大田区立龍子記念館 名 作 展 「 草 が 実 る 龍子の庭園植物記 」 2016 年 4 月 19 日(火)∼ 8 月 28 日(日) Ryushi Memorial Museum Ryushi Kawabata Exhibition Fruitful Weeds : His works as Flora April 19 , − August 28 , 2016 龍子公園のご案内時刻 Ryushi Garden Guided Tour ⑯ ⑮ ⑭ 10:00、11:00、14:00 職員がご案内します。 受付 reception エントランス ホール ⑬ 展示室 entrance hall exhibition room WC ① ⑫ ② ③ ⑪ ④ 【ギャラリートークのご案内】 各日 13:00 ∼ ⑤ 4 月 30 日(土)、5 月 29 日(日)、6 月 26 日(日) ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑥ 7月 31 日(日)、8 月 28 日(日) 展示作品 作品名 形状 出品展 1951 年(66 才) 242.4×727.2cm 紙本彩色・額 第 23 回青龍展 ②「河童青春 水芭蕉」 Kappa s Youth -Skunk Cabbages 1957 年(72 才) 122.5×94.0cm 紙本彩色・額 第 25 回春の青龍展 ③「河童青春 井守」 Kappa s Youth -Newts 1957 年(72 才) 122.5×94.0cm 紙本彩色・額 第 25 回春の青龍展 ④「立 秋」 Autumn Begins 1932 年(47 才) 172.1×226.0cm 絹本彩色・額 第 4 回青龍展 ①「翡 翠(かわせみ)」 Title 制作年/年齢 The Realm of Jades サイズ ( 縦 × 横 ) Thinking of Snow- 1935 年(50 才) 165.1×762.0cm 紙本彩色・六曲一双 ⑤「炎庭想雪図」 Covered Garden on a Hot Day 第 7 回青龍展 第 3 回喜寿記念 絹本彩色・六曲一双 龍子の歩み展 ⑥「草 の 実 」 Seeds of Grasses 1931 年(46 才) ⑦「茸狩図」 Mushroom Hunt 1936 年(51 才) 243.5×485.0cm 紙本彩色・額 ⑧「獺 祭」 Otter s Feast 1949 年(64 才) 154.5×245.0cm 紙本彩色・額 第 21 回青龍展 ⑨「花鳥諷詠」 Composing Poems of Birds and Flowers 1954 年(69 才) 112.0×176.0cm 絹本彩色・額 第 22 回春の青龍展 ⑩「水中梅」 Plum Blossoms in Water 1947 年(62 才) 134.2×72.7cm 絹本彩色・額 憲法記念現代展 177.2×765.4cm 第 1 回帝国美術院展 裏面へ⇒ 大田区立龍子記念館 名 作 展 「 草 が 実 る 」 2016 年 4 月 19 日(火)∼ 8 月 28 日(日) Ryushi Memorial Museum 作品名 Ryushi Kawabata Exhibition Fruitful Weeds : His works as Flora Title 制作年/年齢 ⑪「秋縁」 Veranda in Autumn ⑫「爆弾散華」 形状 出品展 1947 年(62 才) 249.0×146.5cm 紙本彩色・額 第 19 回青龍展 Bomb Exploding 1945 年(60 才) 249.0×188.0cm 紙本彩色・額 第 17 回青龍展 ⑬「龍子垣」 Flowers and Wood Shavings 1961 年(76 才) 242.0×729.5cm 紙本彩色・額 第 33 回青龍展 ⑭「春池」 Plum Blossoms and Bush Warblers 1944 年(59 才) 147.3×69.9cm 絹本彩色・額 第 12 回春の青龍展 ⑯「花と鉋屑」 Flowers and Wood Shavings 1920 年(35 才) 137.6×108.9cm 絹本彩色・額 再興第 7 回院展 ⑯「後圃蒐菜」 1932 年(37 才) 161.7×167.9cm 紙本彩色・二曲一隻 Harvest in a Vegetable Garden サイズ ( 縦 × 横 ) April 19 , − August 28 , 2016 第 4 回青龍展 ほか展示作品下図及び関連スケッチ 15 点 計 31 点 展示解説 ■《炎庭想雪図》の白、《草の実》の黒 《炎庭想雪図》 (1935 年)では、冬に枯れて春に芽を出すはずのバショウの葉に雪が降り積もる奇想天外な光景が 表わされている。これは中国唐代の詩人で、 南画の祖と仰がれる王維が描いた雪中芭蕉を題材としている。龍子は、 前年にサイパンやパラオなどの南洋諸島を旅行した際に構想したと言う。夏の庭草の鮮やかな緑青と対照的に雪 の白色が配置され、画中のヤマユリやタケニグサといった植物は雪の重みでしなだれている。その写実的な表現に 対し、評論家の川路柳虹は、 「超現実主義的」表現であると評している( 「青龍社の作者」 『青龍社第七回展覧会出 品目録』1935 年 9 月) 。一方、 《草の実》 (1931 年)においては、 装飾経の紺地金泥の手法を活用している。そのため、 絹地の色は黒ではなく濃紺である。そこに焼金、青金、白金などを巧みに使い、龍子は自宅近辺で目にした夏から秋に かけての雑草の生命力を繊細に、そして神秘的に表現した。俳人・水原秋桜子が「虫が一匹もいないこと」に着目し ているように、通常、花鳥画に描きこまれているはずの生き物がまったく見当たらないことから、草むらひとつの表 現だけで作品を成り立たせようとする画家の決意を見てとることができる。 ■龍子の建築へのこだわりと自然観 龍子公園内には、龍子が生前暮らした旧宅が保存されている。その旧宅について龍子は、 「拙宅は道路から玄関 へ歩む両側、玄関から画室への両側、これがいずれも孟宗竹を丸のまま使った竹垣である。この孟宗は、伊豆の修 善寺に菩提寺や別荘があるのでよくでかけるところから、そこで見かけるこの孟宗を家のどこかに活かして使いた いと、かねてから思っていたものだ」と述べている( 「< 趣味に教えられる > 棟上げ二十回」 『オール生活』1956 年 11 月号) 。また、庭に配置されている石は修善寺川からトラックで運んできたものだと言われている。つまり、旧 宅の腰壁の竹や公園内の特徴的な竹垣、庭石に到るまで、別荘を建てるほど親しんでいた伊豆の風情を生活の中で 楽しむための趣向が凝である。このような建築と自然への視点は、本展出品作《龍子垣》 (1961 年)における修 善寺の別荘・青々居にかつてあった龍子デザインによるアーチ状の竹垣や、 《花と鉋屑》 (1920 年)の鉋で削られ た木くずが散った水面から蓮が大輪を力強く咲かしている光景にも見出すことができる。どちらの作品も手法は 違えど、人工物と自然が共存する龍子の自然観が強く表わされている。 〇次回展予告 名作展 「大正から昭和へ 再考―昭和期の龍子作品 (仮称) 」 2016 年 9月 10 日 (火) ∼12月18 日 (日) 龍子は昭和3年 (1928) に再興日本美術院を脱退すると、 その翌年、 自らの美術団体・青龍社を設立しました。 昭和期の幕開けとともに展開していった龍子の青龍社での活動を、 代表作とともに再興します。 ※次回展終了後、 年末年始、 展示室内工事及び展示替えのため、 約1か月間休館します。 2017年2月1日 (水) から 「仏と画業 「わが持仏堂」 を中心に (仮称) 」 を開催予定です。
© Copyright 2025 ExpyDoc