携のあり方を議論していく。特に大学のイノベーシ
ョンエコシステムの理解を深めるために、東京大学のインキュベーション施設を訪問し、実際のベンチャー企
業の見学や経営者との議論を通じて、大企業とベンチャー企業との連携について考察を深める。
本プログラムは「経団連-東京大学ベンチャー創出会議」が協賛して実施される予定。
(2)13:00~15:00
イノベーションエコシステム
セッションⅡ
「イノベーションエコシステムの形成と活用」
【講師】
福嶋
路(東北大学大学院経済学研究科教授)
8
【内容】
セッションⅠ、Ⅱを通じてイノベーションエコシステムについて概ね理解したうえで、米国におけるイノベー
ションエコシステムの形成と活用について学ぶ。知財を生み出しその活用を実現の確率を上げるためには、
個々の企業の努力だけでは十分ではなく、企業を取り囲むエコシステムまで視野を広げる必要がある。本講義
においては、知財の活用を促進するためのエコシステムの意義、特徴、およびその形成について学ぶ。エコシ
ステムのなかには、大企業や中小企業、ベンチャー、自治体、大学など多様なプレーヤーが含まれるが、それ
ぞれが果たすべき役割や連携の在り方、具体的には中小企業・ベンチャー企業との連携、またそれを促進する
社会的仕組みとは何かについて考えていく。また、それを実現するためには、どのような地域資源にアクセス
し、どのように発掘・活用していけばよいのかを考えていく。
【指導項目】
エコシステムとは何か、知財活用におけるエコシステムの役割、エコシステムの中のプレーヤーとその役割、
エコシステム内のプレーヤー間の連携、事例紹介
【参考図書】
福嶋
路『ハイテク・クラスターとローカル・イニシアティブ:テキサス州オースティンの奇跡はなぜ起こっ
たのか』白桃書房、2015 年
西澤昭夫, 忽那憲治, 樋原伸彦, 佐分利応貴, 若林直樹『ハイテク産業を創る地域エコシステム』有斐閣、2012
A.サクセニアン『現代の二都物語』日経 BP 社、2009 年
(3)15:10~17:30
イノベーション創出に向けてメンバーの多様性を活かす「タスクフォース組織マネジメント」
【インストラクター】
犬塚
篤(名古屋大学大学院経済学研究科准教授)
【内容】
多様な背景をもつメンバーの意見をまとめ、経営幹部層との意思疎通を図ることの難しさから、一般的にはタ
スクフォースの成功確率は低くなる。しかし他方でメンバーの多様な背景を活用することで、タスクフォース
のパフォーマンスは既存の組織による取り組みに比べて、非常に高いパフォーマンスを発揮する可能性がある。
組織メンバーから協力体制を引きだせないジレンマに陥ってしまう原因はそもそもどこにあるのか、またメン
バーからの多様な意見を集約させていくために、タスクフォースリーダーはどのようなことに気を配るべきか。
ここでは組織論の立場からタスクフォースのマネジメントの要諦について議論していく。
【指導項目】
ジレンマに陥るタスクフォース、ジレンマ脱出の原理、タスクフォースはどこまで研究されているのか、タス
クフォースのメンバー構成、タスクフォースにおける意思決定法、タスクフォースにおけるリーダーの役割
【テキスト】
9
なし
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■【B-9】平日開催B日程⑨
7 月 29 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
「経営者の視界を学ぶ」
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
【特別ゲスト】
江村克己 (日本電気株式会社 執行役員)
【内容】
組織の構成員と組織の経営者が見ている視界は大きく異なるのが普通だが、経営戦略を提案し実践していくタ
スクフォースリーダーにとって、経営者の視界で戦略を構築提案し、経営者の視線で戦略の実践を進めていけ
るかどうかが最大のポイントとなる。ここでは経営戦略策定のため、経営トップにどのように働きかけていく
のかについて、企業の経営幹部をゲストにお招きして議論を行う。
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■【B-10】平日開催 B 日程⑩
8 月 5 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
相互課題学習セッションⅢ
【会場管理】
戦略タスクフォースリーダー養成プログラム事務局
【内容】
受講生の課題を効果的に共有するためのセッション。運営は受講生から選ばれた幹事を中心に自主的に行うこ
とを基本とする。必要に応じてファシリテーター役の教員が効果的な共有を指導する。
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■【A-4】土曜開催A日程④
8 月 27 日(土)10:00~18:00
東京大学経済学研究科学術交流棟(小島ホール)
(1)10:00~12:00「オープン&クローズ知財マネジメント」
【インストラクター】
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渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
【内容】
戦略タスクフォースが目指すオープン&クローズ戦略の実行にあたっては、技術資産や知財を 2 つに分割して、
それぞれ異なる知財マネジメントによってそれぞれの目的に沿うように運用していくことが求められる。この
時の知財マネジメントとは知財の出願権利化、秘匿、公開の 3 要素に加えて、これらを用いて他者や場合によ
っては不特定コミュニティーとの関係性を制御するために行われる契約や規約、宣言などの契約マネジメント
が重要である。ここでは特に最近発達してきたオープンな知財マネジメントについて、事例を交えながら具体
的な運用方法などを理解する。パテントコモンズの契約を題材にケース討論を行って理解を深める。
【指導項目】
知財マネジメントの 3 要素、時系列のマネジメント、技術の不確実性と知財マネジメント、知財を用いたアラ
イアンス戦略、パテントプール、オープンソースソフトウエア、知財コモンズ、クアルコムの知財戦略とマネ
ジメント(事例)
【テキスト】
渡部俊也『イノベーターの知財マネジメント』白桃書房
2012 年
(2)13:00~15:00「戦略データの分析演習」
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
犬塚
篤(名古屋大学大学院経済学研究科准教授)
藤原綾乃(文部科学省科学技術・学術政策研究所主任研究官)
吉岡(小林)徹(一橋大学イノベーション研究センター特任講師、東京大学公共政策大学院特任講師)
【内容】
オープン&クローズ戦略を代表とする戦略構築にあたっては、影響を与えようとするビジネスエコシステムに
対して自社の経営資源がどのような位置づけにあるのか、そもそもどのようなビジネスエコシステムが既に形
成されているのか等の分析を行う必要がある。その際企業に関する膨大な公開データを最新の統計理論などを
用いて分析できるかどうかは、戦略構築の有効性に対して大きな差異を生じる。ここでは特許等の知財データ
を、ネットワーク理論や様々な統計解析手法を用いることで、組織マネジメントと戦略構築に有効に活用する
方法を学ぶ。あわせて自社の状況を定量的に把握するための最新の理論を用いたアンケート調査の方法などに
ついても学習する。
【指導項目】
特許等の統計解析、社会ネットワーク理論、知財データの収集方法、質問票調査の設計と解析、新興国知財デ
ータの収集方法、事例(自動特許庁、自動裁判所、移動発明者の分析、デザイン活動の分析、他社牽制知財戦
略、中国知財データの分析、その他)
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【備考】
エクセル統計を用意すること。
(3)15:10~18:00「アライアンス戦略の形成とその実践のための交渉マネジメント」
【インストラクター】
二又俊文(東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)
木村晋朗(インフォート国際特許事務所弁理士)
【内容】
自社の経営資源を補うためのアライアンスに際しては、相手の意向を無視して戦略立案を行っても現実性はな
い。特にオープン&クローズ戦略におけるオープン領域の組織間関係を適切なものとしていくためには、多様
な組織間関係を制御し、一つの目的に向かって機能するよう交渉タスクフォースにより交渉することが効果的
である。また、的確なリスクマネージメントも欠かせない。
本モジュールではライセンス交渉・共同開発をケース題材に経営目標を実現するための交渉マネジメントをロ
ールプレイの演習を通じて学ぶ。具体的には交渉学の基本を確認した後、知財環境の変化のもとでの、新たな
知財交渉の位置づけを確認する。交渉を準備段階と遂行段階に分け、準備段階ではゴールセッティングとデュ
ーデリジェンス、遂行段階ではヒューマンファクターへの理解を確認する。講義ではチーム対抗形式によるロ
ールプレイ模擬交渉(2 本)を行い、理論・実践サイクルで学習者自身による習得を促す。
【指導項目】
組織間関係、戦略的アライアンス、戦略に沿った契約交渉方針。交渉のフレームワーク、フロー、準備と時間
管理。交渉チーム構築。交渉シナリオの作成。BATNA。Term Sheet。
【テキスト】
主教材:パワーポイント資料(交渉の組み立ての理論と実践)
事前配布:
① 交渉ケーススタディ集(特許庁H26・27年度グローバル人材育成推進事業資料より抜粋)
② 二又俊文『進化する知財ネゴシエーション』日本知的財産協会『知財管理』誌2015年5月号(配布)
参考書:
ロジャー・フィッシャー『ハーバード流交渉術』2011三笠書房
アラン・ランプルー『交渉のメソッド~リーダーのコア・スキル』2015白桃書房
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■【合宿研修】9 月 3 日(土)~4(日)1泊2日
※湘南国際村センター
神奈川県三浦郡葉山町上山口 1560-39
http://www.shonan-village.co.jp/
(1)9 月 3 日(土)
12:30~17:00
「ビジネスモデル提案発表討論会」
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【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
小川紘一(東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)
その他教員
【内容】
ここまで取り組んできた各自のタスクフォースにまつわる課題について検討結果の発表を行い、インストラク
ターから指導を受ける。本プログラム全体の成果の位置づけとなる。
【指導項目】
ビジネスモデルのあり方と要諦、企業家精神、大企業とベンチャーのアライアンス等
(2)9 月 4 日(日)
9:30~12:00
「タスクフォースの組織化と効果的な運営パネル討論」
【モデレーター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
【パネリスト】
柳生一史(INPIT独立行政法人工業所有権情報・研修館 海外知的財産プロデューサー)
小川紘一(東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)
【内容】
タスクフォースの組織化やタスクフォースの運営に当たった経験者の討論から、今後戦略タスクフォースに取
り組んでいくための実務的な要諦を学ぶ。
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■【B-11】平日開催B日程⑪
9 月 16 日(金)18:00~20:30
日本生産性本部経営アカデミー
「ラップアップと標準コース修了式」
【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
【内容】
今までの振り返り、気づきの整理、実践のための課題と解決法、修了式
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■フォローアップ通信、フォローアップ研修
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【インストラクター】
渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授)
【内容】
およそ半年後にフォローアップのための状況確認をメール上で行い(フォローアップ通信)、さらにおよそ 1 年
後に受講の効果の把握、動機付けのフォロー、受講プログラム期間中でカバーできなかった課題のフォローア
ップ、ネットワーキングの拡大、などの狙いでフォローアップミーティングを実施します(アルムナイネット
ワーキングイベントも併設予定)。またフォローアップ研修の後、派遣企業の方に収集データを分析した「戦
略タスクフォースリーダー養成結果報告書(フィードバック報告書)
」をお送りいたします。
★テーマ候補
インダストリー4.0、ビッグデータとシステム標準、その他
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■■お問い合わせ先■■
戦略タスクフォースリーダー養成プログラム事務局
[email protected]
http://pari.u-tokyo.ac.jp/unit/iam_stfl/index.php
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